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【発明の名称】 間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドによってインク乾燥時間を最適化するシステムおよび方法
【発明者】 【氏名】ジョン・エム・ウェイド

【要約】 【課題】間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドのシステムを組み込むことによってインク乾燥時間を最適化するシステムおよび方法を提供する。

【解決手段】改善したインク乾燥時間で印刷媒体上に画像を印刷する印刷システムであって、それぞれが、全印刷動作のうちの部分的印刷動作を行う、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドと、前記印刷媒体内でのそれぞれのプリントヘッドの位置を検知するセンサと、それぞれの多数のプリントヘッドに対して分配するために、前記検知した位置に基づいて、前記全印刷動作を前記部分的印刷動作に分割する、コントローラとを含む印刷システム、並びに、多数のプリントヘッドで印刷媒体上に画像を印刷する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 改善したインク乾燥時間で印刷媒体上に画像を印刷する印刷システムであって、それぞれが、全印刷動作のうちの部分的印刷動作を行う、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドと、前記印刷媒体内でのそれぞれのプリントヘッドの位置を検知するセンサと、それぞれの多数のプリントヘッドに対して分配するために、前記検知した位置に基づいて、前記全印刷動作を前記部分的印刷動作に分割する、コントローラとを含む印刷システム。
【請求項2】 前記プリントヘッドは、所定量だけ互いに間隔を置いて配置されて、それぞれの前記プリントヘッドの印刷と印刷の間にインクが乾燥することができるようにする、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】 前記検知した位置を用いて印刷中に前記多数のプリントヘッドを作動し命令する、プログラム可能なフィードバックループをさらに含む、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】 前記多数のプリントヘッドの印刷スウォース中に、同期した方法で、前記画像を規定するデータパケットが前記多数のプリントヘッドに付け加えられ送られる、請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】 それぞれの前記プリントヘッドは、連係し同期するフィードバックループを含む、請求項3に記載の印刷システム。
【請求項6】 間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドで印刷媒体上に画像を印刷する方法であって、前記印刷媒体上に位置決め指標を作成すること、前記指標を用いて前記印刷媒体の位置を検知すること、全印刷動作のうちの部分的印刷動作を行うこと、それぞれの多数のプリントヘッドに対して分配するために、前記検知した位置をに基づいて、前記全印刷動作を前記部分的印刷動作に分割することとを含む方法。
【請求項7】 前記位置決め指標を作成することは、前記印刷媒体の余白部内に印刷される所定の指示を作成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】 前記位置決め指標は、前記印刷媒体において固有のパターンを表すデータを作成する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】 それぞれプリントヘッドはキャリッジを含み、最後のプリントヘッドに関連する最後のキャリッジは、前記印刷媒体上に位置決め指標510がないかスキャンする位置決めセンサを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】 印刷媒体上に画像を印刷するプリンタであって、それぞれが、全印刷動作のうちの部分的印刷動作を行う、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドと、前記印刷媒体内でのそれぞれのプリントヘッドの位置を検知するセンサと、前記印刷媒体上に位置決め指標を作成する指標作成器と、を備え、それぞれのプリントヘッドは、互いに間隔を置いて配置されて、それぞれのプリントヘッドの印刷と印刷の間にインクが乾燥することができるようにする、プリンタ。
【請求項11】 前記検知した位置を用いて印刷中に前記多数のプリントヘッドを作動し命令する、プログラム可能なフィードバックループをさらに含む、請求項10に記載のプリンタ。
