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【発明の名称】 記録装置及び情報提供システムならびに情報提供方法
【発明者】 【氏名】宇野沢 保弘
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】金子 卓巳
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】前田 哲宏
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】深澤 秀夫
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】羽田 登
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】中野 裕嗣
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】河添 憲嗣
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【要約】 【課題】情報提供者に新たなる情報頒布媒体をもたらすとともに、記録材の製造コストを削減し、安価にて記録材を提供する。

【解決手段】記録装置1に対し、着脱可能なインクタンク3内のメモリに情報提供者からの提供情報(付加情報)を予め記憶させた状態で販売する。この提供情報込みのインクタンクを購入した使用者が、自分の編集、作成したデータを記録装置によって記録させる際、プリンタドライバは、提供情報が盛り込まれた情報添付書式を作成し、この情報添付書式に使用者のデータが加えられた混在データを作成する。記録装置は、使用者のデータと提供情報とが混在する混在データを記録する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使用者が作成したデータに基づいて記録媒体に画像を形成する記録装置において、情報提供者が提供する提供情報を記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記提供情報を使用者が作成したデータに付加させた提供情報付加データを作成する提供情報合成手段と、前記提供情報合成手段が作成した前記提供情報付加データを記録する記録手段とを具え、前記記録手段によって記録された記録結果は、前記使用者が作成したデータの他に前記提供情報が混在する形態となっていることを特徴とする記録装置。
【請求項2】 前記記録装置に対し着脱可能に装着される記録材を具え、前記メモリは該記録材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】 前記記録装置はインクジェット記録装置であり、前記記録材はディスポーザブルタイプのインクタンクであることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】 前記記録材はインクタンク一体型の記録ヘッドであることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】 前記記録装置は、電気熱変換体によってインク中に気泡を発生させ、該気泡の生成圧力によってインクを滴として吐出することを特徴とする請求項3または4に記載の記録装置。
【請求項6】 使用者が作成したデータに基づいて記録媒体に画像を形成する記録装置を用いた情報提供システムにおいて、前記記録装置は、情報提供者が提供する提供情報を記憶したメモリを有し、前記記録装置に対し着脱可能に装着される記録材と、前記記録材が前記記録装置に装着されると、前記使用者が作成したデータに前記提供情報を付加させた提供情報付加データを作成する提供情報合成手段と、前記提供情報合成手段が作成した前記提供情報付加データを記録する記録手段とを具え、前記記録手段によって記録された記録結果は、前記使用者が作成したデータの他に前記提供情報が混在する形態となっており、前記情報提供者が提供する提供情報は、該提供情報を記憶したメモリを有する記録材が不特定の使用者に販売され、前記記録手段によって記録された記録結果に混在されることによって、不特定の人々に頒布されることを特徴とする情報提供システム。
【請求項7】 前記情報提供者は、前記提供情報を前記記録材のメモリに記憶させることに対し、該記録材製造者に料金を支払うとともに、該情報提供者の提供情報を記憶した記録材は、前記情報提供者が支払った料金に対応して安価に販売されることを特徴とする請求項6に記載の情報提供システム。
