| 【発明の名称】 |
画像形成装置及び印字ヘッド交換方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川又 裕 【住所又は居所】東京都三鷹市下連雀6丁目3番3号 コピア株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】印字ヘッドを交換する際に印字ヘッドにインクを残さずに、しかも、インクを無駄に捨てずに済む画像形成装置を提供する。
【解決手段】インクタンク40にチューブ42の一端部を接続し、このチューブ42の他端部を印字ヘッド22Kに接続した。印字ヘッド22Kの内部には、空気を貯めておくエアーバッファ21Kを形成した。チューブ42のうちインクタンク40の近傍部分に、チューブ42を開閉する弁50を設置した。キャップ32Kと吸引ポンプ70をチューブ74でつなぎ、キャップ32Kには、このキャップ32Kを大気に連通させる大気開放弁72を接続した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インクを貯めるインクタンクからチューブを経由して印字ヘッドにインクを供給し、この印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において、前記チューブのうち前記インクタンクよりもインク供給方向下流側の下流部分に連通した、空気を貯めておくエアー室と、前記チューブのうち前記下流部分と前記インクタンクとの間の中間部分を開閉する開閉手段と、前記印字ヘッドに存在するインクを吸引する吸引手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】 前記エアー室は、前記チューブを閉鎖して前記吸引手段でインクを吸引することにより該エアー室が負圧になるか、若しくは該エアー室の容積が減少するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項3】 前記エアー室に空気を送り込むか、若しくは該エアー室の容積を増加して該エアー室を大気圧にする大気開放手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 【請求項4】 インクを貯めるインクタンクからチューブを経由して印字ヘッドにインクを供給し、この印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置における、前記印字ヘッドを交換する印字ヘッド交換方法において、前記チューブのうち前記インクタンクよりもインク供給方向下流側の下流部分に連通した、空気を貯めておくエアー室を形成しておき、印字ヘッドを交換するに先立って、前記チューブのうち前記下流部分と前記インクタンクとの間の中間部分を閉じてインクの供給を止め、続いて、前記印字ヘッドからインクを吸引して排出することを特徴とする印字ヘッド交換方法。 【請求項5】 前記印字ヘッドからインクを吸引して排出した後、前記エアー室を大気圧に戻すことを特徴とする請求項4に記載の印字ヘッド交換方法。 【請求項6】 前記印字ヘッドからインクを吸引する際に、この吸引動作を繰り返すことを特徴とする請求項4又は5に記載の印字ヘッド交換方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置及びこの印字ヘッドを交換する印字ヘッド交換方法に関する。 【0002】 【従来の技術】コンピュータやワークステーションの出力装置の一つとして、記録紙などの記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式画像形成装置が知られている。このインクジェット方式画像形成装置は、通常、インクが吐出する複数のノズルが形成された印字ヘッドと、この印字ヘッドを搭載して主走査方向に往復動するキャリッジと、この主走査方向に直交する方向(副走査方向であり記録媒体搬送方向)に記録媒体を搬送する記録媒体搬送装置とを備えている。このようにキャリッジの走査方向と記録媒体の搬送方向が直交するタイプはシリアルタイプと呼ばれる。 【0003】このシリアルタイプのインクジェット方式画像形成装置で記録媒体に画像を形成する際は、記録媒体搬送装置で搬送中の記録媒体を一時的に停止させ、キャリッジを主走査方向に往復動させながら、画像情報を担持した画像信号に基づいて複数のノズルから選択的にインクを吐出し、記録媒体のうちノズルの出口(インク吐出口)に向き合う画像形成領域に位置する部分に1バンド分の画像を形成する。