| 【発明の名称】 |
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 直樹 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
【氏名】飯島 裕隆 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
【氏名】青木 哲志 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
【氏名】川端 勝一 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
【氏名】高崎 正明 【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ワイピングによる傷の発生なく且つ拭きのこりがなく、且つ掃引速度もはやく効率のよいクリーニング性を達成できるインクジェット記録装置及びその記録方法の提供。
【解決手段】記録ヘッドのノズル面を多孔質の発泡体ブレードによってワイピングするクリーニング機構を備え、記録ヘッドのノズル面に対するインクのRMV値が20mm/sec以上90mm/sec以下であるインクジェット記録装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 記録ヘッド及び該記録ヘッドのノズル面をブレードによってワイピングするクリーニング機構を備えたインクジェット記録装置において、前記ブレードが弾性を有する多孔質の材料からなり、且つ記録ヘッドのノズル面に対するインクのRMV値が20mm/sec以上90mm/sec以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。 【請求項2】 前記インクが、水不溶性色材を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 【請求項3】 前記インクが、水系インクであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は記録ヘッドのノズル面のクリーニングする機構を備えたインクジェット記録装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】複数のノズルを備えた記録ヘッドを左右に往復動させながら、インク滴を飛翔(吐出)させ、普通紙或いは特殊コート紙等の支持体の移動と相俟って、当該支持体上に画像データに従った画像(パターン)を形成するように構成したインクジェット記録装置は公知である。 【0003】また、インクジェット記録は、記録媒体が限定されないという特性から、ラベル印刷、捺染(布印刷)、液晶パネルのカラーフィルタ印刷等に使用されるなど、応用範囲も広がりを持っている。 【0004】インクジェット記録装置には、ノズル内のインクの乾燥を防止するためのキャップ手段(キャップ部)や、前記ノズルから、必要に応じて、インクを強制的に吐出させるための構成等を採用している。又、ノズル面のクリーニング手段としてこれを清掃するためのワイピング手段(清掃部)を備えており、記録用紙に沿って移動するキャリッジ上に配置した記録ヘッドのインク吐出口が設けられたノズルプレートに紙くず、ホコリ或いはインクなどが付着し、インク吐出口に目詰まりを生じたり、インクが吐出不良となる等の故障が起こるのを防止している。 【0005】特に、ノズル面(ノズルプレート)のインク(滴)残りはインクの着弾ズレを起こすだけでなく、固形化すると、ワイピング時にノズル撥水面を傷つけたり、又、これがノズルの目詰まりを引き起こしたりする原因となる。 【0006】更に、ワイピングによって、インクがキャリッジ周辺に飛散すると、紙の汚れを引き起こしたり、又、リニアエンコーダを汚染すると、記録ヘッドの位置制御不良等の問題が起こることもあり、従って、正常なインク滴の飛翔と、インクの飛散を抑えインクジェット装置の安定な動作を維持するためには、ノズル面のワイピング(清掃)が重要な位置を占める。 【0007】又、多色の場合、インク残りが大きいインクがあると、ワイピング動作をこれにあわせて行わなければならず、ワイピングの効率が全体として低下してしまうという問題も生じる。 【0008】記録媒体の多様化に伴い、使用されるインクの種類も増えたこともあり、インクの物性や化学的特性が異なる事が要因となって、目詰まりに対するワイピングの構成も、従来のブチルゴム等のワイパーブレードでノズル面をしごいてインクを拭い取る等の方式のみでは充分とはいえなくなってきた。即ち、従来のワイパーブレードや記録ヘッドのノズル面を構成する材料等については耐薬品性や記録ヘッドの吐出面を弾力的に拭くことのみに主眼がおかれ、特にその表面の性質についての配慮はなされていなかった。その為せっかくワイピングを行ったにもかかわらず、インクのノズルからの引き出しが起こったり、再度紙くず、ホコリ或いは増粘したインクなどがノズル面に付着したり、これに起因して、インク吐出口の目詰まりが生じ、インクの吐出不良をおこす等の問題は相変わらずなくならず更に改善が必要であった。 【0009】また、上記したごときの増粘したインクなどのノズル面でのふき取り不良が発生した場合には、蒸発などによる濃縮により固形分の析出が現れ、ワイパーブレードでのワイピングの際に、該ノズル面への損傷が発生する。 【0010】この記録ヘッドのノズル面には、通常、インクの付着などを防止するために、撥水処理がほどこされているが、上記の様な損傷は、この撥水処理にも大きなダメージを与え、インク付着の防止が不充分となり、ひいてはインク吐出の安定性へ大きな影響を与えるという問題を生じていた。