【請求項8】 前記情報提供者は、記録材製造者から前記メモリに前記提供情報が未入力の状態の前記記録材を購入し、前記メモリに前記提供情報を入力して販売することを特徴とする請求項6に記載の情報提供システム。
【請求項9】 前記記録材はリフィル可能なインクタンクであり、前記使用者が前記情報提供者または前記記録材製造者に該インクタンクを搬入し、前記情報提供者または前記記録材製造者はインクリフィルの際に前記メモリ内の提供情報を更新することを特徴とする請求項7または8に記載の情報提供システム。
【請求項10】 前記提供情報は広告情報であることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の情報提供システム。
【請求項11】 使用者が記録したいデータを作成するホスト装置と、該ホスト装置にて作成されたデータに基づいて記録媒体に画像を形成する記録装置を用いた情報提供システムにおいて、前記記録装置は、情報提供者が提供する提供情報を記憶したメモリを有し、前記記録装置に対し着脱可能に装着される記録材と、前記メモリに記憶された提供情報をホスト装置に送信する送信手段とを具え、前記ホスト装置は、前記送信手段により前記提供情報が送信されると、前記使用者が作成したデータに前記提供情報を付加させた提供情報付加データを作成する提供情報合成手段と、前記提供情報合成手段が作成した前記提供情報付加データを前記記録装置へ送信する記録指令手段を具え、前記提供情報付加データを受けた前記記録装置は、該データを記録し、記録された記録結果は、前記使用者が作成したデータの他に前記提供情報が混在する形態となっており、前記情報提供者が提供する提供情報は、該提供情報を記憶したメモリを有する記録材が不特定の使用者に販売され、前記記録手段によって記録された記録結果に混在されることによって、不特定の人々に頒布されることを特徴とする情報提供システム。
【請求項12】 使用者が記録したいデータを作成するホスト装置と、該ホスト装置にて作成されたデータに基づいて記録媒体に画像を形成する記録装置を用いた情報提供システムを用いた情報提供方法において、前記記録装置に対し着脱可能に装着される記録材のメモリには、情報提供者の提供情報が記憶されており、前記記録装置にて、前記メモリに記憶された提供情報をホスト装置に送信する送信工程と、前記ホスト装置にて、前記使用者が作成したデータに前記提供情報を付加させた提供情報付加データを作成する提供情報合成工程と、前記提供情報合成工程にて作成された前記提供情報付加データを前記記録装置へ送信する記録指令工程と、前記提供情報付加データを受けた前記記録装置にて、該データを記録する記録工程とを具え、記録された記録結果は、前記使用者が作成したデータの他に前記提供情報が混在する形態となっており、前記情報提供者が提供する提供情報は、該提供情報を記憶したメモリを有する記録材が不特定の使用者に販売され、前記記録手段によって記録された記録結果に混在されることによって、不特定の人々に頒布されることを特徴とする情報提供方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録装置、情報提供システム及び情報提供方法に関し、詳しくは、記録装置の記録材に提供情報を記憶させることにより、提供情報を頒布させる記録装置、情報提供システム及び情報提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、記録装置は、測定器などから送られてきた測定データを数字、グラフなどの必要な形式に変換して出力したり、またはパーソナルコンピュータ等各種情報処理装置と接続され、この情報処理装置で作成されたデータを紙などの記録媒体に出力するために用いられている。さらにデジタルカメラなどの画像撮影手段と直接接続され、画像撮影手段から送られてきた画像データを出力するものも提供されている。特にパーソナルコンピュータの普及に伴い、記録媒体への出力手段であるプリンタ等の記録装置も急速に普及している。
【0003】通常、パーソナルコンピュータは様々な形態で作成されたデータを記録装置固有の形態の記録データに変換するために、プリンタードライバなどの変換手段を有している。
【0004】また、近年の記録装置は、インクジェットプリンタにおけるインクやレーザープリンタにおけるトナーといった記録材が無くなったら使用できなくなるのではなく、これら記録材を補充することによって、何度でも使用できる耐久性の高いものとなっている。例えばインクジェットプリンタではインクタンクのみが販売されており、ユーザはインクが無くなると新しいインクタンクを購入してきて、この新しいものと交換すれば、また使用することができる。つまり、インクタンクやトナーは消耗品であるため、ユーザはこれら消耗品を使い切るとまた新しいものを購入するというしくみとなっている。さらにユーザは、これらインクタンクやトナーを購入するに際し、この製品の製造原価だけでなく、これに製造者の利益等を付加した対価を支払っている。