【請求項12】 前記指標作成器は、前記印刷媒体において固有のパターンを表すデータを作成する、請求項10に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的にインクジェットプリンタに関し、より詳細には、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドのシステムを組み込むことによってインク乾燥時間を最適化するシステムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、コンピュータの分野において一般的なのものである。このようなプリンタは、W.J.LloydおよびH.T.Taubによって、「Ink Jet Devices」(Chapter 13 of Output Hardcopy Devices(Ed. R.C. Durbeck and S.Sherr,San Diego:Academic Press,1988))において、ならびに米国特許第4,490,728号および第4,313,684号において説明されている。インクジェットプリンタは、紙等の媒体に当たるのがインクのみなので、高品質の印刷物を製作し、コンパクトで持ち運びでき、印刷が高速かつ静かである。
【0003】インクジェットプリンタは、印刷媒体用に規定したアレイの特定の位置に個々のドットからなるパターンを印刷することによって、印刷画像を生成する。各位置は、直線のアレイにおける小さなドットとして、都合よく視覚化される。このような位置は、「ドット位置」、「ドット場所」、または「画素」と呼ばれる(are)こともある。画素はサイズがさまざまであり、直線のアレイにおいてドットが小さいほど、印刷媒体の1インチ当たりに印刷できるドットの数が多くなるということを意味する。ドットが小さいと、その結果画像の形成がより正確になり、その結果今度は、画像の精細度が上がる。したがって、印刷動作は、特定のサイズの、またはさまざまなサイズのドットを組み合わせたものからのインクのドットで、ドット位置のパターンを満たすことである、と考えることができる。
【0004】インクジェットプリンタは、非常に小さなインク滴を印刷媒体上に噴出することによってドットを印刷し、典型的には、1つまたは複数のプリントカートリッジを支持する、可動キャリッジを含む。プリントカートリッジはそれぞれ、インク噴出ノズルを有するノズル部材のある、プリントヘッドを有する。キャリッジは、印刷媒体表面の上方を横切る。キャリッジの幅は、異なるプリンタ同士でさまざまである。どのような印刷ライン(line of print)についても、キャリッジの横断回数は1回よりも多くてもよく、利用するノズルの数はさまざまであってもよい。インク槽等のインク供給容器が、ノズルにインクを供給する。ノズルは、マイクロコンピュータまたは他のコントローラのコマンドにしたがって、適切な時点においてインク滴を噴出するように、制御されている。インク滴を施すタイミングは、印刷している画像の画素のパターンおよびインクと印刷媒体との物理特性に対応するように意図されている。
【0005】一般的に、インクは、印刷媒体に露出したノズルに通じる管を有する気化チャンバ内に収容されている。気化チャンバ内に配置された少量のインクを、小型の薄膜抵抗器等の小型の電気ヒータで急速に加熱することによって、小さなインク滴がノズルからオリフィスを通って噴出される。このような小型の薄膜抵抗器は、通常、気化チャンバに隣接して配置される。インクは、加熱することによって気化し、接続管類内のインクをノズルオリフィスから噴出する。すなわち、1つのインクドットについて、外部電源からの電流が、選択した気化チャンバの選択した薄膜抵抗器を通る。するとその抵抗器が加熱されて、今度はその選択した気化チャンバ内に配置されたインクの薄い層を加熱し、それによって爆発的な気化が引き起こされ、したがって、そのノズルから印刷媒体上にインク滴が噴出される。インク滴がノズルから噴出されるときに作り出される真空は、気化チャンバにより多くのインクを引き入れる吸引ポンプの役割を果たす。
【0006】抵抗器が短期間に多数回噴射する場合には、高温になる。1つの印刷スウォースでキャリッジが横断するとき、アレイ内のさまざまな加熱素子が作動する。この横断の幅が狭い場合には、横断開始時の平均温度は、横断完了時の平均温度と同様であり、温度がそのパス(pass)に与える影響は、印刷媒体上に発射されるインク滴すべてについて一定となる。スウォースの幅が広い場合には、作動する加熱素子の数が多くなる。
