| 【発明の名称】 |
画像形成装置および用紙先端部の印字処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】滝沢 三晴 【住所又は居所】東京都三鷹市下連雀6丁目3番3号 コピア株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】用紙先端の余白の大小に関わらず用紙先端の吸引を確実に行う。
【解決手段】印字開始時に用紙の先端部につきパス毎の用紙搬送を伴わない初期マルチパス印字処理を行った後、用紙搬送を伴う通常マルチパス印字処理に移行する。初期マルチパス印字処理時には、パス毎に用紙搬送下流側のノズル領域から順次上流側のノズル領域まで印字対象領域を拡大していくとともに、パス毎に印字対象のノズル領域に割り当てるべきマスクパターンを順次切り替えていく。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】用紙を搬送する搬送手段と、プラテンへの用紙吸引を行う用紙吸引手段と、画像データを記憶する記憶手段と、記憶された画像データに基づいて、用紙の搬送方向とほぼ直交する方向に走査しながら用紙上に印字を行うヘッドと、パス数分に分割されたノズル領域単位にノズルマスクを行うノズルマスク手段と、前記ノズル領域単位に印字データに対して異なるマスクパターンのうちの選択されたマスクパターンでデータマスクを行うデータマスク手段と、印字開始時に用紙の先端部の少なくとも1バンドについてパス毎の用紙搬送を伴わない初期マルチパス印字処理を行った後、用紙搬送を伴う通常マルチパス印字処理を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】前記制御手段は、前記初期マルチパス印字処理時に、前記ノズルマスク手段の制御によりパス毎に用紙搬送方向下流側のノズル領域から順次上流側のノズル領域まで印字対象領域を拡大していくとともに、前記データマスク手段の制御によりパス毎に印字対象のノズル領域に割り当てるべきマスクパターンを順次切り替えていくことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項3】前記制御手段は、印字開始前に用紙先端の余白のサイズをチェックし、余白が予め定めたサイズより小さい場合には前記初期マルチパス印字を行った後、前記通常マルチパス印字処理に移行し、余白が前記予め定めたサイズ以上である場合には前記処理マルチパス印字処理を行うことなく前記通常マルチパス印字処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。 【請求項4】搬送される用紙をプラテン上に吸引しながら、用紙搬送方向とほぼ直交する方向に走査されるヘッドで用紙上に印字を行う際の用紙先端部の印字処理方法であって、印字開始時に用紙の先端部につきパス毎の用紙搬送を伴わない初期マルチパス印字処理を行った後、用紙搬送を伴う通常マルチパス印字処理に移行することを特徴とする用紙先端部の印字処理方法。 【請求項5】前記初期マルチパス印字処理時に、前記ノズルマスク手段の制御によりパス毎に用紙搬送方向下流側のノズル領域から順次上流側のノズル領域まで印字対象領域を拡大していくとともに、前記データマスク手段の制御によりパス毎に印字対象のノズル領域に割り当てるべきマスクパターンを順次切り替えていくことを特徴とする請求項4に記載の用紙先端部の印字処理方法。 【請求項6】印字開始前に用紙先端の余白のサイズをチェックし、余白が予め定めたサイズより小さい場合には前記初期マルチパス印字を行った後、前記通常マルチパス印字処理に移行し、余白が前記予め定めたサイズ以上である場合には前記処理マルチパス印字処理を行うことなく前記通常マルチパス印字処理を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の用紙先端部の印字処理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、搬送される用紙上に画像を形成する画像形成装置に関し、特に、紙浮きを防止するために吸引を用いながら用紙上に画像を形成する画像形成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】このような画像形成装置としては、インクジェット記録方式を採用したプリンタ、プロッタ等が知られている。 【0003】従来、インクジェット画像形成装置では、印字開始時に用紙を搬送してプラテン上の印字位置まで移送し、ヘッドを用紙搬送方向とは垂直な方向へ移動して画像形成を行う。この際、濃度ムラをなくした高品位な印字を行うために、いわゆるマルチパス印字(Nパス印字)が採用される場合がある。