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【発明の名称】 機器の設定値変更装置及び方法
【発明者】 【氏名】安藤 洋章
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内

【要約】 【課題】機器の設定値をカーソルキーを用いて変更するとき、より少ないキー操作でより効率的に、所望の設定値に到達できるようにする。

【解決手段】下向きカーソルキー5を操作し続けると、設定値(例えば、印刷倍率)が減少していき、それに伴って表示器の画面も(21)、(23)、(25)順に変更され、設定値が最小値に達すると(25)、次に最大値にジャンプして(21)、その後、再び減少していく。上向きカーソルキー3を操作すると、上記と逆の動作になる。このように、どのカーソルキーを押しても、設定値は、可変範囲を巡回するように変化していく。液晶表示器の画面には、現在の設定値が表示されるとともに、その現在の設定値が可変範囲のどこに位置しているか(例えば、上限値か、下限値か、それ以外か、又は、可変範囲内の全ての候補値中の何番目か、など)も表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機器の設定値を変更するために操作される、異なる変更方向をもつ複数のカーソルキーと、各カーソルキーの操作に応答して、操作されたカーソルキーがもつ変更方向へ、所定の可変範囲内で、前記設定値を変更するものであって、現在の設定値が前記可変範囲の一端に位置しているとき、前記可変範囲の外へ向かう変化方向をもつカーソルキーが操作された場合、前記可変範囲の別の端へ前記現在の設定値を変更するコントローラと、前記現在の設定値と、前記現在の設定値の前記可変範囲内での位置を示す位置指標とを表示する表示装置と、を備えた機器の設定値変更装置。
【請求項2】 前記位置指標が、前記可変範囲の一端か、他端か、及び前記端以外の位置かに区別して示すものである請求項1記載の機器の設定値表示装置。
【請求項3】 前記位置指標が、前記可変範囲内に存在する複数の候補値の中の何番目かを示すものである請求項1記載の機器の設定値表示装置。
【請求項4】 異なる変更方向をもつ複数のカーソルキーの各々の操作に応答して、操作されたカーソルキーがもつ変更方向へ、所定の可変範囲内で、現在の設定値を変更するステップと、前記現在の設定値が前記可変範囲の一端に位置しているとき、前記可変範囲の外へ向かう変化方向をもつカーソルキーが操作された場合、前記可変範囲の別の端へ前記現在の設定値を変更するステップと、前記現在の設定値と、前記現在の設定値の前記可変範囲内での位置を示す位置指標とを表示するステップと、を備えた機器の設定値変更方法。
【請求項5】 機器の設定値を変更するために操作される、異なる変更方向をもつ複数のカーソルキーと、各カーソルキーの操作に応答して、操作されたカーソルキーがもつ変更方向へ、所定のリング状の可変範囲内で、前記設定値を変更するコントローラと、現在の設定値と、前記現在の設定値の前記可変範囲内での位置を示す位置指標とを表示する表示装置と、を備えた機器の設定値変更装置。
【請求項6】 異なる変更方向をもつ複数のカーソルキーの各々の操作に応答して、操作されたカーソルキーがもつ変更方向へ、所定のリンク状の可変範囲内で、現在の設定値を変更するステップと、前記現在の設定値と、前記現在の設定値の前記可変範囲内での位置を示す位置指標とを表示するステップと、を備えた機器の設定値変更方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子プリンタやデジタルカメラ等の各種機器で用いられる設定値変更装置に関し、特に、カーソルキーを用いて設定値を変更する場合の設定値の変更の仕方と表示の仕方の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】特公平6−105371号公報に、電子写真式複写機において、各種動作モード(用紙サイズ、複写枚数、複写倍率等)の設定値を変更するために、操作パネルに配置された複数のカーソルキーをユーザが操作するとき、各カーソルキーによる設定値変更か可能か否か(各カーソルキーが有効か否か)を事前にユーザに表示することが開示されている。この提案において、例えば設定可能な複数の複写倍率中からユーザが所望の倍率を選択する場合には、図1に示すような倍率選択のために予め設定された複数の画面のいずれか1つが、操作パネル部内の液晶表示部(LCD)に選択的に表示される。現在表示されている画面には、現在の倍率からそれを変更するときに有効な変更方向をもつカーソルキーのみが表示される。