【0007】ページワイドアレイ以前には、幅の狭いプリントヘッドでラスタスキャンを行うために、インクジェットの印刷速度は限られていた。この速度は、今では上がっている。ページワイドアレイの現在の問題は、インクが十分な速度で乾燥するようにして、以前に印刷したスウォースを損なうことなくマルチパスに備える、ということである。これは、インクジェット材料の組(sets)には適合しない可能性がある速乾性の溶剤をベースにしたインクを用いるか、または、水性インクを非常に低速で用いて媒体が蒸発できるようにするかのどちらかにしなければならない、ということを意味する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドのシステムを組み込むことによってインク乾燥時間を最適化するシステムおよび方法が、必要とされている。このシステムおよび方法によって、データは、パケットに分割され、各パケットは、個々のプリントヘッドにおいて別個のコントローラによって処理される。プリントヘッドは、印刷媒体の長軸(long axis)に沿ってキャリッジ上に間隔を置いて配置され、それぞれのプリントヘッドが同じ印刷スウォースのうちの一部を印刷するようになっている。最初のプリントヘッドからの印刷データがその後のプリントヘッドに達するので、スウォースを完了する印刷データは、次に続くプリントヘッドによって付け加えられる。最初のプリントヘッドからの印刷データが2番目のプリントヘッドに達する時までに、そのスウォースが乾燥する時間がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の従来技術における限界を克服するために、そして、本明細書を理解すれば明白になるその他の限界を克服するために、本発明は、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッドのシステムを組み込むことによってインク乾燥時間を最適化するシステムおよび方法において実施される。
【0010】プリントヘッド装置(printhead assembly)は、接続および処理回路と、多数のプリントヘッド本体と、インクチャネルと、半導体ウエハー等の基板(通常ダイと呼ばれる)と、ノズル部材とを含む。ノズル部材は、アレイになった加熱素子と、それぞれのインクチャネルに結合した複数のノズルとを有する。プリントヘッドはまた、コントローラも含む。コントローラは、印刷媒体上への印刷を制御し、プログラム可能なフィードバックループを組み込む、集積回路プロセッサ、プリンタドライバ、ファームウェア、等であってもよい。このループは、印刷中にさまざまなプリントヘッドを作動して、印刷スウォース中にデータパケットが同期した方法で付け加えられるようになっている。
【0011】コントローラは、集積回路において、印刷工程中に指標センサ(index sensor)を介して位置を受け取り、この指標(index)を、データパケットを印刷するための設定点と比較し、プリントヘッド装置におけるさまざまなプリントヘッドを起動し、順方向通信ループ(forward communication loop)によってステッパモータを起動して、印刷媒体を印刷工程と連係する状態に保つものとして、規定することができる。コントローラは、いかなる好適な集積回路製造またはプログラミング工程によって作成してもよい。
【0012】本発明は、ワイドアレイページ上の印刷スウォースにおいて生じるインクに、適切な乾燥時間を提供する。この結果、高速ラスタスキャンを行うシステムにおいて、インクジェット材料に適合する水性インクが用いられる。すなわち、本発明の第1は、改善したインク乾燥時間で印刷媒体106上に画像を印刷する印刷システム100であって、それぞれが、全印刷動作108のうちの部分的印刷動作を行う、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッド304と、前記印刷媒体内でのそれぞれのプリントヘッドの位置を検知するセンサ522と、それぞれの多数のプリントヘッド304に対して分配するために、前記検知した位置に基づいて、前記全印刷動作を前記部分的印刷動作に分割する、コントローラ110とを含む印刷システムを提供するものである。本発明の第2は、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッド304で印刷媒体106上に画像を印刷する方法であって、前記印刷媒体106上に位置決め指標510を作成する工程と、前記指標を用いて前記印刷媒体106の位置を検知する工程と、全印刷動作108のうちの部分的印刷動作を行う工程と、それぞれの多数のプリントヘッド304に対して分配するために、前記検知した位置をに基づいて、前記全印刷動作108を前記部分的印刷動作に分割する工程と、を含む方法を提供するものである。本発明の第3は、印刷媒体106上に画像を印刷するプリンタ100であって、それぞれが、全印刷動作108のうちの部分的印刷動作を行う、間隔を置いて配置した多数のプリントヘッド100と、前記印刷媒体106内でのそれぞれのプリントヘッド304の位置を検知するセンサ522と、前記印刷媒体106上に位置決め指標510を作成する指標作成器520とを備え、それぞれのプリントヘッド304は、互いに間隔を置いて配置されて、それぞれのプリントヘッド304の印刷と印刷の間にインクが乾燥することができるようにする、プリンタを提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】好ましい実施形態を説明する以下の説明および添付図面を参照すれば、本発明をさらに理解することができる。添付図面とともに好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、他の特徴および利点が明白になろう。添付図面は、例として本発明の原理を説明する。