マルチパス印字では、ほぼヘッドの記録幅に相当する1バンドの画像をN回のスキャン(パス)に分けて完成させる。 【0004】図7により、単一インク色ヘッドを用いた4パス印字の場合を例に挙げ、マルチパス印字の一例を説明する。この例では、ヘッドの記録幅に相当する1バンドを4つのノズル領域I, II, III, IVに分割し、用紙は4分の1バンドの移動量ずつ搬送していく。印字開始後の1パス目の印字では、用紙の先端の余白M分だけ内側の位置がヘッドの領域IとIIの境界に一致するように位置決めされる。このとき、領域Iのみが能動化され、領域II, III, IVは無効化(すなわち全ノズルマスク)される。また、領域Iには第1のマスクパターンによるマスクが印字データに掛けられる(印字データとマスクデータの論理積がとられる)。この印字データは1バンド目の先頭4分の1のデータである。 【0005】2パス目の印字では、用紙が1/4バンドだけ進められ、領域I, IIのみが能動化される。領域Iの印字データには第1のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIの印字データには第2のマスクパターンによるマスクが掛けられる。このときの領域I, IIの印字データは、1バンド目の先頭4分の2のデータである。 【0006】3パス目の印字では、用紙がさらに1/4バンドだけ進められ、領域I, II,IIIのみが能動化される。このとき、領域Iの印字データには第1のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIの印字データには第2のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIIの印字データには第3のマスクパターンによるマスクが掛けられる。このときの領域I, II, IIIの印字データは、1バンド目の先頭4分の3のデータである。 【0007】4パス目の印字では、用紙がさらに1/4バンドだけ進められ、以降、ヘッドの全領域I, II, III, IVが能動化される。このとき、領域Iの印字データには第1のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIの印字データには第2のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IIIの印字データには第3のマスクパターンによるマスクが掛けられ、領域IVの印字データには第4のマスクパターンによるマスクが掛けられる。このときの領域I, II, III, IVの印字データは、1バンド目のすべてのデータである。 【0008】第1から第4のマスクパターンは元の印字データの一部を間引くものであり、互いに重複せず、かつ、各マスクパターンのマスクを通過するドットの集合は元の印字データに一致するようになっている。マスクパターンの生成方法としては、予め定めた固定的なマスクパターンを用いる方法と、記録ドットと非記録ドットとが乱数的に配列されたランダム・マスタパターンを用いる方法とがある。このときの領域I, II, III, IVの印字データは、1バンド目の全体のデータである。 【0009】いずれにせよ、マルチパス印字により、一つのライン(バンド内の水平ライン)について異なる複数のノズルを用いて印字することになり、ノズル形成精度の影響を排除し、濃度ムラを抑えた高品位な画像を形成することができる。また、マルチパス印字では、インクを乾かしながら印字していくという効果も同時に達成できる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】上記のようなマルチパス印字では、印字開始時に、ヘッドのノズルの下端部分(領域I側)から画像データがセットされ、その部分で用紙先端の1バンド内の先頭の部分領域が印字される。一方、プラテンの吸引孔存在範囲がほぼヘッドの記録幅(ノズル列の長さ)に一致している。したがって、指定された用紙先端の余白が小さい場合には、図8に示すように、用紙先端がプラテン上の吸引孔存在範囲全体を覆うことができず、吸引圧が低下して、用紙の効果的な吸引が行えないという問題があった。その結果、用紙先端の紙浮きが生じると、ヘッドのノズルに用紙が接触して用紙上の画像を汚したり、逆にヘッド自体を傷めてしまうおそれがあった。 