トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ




【発明の名称】 インクジェット装置
【発明者】 【氏名】青木 龍二
【住所又は居所】大阪府大東市中垣内7丁目7番1号 船井電機株式会社内

【要約】 【課題】インクペンが用紙に引っ掛かることによる印刷エラーの発生や、印字汚れの発生を防止することが可能なインクジェット装置を提供する。

【解決手段】このインクジェット装置は、排出ローラ111が設けられる領域Aよりも外側の左右の領域Bにそれぞれ1つずつ設けられ、スターホイール113よりも最大で約0.5mm低い高さ位置で用紙102に接触するように、スターホイール113と実質的に同一線上に設けられた2つのスターホイール1を備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 用紙に対して印字を行うためのインクペンと、同一の回転軸の外周に設けられ、前記インクペンにより印字が行われた用紙を排出するための複数の排出ローラと、前記複数の排出ローラにそれぞれ対向するように1つの列状に設けられ、前記排出ローラとの間に前記用紙を通過させることによって前記用紙の排出を行う複数の第1スターホイールとを備えたインクジェット装置において、前記排出ローラが設けられる領域よりも外側の左右の領域にそれぞれ1つずつ設けられ、前記第1スターホイールよりも低い高さ位置で前記用紙に接触するように、前記第1スターホイールと実質的に同一線上に設けられた2つの第2スターホイールを備えたことを特徴とする、インクジェット装置。
【請求項2】 用紙に対して印字を行うためのインクペンと、同一の回転軸の外周に設けられ、前記インクペンにより印字が行われた用紙を排出するための複数の排出ローラと、前記複数の排出ローラにそれぞれ対向するように設けられ、前記排出ローラとの間に前記用紙を通過させることによって前記用紙の排出を行う複数の第1スターホイールとを備えたインクジェット装置において、前記排出ローラが設けられる領域よりも外側の領域に、前記第1スターホイールと実質的に同一線上に設けられた第2スターホイールを備えたことを特徴とする、インクジェット装置。
【請求項3】 前記第2スターホイールは、前記排出ローラが設けられる領域よりも外側の左右の領域にそれぞれ1つずつ設けられている、請求項2に記載のインクジェット装置。
【請求項4】 前記第2スターホイールは、前記第1スターホイールよりも低い高さ位置で前記用紙に接触するように設けられている、請求項2または3に記載のインクジェット装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェット装置に関し、特に、印字された用紙を排出する機能を備えたインクジェット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット装置において、用紙を排出するための複数の排出ローラと、複数のスターホイールとを備えたインクジェット装置が知られている。
【0003】図4は、従来のインクジェット装置の全体構成を示した斜視図である。図4を参照して、従来のインクジェット装置では、シャーシ101の外側に、用紙102が載置されるシートフィーダ103が設けられている。そして、シャーシ101には、主軸104が取り付けられている。主軸104には、インクキャリア105が横方向に移動可能に取り付けられている。インクキャリア105には、2つのインクペン106が装着されている。また、シャーシ101には、歯付きベルト107を介して、インクキャリア105を横方向に移動させるためのキャリッジ用モータ108が取り付けられている。
【0004】そして、シャーシ101内の下方中央部には、印字部に用紙102を搬送するための複数のフィードローラ109が回転軸109aに取り付けられている。この複数のフィードローラ109の上方には、複数の押さえローラ110が設けられている。また、インクペン106により印字された用紙102を排出するための複数の排出ローラ111が回転軸111aに取り付けられている。そして、回転軸109aの回転を回転軸111aに伝達するために、ベルト112が取り付けられている。また、複数のスターホイール113が、複数の排出ローラ111にそれぞれ対向するように、排出ローラ111の上方に1つの列状に設けられている。このスターホイール113は、スターホイール113と排出ローラ111との間に用紙102を通過させることによって、用紙102の排出を行うために設けられている。また、シャーシ101内の下方右端には、インクペン106のクリーニングを行うためのメンテナンスユニット114が設けられている。
【0005】図5は、図4に示した従来のインクジェット装置の印字中の状態を示した側面図である。図6は、図4に示した従来のインクジェット装置の動作を説明するための正面図である。次に、図4〜図6を参照して、従来のインクジェット装置の動作について説明する。