その後、記録媒体を1バンド分の幅だけ搬送して停止させ、再び、キャリッジを主走査方向に往復動させながら、画像信号に基づいてノズルからインクを吐出し、記録媒体のうち画像形成領域に新たに位置する部分に画像を形成する。このような動作を繰り返すことによって記録媒体に画像を形成する。 【0004】ところで、上記した印字ヘッドにはインクが供給される。インクを供給する技術としては、印字ヘッドとインクタンクを一体型にしてインクを印字ヘッドに供給する技術や、大容量インクタンクからチューブを介して(経由して)印字ヘッドにインクを供給する技術などが知られている。大容量インクタンクからチューブを介して印字ヘッドにインクを供給する技術では、インクタンクには多量のインクが貯められているのでインクタンクを交換する手間が少ない。このため、この技術は、A0サイズやB0サイズの記録媒体に画像を形成できるプロッタでは広く採用されている。 【0005】上記した大容量のインクタンクを用いる技術では、インクタンクと印字ヘッドはチューブでつなげられている。このため、印字ヘッドを交換する際は、印字ヘッドからチューブを外す。このようにチューブを印字ヘッドから外したとき、印字ヘッドのノズルからインクが垂れ落ちることがある。また、チューブを印字ヘッドから外しても、印字ヘッド内に存在するインクの全てが排出されるとはかぎらない。印字ヘッド内にインクが残ったままであるときは、印字ヘッドをリサイクルする際に都合が悪い。 【0006】そこで、印字ヘッドを交換する際に、印字ヘッドからチューブを外さずにインクタンクからチューブを外すことがある。このようにした場合、印字ヘッドとチューブに残っているインクの全てを吸引して排出することとなる。従って、大量のインクが排出されるので、ランニングコストが大幅に上昇する。 【0007】また、チューブの途中に大気開放バルブを設けておき、印字ヘッドを交換する際に、大気開放バルブを開けて印字ヘッドからインクを排出することもある。このようにした場合、印字中に大気開放バルブで少しでもエアーが漏れたときは印字不可能となる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に鑑み、印字ヘッドを交換する際に印字ヘッドにインクを残さずに、しかも、インクを無駄に捨てずに済む画像形成装置及び印字ヘッド交換方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、インクを貯めるインクタンクからチューブを経由して印字ヘッドにインクを供給し、この印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において、(1)前記チューブのうち前記インクタンクよりもインク供給方向下流側の下流部分に連通した、空気を貯めておくエアー室と、(2)前記チューブのうち前記下流部分と前記インクタンクとの間の中間部分を開閉する開閉手段と、(3)前記印字ヘッドに存在するインクを吸引する吸引手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0010】ここで、(4)前記エアー室は、前記チューブを閉鎖して前記吸引手段でインクを吸引することにより該エアー室が負圧になるか、若しくは該エアー室の容積が減少するものであってもよい。 【0011】さらに、(5)前記エアー室に空気を送り込むか、若しくは該エアー室の容積を増加して該エアー室を大気圧にする大気開放手段を備えてもよい。 【0012】また、上記目的を達成するための本発明の印字ヘッド交換方法は、インクを貯めるインクタンクからチューブを経由して印字ヘッドにインクを供給し、この印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置における、前記印字ヘッドを交換する印字ヘッド交換方法において、(6)前記チューブのうち前記インクタンクよりもインク供給方向下流側の下流部分に連通した、空気を貯めておくエアー室を形成しておき、(7)印字ヘッドを交換するに先立って、(8)前記チューブのうち前記下流部分と前記インクタンクとの間の中間部分を閉じてインクの供給を止め、続いて、前記印字ヘッドからインクを吸引して排出することを特徴とするものである。 【0013】ここで、(9)前記印字ヘッドからインクを吸引して排出した後、前記エアー室を大気圧に戻してもよい。 【0014】さらに、(10)前記印字ヘッドからインクを吸引する際に、この吸引動作を繰り返してもよい。 【0015】 【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施形態を説明する。 