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【発明の名称】 画像記録装置
【発明者】 【氏名】井岡 健
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【要約】 【課題】幾何補正を必要としない画像記録装置を提供する。

【解決手段】入力画像メモリ(10)と、一時メモリ(12,15)と、前記入力画像メモリ(10)に記録されている画像の一部を前記一時メモリ(12,15)に転送する際、各ノズルに対応して、前記入力画像メモリ(10)における転送開始位置と前記各一時メモリ(12,15)における転送先位置と前記各記録ヘッド間のオーバーラップ幅とを記憶する位置メモリ(17)と、スキャナ(19)と、読み取ったテストパターンデータから前記転送開始位置と転送先位置とオーバーラップ幅とを算出する位置算出部(18)と、前記位置メモリの転送開始位置に従って前記入力画像メモリ(10)の画像を前記各一時メモリ(12,15)に転送する画像転送部とを有することを特徴とする画像記録装置を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドをノズルの配列方向と略同一の方向にオーバーラップ領域を有するように複数繋ぎ合せて形成した複合記録ヘッドを用いて画像を印刷する画像記録装置であって、前記画像記録装置に入力される画像情報の全体を記憶する入力画像記憶手段と、前記入力画像記憶手段が記憶する画像情報のうち各記録ヘッドが印刷可能な記録幅分の画像情報を転送して一時記憶する一時画像記憶手段と、前記複合記録ヘッドで印刷したテストパターンを読み取るテストパターン読み取り手段と、前記入力画像記憶手段から前記一時画像記憶手段に画像情報を転送する際に用いる各記憶手段の転送開始アドレスと転送先アドレスと前記オーバーラップ領域の幅寸法とを含む位置情報を前記読み取ったテストパターン情報から算出する位置情報算出手段と、前記位置情報算出手段で算出した前記位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】 前記ノズルからインクが吐出しないように、転送されてくる画像情報をドット単位でマスクするマスクパターンを生成するマスクパターン生成手段を更に有し、前記記録ヘッドは前記マスクパターンを介した後の画像情報に基づいて画像を印刷することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】 前記複合記録ヘッドを複数有し、各複合記録ヘッドはそれぞれ異なる色のインクを記録することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の記録ヘッドを繋ぎ合わせて記録幅の広い複合記録ヘッドを形成して画像記録を行う画像記録装置に係わり、特に、各記録ヘッドを正確に位置合わせしなくても、各記録ヘッドが印刷する記録画像同士に位置ずれが生じない画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術は、特開2000−168109公報の画像補正装置に開示されているように、複数の記録ヘッドで構成された複合記録ヘッドを用いて画像を記録する際に生じる位置ずれを無くすため、多値の入力画像データに対して幾何学補正を行う特別な画像装置を用いて、補正を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した特開2000−168109公報では、入力された多値画像データに対して時間のかかる幾何補正を行う必要があるので、高速プリンタに適していない。また、多値画像データの幾何補正のための装置が必要なため、記録装置がコスト高となる欠点があった。
【0004】本発明の目的は、上述した問題点を鑑み、2値化された入力画像データを記録ヘッドの各ノズルで印字する際、ノズル間の位置ずれに対応して画像情報を記憶する記憶手段の画像転送位置を変えることで、前記多値画像幾何補正を必要としない画像記録装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による画像記録装置は、インクを吐出する複数のノズルを有する記録ヘッドをノズルの配列方向と略同一の方向にオーバーラップ領域を有するように複数繋ぎ合せて形成した複合記録ヘッドを用いて画像を印刷する画像記録装置であって、記録装置に入力される画像情報の全体を記憶する入力画像記憶手段と、前記入力画像記憶手段が記憶する画像情報のうち各記録ヘッドが印刷可能な記録幅分の画像情報を転送して一時記憶する一時画像記憶手段と、前記複合記録ヘッドで印刷したテストパターンを読み取るテストパターン読み取り手段と、前記入力画像記憶手段から前記一時画像記憶手段に画像情報を転送する際に用いる各記憶手段の転送開始アドレスと転送先アドレスと前記オーバーラップ領域の幅寸法とを含む位置情報を前記読み取ったテストパターン情報から算出する位置情報算出手段と、前記位置情報算出手段で算出した前記位置情報を記憶する位置情報記憶手段とを有することを特徴とする。