【0005】パーソナルコンピュータで加工できる情報が多種多様化するに従い、記録装置の使用頻度も高まり、記録材もより多く消耗されることとなっている。このような状況のもと、ユーザからは消耗品である記録材をより安価にして欲しいという要求が高まっている。また、記録材が多く消耗されると記録材の消費サイクルが短縮する傾向にあるので、記録材は市場に多く流通することとなる。
【0006】図5は、記録装置を使用するユーザと記録装置の製造者との間の取引関係を示す模式図である。
【0007】製造者は自らが製造した記録装置および記録材を不特定のユーザに販売しているが、個々の記録装置に関しては図のような取引関係が成立している。すなわち、ユーザが記録装置および記録材を購入すると、対価Aを製造者に支払うことで取引関係が成立する。記録装置および記録材の売買に介在するのはユーザと製造者のみであり、他の者の介在はない。つまり製造者とユーザは、記録装置などを軸として1対1の関係にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録材を製造する上での製造コストの削減には限界があるため、製品価格の低下にも限界が生じ、製造者はユーザの要求に十分に答えることができない。
【0009】一方、近年では、広告などの情報を不特定多数の人に提供することで利益を得る、すなわち情報提供を業とする企業も存在するようになった。また、このような情報提供者は情報頒布手段として従来の新聞や情報雑誌、インターネットのバナー広告等だけでは十分でなく、さらなる媒体を探している状態である。
【0010】また、前記インクタンクやトナーといった記録材は記録装置の普及に伴い、多数のユーザが定期的に消費する消費サイクルの比較的短い消耗品であるにもかかわらず、従来、この記録材のパッケージや記録材本体にインクタンクを使用する上で必要な情報以外の広告等の情報が付加されることはなかった。
【0011】本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、情報提供者に新たなる情報頒布媒体をもたらすとともに、記録材の製造コストを削減し、安価にて記録材を提供することができる記録装置、情報提供システム、および情報提供方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の記録装置は、使用者が作成したデータに基づいて記録媒体に画像を形成する記録装置において、情報提供者が提供する提供情報を記憶するメモリと、前記メモリに記憶された前記提供情報を使用者が作成したデータに付加させた提供情報付加データを作成する提供情報合成手段と、前記提供情報合成手段が作成した前記提供情報付加データを記録する記録手段とを具え、前記記録手段によって記録された記録結果は、前記使用者が作成したデータの他に前記提供情報が混在する形態となっていることを特徴とする。
【0013】本発明の情報提供システムは、使用者が作成したデータに基づいて記録媒体に画像を形成する記録装置を用いた情報提供システムにおいて、前記記録装置は、情報提供者が提供する提供情報を記憶したメモリを有し、前記記録装置に対し着脱可能に装着される記録材と、前記記録材が前記記録装置に装着されると、前記使用者が作成したデータに前記提供情報を付加させた提供情報付加データを作成する提供情報合成手段と、前記提供情報合成手段が作成した前記提供情報付加データを記録する記録手段とを具え、前記記録手段によって記録された記録結果は、前記使用者が作成したデータの他に前記提供情報が混在する形態となっており、前記情報提供者が提供する提供情報は、該提供情報を記憶したメモリを有する記録材が不特定の使用者に販売され、前記記録手段によって記録された記録結果に混在されることによって、不特定の人々に頒布されることを特徴とする。