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、記録ヘッドのノズル面に拭き残りが少なく効率的にクリーニングが出来、且つ、インクなどが後に乾いて固着しワイピングブレードによりノズル面を傷つけたり、又、ワイピング時にノズルに詰まったりすることのないインクジェット記録装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下の手段により達成される。 【0013】1. 記録ヘッド及び該記録ヘッドのノズル面をブレードによってワイピングするクリーニング機構を備えたインクジェット記録装置において、前記ブレードが弾性を有する多孔質の材料からなり、且つ記録ヘッドのノズル面に対するインクのRMV値が20mm/sec以上90mm/sec以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。 【0014】2. 前記インクが、水不溶性色材を含有することを特徴とする上記1に記載のインクジェット記録装置。 【0015】3. 前記インクが、水系インクであることを特徴とする上記1または2に記載のインクジェット記録装置。 【0016】4. 上記1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。 【0017】カラーインクジェット記録装置は通常、Y、M、C及びK4色又最近の高画質化に対応するため、それぞれ濃淡のインクを備えている場合もあり、これら全てのインクが、記録ヘッドノズル面に対して、該インクのクリーニング時に、インクの拭き残りを生じないようにする必要がある。 【0018】これまでインクジェット記録装置の記録ヘッドのクリーニング性能とインクの性質との関係は余り検討されてこなかった。例えば、記録ヘッドのノズルプレートを撥水性として、水性インクに対する親和性をおとし、該インクをブレード部材によって拭き取るクリーニング方法がこれまでよく行われている。 【0019】しかしながら、ノズル面のクリーニングにおいて水性インクの物性との関係をみる試みはそれ程されていなかった。例えば、これら記録ヘッドのノズル面のブレード部材によるワイピングの拭き残りは同一粘度、表面張力のインクを用いても異なる。 【0020】本発明においては、記録ヘッドノズル面に対してある値のRMV値を有するインクを用い、またワイパーブレードを特定のものを用いるインクジェット記録装置により、クリーニング性に優れ、且つ記録ヘッドノズル面の損傷を防止することができる記録装置が得られることを見いだした。 【0021】 【発明の実施の形態】以下に例を挙げて本発明の実施の態様について説明する。 【0022】図1はインクジェット記録装置1の主要構成の一例を示す概略図である。インクジェット記録装置は、記録紙にインクを吐出し印刷を行うものであり、その印刷を行う部分の主要構成として、図1に示すように、記録紙2を印刷時に前方へ搬送させる搬送手段(図示省略)と、前記記録紙2にインクを吐出する記録ヘッド(ヘッド)3と、複数色毎の記録ヘッド3を収納するキャリッジ4と、前記記録ヘッド3のクリーニングを含むメンテナンスを行う、吸引キャップ16及びブレード部17を有するメンテナンスユニット5と、印刷時或いはメンテナンス時などにキャリッジ4を水平方向(矢印A)に沿って案内するガイドレール6と、前記キャリッジ4の待機所となる保湿キャップ8を有するホームポジション7と、これら各部の制御を行う制御部(図示省略)とを備えている。Cはインクカートリッジ、インクカートリッジCから送られた各インクは一旦サブタンクTに蓄えられたうえ、供給弁Vを通して、インク供給路Pを通って記録ヘッドに送られる構成となっている。 【0023】記録紙の搬送手段は、印刷時において、キャリッジ4の動作にタイミングを合わせて、記録紙2を印字領域9上で搬送し、印刷の終了に応じて、記録紙2は印字領域から下方(矢印B)に向かって搬送される。 【0024】図2は記録ヘッドの構成を示す概略図である。記録ヘッド3は、ヘッド基板10に、インクを吐出するインク吐出本体部11と、該インク吐出本体部11近傍で温度を測る温度センサー(温度測定手段)12と、フレキシブルケーブルが接続され、これらインク吐出本体部11と温度センサー12に信号の入出力を行うフレキシブルケーブル接続部13などを設置した構成となっている。そして、インク吐出本体部11には、インクを吐出する吐出口14が、記録紙2に対向する面(ノズル面15)のセンターラインに沿って複数設けられており、この吐出口14は、インクノズル(流路)に連通している。又、記録ヘッド3は、ノズル面15の一端が他端よりも下となるように傾いた状態でキャリッジ4に設置されている。 【0025】温度センサー12は、インク吐出本体部11近傍の気温或いは、ヘッド基板10の温度を測定するものであり、フレキシブルケーブル接続部13を通して、制御部と電気的に接続している。 【0026】キャリッジ4には、図1に示すように、記録ヘッド3が、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に応じて複数設けられている。 【0027】メインテナンスユニット5は、吐出口を覆って、該吐出口14からインクを吸引する吸引キャップ(キャップ部材)16と、該吸引キャップ16によるインクの吸引が行われた後に、ノズル面15に残るインクを拭き取るブレード部17と、図1には示していないが、該ブレード部の清掃を行うブレードクリーナー部とを備えている。吸引キャップ16は、複数(本実施の形態では2個)並んで設けられており、メンテナンス時において、一度に複数個の記録ヘッド3の吸引を行うことを可能としている。 