【0014】本発明の以下の説明において、添付図面を参照する。添付図面は、説明の一部を形成し、添付図面において、例示として、本発明を実施してもよい具体的な例が示される。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよく、構造的変更を行ってもよい、ということが理解されなければならない。
【0015】I.一般的概観図1は、本発明を組み込んだ印刷システム全体のブロック図を示す。本発明の印刷システム100は、プリントヘッド装置102、インク供給容器104、および印刷媒体106を含む。印刷システム100への入力データは、入力データチャネル108から来る。プリントヘッド装置102には、位置決め(locator)コントローラシステム110が含まれている。コントローラシステム110は、集積回路、ファームウェア、ソフトウェアのプリンタドライバ、等であってもよく、プリントヘッドの作動のタイミングを制御する。
【0016】II.例示的な印刷システム図2は、本発明を組み込み、説明の目的のためのみに示す、例示的な高速ラージフォーマット印刷システム200の斜視図である。印刷システム200は、スタンド220上に搭載されたハウジング210を含む。ハウジング210は、左媒体搬送機構カバー225と右媒体搬送機構カバー230とを有する。左媒体搬送機構カバー225と右媒体搬送機構カバー230とはそれぞれ、左媒体搬送機構(図示せず)と右媒体搬送機構(図示せず)とを収容している。右媒体搬送機構カバー230上には、制御盤240が搭載されており、印刷システム200とのユーザインターフェースを提供している。
【0017】キャリッジ装置234上には、プリントカートリッジ236を有するプリントヘッド装置102が搭載されている。これらはすべて、透明カバー260の下に示している。キャリッジ装置234は、プリントヘッド装置102を、キャリッジバー265に沿って「y」軸で示す水平方向に配置する。印刷媒体270(紙等)が、媒体搬送機構(図示せず)によって「x」軸で示す垂直方向に配置される。
【0018】プリントカートリッジ236は、走査キャリッジ234に、取り外し可能に搭載されていても、永久的に搭載されていてもよい。また、プリントカートリッジ236は、インク供給容器104(図1に示す)のように、プリントヘッド本体(図3に示す)内に、自給式のインク槽を有していてもよい。このような自給式のインク槽は、インクを補充してプリントカートリッジ236を再利用できるようになっていてもよい。または、プリントカートリッジ236はそれぞれ、可とう性を有する管路240によって、インク供給容器104(図1に示す)の役目を果たす複数の固定したまたは取り外し可能なインク容器242のうちの1つに、液通していてもよい。さらなる他にとり得るものとして、インク供給容器104は、プリントカートリッジ236とは別個または分離可能で、キャリッジ234に取り外し可能に搭載可能な、1つまたは複数の多いインク容器であってもよい。
【0019】図3は、説明の目的のためのみに、本発明を組み込んだ例示的プリントヘッド装置102の斜視図を示す。以下で、本発明の詳細な説明を、図2のプリンタ200等の典型的なプリンタとともに用いる、典型的なプリントヘッド装置を参照して行う。しかし、本発明は、いかなるプリントヘッドおよびプリンタの構成に組み込んでもよい。
【0020】図1および図2を図3とともに参照して、プリントヘッド装置102は、サーマルヘッド装置302とプリントヘッド本体304とから成っている。サーマルヘッド装置302は、テープ・オートメーテッド・ボンディング(TAB)装置として一般的に呼ばれている、可とう性を有する材料であってもよい。サーマルヘッド装置302は、ノズルシステム306と、相互接続接触パッド(図示せず)とを含み、プリントヘッド装置102に固定されている。サーマルヘッド装置302は、好適な接着剤でプリントカートリッジ300に固定してもよい。プリンタ200には、集積回路チップ(図示せず)が、プリントヘッド装置102のいくつかのパラメータに関するフィードバックを提供する。接触パッド308は、キャリッジ234上の電極(図示せず)に整列し、電気的に接触する。ノズルシステム306は、好ましくは、例えばレーザ・アブレーションによって作成するサーマルヘッド装置302を通じて、複数の互いに平行で互いにずれたノズルの行310を含む。互いに平行だが互いにずれていないノズルの行等、他のノズル配置を用いてもよい、ということに留意するべきである。