【0006】従来のインクジェット装置の動作としては、図5に示すように、印字を行う場合、回転軸109aが給紙方向(反時計回り)に回転するので、回転軸109aに取り付けられた複数のフィードローラ109も給紙方向(反時計回り)に回転する。これにより、シートフィーダ103(図4参照)に載置された用紙102がフィードローラ109の給紙方向(反時計回り)の回転により印字部に搬送される。この際、回転軸109aの回転がベルト112(図4参照)を介して回転軸111aに伝達されるので、回転軸111aに取り付けられた複数の排出ローラ111が排紙方向(反時計回り)に回転する。そして、印字部に用紙102が搬送されると、メンテナンスユニット114(図4参照)上で待機していたインクペン106は、印字部に横方向に移動する。これにより、インクペン106による印字が開始される。そして、印字中の用紙102の先端が排出ローラ111に到達すると、排紙方向(反時計回り)に回転する排出ローラ111によって用紙102が矢印C方向に移動されて排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に示した従来のインクジェット装置では、図6に示すように、用紙102が排出される際、スターホイール113が設けられている領域Aよりも外側の左右の領域Bを用紙102の左右の端部102aが通過する。これにより、用紙102は、用紙102の左右の端部102aが上方から押さえられていない状態で排出される。このため、用紙102が反っていた場合、図6に示したように、用紙102の浮き上がった左右の端部102aと横方向に移動するインクペン106の先端106aとが接触するという不都合があった。その結果、インクペン106が用紙102に引っ掛かることによる印刷エラーや、印字汚れが発生するという問題点があった。
【0008】また、複数の排出ローラと複数のスターホイールとを備えた従来のインクジェット装置の他の例が、特開平7−61072号公報、特開平10−129059号公報、特開平10−129910号公報および特開2001−302060号公報などに開示されている。上記特開平7−61072号公報には、左右の端部の排出ローラの上方に設けられたスターホイールが、中央部のスターホイールよりも高い位置に設けられている例が開示されている。また、上記特開平10−129059号公報には、スターホイールの上方に用紙を通過させる例が開示されている。また、上記特開平10−129910号公報には、上向きに湾曲して排出される用紙の中央部を押さえるために、中央部にスターホイールを追加する例が開示されている。また、上記特開2001−302060号公報には、排出される用紙をスターホイールによって波型に湾曲させる例が開示されている。
【0009】しかしながら、上記した特開平7−61072号公報、特開平10−129059号公報、特開2001−302060号公報および特開平10−129910号公報に開示された従来のインクジェット装置では、印字中にインクペンが用紙の左右の端部に接触するのを防止する対策がなされていない。そのため、図4に示した従来のインクジェット装置と同様、用紙が反っていた場合に用紙の浮き上がった左右の端部とインクペンの先端とが接触するのを防止するのが困難である。その結果、上記各公報に開示された従来の構造では、インクペンが用紙に引っ掛かることによる印刷エラーや、印字汚れが発生するのを防止することは困難である。
【0010】この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、インクペンが用紙に引っ掛かることによる印刷エラーの発生や、印字汚れの発生を防止することが可能なインクジェット装置を提供することである。
【0011】この発明のもう1つの目的は、上記のインクジェット装置において、用紙の左右両方の端部の浮き上がりを防止することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1によるインクジェット装置は、用紙に対して印字を行うためのインクペンと、同一の回転軸の外周に設けられ、インクペンにより印字が行われた用紙を排出するための複数の排出ローラと、複数の排出ローラにそれぞれ対向するように1つの列状に設けられ、排出ローラとの間に用紙を通過させることによって用紙の排出を行う複数の第1スターホイールとを備えたインクジェット装置において、排出ローラが設けられる領域よりも外側の左右の領域にそれぞれ1つずつ設けられ、第1スターホイールよりも低い高さ位置で用紙に接触するように、第1スターホイールと実質的に同一線上に設けられた2つの第2スターホイールを備えたことを特徴とする。
【0013】請求項1によるインクジェット装置では、上記のように、排出ローラが設けられる領域よりも外側の領域に、第1スターホイールと実質的に同一線上に第2スターホイールを設けることによって、用紙の排出時に用紙が反っていた場合にも、用紙の左右方向の端部が浮き上がるのを防止することができる。これにより、用紙の端部の浮き上がりに起因してインクペンが用紙に接触するのを防止することができるので、インクペンが用紙に引っ掛かることによる印刷エラーの発生や、印字汚れの発生を防止することができる。また、第2スターホイールを、第1スターホイールよりも低い高さ位置で用紙に接触するように設けることによって、より有効に用紙の左右方向の端部の浮き上がりを防止することができる。さらに、第2スターホイールを、排出ローラが設けられる領域よりも外側の左右の領域に1つずつ設けることによって、用紙の左右両方の端部の浮き上がりを防止することができる。