【0016】図1を参照して、本発明の画像形成装置の一例であるインクジェット方式のプロッタを説明する。 【0017】図1は、インクジェット方式のプロッタの概略構成を示す斜視図である。 【0018】プロッタ10は、矢印A方向に搬送される記録紙12が載置されるプラテン14を備えている。このプラテン14の上方には、プラテン14に対して平行に2本の走査レール(ガイドレール)16が掛け渡されている。この走査レール16には、モータ(図示せず)とベルト18によって矢印B,C方向(矢印A方向に直交する方向)に往復動する(走査する)キャリッジ20がスライド軸受(図示せず)を介して取り付けられている。 【0019】キャリッジ20には、インクを吐出するインク吐出口(ノズルの出口であり、図示せず)を有する4つの印字ヘッド22K(ブラック),22C(シアン),22M(マゼンタ),22Y(イエロー)が搭載されている。インク吐出口の前方は、画像が形成される画像形成領域23である。記録紙12のうち画像形成領域23に位置する部分にインク吐出口からインクが吐出され、これにより、この部分に画像が形成される。 【0020】また、キャリッジ20の移動可能な領域のうち画像形成領域23から離れた領域には、ノズルからインクを強制的に吸引し、印字ヘッド22K,22C,22M,22Yに形成されたインク供給経路やノズルなどをクリーニングして印字ヘッド22K,22C,22M,22Yのインク吐出状態を初期の吐出状態にする回復装置30が配置されている。 【0021】回復装置30には、4つの印字ヘッド22K,22C,22M,22Yそれぞれのインク吐出口を覆うゴム製の4つのキャップ32K,32C,32M,32Yが備えられている。各キャップ32K,32C,32M,32Yには廃インクチューブ(図示せず)の一端が接続されており、この廃インクチューブの他端は吸引ポンプ(図示せず)に接続されている。なお、4つのキャップ32K,32C,32M,32Yはキャップ台32に固定されている。 【0022】ロール紙などの記録紙12に画像を形成するに当っては、プラテン14に記録紙12を載置して、プラテン14に形成された開口部(図示せず)から外周面の一部を露出した搬送ローラ24と、記録紙12の両端部を上方から押えるピンチローラ26とによって記録紙12を挟持しながら、搬送モータ(図示せず)によって搬送ローラ24を回転させて記録紙12を搬送する。記録紙12の上方でキャリッジ20を矢印B,C方向に往復動させ、ヘッド制御部(図示せず)から印字ヘッド22K,22C,22M,22Yに送信された画像情報を担持する画像信号に基づいてノズルからインクを吐出して、記録紙12のうち画像形成領域23に位置する部分に画像を形成する。 【0023】画像を形成し終ると、キャリッジ20に搭載されたカッタ(図示せず)を所定位置まで飛び出させて記録紙12を所定サイズに裁断する。なお、画像形成動作中、ノズルなどをクリーニングするために、ノズルからインクを吸引することが必要な状態になると、キャリッジ20を回復装置30の上方に移動させる。 【0024】上記した各印字ヘッド22K,22C,22M,22Yには、インクが貯められたインクタンクからチューブを経由してインクが供給される。図2を参照して、インクタンクから印字ヘッドまでのインク供給機構を説明する。 【0025】図2は、インクタンクから印字ヘッドまでインクを供給するインク供給機構を上面から見て示す模式図である。図2では、図1に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。 【0026】プロッタ10には、インクが貯められたインクタンク40が配置されている。インクタンク40は、各印字ヘッド22K,22C,22M,22Y(図1参照)ごとに4つ配置されている。各インクタンク40は、キャリッジ20に搭載された各印字ヘッド22K,22C,22M,22Yにそれぞれチューブ42で接続されている。従って、1つのインクタンク40は1本のチューブ42で1つの印字ヘッド(例えば印字ヘッド22K)に接続されている。1つのインクタンク40に貯められたインクは1本のチューブ42を通って1つの印字ヘッドに供給される。 【0027】また、チューブ42の途中には固定部42aがあり、チューブ42のうち固定部42aよりもインク供給方向下流側の部分(印字ヘッドに近い部分)がキャリッジ20の走査に追従して移動する。チューブ42のうちインクタンク40の近傍部分には、この近傍部分を開閉する弁50(本発明にいう開閉手段の一例である)が取り付けられている。