【0006】また、前記ノズルからインクが吐出しないように、転送されてくる画像情報をドット単位でマスクするマスクパターンを生成するマスクパターン生成手段を更に有し、また、前記複合記録ヘッドを複数有し、各複合記録ヘッドはそれぞれ異なる色のインクを記録することを特徴とする。
【0007】画像記録装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下に図面を用いて説明する。
【0009】図1は、本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。図1に示すように、まず、第1のヘッド(以下ヘッド(1)13)及び第2のヘッド(以下ヘッド(2)16)のノズルの配列方向に延びる直線の2値テストパターン画像データを入力画像メモリ10に入力する。このとき位置メモリ17には、ヘッド(1)13及びヘッド(2)16の位置ずれ補正を考慮しない転送開始位置(入力画像メモリ10から読み出す際の各ラインの先頭位置を示すメモリ上のアドレス)と転送先位置(一時メモリ12、15に書き込む際の各ラインの先頭位置を示すメモリ上のアドレス)とオーバーラップ領域の幅寸法(初期値は0)が記憶されている。画像転送部11は位置メモリ11に記憶されている前記位置情報を参照して、入力したテストパターン画像データを2つの一時メモリ12、15へ画像転送部11を介して画像データを転送し、ヘッド(1)13及びヘッド(2)16でテストパターンを印刷する。そして、この印字されたテストパターン14(図4参照)を、例えば、スキャナーやデジタルカメラ等のテストパターン読み取り部19で読み取りを行い、読み取った画像データを位置算出部18で解析する。この解析によって、図4に示すように、各ノズルの相対的な位置関係を求め、この位置関係から前記入力画像メモリ10における転送開始位置と、一時メモリ12,15における転送先位置と、ヘッド(1)13とヘッド(2)16のオーバーラップ領域の幅寸法を算出し、位置メモリ17に記憶されている各値を書き換える。なお、これら算出方法の詳細については図4を用いて後述する。テストパターンではない実際の画像を印字する場合、入力画像メモリ10に2値化した画像データを入力し、前記位置メモリ17に記憶された位置情報を読み出して、それらに従って入力画像データを前記一時メモリ12,15に転送して、ヘッド(1)13及びヘッド(2)16で印字する。
【0010】次に、図2は、本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。図2に示すように、まず、ヘッド(1)24及びヘッド(2)28のノズルの配列方向に延びる直線の2値テストパターン画像データを入力画像メモリ20に入力する。このとき、位置メモリ29にヘッド(1)24及びヘッド(2)28の位置ずれ補正を考慮しない転送開始位置(入力画像メモリ20から読み出す際の各ラインの先頭位置を示すメモリ上のアドレス)と転送先位置(一時メモリ22、26に書き込む際の各ラインの先頭位置を示すメモリ上のアドレス)とオーバーラップ領域の幅寸法(初期値は0)が記憶されている。画像転送部21は位置メモリ29に記憶されている前記位置情報を参照して、入力したテストパターン画像データを2つの一時メモリ22、26へ画像転送部21を介して画像データを転送する。同時にマスクパターン生成部30で画像データをマスクせずにスルーに転送可能なマスクパターンを生成後、マスキング部23,27に転送する。更に前記一時メモリ22,26からの画像データを受けた前記マスキング部23,27でデータにマスクパターンを適応(ここではスルー)させてから、ヘッド(1)24、及びヘッド(2)27で印字させる。
【0011】そして、この印字されたテストパターン25(図4参照)を例えば、スキャナーやデジタルカメラ等のテストパターン読み取り部32で読み取りを行い、読み取った画像データを位置算出部31で解析する。この解析によって、図4に示すように、各ノズルの相対的な位置関係を求め、この位置関係から前記入力画像メモリ20における転送開始位置と、一時メモリ22,26における転送先位置と、ヘッド(1)24とヘッド(2)28のオーバーラップ領域の幅寸法を算出し、位置メモリ29に記憶されている各値を書き換える。テストパターンではない実際の画像を印字する場合、入力画像メモリ20に2値化した画像データを入力し、前記位置メモリ29に記憶された位置情報を読み出して、それらに従って入力画像データを前記一時メモリ22,26に転送する。そして、マスクパターン生成部30では、図7に示すように、ヘッド1とヘッド2のそれぞれ対応するマスクパターンを生成する。