【0021】III.構成要素の詳細図4は、本発明を利用するインクジェットプリントカートリッジ300の、図3の4−4線概略断面図である。以下で、本発明の詳細な説明を、プリントカートリッジ300とともに用いる典型的なプリントヘッドを参照して行う。しかし、本発明は、いかなるプリントヘッドの構成に組み込んでもよい。また、図4の各要素は、縮尺率が一定ではなく、分かりやすくするために誇張している。
【0022】図1ないし図3を図4とともに参照して、上述のように、サーマルヘッド装置302の背面に導線(図示せず)が形成され、これらの導線は、終端が、キャリッジ234上の電極と接触する接触パッドになっている。導線の他端は、半導体材料等の、通常ダイと呼ばれる基板410の、端子または電極(図示せず)を通じて、プリントヘッド300に接着されている。基板すなわちダイ410の上には、インク噴出要素416が形成されており、これらのインク噴出要素416は、導線に電気的に結合している。インク噴出要素416には、集積回路チップが、動作電気信号を供給する。ノズル部材306と基板410との間には、バリアー層412が配置されて、各導電要素を基板410から絶縁する。
【0023】図4に示すように、インク噴出すなわち気化チャンバ418が、それぞれのインク噴出要素416に隣接しており、それぞれのインク噴出要素416が、ノズル部材306のそれぞれのオリフィスすなわちノズル420の略背後に配置されるようになっている。図4においては、説明の目的のためのみに、ノズル420を、基板410の縁近くに配置して示す。ノズル420は、基板410の縁と本体304の内部側との中間等、ノズル部材306の他の領域に配置してもよい。
【0024】それぞれのインク噴出要素416は、集積回路によって接触パッドのうちの1つまたは複数に順次または同時に印加する1つまたは複数のパルスによって選択的に通電されると、抵抗ヒータの役目を果たす。インク噴出要素416は、加熱抵抗器であってもよく、圧電素子であってもよく、本発明の目的のためには、加熱抵抗器である。オリフィス420のサイズ、数、およびパターンはいかなるものであってもよく、さまざまな数字は、単にそしてはっきりと、本発明の特徴を示すことを意図するものである。わかりやすくするために、さまざまな特徴の相対寸法は、非常に調整を加えたものになっている。
【0025】図1ないし図4を参照して、印刷動作中、プリントヘッド本体304によって規定されるインク槽104内に収容されているインクは、通常、基板410の縁のまわりを、そして気化チャンバ418内へと流れる。通電信号は、インク噴出要素416に送られ、プリントカートリッジ236とプリンタ200との間の電気接続から生成される。インク噴出要素416に通電すると、隣接するインクの薄い層が過熱される。加熱素子に通電することによって、爆発的な気化が行われ、したがって、オリフィスすなわちノズル420を通ってインク滴が噴出される。次に、毛管作用によって気化チャンバ418を補充する。このプロセスによって、印刷媒体106上にインクを選択的にデポジットし、それによってテキストおよび画像を生成することができる。
【0026】図5および図1ないし図4を参照して、本発明の好ましい実施形態は、それぞれがキャリッジ装置234およびプリントヘッド装置102、ならびにインクジェットプリントヘッド304を支持する、多数のキャリッジバー265を有する。プリントヘッド装置1、102上には、指標作成器(index creator)520が配置されている。指標作成器520は、印刷媒体106上に位置決め指標(locator index)510を作成する。一実施形態において、位置決め指標は、余白部内に印刷してもよい。他の例において、指標作成器520は、繊維パターン等、印刷媒体において固有のパターンを表すデータを作成してもよい。最後のキャリッジn、234は、印刷媒体上に位置決め指標510がないかスキャンする、位置決めセンサ522を有する。
【0027】図6は、図1のプリントヘッド装置102の動作および統合を示すブロック図である。図1ないし図4を図5とともに参照して、印刷動作中、インク槽104からプリントヘッド本体1−n、304の内部に、インクが供給される。プリントヘッド本体1−n、304の内部は、インクチャネルにインクを供給して、気化チャンバ418から隣接するノズル420を通ってインクが噴出されるようにする。