【0014】本発明の情報提供方法は、使用者が記録したいデータを作成するホスト装置と、該ホスト装置にて作成されたデータに基づいて記録媒体に画像を形成する記録装置を用いた情報提供システムを用いた情報提供方法において、前記記録装置に対し着脱可能に装着される記録材のメモリには、情報提供者の提供情報が記憶されており、前記記録装置にて、前記メモリに記憶された提供情報をホスト装置に送信する送信工程と、前記ホスト装置にて、前記使用者が作成したデータに前記提供情報を付加させた提供情報付加データを作成する提供情報合成工程と、前記提供情報合成工程にて作成された前記提供情報付加データを前記記録装置へ送信する記録指令工程と、前記提供情報付加データを受けた前記記録装置にて、該データを記録する記録工程とを具え、記録された記録結果は、前記使用者が作成したデータの他に前記提供情報が混在する形態となっており、前記情報提供者が提供する提供情報は、該提供情報を記憶したメモリを有する記録材が不特定の使用者に販売され、前記記録手段によって記録された記録結果に混在されることによって、不特定の人々に頒布されることを特徴とする。
【0015】以上の構成によれば、使用者は、自らが作成したデータのほかに提供情報が混在された記録結果を許容することの代償として、安価に記録材または記録装置を購入することができる。一方、情報提供者は提供情報を頒布する媒体として、記録材または記録装置を利用することができ、さらに、使用者が提供情報が混在された記録結果を第3者に頒布することによって、使用者への頒布効果だけでなく、さらに2次的な頒布効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
【0017】図1は本実施形態の情報提供システムを示すシステム構成図である。1は記録装置であり、2はパーソナルコンピュータ等のホスト装置であり、記録装置1とホスト装置2とは有線または無線でデータ伝達可能に接続されている。記録装置1はホスト装置2で作成されたデータを記録媒体に出力する。具体的には、ホスト装置2は、ユーザが作成した各種データを記録装置1に伝達するのに適した形式に変換するプリンタドライバを具えている。ユーザが各種アプリケーションソフトウェアを用いて作成した記録データはプリンタドライバによって記録装置1が読み取り可能な共通形式に変換されて記録装置1に送られる。記録装置1は、ホスト装置2のプリンタドライバを介して送られてきた記録データをさらに各駆動部の駆動信号に変換し、各駆動部を駆動させて記録を行う。
【0018】記録装置1、本実施形態ではインクジェット記録装置とする。このインクジェット記録装置は記録材としてインクを用いる。本実施形態では、複数のノズルを配列した記録ヘッドを記録媒体に対向させ、記録時は記録ヘッドの各ノズルよりインクを吐出することにより記録を行う。なお、本実施形態では、各ノズルに対応して電気熱変換体である発熱ヒータが設けられ、この発熱ヒータからの熱エネルギーによってインクに膜沸騰を起こし、気泡を発生させ、その気泡の生成圧力によって所定量のインクが吐出される。このように本実施形態ではインク吐出方法としてバブルスルー方式を用いたが、本発明はこれに限らない。また、本実施形態では記録装置はインクジェット記録装置としたが、レーザープリンタ等他の形態であってもよい。
【0019】3はこのインクを内蔵したインクタンクであり、記録装置1に対し着脱可能に搭載されている。このインクタンク3内のインクが記録装置1の記録ヘッド側に供給され、吐出される仕組みとなっている。
【0020】インクタンク3には、インクが充填されたタンクの他にメモリが設けられている。このメモリにはインクタンクの種類を識別する識別情報など、インクタンクを使用する上で必要な情報(以下これを「駆動必須情報」と言う)が記憶されている。この駆動必須情報はインクタンク3が記録装置1の所定位置に設置されると、記録装置に読み込まれる。記録装置は読み取った駆動必須情報から搭載されたインクタンクの種類等を確認し、その種類に応じた制御方法で駆動制御を行う。加えて、インクタンクのメモリにはこの駆動必須情報の他に、広告など記録装置の駆動には直接関与しない「付加情報」が記憶されている。以下にこの付加情報について説明する。
【0021】付加情報は、インクタンクの製造者以外の情報提供者が提供する広告などの情報である。例えば、情報提供者の会社ロゴマークや宣伝したい商品の情報などが想定される。インクタンクのメモリに記憶された付加情報は、記録装置に読み込まれる。そして、直接記録装置から出力されてユーザが見ることによって、この付加情報は頒布されたことになる。すなわち、情報提供者はこの付加情報の頒布効果を得ることができる。なお、付加情報には、インクタンクが記録装置に搭載されると自動的にこの付加情報を出力させるという記録指令が設けられており、ユーザが特に何の操作をしなくともこの付加情報が出力されるというものであってもよい。
【0022】また、付加情報はこの記録装置を介してホスト装置に読み込まれる。ホスト装置2のプリンタドライバは、記録装置1から付加情報を読み取ると、その付加情報をホスト装置2のディスプレイなど表示手段に表示する。ユーザがディスプレイに表示された付加情報を見ることによって、付加情報は頒布されたことになる。