【0011】本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、用紙先端の余白の大小に関わらず用紙先端の吸引を確実に行うことができる画像形成装置および用紙先端部の印字処理方法を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明による画像形成装置は、用紙を搬送する搬送手段と、プラテンへの用紙吸引を行う用紙吸引手段と、画像データを記憶する記憶手段と、記憶された画像データに基づいて、用紙の搬送方向とほぼ直交する方向に走査しながら用紙上に印字を行うヘッドと、パス数分に分割されたノズル領域単位にノズルマスクを行うノズルマスク手段と、前記ノズル領域単位に印字データに対して異なるマスクパターンのうちの選択されたマスクパターンでデータマスクを行うデータマスク手段と、印字開始時に用紙の先端部の少なくとも1バンドについてパス毎の用紙搬送を伴わない初期マルチパス印字処理を行った後、用紙搬送を伴う通常マルチパス印字処理を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0013】前記制御手段は、一実施の形態として、前記初期マルチパス印字処理時に、前記ノズルマスク手段の制御によりパス毎に用紙搬送方向下流側のノズル領域から順次上流側のノズル領域まで印字対象領域を拡大していくとともに、前記データマスク手段の制御によりパス毎に印字対象のノズル領域に割り当てるべきマスクパターンを順次切り替えていく。 【0014】初期マルチパス印字処理では、パス毎の用紙搬送を伴わずに実質的に通常のマルチパス印字と同様の処理を行うことができる。これによって、印字開始時からプラテン上の吸引孔を用紙でふさぎ、十分な吸引圧を保持して、紙浮きの発生を防止することができる。 【0015】前記制御手段は、印字開始前に用紙先端の余白のサイズをチェックし、余白が予め定めたサイズより小さい場合には前記初期マルチパス印字を行った後、前記通常マルチパス印字処理に移行し、余白が前記予め定めたサイズ以上である場合には前記処理マルチパス印字処理を行うことなく前記通常マルチパス印字処理を行うようにすることも可能である。 【0016】本発明による用紙先端部の印字処理方法は、搬送される用紙をプラテン上に吸引しながら、用紙搬送方向とほぼ直交する方向に走査されるヘッドで用紙上に印字を行う際の用紙先端部の印字処理方法であって、印字開始時に用紙の先端部につきパス毎の用紙搬送を伴わない初期マルチパス印字処理を行った後、用紙搬送を伴う通常マルチパス印字処理に移行することを特徴とする。 【0017】 【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。 【0018】図1は、本発明による画像形成装置の一例としてインクジェットプリンタの要部(キャリッジ移動および用紙搬送関連)の外観図を示す。 【0019】図1において、キャリッジ10は、複数のヘッド17を搭載し、キャリッジモータによる無端ワイヤの駆動によりキャリッジ支持レール(いずれも図示せず)に沿って、キャリッジ移動方向(Y)に往復移動する。複数のヘッド17は、それぞれ、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インクに対応している。さらに、多くのヘッド(例えばライトシアン、ライトマゼンタ)を用いてもよい。キャリッジ支持レールに沿って設けられたリニアスケール16は、主走査方向におけるキャリッジ位置判定の基準を与えるものであり、キャリッジ10に取り付けられたリニアスケールセンサ19とともに機能する。リニアスケール16の規則的なストライプパターンまたはスリットをリニアスケールセンサ19が検知することにより、キャリッジ10(ひいてはヘッド17)の現在の位置が分かるようになっている。ヘッドの位置認識に関しては、リニアスケール16の利用の他、ロータリエンコーダ、キャリッジモータの駆動パルス数監視などによっても行うことが可能である。なお、図中、8はヘッド17へ電気信号を供給するフラットケーブルを示す。このフラットケーブル8はプレート9の内部から外側へ導出されている。 【0020】一方、ヘッド17により印字が行われる用紙(印字媒体)14は、プラテン12上を、搬送モータ15の駆動により、用紙搬送ローラ13およびピンチローラ(図示せず)を介して、キャリッジ移動方向とほぼ直交する用紙搬送方向(X)に搬送される。用紙14の搬送経路内に設けられたメディアセンサ18は用紙セットの有無を検出するためのものである。 【0021】用紙14が搬送されてプラテン12上のキャリッジ走査領域に達すると、キャリッジ走査領域において、走査されるヘッド17からインク滴が吐出され、用紙上に画像が形成される。プラテン12上には、用紙を吸引するための吸引孔21があり、プラテン12下部から外部へ空気を排出するように取り付けられた吸引ファン11により、印字時にはプラテン内部は負圧に保たれ、これにより用紙はプラテン12上に吸引された状態を保持する。 