【0028】図3は、吸引キャップ16及び吸引手段20を含むインク吸引ユニットの概略を示す構成図であるが、この吸引キャップ16には記録ヘッド3のノズル面15の周囲を覆うと共に、密閉性を保つために弾性を有するリップ部19が備えられている。更に、この吸引キャップ16の背面には、吸引キャップ16とノズル面15により形成された空間内部を吸引する吸引ポンプ(吸引手段)20、大気連通弁21が連結されており、この吸引ポンプ20が、吸引キャップ16により覆われ密閉された状態のノズル面15を、吸引キャップ16を介して吸引する。そして、吸引ポンプ20によって吐出口14から吸引されたインクは、廃インクタンク22に排出される。 【0029】又、この吸引キャップ16は、吸引後にノズル面15から離間する際において、一方の端部側から先に離間させて徐々に他方の端部まで離間させる構成となっている(図3(a)、(b)、(c))。そして、この吸引キャップ16は、側面に略L字状の支持片18により支持され、記録ヘッド3のノズル面15とほぼ対向された状態に配置されている。 【0030】尚、本実施の形態では、吸引手段として吸引ポンプ20を例示しているが、吐出口14からインクを吸引するものであれば、如何なるものでもよく、例えば、ピストンやシリンダなどが挙げられる。 【0031】支持片18は、吸引キャップ16を支持する本体部23と、該本体部23の下端から直角に延出する延出部24とから構成されており、本体部23と延出部24の接合部分で回動可能に軸支されている。そして、延出部24には、略楕円形のカム(移動手段)26が接触している。カム26は、回動することで、支持片18を回動させ、それに伴って、吸引キャップ16を記録ヘッド3のノズル面15に着脱させる。 【0032】このカム26のカム駆動軸27は、モータなどのカム駆動部に接続されており、このカム駆動部の制御で回転し、吸引キャップ16を、記録ヘッド3と離間した所定の位置(待機位置;図3(c))と、ノズル面15を覆って密閉した位置(図3(a))との間で移動させている。 【0033】図4はブレード及びブレードクリーナー部を含むワイピングユニットの構成を示す概略図である。ブレード部17は、上述の様な弾性体で形成され、吸引キャップ16によるインク吸引の終了後に、ノズル面15に残留するインクを拭き取るブレード本体35と、該ブレード本体35を支持し、上下動(矢印E)させるブレード可動部36とを備えている。 【0034】又、ブレードクリーナー部37がメンテナンスユニット5の内部に設置されており、ブレード本体35のインクを吸収し拭き取るインク吸収体38と、該インク吸収体38を保持する吸収体保持部39とを備えている。 【0035】又、図1に示すように、ホームポジション7には、ノズル面15を保湿する保湿キャップ8が、記録ヘッド3と同数設けられており、キャリッジ4の待機中においては、記録ヘッド3のノズル面15を覆って密閉している。 【0036】メンテナンスが開始されると、先ず、キャリッジ4の移動により、記録ヘッド3が吸引キャップ16まで移動する。 【0037】キャリッジ4の移動は、キャリッジ駆動部(図示されていない)の駆動によって行われ、そして、キャリッジセンサーによりキャリッジ4が吸引位置まで移動したことを検知すると、キャリッジ駆動部が停止し、キャリッジが停止する。 【0038】キャリッジ4が吸引位置で停止すると、吸引キャップ16が、カム駆動部により(図示されていない)、記録ヘッド3のノズル面15まで移動し、記録ヘッド3のノズル面15を密閉し、吐出口14を覆う。 【0039】この状態で、吸引ポンプ20の作動が開始され、吐出口14からインクの吸引を行う。この吸引は、所定時間経過する迄行われ更に所定回数繰り返される。 【0040】吸引ポンプ20が停止すると、その後、大気連通弁21が開かれて、吸引キャップ16とノズル面15とを離間しやすい状態にした上で、吸引キャップ16を待機位置まで移動させる。 【0041】更に、吸引キャップ16を停止させると、大気連通弁21を閉め、キャリッジ4を、ノズル面15の拭き取り清掃(ワイプ)を行うブレード部17まで、キャリッジ駆動部により移動させる。 【0042】キャリッジ4がワイプ位置まで移動したことを検知すると、キャリッジ駆動部が停止し、キャリッジが停止する。 【0043】キャリッジ4がワイプ位置で停止すると、ブレード部17が移動を開始する。ブレード部17がワイプ位置で停止すると、キャリッジが動きワイプを開始する。 【0044】そして、ワイプの終了と共に、ブレードクリーナー部37によってブレード部17が清掃される。 【0045】ブレード部17の清掃が終わると、キャリッジ4は、待機位置であるホームポジション7まで移動し、停止する。 【0046】ブレード部17は、メンテナンスを行わない時には、図4(a)に示すように、ブレードクリーナー部37のインク吸収体38よりも下方で待機している。そして、ノズル面15にワイプが必要になると、ブレード可動部36は、上方に向かって移動することで、ブレード本体35を上方に移動させる。この移動の際に、ブレード本体の上面と、インク吸収体38とが接触する。つまり、ブレード本体35に残っていたインクは、この動作によりインク吸収体38に吸収される。この様な構成であるので、ブレード本体35は、メンテナンスが行われる毎に清掃され、残留インクにより、ブレード本体35が劣化するということを防止することができる。 【0047】更に、ブレード可動部36が上昇し、ブレード本体35の上端部がノズル面通過位置Fにまで達すると、キャリッジ4が作動し、このブレード本体35の上面と、記録ヘッド3のノズル面とが接触し、ノズル面15に残るインクは、ブレード本体35によって拭き取られる。 【0048】本実施の形態では、ブレード本体35の上面と、ノズル面15とが接触することで、ノズル面15上に残留するインクを拭き取る構成であるので、ブレード本体35の清掃を行う際には、ブレード本体35の上面側を拭き取る。 