【0023】さらに、付加情報を読み込んだプリンタドライバは、ユーザが各種アプリケーションソフトウェア等を用いて作成した記録データと付加情報とを合成する。例えば、付加情報が会社ロゴマークと新製品情報であった場合、プリンタドライバは、記録媒体のヘッダ部分にこの会社ロゴマークを、フッダ部分に新製品情報をレイアウトした書式(以下「情報添付書式」という)を、複数種類、ディスプレイに表示する。ユーザがこの表示された複数種類の情報添付書式のうちのいずれかを選択すると、プリンタドライバは選択された情報添付書式とユーザ作成データとを合成したものを記録データとして記録装置に送る。記録装置は情報添付書式とユーザ作成データとが合成されたものを出力する。仮にユーザが作成したデータが文書などのテキストデータであった場合、記録媒体のヘッダ部分とフッダ部分には付加情報である会社ロゴと新製品情報が印刷され、中央部分にユーザが作成した文書が印刷される。この出力された記録物がユーザを介して第3者にさらに配布された場合、記録媒体のヘッダ部分とフッダ部分に印刷された付加情報はユーザのみならず、第3者の目に触れることになり、情報提供者はさらなる頒布効果を得ることが出来る。
【0024】付加情報には、上記会社ロゴマークや新製品情報といったテキストデータ、画像データの他に、各種制御指令が含まれている。すなわち、記録装置に前記テキストデータ、画像データを出力させる出力指令や、プリンタドライバに対し、前記テキストデータ、画像データをホスト装置の表示手段に表示させる出力指令、さらに情報添付書式を作成し、表示させる指令およびユーザが作成したデータと前記情報添付書式とを合成させるデータ合成指令などを含んでいる。これらの指令はユーザの意思に関係なく強制的に行われるものであれば、より付加情報の頒布効果が高くなるのは明らかである。しかしながら、情報添付書式とユーザが作成したデータとを常に合成して出力するのでは、ユーザの使用に不都合が生じる場合があるので、ユーザが必要に応じて、出力の要否を選択できる形態となっていてもよい。
【0025】図2は、本実施形態の記録装置および記録材の流通形態を示す模式図である。従来は、記録装置および記録材の取引に関しては、記録装置を購入したユーザとその記録装置を製造した製造者との1対1の関係でしかなかったが、本発明では次の関係がさらに加わる。
【0026】すなわち、広告などの付加情報を不特定多数に頒布したい情報提供者は、その付加情報を消耗品であるインクタンクなどの記録材に付加させてもらう代わりに、その代償として製造者に対価Bを支払う。製造者は、情報提供者からの付加情報を付加した記録材を製造し、これを販売する。この販売において、この記録材の使用に必要のない付加情報を付加しているため、製造者は付加情報を付加していないものに比べて割り引いた価格を設定して販売する。この付加情報が付加された記録材を購入するユーザは、本来必要のない付加情報を記録材と一緒に入手し、記録したい内容以外に付加情報が混在して記録されることなど、付加情報が出力されることを許容することで、より安価に記録材を手に入れることになる。すなわち、ユーザが製造者に払う対価Cは、従来の製造者とユーザとの1対1の取引関係で支払う対価に比べて、少ない金額となっている。
【0027】この取引関係において、ユーザは従来の取引関係に比べてより安価に記録材を手に入れることができるという利点がある。また、製造者は、記録材を従来に比べて安価に販売することができるという利点がある。また、情報提供者は、付加情報の頒布先として、安価な記録材を使用したいと希望する多数のユーザを獲得することができるという利点がある。
【0028】なお、上記説明では付加情報の付加先としてインクタンクなどの記録材、すなわち消費サイクルの短い消耗品を用いたが、本発明はこれに限定せず、記録装置本体であってもよい。また、付加情報は常に記録されるのではなく、搭載から一定期間が経過すれば記録されないという形態であってもよい。付加情報は新製品広告など有効期間が短いものも多く、このような出力可能期間を制限することによって、ユーザに誤解を与える情報頒布を防止することができる。
【0029】(実施形態2)実施形態1では、インクタンクなど消耗品である記録材の販売を製造者が行う形態について説明したが、本実施形態では、情報提供者が記録材の販売を行い、情報提供者がユーザから記録材の対価を受け取る形態について説明する。
【0030】図3は本実施形態の情報提供システムを示すシステム構成図である。