【0022】図2は、図1に示した画像形成装置の制御ハードウェアの構成を示すブロック図である。同図に示す画像形成装置は、印字制御部102およびヘッド17を有し、印字制御部102にはリニアスケールセンサ19、主走査モータ(キャリッジモータ)105および図示しない搬送モータ、各種センサ等が接続されている。また、印字制御部102には、イメージスキャナ、パソコン、CAD装置等からなる外部装置101を接続することができる。 【0023】この画像形成装置は、外部装置101から転送されてくる画像データIN_DATAに基づき、ヘッド17を用いて用紙上に画像イメージを形成する。印字制御部102がそのために必要な信号の生成を行う。印字制御部102は、メモリコントロール部107、画像メモリ108、データマスク部109、マスクメモリ部110、リニアスケールカウント部111、印字トリガ生成部112、ヘッド制御信号生成部113、主走査モータ制御信号生成部114、CPU115、メモリ116から構成されている。その中でも、CPU115は画像データが転送されてくる外部装置101とのインターフェースを行うと共に、メモリ116やI/O等、印字制御部102全体の動作のコントロールを行う。 【0024】より具体的には、外部装置101から画像データIN_DATAが転送されてくると、CPU115からの命令下で、メモリコントロール部107を経由して数バンド分の画像データを画像メモリ108に一時保持する。 【0025】前記のデータ処理により、画像メモリ108に数バンド分の画像データを格納後、印字スキャンを開始して、順次画像メモリ108から画像データの読み出しを開始する。この際、メモリコントロール部107は、外部装置101からの画像データの入力と、ヘッド17への画像データの読み出しを時分割に行うための、画像メモリ108のバス選択処理を行う。 【0026】尚、本実施の形態では、前述したようにリニアスケール16を配置していて、リニアスケールセンサ19からキャリッジ10のスキャンに同期して出力される90度位相のずれた2相の信号LINSCL_A/LINSCL_Bを用いて、画像データOUT_DATAの出力およびヘッド駆動信号の生成、キャリッジの位置管理、主走査モータの速度制御等の、印字制御の同期をとっている。また2相の信号LNSCL_A/LINSCL_Bの位相関係からキャリッジの移動方向の検出を行う。さらに、この2相の信号からリニアスケールカウント部111で、キャリッジの移動量をカウントし、CPU115で指定された位置情報に基づいて、画像メモリからデータを読み出す領域とヘッド制御信号を生成する領域信号(WINDOW)の生成を行う。印字トリガ生成部112では、リニアスケールカウント部111と同様にリニアスケールセンサ19から出力される2相の信号から、印字タイミング信号(HSYNC)を生成する。メモリコントロール部107およびヘッド制御信号生成部113では、WINDOW信号とHSYNC信号の両方がイネーブルとなっているタイミングで、画像メモリ108からの画像データの読み出しとヘッド制御信号の生成が行われる。 【0027】画像メモリ108から読み出された画像データは、データマスク手段を構成するデータマスク部109でマルチパス印字のためのデータマスク処理が行われる。そのために、ページ印字開始前に、CPU115によりデータマスク部109を経由してマスクメモリ部110に、印字パス数に応じたマスクパターンをデータライトしておく。印字開始後に、キャリッジ10が駆動されてヘッド17が印字領域に達したときに、HSYNC信号に同期して、画像メモリ108から画像データをリードし、同時にマスクメモリ部110からマスクデータをリードして、データマスク部109で画像データをマスクデータに応じてマスクしてヘッド17に出力する制御を行う。 【0028】ヘッド制御信号生成部113では、前記WINDOW信号とHSYNC信号に応じて、ヘッドの各ブロックの選択信号BENBとヒータ駆動のパルス信号HENBのインクの吐出に必要な信号の生成を行う。本例では、1280ノズルで構成されているヘッド17を24ブロックに分けて使用しているため、24個のブロックイネーブル信号BENBが存在する。ヘッド制御信号生成部113は本発明における、パス数分に分割されたノズル領域単位にノズルマスクを行うノズルマスク手段の機能も有する。データマスク部109から出力される画像データOUT_DATA、および、ヘッド制御信号生成部113から出力されるブロックイネーブル信号BENB0〜23、ヒータ駆動のパルス信号HENB等はヘッド17に転送され、ヘッド17内の制御回路で、各画像データOUT_DATAとイネーブル信号(BENB,HENB)がイネーブルになっているノズルのみヒータがONし、インク滴が吐出されて印字用紙に付着し、複数のパスで1バンド分の画像を形成する。 