【0049】この様な構成を備えたインクジェット記録装置において、本発明においては、記録ヘッドのノズル面を、該表面を用いて測定したインクのRMV値が20mm/sec以上90mm/sec以下であるインクと組み合わせ用いることに一つの特徴がある。これにより、ノズル面の、クリーニング性に優れた、前記欠点のない優れたインクジェット記録装置が得られる。記録ヘッドのノズル面を撥水性(撥インク性)のものとするには、通常、ノズル面を構成する例えばノズルプレート表面を撥水加工する。 【0050】ノズル表面は、通常、例えば、ポリエステル、ポリアミド、等のプラスチック、ガラス、セラミック及び金属等の素材に撥水性コーティングを施したもので、撥インク性の表面としたものが用いられる。 【0051】ノズル面にインクが付着しないよう撥水性、撥インク性コーティングを施す方法については、例えば、特公昭52−24821号、特開昭56−2862号にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂やシリコーン樹脂等インクをはじく特性を有する素材のコーティングが、特開昭57−72866号、同60−255441号等には撥インク膜としてテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)を使用することがそれぞれ記載されている。このFEPはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と同等の低い表面エネルギー(撥インク性)を有しながら、加熱溶融時の粘度がPTFEと比較して低く、水分散液を塗布して加熱溶融によって均一膜を形成する場合にPTFEよりも低温で短時間に均一膜が得られ、成膜加工性に優れている。又、特開2001−71509、にはFEP水分散液とシリカゾル粒子分散液を混合塗布して乾燥及び300から400℃で焼成する方法が、又、特表平10−505870号等にもフッ素含有ポリシロキサン化合物を用いる方法等が記載されている。 【0052】一方、本発明における記録ヘッド前面のノズル面のクリーニングを行うブレードは、(親インク性(親水性)であっても、撥インク性(撥水性)であってもよいが、)弾性を有する多孔質の材料を有して構成されることが好ましい。 【0053】多孔質の材料としては、例えば、スポンジ状の合成高分子からなるもの、例えば、スポンジゴム、泡入り樹脂(例えば、熱硬化樹脂(例えば、フェノール系、尿素系、メラミン系、アルキド系、ポリエステルイソシアナート系の樹脂)、熱可塑性樹脂(例えば、ポリビニルホルマール、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンなどの樹脂)、セルロース誘導体(エステル、エーテル、ビスコース)などの泡入り樹脂)及び各種の材料の泡入り樹脂から選ばれ、弾性を有するものが本発明に好ましく使用することができる。 【0054】これらの中でも、半硬質フォーム状であるものが好ましく、この半硬質フォーム状とは、ひずみ率20%での圧縮応力が0.2〜1.0kg/cm2である状態を示す。圧縮応力が0.2kg/cm2未満の場合は、ふき取り力が弱く、出射安定性が不良となりがちであり、また、圧縮応力が1.0kg/cm2を越える場合には、ノズル撥水面を傷つけ易く、出射安定性が劣化しがちとなり、従って、上記した範囲が好ましいものと言える。 【0055】また、本発明の上記した弾性を有する多孔質の発泡体は、インク吸収性の観点から連続気泡率が10%以上ある場合が好ましく、100%近くまでのものが好ましい。この連続気泡率とは、プラスチックフォームハンドブック(日刊工業新聞社刊、牧 廣、小坂田 篤 編)第297頁に記載の様に、下記の式により求めることができる。 【0056】F=(Va−Vx)/Va×100(Fは連続気泡率、Vaは試料のみかけの容積、Vxは試料の実容積) 以上から、上記した本発明のブレードに使用される好ましいものとしては、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリプロピレンフォームを挙げることができ、この中でも、適度の圧縮強度を有し、耐薬品性に優れることからポリエチレンフォームが特に好ましい。 【0057】一方、本発明に係るインクのRMV(Receding MeniscusVelocity)値は、以下の方法により測定する。 【0058】(RMV値測定法)インクノズル面と同じ撥水膜上にインク25μlを垂らし、図5に示したように、下面が親水性のラバー部材R(6mmφ)と撥水膜の間隔1mmにこれを保持させ、半径20mmで円を描くように、インクを保持したまま、この部材を回転軸の周りに一定周速(vmm/sec)で回転させる。周速を変化させ、インクがラバーに追随してゆく最大の速度を測定する。追随する速度とは、ラバーの軌跡にインク残りが目視で観察されない最大の速度である。 【0059】RMV値が前記の値より小さい場合、ノズル面をブレードが掃引することによってクリーニングを行う際に、拭き残りができるため、ブレードの掃引速度を遅くしなければならず、クリーニングの効率をおとしたり、又、ノズル面との接圧を大きくしたりしなければならず、ノズル面の耐久性をおとしてしまう。 【0060】本発明に係わるインクジェット記録装置においては、複数のインク全てが前記RMV値を有していることが好ましい。カラーインクジェット装置として考えた場合には、前記関係を満足しないインクを有している場合、該インクを用いた記録ヘッドのノズル面にインクが残りやすく、又、甚だしい場合には、残ったインクが記録ヘッド周り(キャリッジ周り)に、ブレードの弾性によりはじかれ、周囲にインクを飛散させ、リニアエンコーダ等の汚染等をもたらすこともあり、プリンタ全体の問題となるので、好ましくない。 