【0031】図4は、本実施形態の記録装置および記録材の流通形態を示す模式図である。
【0032】実施形態1では情報提供者が製造者に付加情報を渡し、製造者がインクタンクに付加情報を記憶させていたが、本実施形態では、製造者4は付加情報が記憶されていない状態のインクタンクを情報提供者5に販売し、情報提供者5はその対価Dを製造者に支払う。そして情報提供者5は購入したインクタンクのメモリに付加情報を記憶し、この付加情報付きのインクタンクを販売する。ユーザは付加情報付きのインクタンクを購入し、対価Eを情報提供者に支払う。この付加情報付きのインクタンクを記録装置に搭載すると、実施形態1と同様に、記録装置が付加情報を出力する。
【0033】さらにユーザのホスト装置2がユーザが作成したデータの記録指令をプリンタドライバに送ると、プリンタドライバが記録装置1と接続し、インクタンクに記憶された付加情報を読み込む。そして、読み込んだ付加情報に従い、プリンタドライバは所定の情報添付書式とユーザが作成したデータとを合成し、双方が混在する記録データを記録装置1に送り、この記録データは記録装置1より出力される。
【0034】図4から分かるように、本実施形態では製造者とユーザとの直接の売買関係は成立していない。すなわち、情報提供者は安価にインクタンクを購入したいと希望する多数のユーザを獲得するために、付加情報を付加したインクタンクを製造者が付加情報を付加していないインクタンクに付けた販売価格よりも低価格で販売する。使用者は記録したい内容以外に情報提供者の情報が混在して記録されることを許容することで、情報提供者より安価にてインクタンクを手に入れることができる。
【0035】この実施形態では、情報提供者がインクタンクのメモリに直接、付加情報を記憶させるため、付加情報の変化に柔軟に対応することができる。例えば、付加情報は新製品情報など頒布期間が限定されており、その期間内では売れ残ったインクタンクに対し、再度、新たな付加情報を記憶しなおして販売することが容易にできる。
【0036】なお、実施形態1,2ともに付加情報を記憶させる媒体はインクタンクとしたが、このインクタンクは記録ヘッドと一体型になっているものであってもよい。
【0037】また、実施形態1,2ともにインクタンクはディスポーザブルタイプのものを想定しているが、本発明はこれに限らずインクのリフィルが可能なタイプのものであってもよい。すなわち、ユーザがインクの補充を目的として製造者または情報提供者のもとに空になったインクタンクを持ち込んだとき、製造者または情報提供者は、インクの充填のほかに付加情報の書き換えを行うことにより、ユーザに新しい付加情報を頒布することができる。ユーザはこの付加情報の付加を許容することで、インクを安価に購入することが可能となる。
【0038】なお、実施形態1,2ともインクジェット記録装置を想定して説明したが、上述したように、本発明はインクジェット記録装置に限定せず、レーザープリンタ等他の記録装置を用いてもよい。例えばレーザープリンタが用いられた場合、トナーを定期的に回収し、新しいトナーと交換するルーチンが製造者または情報提供者とユーザとの間で確立されているならば、新しいトナーに新しい付加情報を付加することによって、情報提供者は確実に一定人数のユーザに定期的に付加情報を頒布することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】本発明を用いることにより、使用者は、自らが作成したデータのほかに提供情報が混在された記録結果を許容することの代償として、安価に記録材または記録装置を購入することができる。一方、情報提供者は提供情報を頒布する媒体として、記録材または記録装置を利用することができ、さらに、使用者が提供情報が混在された記録結果を第3者に頒布することによって、使用者への頒布効果だけでなく、さらに2次的な頒布効果を得ることができる。これによって、情報提供者に新たなる情報頒布媒体をもたらすとともに、記録材の製造コストを削減し、安価にて記録材を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
【出願日】 平成14年5月13日(2002.5.13)
【代理人】 【識別番号】100077481
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 義一 (外1名)
【公開番号】 特開2003−326775(P2003−326775A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−137756(P2002−137756)