【0029】CPU115は、また、用紙吸引用の吸引ファン11の駆動を制御している。 【0030】次に、ヘッド17の駆動について、さらに具体的に説明する。前記画像メモリ108における処理(展開処理)が終了すると、印字制御部102は、受け付けた画像位置情報にしたがって、印字位置まで用紙を搬送し、画像の開始位置を認識した後、キャリッジ10の駆動を開始する。キャリッジ10が移動すると、キャリッジ10に取り付けられたリニアスケールセンサ19から出力パルスが出力され、印字トリガ生成部112ではこの信号を計数して各色のヘッドの位置を算出する。算出された各色のヘッドの位置が通知されている画像の位置に一致した時点で、画像の位置に一致した色に対する画像データの出力許可信号を出力する。この画像データ出力許可信号としては、リニアスケールセンサ19から出力された信号から吐出タイミングを生成する信号が出力される。 【0031】さらに印字制御部102は、画像データ出力許可信号に同期して画像メモリ108に展開された画像データをヘッド用の画像データに変換しながらベッド17に出力する。へッド17では、ヘッド駆動に必要なデータが入力された時点でヘッド駆動のデータのオン/オフに合わせて吐出用の電流を駆動することにより、インクが吐出される。 【0032】印字制御部102において各色のヘッドがそれぞれ画像の開始位置に一致した時点で画像データ出力許可信号がオンされ、それに伴って画像データがセットされることにより、それぞれのヘッドの出力開始位置を一致させることができる。よって、黒、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれのインクが画像データに対応する位置に吐出され画像が形成される。 【0033】次に、本発明の実施の形態における印字開始時の処理について詳細に説明する。 【0034】図3は、本実施の形態における印字処理の概略の処理手順を示すフローチャートである。 【0035】印字開始時に、用紙は搬送ローラ13により所定の位置まで搬送される(S11)。この所定の位置は、図4に示すように、用紙の先端55がノズル上端位置53から先端余白M分の距離を隔てた位置に保持される。そこで、用紙の吸引を開始する(S12)。すなわち、吸引ファン11を回転させ、プラテンの吸引孔に負圧が掛かるようにする。これにより用紙はプラテン表面に吸い付けられる。 【0036】一方、一時的に記憶された画像データは、ヘッドの上端のノズル領域IVからセットされる。ここで「上端」とはあくまで図上での上側であり、厳密には用紙の搬送方向下流側の端部である。 【0037】この状態で、本発明における特有の処理(初期マルチパス印字処理という)を実行する(S13)。その後、通常のマルチパス印字処理に移行する(S14)。 【0038】以下、図5のフローチャートおよび図4を参照しながら、本実施の形態における初期マルチパス印字処理の具体例を説明する。初期マルチパス印字処理中は、通常マルチパス印字処理と異なり、パス毎の用紙の搬送は行わない。 【0039】Nパス(Nは2以上の整数)の画像を出力する場合、以下の処理が行われる。この例では、パス数Nは4であり、データマスクのマスクパターンは■〜■まで存在する。各マスクパターンで出力されるドットの論理和がフルドットに相当するよう、各マスクパターン■〜■は互いに異なるドットをマスクするようになっている。 【0040】図4に示すように、まず1パス目で、ノズル領域I〜IIIをマスク(無効化)するとともに、有効化されたノズル領域IVにのみマスクパターン■を割り当てる(S21)。この状態でヘッドを走査し、印字を行う(S22)。これにより、図4の時点t1に示すように、ヘッドの上端の領域IVのみによって用紙先端のバンドの上端1/4部分の画像がマスクパターン■で印字される。 【0041】次の2パス目では、ノズル領域I,IIをマスク(無効化)するとともに、ノズル領域IIIにマスクパターン■を割り当て、ノズル領域IVにマスクパターン■を割り当てる(S23)。この状態でヘッドを走査し、印字を行う(S24)。これにより、図4の時点t2に示すように、ヘッドの領域III,IVによって用紙先端のバンドの上端半分の画像がそれぞれマスクパターン■■で印字される。 【0042】続く3パス目では、ノズル領域Iのみをマスク(無効化)するとともに、ノズル領域IIにマスクパターン■を割り当て、ノズル領域IIIにマスクパターン■を割り当て、ノズル領域IVにマスクパターン■を割り当てる(S25)。この状態でヘッドを走査し、印字を行う(S26)。