弁50を開けたときは、チューブ42が開くのでインクタンク40から印字ヘッドにインクが供給される。この逆に、弁50を閉じたときは、チューブ42が閉じるのでインクタンク40から印字ヘッドにインクが供給できない。弁50の構造を、図3を参照して説明する。 【0028】図3は、弁の構造を模式的に示す断面図であり、(a)は、弁が閉じた状態を示し、(b)は、弁が開いた状態を示す。図3では、図2に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。 【0029】弁50は、下部にチューブ42が差し込まれて固定された筐体52を有する。筐体52の下部には、インクが流れるインク流路54が形成されている。筐体52の下部に差し込まれたチューブ42はインク流路54に接続されている。インク流路54の真上には蓋56が配置されている。この蓋56は、筐体52の内部空間52aを矢印D方向に移動し(上下動し)、蓋56が下がったときにインク流路54が塞がれてインクが流れない。蓋56の上面には、矢印D方向に延びる棒57が固定されている。棒57の上端面には、矢印D方向に伸縮するコイルばね58の一端(下端)が固定されている。コイルばね58の他端(上端)は、筐体52の上壁59に固定されている。 【0030】棒57の上部は、連結棒60の一端部60aが回動自在に固定されている。この連結棒60は、棒57に交差して延びており、蓋56がインク流路54を塞いでいるときには、連結棒60は棒57にほぼ直交している。連結棒60の他端部60bにはソレノイド62が連結されている。ソレノイド62のオン・オフに伴って連結棒60は回動軸61を中心にして回動する。ソレノイド62のオフのときは、図3(a)に示すように、連結棒60は棒57にほぼ直交するように回動し、この結果、蓋56がインク流路54を塞ぐ。従って、チューブ42にはインクが流れない。一方、ソレノイド62のオンのときは、図3(b)に示すように、連結棒60の一端部60aが上がって他端部60bが下がり、棒57が上がる。この結果、蓋56も上がってインク流路54が開放される。従って、チューブ42にはインクが流れる。 【0031】図4から図7までを参照して、印字ヘッドを交換する方法を説明する。 【0032】図4は、弁や吸引ポンプなどを制御するシステムを示すブロック図である。図5は、印字ヘッドのノズルがキャップで塞がれた状態を示す模式図である。図6は、吸引ポンプが稼動して印字ヘッドからインクが吸引されている状態を示す模式図である。図7は、インク排出後に印字ヘッドの内部に空気を充填した状態を示す模式図である。これらの図では、図2と図3に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。 【0033】プロッタ10には、ソレノイド62、回復装置30、吸引ポンプ70、及び大気開放弁72(本発明にいう大気開放手段の一例である)などを制御する制御装置80が組み込まれている。また、プロッタ10には、ユーザが各種の操作を行うための操作パネル82も設けられている。この操作パネル82には、印字ヘッドを交換することを促す表示や、インクタンク40のインクが所定量以下になったことを示す表示や、記録媒体のサイズを示す表示などが配置された表示部(図示せず)も形成されている。ユーザはこの表示部を見て各種操作を行う。印字ヘッドの交換を促す表示のときは、ユーザは、印字ヘッド交換ボタン(図示せず)を押す。これにより、制御装置80がソレノイド62等を制御して下記の動作が行われる。ここでは、印字ヘッド22Kを交換する場合を例に挙げて説明するが、印字ヘッド22C,22M,22Yを交換する場合も同様である。 【0034】先ず、インクを無駄に捨てずに印字ヘッド22Kを交換するための機構を説明する。 【0035】インクタンク40にはチューブ42の一端部が接続されている。このチューブ42の他端部は印字ヘッド22Kに接続されている。印字ヘッド22Kの内部には、空気を貯めておくエアーバッファ21K(本発明にいうエアー室の一例である)が形成されている。チューブ42の他端部は、このエアーバッファ21Kに接続されている。即ち、チューブ42のうちインクタンク40よりもインク供給方向下流側の下流側部分は、エアーバッファ21Kに連通していることとなる。 【0036】チューブ42のうちインクタンク40の近傍部分には、上記の弁50が設置されている。即ち、チューブ42のうち上記した下流側部分とインクタンク40との間の中間部分(上記の近傍部分がその一例である)には、弁50が設置されていることとなる。 