【0061】前記インクのRMVの他、ノズル面(ノズルプレート)の撥インク性や、ブレードの撥インク性を測定・評価するには、接触角を用いる。 【0062】一般に、外力が働かない時、液滴に働く力は、重力と表面張力である。液滴が小さく成ると、質量の割に表面積が非常に大きくなるので、重力に比べて表面張力の影響が圧倒的に大きくなる。従って、微小液滴の移動に影響する力は、表面張力(σ:mN/m)だけになる。静止している液滴が、固体表面と成す角を平衡接触角θe、又は、単に、接触角θと呼ぶが、液滴が移動を開始すると、平衡接触角θeが消滅して、前進接触角θaと後退接触角θrが現れる。液滴に働く表面張力の大きさは、液滴を進める方向にσcosθa、液滴の移動を妨げる方向にσcosθrとなる。 【0063】前進接触角θaは、まだ液で濡れていない表面に対する接触角であり、後退接触角θrは、既に、液体で濡れた表面に対する接触角であるので、常にθa>θrが成立する。液滴に外力が作用して、移動を開始しθaとθrが現れると、その時、液滴には、液滴の移動を妨げる方向にσcosθr−σcosθaの力が働き、これが、液滴の移動を妨げる力となる。 【0064】前進接触角θaと平衡接触角θeは、共に、まだ液体で濡れていない表面に対する接触角の為、多くの系でθa≒θeが成立する。θrは、既に液体で濡れた面に対する接触角の為、インク成分が固体表面に吸着したり、インクの影響で、固体表面の官能基が反転すると、大きく変化する。液体が濡れ拡がらず、球状になってコロコロと転がる事を防ぐには、前進接触角θaが大きく、後退接触角θrが小さく成る系が好ましい。 【0065】〈前進接触角、後退接触角の測定〉(株)協和界面科学製の接触角計CA−Xを使用して測定する。測定しようとするインク滴5μlをシリンジから基板上に乗せる。更に、シリンジから少量のインクを供給して、液滴を少し拡がらせて前進接触角を測定する。直ちに、少量のインクをシリンジに吸い取り液滴を後退させて後退接触角を測定する。 【0066】本発明に係わるインクジェット記録装置においては、水系インクを用いるが、染料、顔料どちらのタイプのインクを用いても構わない。吸引によりノズル面(ノズルプレート)に残ったインク滴のクリーニングが、特に顔料インクの場合、溶剤や水分が蒸発すると、顔料は基本的に溶媒に不溶で再溶解しないため、又、硬い塊として固着しノズル中に取り込まれると出射不良となりやすいため、又、ノズル面、更にはブレードを傷つけるので、短時間で効率よくノズル面のクリーニングを行う事のできる本発明に係わるインクジェット記録装置は、水不溶性色材、特に顔料インクを用いた場合に特に有効である。 【0067】本発明においては水系インクを用いることが好ましく、水系インクとは、例えば、インク総質量あたり10質量%以上の水を含有する水系インクジェットインクである。 【0068】インクに用いられる色材としては、水溶性染料、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、あるいは分散染料、顔料等を用いることができる。 【0069】本発明では、色材として顔料インクを用いることできるが、前記のようにクリーニングにおいて染料インクよりも大きな問題を引き起こすことからみて特に本発明が有効である。又、得られる画像記録の保存性の観点からも好ましい。顔料インクで用いる顔料としては、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料およびカーボンブラック等を好ましく用いることができる。 【0070】水不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。 【0071】好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。 【0072】オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。 【0073】グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。 【0074】これらの顔料には、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよく、用いることのできる顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはポリマー類、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。 【0075】特にこの中でも、3,000以上の分子量(重量平均分子量)を有するものが好ましく、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩からなるポリマー分散剤が好ましく、これらのなかでも、3,000以上の分子量を有する、スチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等から選ばれるブロック共重合体、ランダム共重合体が好ましい。これらの例としては、スチレン−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(分子量10,000、酸価160)があり、又アクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル61(ジョンソン社製)等は入手できる。 