【0028】プリントヘッド装置102は、入力データ108をベースにしてインクを印刷し、所望のパターンを形成して、印刷媒体106上にテキストおよび画像を生成するコマンドを、コントローラ110から受け取る。データ108は、データメモリ610に記憶され、データパケット化システム620によってデータパケットに変換される。データパケット化システム620は、データを別個の各スウォースに分割するコントローラである。このようなスウォースは、各パケットに分割される。パケットは、印刷するスウォースの構成部分(integral portions)である。パケットは、データ分配器622によって、関係するプリントヘッド1−n、304に分配され、すべてのプリントヘッド1−n、304の出力を組み合わせたものが印刷媒体106上に印刷されるとき、その画像が元の単一のスウォースを表すようになっている。
【0029】プリントヘッド1、304がノズルシステム1、306を起動して、スウォースのうちの、データ分配器622によってそのプリントヘッドに分配された部分を印刷する時点において、プリントヘッド1、304は同時に、指標作成器520を起動する。指標作成器520は、印刷媒体106上に印刷するラインエンコーダ(line encoder)を決定する。本発明の好ましい実施形態において、このエンコーダは位置決め指標510である。
【0030】キャリッジ234上の位置決めセンサ522は、位置決め指標を光学的にスキャンして、その位置をプリントヘッド装置102に送る。位置決め指標510は、印刷の位置を、ノズルシステムに関して示す。プリントヘッド装置102は、この位置決め情報(positioning information)で、ステッパモータ630を作動することによって印刷媒体を前進させることを決定することができる。ステッパモータ630は、駆動ローラ530を回転させて印刷媒体106を前進させる。
【0031】さらに、位置決め指標510を読み取ると、位置決めセンサ522はプリントヘッド装置102を作動する。位置決め指標510は、次の印刷スウォースを起動する必要があるということを示す。プリントヘッド1、304は、次のスウォースのデータのうちの自らの部分をノズルシステム1に送り、プリントヘッドn、304はデータをノズルシステムn、306に送り、等となり、プリントヘッド1、304は指標作成器520を起動して、次の位置決め指標を構築する(formulate)。
【0032】プリントヘッドが3つの実施形態においては、印刷媒体がプリントヘッド1、304から出てくると、印刷スウォースのうちの1/3が完了する。印刷媒体が第2のプリントヘッド304に達する前に印刷媒体上のインクが乾燥し、第2のプリントヘッド304によってスウォースのうちの次の1/3が印刷される。ここでもまた、印刷媒体は第3のプリントヘッド304に達する前に乾燥し、スウォースのうちの2/3が印刷される。最後の1/3は、第3のプリントヘッド304において印刷される。
【0033】本発明の原理、好ましい実施形態、および実施例を上で説明した。しかし、本発明は、説明した特定の実施形態に限定されるものとして解釈するべきではない。上述の実施形態は、限定的ではなく例示的であるとみなすべきであり、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、そのような実施形態に当業者が変形を行ってもよい、ということが理解されるべきである。
【0034】
【発明の効果】結論として、本発明のシステムおよび方法で、位置決めセンサ522のフィードバックシステムによって、動的かつ積極的なプリントヘッド装置が確立される。これによって、プリントヘッド装置102が、さまざまなプリントヘッド304およびノズルシステム306におけるデータ印刷のタイミングを連係させることができる。印刷するデータは、データパケット化システム620において、それぞれのプリントヘッド304が1つのスウォースのうちの一部のみを受け取るように、構成されている。スウォースのうちで1つのプリントヘッドが受け取る部分は、印刷媒体上に印刷されれば、プリンタアレイにおける次のノズルシステム306に印刷媒体が達する前に、インクが乾燥するようになっている。本発明の最終的な効果は、幅の狭いプリントヘッドでの通常のラスタスキャンの時間枠内で、高品質の印刷が行われる、ということである。したがって、インクジェット材料の組に適合する、水性の媒体インクが収納されている。
【出願人】 【識別番号】398038580
【氏名又は名称】ヒューレット・パッカード・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】HEWLETT−PACKARD COMPANY
【出願日】 平成14年10月29日(2002.10.29)
【代理人】 【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一 (外2名)
【公開番号】 特開2003−182065(P2003−182065A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2002−313981(P2002−313981)