【0037】回復装置30には、上述したように、印字ヘッド22Kのノズルを覆うキャップ32Kが備えられている。また、印字ヘッド22Kからインクを吸引する吸引ポンプ70がキャップ32Kの下方に配置されている。キャップ32Kと吸引ポンプ70はチューブ74でつながれている。また、キャップ32Kには、このキャップ32Kを大気に連通させる大気開放弁72が接続されている。大気開放弁72は、弁50と同じ構造であり、吸引ポンプ70が停止した状態で大気開放弁72が開くことによりキャップ32Kの内部は大気圧になる。キャップ32Kと大気開放弁72はチューブ76でつながれている。 【0038】上記の機構によって印字ヘッド22Kからインクを排出する手順を説明する。 【0039】印字ヘッド交換ボタンが押されることにより、制御装置80が回復装置30を制御して稼動させて、図5に示すように、印字ヘッド22Kのノズルがキャップ32Kで覆われる。このとき、大気開放弁72は閉じているので、キャップ32Kは大気に連通していない。続いて、制御装置80がソレノイド62を制御してオフにする。これにより、図6に示すように、インク流路54が塞がれるのでチューブ42にはインクが流れない。次に、制御装置80が吸引ポンプ70を制御して稼動させる。このときも、大気開放弁72は閉じているので、キャップ32Kは大気に連通していない。 【0040】吸引ポンプ70が稼動することにより、印字ヘッド22K内のインクが吸引ポンプ70に吸引されると共にエアーバッファ21K内の空気が膨張する。この膨張によって、印字ヘッド22K内のインクはいっそう確実に排出される。印字ヘッド22K内の全てのインクが排出されるまで吸引ポンプ70を稼動する。続いて、制御装置80で大気開放弁72を制御して開く。これによりキャップ32Kに空気が送り込まれてキャップ32K内と印字ヘッド22K内が大気圧になる。この状態でキャリッジ20から印字ヘッド22Kを取り外しても、印字ヘッド22Kからインクが垂れることはない。また、チューブ42にはインクが残ったままであるので、チューブ42内のインクを無駄に捨てずに済む。 【0041】上記した吸引ポンプ70の吸引能力は、印字ヘッド22K内のインク量とエアーバッファ21K内の空気量とによって決定される。ここでは、印字ヘッド22K内のインク量を2ccとし、エアーバッファ21K内の空気量を4ccと設定した。この場合、エアーバッファ21K内の空気を2cc膨張させる必要があるので、エアーバッファ21K内の空気を少なくとも0.75気圧まで減圧できる能力が吸引ポンプ70に必要となる。なお、吸引ポンプ70の能力が、エアーバッファ21K内の空気を0.9気圧まで減圧できる能力しかない場合は、吸引動作を3回繰り返すことによって印字ヘッド22K内のインクを全て排出できる。 【0042】図8から図10までを参照して、インクを無駄に捨てずに印字ヘッド22Kを交換するための他の機構を説明する。 【0043】図8は、印字ヘッドのノズルがキャップで塞がれた状態を示す模式図である。図9は、吸引ポンプが稼動して印字ヘッドからインクが吸引されている状態を示す模式図である。図10は、インク排出後に印字ヘッドの内部に空気を充填した状態を示す模式図である。これらの図では、図4と図5に示された構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。 【0044】この機構の特徴は、印字ヘッド22Kにエアーバッファ21K(図4参照)を設けずに、チューブ42の途中にエアーバッファ81K(本発明にいうエアー室の一例である)を設け、このエアーバッファ81Kの天井部分をゴム製にした点にある。このようにエアーバッファ81Kの天井部分をゴム製にすることにより、エアーバッファ81K内の空気が吸引されたときはエアーバッファ81Kの容積が減少する。 【0045】エアーバッファ81Kを備えた機構によって印字ヘッド22Kからインクを排出する手順を説明する。 【0046】印字ヘッド交換ボタンが押されることにより、制御装置80が回復装置30を制御して稼動させて、図8に示すように、印字ヘッド22Kのノズルがキャップ32Kで覆われる。このとき、大気開放弁72は閉じているので、キャップ32Kは大気に連通していない。続いて、制御装置80がソレノイド62を制御してオフにする。これにより、図9に示すように、インク流路54(図3参照)が塞がれるのでチューブ42にはインクが流れない。次に、制御装置80が吸引ポンプ70を制御して稼動させる。このときも、大気開放弁72は閉じているので、キャップ32Kは大気に連通していない。 