【0076】ポリマー分散剤を用いたものは、顔料粒子周りに電気二重層が強固に形成され、安定なためと考えられるが、記録ヘッド前面(ノズルプレート)のクリーニング性がよくインクが残りにくいこと、又、前記クリーニング時に、例え拭き残りを生じても、塊となって固着しにくいことから、その次のタイミングで洗い出しやすい、又、ブレードやノズル面を傷つけたりすることがなく、本発明に係わるクリーニング方法を用いたインクのワイピングにおいては好ましい。 【0077】顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。 【0078】顔料インク中の顔料粒子の平均粒径は、インク中での安定性、画像濃度、光沢感、耐光性などを考慮して選択するが、加えて本発明の画像形成方法では、光沢向上、質感向上の観点からも粒径を適宜選択することが好ましい。本発明において、光沢性あるいは質感が向上する理由は、現段階では定かでは無いが、形成された画像において、顔料は熱可塑性樹脂が溶融した皮膜中で、好ましい状態で分散された状態にあることと関連していると推測している。高速処理を目的とした場合、短時間で熱可塑性樹脂を溶融、皮膜化し、更に顔料を充分に皮膜中に分散しなければならない。このとき、顔料の表面積が大きく影響し、それゆえ平均粒径に最適領域があると考察している。 【0079】顔料インクとして好ましい形態である水系インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ましい。本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。 【0080】水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用しても良い。水溶性有機溶媒のインク中の添加量としては、総量で5〜60質量%であり、好ましくは10〜35質量%である。 【0081】インク組成物は、必要に応じて、吐出安定性、記録ヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。 【0082】インク組成物は、その飛翔時の粘度として40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下であることがより好ましい。また、インク組成物はその飛翔時の表面張力として、20mN/m以上が好ましく、30〜45mN/mであることがより好ましい。 【0083】インク中の顔料固形分濃度は、0.1〜10%の範囲で選択でき、写真画像を得るには、顔料固形分濃度を各々変化した、いわゆる濃淡インクを用いることが好ましく、前記のようにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの濃淡インクを各々用いることは特に好ましい。また、必要に応じて、赤、緑、青等の特色インクを用いることも、色再現性上好ましい。 【0084】 【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。 【0085】実施例1コニカ製インクジェットプリンタIGUAZU 1044SD(図1に概略図を示した)を用い、以下に示す試験を行った。 【0086】(ノズルプレートAの作製)125μm厚のポリイミドシート(宇部興産(株)製、ユービレックス)を用い、酸素プラズマ処理(13.56MHz、200W、10Pa、3分)を施してから、下記組成の塗布液をワイヤーバーで乾燥膜厚が0.8μmとなるように塗布し、330°で2時間焼成して撥インク処理を行ってノズルプレートAを作製した。 【0087】 FEP分散液(ダイキン工業(株)製、ネオフロンND−1) 10質量部 シリカゾル粒子分散液(触媒化学工業(株)製、カタロイドS−30H) 0.02質量部 水 90質量部(ノズルプレートBの作製)酸素プラズマ処理までは同じであるが、前記のものにかえて以下の塗布液を用いて0.8μmの厚みに塗布し、380°で2時間焼成し、ノズルプレートBを作製した。 【0088】 FEP分散液(ダイキン工業(株)製、ネオフロンND−1) 9.5質量部 シリカゾル粒子分散液(触媒化学工業(株)製、カタロイドS−30H) 0.5質量部 水 90質量部ノズルプレートA及びBの表面の撥インク性を評価するために、(株)協和界面科学製の、接触角計CA−Xを使用して、以下に作製したインク1で後退接触角を測定した。後退接触角で評価したときノズルプレートA、Bはそれぞれ65度、55度であった。 【0089】次いで、以下のインクを調製し、各インクについて前記ノズルプレートA、Bそれぞれの表面におけるRMV値を前記図5に示す装置を用いて測定した。 【0090】又、撥インク処理を行ったノズルプレートA、Bそれぞれに、エキシマレーザを用いノズル孔加工を行った。ノズル径は40μmとした。 【0091】ノズルを穿った後、該ノズルプレートA、Bをそれぞれ用いた記録ヘッドを作製した。 【0092】次いで、作製した記録ヘッドを前記コニカ製インクジェットプリンタのヘッドに代えて実装してインクジェットプリンタA及びBを作製した。尚、メンテナンスユニットのブレード材料についてもいずれもシリコーンゴム製(入間川ゴム(株)製シリコーンゴムIS−825 50HS)に代えて後述の様に使用した。 【0093】 (インクの作製) (イエロー顔料分散体1) C.I.ピグメントイエロー128 150g スチレン−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 70g (分子量10,000、酸価160) エチレングリコール 100g グリセリン 80g イオン交換水 200gを混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システムゼータミニ)を用いて分散し、イエロー顔料分散体1を得た。得られたイエロー顔料分散体1の平均粒径は125nmであった。