【0014】請求項2によるインクジェット装置は、用紙に対して印字を行うためのインクペンと、同一の回転軸の外周に設けられ、インクペンにより印字が行われた用紙を排出するための複数の排出ローラと、複数の排出ローラにそれぞれ対向するように設けられ、排出ローラとの間に用紙を通過させることによって用紙の排出を行う複数の第1スターホイールとを備えたインクジェット装置において、排出ローラが設けられる領域よりも外側の領域に、第1スターホイールと実質的に同一線上に設けられた第2スターホイールを備えたことを特徴とする。
【0015】請求項2によるインクジェット装置では、上記のように、排出ローラが設けられる領域よりも外側の領域に、第1スターホイールと実質的に同一線上に第2スターホイールを設けることによって、用紙の排出時に用紙が反っていた場合にも、用紙の左右方向の端部が浮き上がるのを防止することができる。これにより、用紙の端部の浮き上がりに起因してインクペンが用紙に接触するのを防止することができるので、インクペンが用紙に引っ掛かることによる印刷エラーの発生や、印字汚れの発生を防止することができる。
【0016】請求項3によるインクジェット装置は、請求項2の構成において、第2スターホイールは、排出ローラが設けられる領域よりも外側の左右の領域にそれぞれ1つずつ設けられている。このように構成すれば、用紙の左右両方の端部の浮き上がりを防止することができる。
【0017】請求項4によるインクジェット装置は、第2スターホイールは、第1スターホイールよりも低い高さ位置で用紙に接触するように設けられている。このように構成すれば、より有効に用紙の左右方向の端部の浮き上がりを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施形態によるインクジェット装置の全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態によるインクジェット装置の印字部および用紙排出部の正面図である。まず、図1および図2を参照して、本実施形態によるインクジェット装置の構造について説明する。
【0020】本実施形態によるインクジェット装置の用紙排出部以外の構造は、図4に示した従来のインクジェット装置の構造と同様である。すなわち、図1に示すように、シャーシ101の外側に、用紙102が載置されるシートフィーダ103が設けられている。そして、シャーシ101には、主軸104が取り付けられている。主軸104には、インクキャリア105が横方向に移動可能に取り付けられている。インクキャリア105には、2つのインクペン106が装着されている。また、シャーシ101には、歯付きベルト107を介して、インクキャリア105を横方向に移動させるためのキャリッジ用モータ108が取り付けられている。
【0021】そして、シャーシ101内の下方中央部には、印字部に用紙102を搬送するための複数のフィードローラ109が回転軸109aに取り付けられている。この複数のフィードローラ109の上方には、複数の押さえローラ110が設けられている。また、インクペン106により印字された用紙102を排出するための複数の排出ローラ111が回転軸111aに取り付けられている。そして、回転軸109aの回転を回転軸111aに伝達するために、ベルト112が取り付けられている。また、シャーシ101内の下方右端には、インクペン106のクリーニングを行うためのメンテナンスユニット114が設けられている。
【0022】ここで、本実施形態では、図1および図2に示すように、用紙排出部において、複数のスターホイール113が、複数の排出ローラ111にそれぞれ対向するように、排出ローラ111の上方に1つの列状に設けられている。なお、このスターホイール113は、本発明の「第1スターホイール」の一例である。このスターホイール113は、スターホイール113と排出ローラ111との間に用紙102を通過させることによって、用紙102の排出を行うために設けられている。さらに、本実施形態では、図2に示すように、排出される用紙102の左右両端部102aが浮き上がるのを防止するためのスターホイール1が、排出ローラ111が設けられている領域Aよりも外側の左右の領域Bに、それぞれ、1つずつ設けられている。なお、このスターホイール1は、本発明の「第2スターホイール」の一例である。このスターホイール1は、スターホイール113よりも、最大で約0.5mm低い高さ位置で用紙102に接触するように設けられているとともに、スターホイール113と実質的に同一線上(同一列状)に設けられている。ここで、スターホイール1の高さ位置をスターホイール113に対して最大で約0.5mm低くするのは、約0.5mm以上に低くすると、スターホイール1によって用紙102に傷が付く可能性があるからである。