【0047】吸引ポンプ70が稼動することにより、印字ヘッド22K内のインクが吸引ポンプ70に吸引されると共にエアーバッファ81K内が負圧になる。この負圧によって、エアーバッファ81Kの天井部分が萎んでエアーバッファ81Kの容積が減少し、この結果、風船が萎むように印字ヘッド22K内のインクが排出される。続いて、制御装置80で大気開放弁72を制御して開く。これによりキャップ32Kに空気が送り込まれてキャップ32K内とエアーバッファ81K内が大気圧になり、図10に示すように、エアーバッファ81Kにインクが入り込む。この状態でキャリッジ20から印字ヘッド22Kを取り外しても、印字ヘッド22Kからインクが垂れることはない。また、チューブ42にはインクが残ったままであるので、チューブ42内のインクを無駄に捨てずに済む。 【0048】上記のように弾性変形する部材を使ったエアーバッファ81Kを用いることにより、吸引ポンプ70の能力が小さくても吸引動作を繰り返さずに印字ヘッド22Kからインクを完全に排出できる。 【0049】 【発明の効果】以上説明したように本発明の画像形成装置によれば、印字ヘッドを交換するに先立って、開閉手段でチューブを閉じてインクの供給を止め、続いて、吸引手段を稼動させて印字ヘッドからインクを吸引する。このようにチューブを閉じて吸引手段を稼動させることによりエアー室内が負圧になるので、エアー室よりもインク供給方向下流側に存在するインクは吸引手段に吸引されて印字ヘッドから排出される。従って、印字ヘッドにはインクが残らない。また、チューブのうちエアー室よりもインク供給方向下流側の部分に存在するインクは排出されるが、チューブのうちエアー室よりもインク供給方向上流側の部分に存在するインクはチューブに残ったままで排出されない。このため、印字ヘッドを交換する際にチューブ内のインクを無駄に捨てずに済む。 【0050】ここで、前記エアー室は、前記チューブを閉鎖して前記吸引手段でインクを吸引することにより該エアー室が負圧になるか、若しくは該エアー室の容積が減少するものである場合は、吸引手段がインクを吸引する際にエアー室の容積が減少してインクが吸引され易くなるので、吸引手段の吸引力(能力)が弱くても印字ヘッド内のインクを短時間で吸引できる。 【0051】さらに、前記エアー室に空気を送り込むか、若しくは該エアー室の容積を増加して該エアー室を大気圧にする大気開放手段を備えた場合は、印字ヘッドからインクを排出した後ではエアー室は減圧されているが、大気開放手段によってエアー室は大気圧に戻る。このため、交換された新しい印字ヘッドを使用するときに使い勝手が良い。 【0052】また、本発明の印字ヘッド交換方法によれば、チューブの中間部分を閉じて印字ヘッドからインクを吸引することによりエアー室内が負圧になるので、エアー室よりもインク供給方向下流側に存在するインクは吸引されて印字ヘッドから排出される。従って、印字ヘッドにはインクが残らない。また、チューブのうちエアー室よりもインク供給方向下流側の部分に存在するインクは排出されるが、チューブのうちエアー室よりもインク供給方向上流側の部分に存在するインクはチューブに残ったままで排出されない。このため、印字ヘッドを交換する際にチューブ内のインクを無駄に捨てずに済む。 【0053】ここで、前記印字ヘッドからインクを吸引して排出した後、前記エアー室を大気圧に戻す場合は、印字ヘッドを取り外しても印字ヘッドからインクがいっそう確実に垂れない。 【0054】さらに、前記印字ヘッドからインクを吸引する際に、この吸引動作を繰り返す場合は、一回の吸引力が弱くても吸引動作を繰り返すので、印字ヘッドからインクを確実に排出できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
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| 【出願日】 |
平成14年5月13日(2002.5.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098349 【弁理士】 【氏名又は名称】一徳 和彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−326739(P2003−326739A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−136697(P2002−136697) |
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