これにより、図4の時点t3に示すように、ヘッド上端側の領域II,III,IVによって用紙先端のバンドの上端3/4の画像がそれぞれマスクパターン■■■で印字される。 【0043】4パス目では、いずれのノズル領域のマスク(無効化)も行うことなく、ノズル領域Iにマスクパターン■を割り当て、ノズル領域IIにマスクパターン■を割り当て、ノズル領域IIIにマスクパターン■を割り当て、ノズル領域IVにマスクパターン■を割り当てる(S27)。この状態でヘッドを走査し、印字を行うと(S28)、図4の時点t4に示すように、ヘッドの全ノズル領域I,II,III,IVによって用紙先端のバンドの画像がそれぞれマスクパターン■■■■で印字される。この時点では、当該バンドの上端の1/4部分R1のみが4パスの印字を完了していることになる。続く部分R2は3パスまでの印字が終了し、R3の部分は2パスまでの印字が終了している。R4の部分は1パス分の印字のみが終了している。この図4の時点t4の状態は図7の従来の4パス目の終了時の状態と同じであることに留意されたい。 【0044】したがって、以後はそのまま通常のマルチパス印字に移行することができる(図3、S14)。すなわち、用紙を1/4バンド分ずつ搬送しつつ、1バンド幅の画像データを1/4バンドずつずらしながら、ヘッドの全ノズル領域I,II,III, IVでそれぞれマスクパターン■■■■を用いて印字を行っていく。 【0045】このような処理により、用紙先端においても全吸引孔を塞いだ状態で実質的にマルチパス印字を行うことができる。これによって、用紙先端の紙浮きが防止される。 【0046】ところで、上記の処理では、一つのライン(バンド内の水平ライン)について異なる複数のノズルを用いて印字することにより印字品位を向上させるというマルチパス印字の利点の一部が減殺される。(用紙先端の領域IVは、用紙を搬送することなく印字するので、ヘッドの同一ノズルを使用してしまう。)そこで、次の実施の形態として、個々の印字処理において用紙先端の余白のサイズをチェックし、そのサイズが、通常のマルチパス印字を行っても用紙先端の印字開始時にすべての吸引孔が塞がれることが確認された場合には、上記初期マルチパス印字処理を含むマルチパス印字を行わずに従来のマルチパス印字を採用するようにする。 【0047】図6にそのような処理手順を本発明の第2の実施の形態として示す。 【0048】印字開始時にまずユーザにより指定された用紙先端の余白のサイズを、予め定めた基準値Mrefと比較する(S31)。この基準値Mrefは図8に示すように、通常のマルチパス印字時に用紙が最初にプラテン上の印字位置まで搬送された場合の画像の先端位置57から吸引孔存在範囲の上端(ほぼヘッドの搬送方向下流側端部に相当)までの距離に等しい。余白のサイズがこの基準値Mref以上であれば、印字開始時に用紙搬送方向において吸引孔存在範囲のすべてが用紙によって覆われるので、上記初期マルチパス印字処理を行う必要がない。そこで、通常のマルチパス印字を含む印字処理を実行する(S32)。逆に余白のサイズが基準値Mrefより小さければ、図3に示したような初期マルチパス印字処理を含む印字処理を実行する(S33)。 【0049】本実施の形態により、必要時にのみ上記初期マルチパス印字処理を含むマルチパス印字を実行することができる。 【0050】以上、本発明の好適な実施の形態についてのみ説明したが、種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、4パス印字についてのみ説明したが、パス数は4に限るものではない。 【0051】 【発明の効果】本発明によれば、用紙先端の余白のサイズに関わらず、用紙の先端部分を確実に吸引した状態で印字を行うことができるので、紙浮きによる用紙へのヘッドこすれに起因する印字品質の劣化や、ヘッドの破損等の発生を未然に防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
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| 【出願日】 |
平成14年5月13日(2002.5.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098350 【弁理士】 【氏名又は名称】山野 睦彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−326779(P2003−326779A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−136857(P2002−136857) |
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