【0023】図3は、図1に示した一実施形態によるインクジェット装置の印字中の状態を示した側面図である。次に、図1〜図3を参照して、本実施形態によるインクジェット装置の動作について説明する。
【0024】本実施形態によるインクジェット装置の動作としては、基本的には、図4に示した従来のインクジェット装置の動作と同様である。すなわち、図3に示すように、印字を行う場合、回転軸109aが給紙方向(反時計回り)に回転するので、回転軸109aに取り付けられた複数のフィードローラ109も給紙方向(反時計回り)に回転する。これにより、シートフィーダ103(図1参照)に載置された用紙102がフィードローラ109の給紙方向(反時計回り)の回転により印字部に搬送される。この際、回転軸109aの回転がベルト112(図1参照)を介して回転軸111aに伝達されるので、回転軸111aに取り付けられた複数の排出ローラ111が排紙方向(反時計回り)に回転する。そして、印字部に用紙102が搬送されると、メンテナンスユニット114(図1参照)上で待機していたインクペン106は、印字部に横方向に移動する。これにより、インクペン106による印字が開始される。そして、印字中の用紙102の先端が排出ローラ111に到達すると、排紙方向(反時計回り)に回転する排出ローラ111によって用紙102が矢印C方向に移動されて排出される。
【0025】なお、本実施形態では、回転軸109aの回転速度を回転軸111aの回転速度より遅くすることにより、用紙102が排出ローラ111に引っ張られるので、印字部における用紙102の弛みが抑制される。
【0026】ここで、本実施形態では、図2に示したように、矢印C方向(図3参照)に排出される用紙102は、排出ローラ111とスターホイール113との間、および、スターホイール1の下方を通過する。このとき、複数の排出ローラ111が設けられている領域Aよりも外側の左右の領域Bにそれぞれ設けられたスターホイール1の下方には、用紙102の左右の端部102aが通過する。これにより、用紙102の左右の端部102aは、スターホイール1によって上方から押さえられた状態で排出される。なお、用紙102の左右の端部102aが印字されない余白領域であれば、用紙102を排出する際に、用紙102の印字面にスターホイール1の跡が残ることはない。
【0027】本実施形態では、上記のように、排出ローラ111が設けられる領域Aよりも外側の領域Bに、スターホイール113と実質的に同一線上(同一列状)にスターホイール1を設けることによって、用紙102の排出時に用紙102が反っていた場合にも、用紙102の左右方向の端部102aが浮き上がるのを防止することができる。これにより、用紙102の端部102aの浮き上がりに起因してインクペン106の先端106aが用紙102に接触するのを防止することができるので、インクペン106の先端106aが用紙102に引っ掛かることによる印刷エラーの発生や、印字汚れの発生を防止することができる。また、スターホイール1を、スターホイール113よりも最大で約0.5mm低い高さ位置で用紙102に接触するように設けることによって、より有効に用紙102の左右方向の端部102aの浮き上がりを防止することができる。さらに、スターホイール1を、排出ローラ111が設けられる領域Aよりも外側の左右の領域Bに1つずつ設けることによって、用紙102の左右両方の端部102aの浮き上がりを防止することができる。
【0028】なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0029】たとえば、上記実施形態では、排出ローラ111が設けられる領域Aよりも外側の左右領域Bに、スターホイール1をそれぞれ1つずつ設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、左右領域Bのどちらか一方のみにスターホイールを設けるようにしてもよい。
【0030】また、上記実施形態では、スターホイール1の高さ位置をスターホイール113に対して最大で約0.5mm低い高さ位置に設定するようにしたが、本発明はこれに限らず、インクペン106の先端106aが用紙102の端部102aに接触しない高さ位置であれば、どのような高さ位置にスターホイール1を設定してもよい。たとえば、スターホイール1をスターホイール113と同じ高さ位置に設定してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、インクペンが用紙に引っ掛かることによる印刷エラーの発生や、印字汚れの発生を防止することが可能なインクジェット装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
【住所又は居所】大阪府大東市中垣内7丁目7番1号
【出願日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−326785(P2003−326785A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−135914(P2002−135914)