平均粒径の測定はゼータサイザー1000(マルバーン社製)を使用した。 【0094】(イエロー顔料分散体2)前記イエロー顔料分散体1に対して20,000rpmで30分間遠心分離処理を行い、イエロー顔料分散体2を得た。得られたイエロー顔料分散体2の平均粒径は75nmであった。 【0095】 (インク1〜3の調製) (インク1) イエロー顔料分散体2 167g エチレングリコール 200g ジエチレングリコール 120g オルフィン1010(日信化学(株)製) 4g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g以上をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてインク1を調製した。 【0096】 (インク2) イエロー顔料分散体2 200g エチレングリコール 200g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 100g オルフィン1010(日信化学(株)製) 4g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g以上をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてインク2を調製した。 【0097】 (インク3) イエロー顔料分散体1 100g エチレングリコール 200g ジエチレングリコール 100g オルフィン1010(日信化学(株)製) 4g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g以上をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてインク3を調製した。 【0098】 (マゼンタ顔料分散体1〜2の調製) (マゼンタ顔料分散体1) C.I.ピグメントレッド122 100g デモールC 63g グリセリン 100g イオン交換水 130gを混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システムゼータミニ)を用いて分散し、マゼンタ顔料分散体1を得た。得られたマゼンタ顔料分散体1の平均粒径は65nmであった。 【0099】 (マゼンタ顔料分散体2) C.I.ピグメントレッド122 100g ジョンクリル61(アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製) 60g エチレングリコール 100g イオン交換水 130gを混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システムゼータミニ)を用いて分散した後、20,000rpmで30分間遠心分離処理を行い、マゼンタ顔料分散体2を得た。得られたマゼンタ顔料分散体2の平均粒径は35nmであった。 【0100】 (インク4〜8の調製) (インク4) マゼンタ顔料分散体1 160g ジエチレングリコール 180g グリセリン 80g ペレックスOT−P(花王(株)製) 35g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g以上をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてインク4を調製した。 【0101】 (インク5) マゼンタ顔料分散体1 160g ジエチレングリコール 180g グリセリン 80g フッ素系界面活性剤1(メガファックF177、大日本インキ工業(株)製) 3g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g以上をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてインク5を調製した。 【0102】 (インク6) マゼンタ顔料分散体2 140g ジエチレングリコール 180g グリセリン 80g エマルゲン120(花王(株)製) 4g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g以上をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてインク6を調製した。 【0103】 (インク7) マゼンタ顔料分散体2 140g ジエチレングリコール 180g グリセリン 80g 親水性シリコーン化合物1(KF700、信越シリコーン(株)製) 4g ペレックスOT−P(花王(株)製) 5g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g以上をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてインク7を調製した。 【0104】 (インク8) マゼンタ顔料分散体2 140g ジエチレングリコール 180g トリエチレングリコールモノメチルエーテル 86g エマルゲン120(花王(株)製) 4g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g以上をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μmのミリポアフィルターを2度通過させてインク8を調製した。 【0105】 (シアン顔料分散体1の調製) C.I.ピグメントブルー15:3 200g デモールC(花王(株)製) 100g グリセリン 80g イオン交換水 620gを混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システムゼータミニ)を用いて分散し、シアン顔料分散体1を得た。