【0012】マスクパターンは各ヘッドに対応する一時メモリと同じ大きさを有し、白のドットは対応する位置の画像データをそのまま通し、網の掛かったドットは対応する位置の画像データを印字しないデータに変えることを意味する。オーバーラップ以外の部分は白のドットとし、オーバーラップの部分は、2つのヘッドで網のドットが相補となるように、ヘッド1とヘッド2のマスクパターンを作成する。作成したマスクパターンは、マスキング部23,27に転送する。更に前記一時メモリ22,26からの画像データを受けた前記マスキング部23,27でデータにマスクパターンを適応させて印字すべきドットのみを、ヘッド(1)24、及びヘッド(2)27で印字させる。
【0013】次に、図3は、記録ヘッド(1)とヘッド(2)をノズルの配列方向と略同一の方向にオーバーラップ領域を有するように複数繋ぎ合わせて形成された複合記録ヘッドを示す模式図である。記録ヘッド(1)と記録ヘッド(2)とは正確に位置合わせが行われておらず、傾いた状態で配置されている。
【0014】図4は、前記図3の記録ヘッドを用いて印字されたテストパターンを読み取り部で読み取ったデータを示す図である。図4を用いて記録ヘッドの各ノズルの相対位置を求める方法を説明する。記録ヘッド1と記録ヘッド2が夫々8個のノズルを有する。各ノズル位置を正確に求める為に、印字されたドットの重心位置を求める。図4のように、紙の搬送方向をX軸、これと直交する方向をY軸と設定し、印字したテストパターンから各記録ヘッドのノズル位置を求める。図4において、記録ヘッド1の端のノズル41の座標は(X41,0)、記録ヘッド2の端のノズル58の座標は(0,Y58)となり、各ノズルの座標位置が求められる。ここで例えば、ノズルiの座標は(Xi、Yi)として求められ、ノズル間距離(印字されたテストパターン上ではドットピッチP)は隣接するドットの重心距離を計算することで求められる。iは任意のノズルを表す。
【0015】そしてヘッド1のノズルiに対応する入力画像メモリの転送開始位置と一時メモリの転送先位置を図5と図6を用いて説明する。図5は入力画像メモリが記憶する画像データを表している。X軸は画像データのライン方向(即ち、紙送り方向に印刷すべき画像データの並び方向)を表し、Y軸はノズルの配列方向を表す。ノズルiの入力画像メモリにおける転送開始位置は[Yi/P]ライン目の先頭画素となる、なお、[Yi/P]は実数Yi/Pを四捨五入してなる整数を表している、以下[]は同様の意味で使われる。
【0016】図6は1つの記録ヘッドに対応する一時メモリを表す。ノズルiの転送先位置は一時メモリの[Yi/P]ライン目の[Xi/P]番目の位置となる。つまり図5のノズルiに対応する入力画像メモリの[Yi/P]ラインの画素データを、一時メモリの[Yi/P]ラインの[Xi/P]番目の画素位置に順に転送する。このように、X軸方向にライン毎に順次画素データを転送していく。全てのラインで入力画像メモリから一時メモリへ画素データを転送したら転送を終了する。
【0017】次に、図7は本発明の実施形態に係わるマスクパターンを説明した図である。上はヘッド1に対応するマスクパターンで、下はヘッド2に対応するマスクパターンの一例である、網掛けで示されているドット位置は印字されないことを示している。オーバーラップ領域においてヘッド1とヘッド2が同じ画像を印字するので、2重印字とならないように、2つのヘッド間で分担するために、オーバーラップ領域では、印字しないドット位置はちょうど逆となっている。本発明では、ヘッドの配置がラフなため、オーバーラップ領域の幅を求めて、それに従ってマスクパターン生成部で最適なマスクパターンを生成しなければならない。2つのヘッドのオーバーラップ幅はヘッド1の一番下のノズルの座標とヘッド2の一番上のノズルの座標から、[(Y48−Y51)/P]として算出できる。
【0018】以上、本発明の実施形態を用いることにより、画像に対して時間のかかる幾何補正を行う必要がなく、また、高速プリント可能となる。さらに、幾何補正の為の装置が必要ないため、記録装置のコストダウンがはかれる。
【0019】
【発明の効果】以上、本発明を用いることにより、多値画像の幾何補正を行う必要がなく、そのための装置も必要がないため、画像記録装置の高速化とコストダウンが図れる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成13年12月13日(2001.12.13)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2003−182055(P2003−182055A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2001−380382(P2001−380382)