得られたシアン顔料分散体1の平均粒径は95nmであった。 【0106】 (シアン顔料分散体2の調製) C.I.ピグメントブルー15:3 250g ジョンクリル61 150g(固形分) (アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製) グリセリン 100g イオン交換水 500gを混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システムゼータミニ)を用いて分散し、シアン顔料分散体2を得た。得られたシアン顔料分散体2の平均粒径は87nmであった。 【0107】 (インク9) シアン顔料分散体1 150g ジエチレングリコール 150g トリエチレングリコール 200g ペレックスOP−T(花王(株)製) 2g イオン交換水 498g (インク10) シアン顔料分散体2 100g エチレングリコール 300g ジエチレングリコールモノブチルエーテル 100g プルロニックL−44(旭電化(株)製) 10g イオン交換水 490g (ブラック顔料分散体1の調製) カーボンブラック 250g バニレックスRN(日本製紙(株)製) 200g ジエチレングリコール 100g イオン交換水 450gを混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システムゼータミニ)を用いて分散し、ブラック顔料分散体1を得た。得られたブラック顔料分散体1の平均粒径は83nmであった。 【0108】 (ブラック顔料分散体2の調製) カーボンブラック 250g スチレン−アクリル酸共重合体 100g(固形分) (分子量7,000、酸価150) グリセリン 100g イオン交換水 550gを混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システムゼータミニ)を用いて分散し、ブラック顔料分散体2を得た。得られたブラック顔料分散体2の平均粒径は75nmであった。 【0109】 (インク11) ブラック顔料分散体1 150g エチレングリコール 300g レベノールWX(花王(株)製) 2g イオン交換水 548g (インク12) ブラック顔料分散体2 150g エチレングリコール 200g トリエチレングリコールモノエチルエーテル 50g ペレックスOP−T(花王(株)製) 2g イオン交換水 598g記録ヘッドの異なる2種類のインクジェットプリンタA、Bのインクカートリッジにそれぞれ前記インク1〜12を装填して、ワイピングユニットによるクリーニング、即ち、吸引キャップによる吸引及びその後のブレードによる拭き取りを行った後、カバーを開けて2つのプリンタの記録ヘッドノズル面のインクの拭き残りを観察した。尚、それぞれのプリンタのクリーニングユニットの駆動系を操作して、ブレードの掃引速度(実際にはキャリッジが動くので相対速度)を50mm/sec、60mm/secで変化させて上記のデータを取った。 【0110】また、上記ブレードは次の2種類を使用した。 ブレード1:ポリエチレンからなり、発泡体とした多孔質なスポンジ状のブレード。 ブレード2:ポリエチレンからなり、発泡させずにそのまま、これをブレードとした。 【0111】各種実験及び結果を表1に示した。また、評価は、以下の様にして行った。(評価A)拭き残りについては、目視により以下に示す基準で評価した。 【0112】 ◎;ノズル面及びその周辺に微小なものも含めインク滴の残りは全く確認できなかった○;ノズル面及びその周辺に極僅かではあるが、微小なインク滴がみられた△:ノズル面及びその周辺に微小なインク滴がみられた×;ノズル面及びその周辺に拭き残りのインク滴が明らかにみられたまた(評価B)クリーニングした後のヘッドのノズル面の傷の評価については、目視により以下に示す基準で評価した。 【0113】 ◎;ノズル面及びその周辺に微小なものも含め傷は全く確認できなかった○;ノズル面及びその周辺に極僅かではあるが、微小な傷がみられた△:ノズル面及びその周辺に微小な傷がみられた×;ノズル面及びその周辺に傷が明らかにみられた【0114】 【表1】
【0115】ノズル面(ノズルプレート)に対するRMV値が20mm/sec以上90mm/sec以下のインクを用いた場合には、ある程度の良好なクリーニング性を有するが、本発明のブレードを用いることで、ブレードの掃引速度が大きくてもクリーニング性がよく、クリーニングの時間を短縮できることがわかる。又、インクに分子量3,000以上のポリマー分散剤を含有するインクとの組合せが良好な結果をしめす。 【0116】 【発明の効果】ワイピングによる傷の発生なく且つ拭きのこりがなく、且つ掃引速度もはやく効率のよいクリーニング性を達成できるインクジェット記録装置及びその記録方法が得られた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカ株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿1丁目26番2号
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| 【出願日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−182097(P2003−182097A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−389223(P2001−389223) |
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