【0003】例えば、今、図1において設定倍率200%の画面101がLCDに表示されているとする。倍率200%は倍率可変範囲の上限値であって、そこからは設定倍率を下げることしかできないため、画面101には下向き三角印が反転表示され、下向きのカーソルキー113のみが有効であることを示している。この状態では、無効な上向きカーソルキー111を押しても、倍率を変えることはできない。下向きのカーソルキー113を1回押せば、次に、設定倍率は100%に変更され、倍率100%の画面103が表示される。倍率100%の画面103では、上下双方向の三角印が反転表示され、双方方向のカーソルキー111、113が有効であることを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術においては、上限の設定倍率200%の画面101では、上向きカーソルキ−111の有効表示は無く、その状態でカーソルキ−111を押しても、無効であるから、設定倍率は変化しない。同様に、下限の設定倍率50%の画面105では、下向きカーソルキー113の有効表示はなく、その状態で下向きカーソルキー113を押しても、やはり、設定倍率は変化しない。
【0005】このように、従来技術によれば、設定値の可変範囲の上限と下限では、可変範囲の内側へ向かう方向のカーソルキーしか使うことができない。
【0006】そのため、例えば、現在の設定値が可変範囲の上限又はその近くにあるときに、その設定値を可変範囲の下限又はその近くまで変更しようとするとき、ユーザは、下向きカーソルキーのみを用いて、所望の設定値に到達するまで、それを長時間操作しなければならない。
【0007】従って、本発明の目的は、カーソルキーを用いて設定値を変更するとき、より少ないキー操作でより効率的に、所望の設定値に到達できるように、設定値の変更と表示の方法を改良することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの観点に従う機器の設定値変更装置は、機器の設定値を変更するために操作される、異なる変更方向をもつ複数のカーソルキーと、各カーソルキーの操作に応答して、操作されたカーソルキーがもつ変更方向へ、所定の可変範囲内で、前記設定値を変更するものであって、現在の設定値が可変範囲の一端に位置しているとき、可変範囲の外へ向かう変化方向をもつカーソルキーが操作された場合、可変範囲の別の端へ現在の設定値を変更するコントローラと、現在の設定値と、現在の設定値の前記可変範囲内での位置を示す位置指標とを表示する表示装置とを備える。
【0009】好適な実施形態では、位置指標が、可変範囲の一端か、他端か、及び端以外の位置かに区別して示すものであったり、或いは、可変範囲内に存在する複数の候補値の中の何番目かを示すものであったりするが、それら以外にも様々な位置指標が採用できる。
【0010】本発明の別の観点に従う機器の設定値変更装置は、機器の設定値を変更するために操作される、異なる変更方向をもつ複数のカーソルキーと、各カーソルキーの操作に応答して、操作されたカーソルキーがもつ変更方向へ、所定のリング状の可変範囲内で、設定値を変更するコントローラと、現在の設定値と、現在の設定値の可変範囲内での位置を示す位置指標とを表示する表示装置とを備える。
【0011】本発明によれば、複数方向のカーソルキー中からどの方向のカーソルキーを使うかをユーザが上手に選ぶことで、より少ないキー操作でより効率的に目的の設定値に到達することができ、しかも、表示されている現在の設定値の可変範囲内の位置に基づいて、どの方向のカーソルキーを選ぶべきかの判断が容易にできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0013】図2は、例えば電子プリンタに適用された本発明の一実施形態に係る機器の設定値変更装置がもつ操作パネルを示す平面図である。
【0014】図2に示すように、電子プリンタの操作パネル100は、液晶表示器(LCD)1と、その近傍に配置された1対の(上向き及び下向きの)カーソルキー3、5、及びその他の幾つかのスイッチ7とを備える。
【0015】この電子プリンタにおける各種の印刷モード(例えば、印刷倍率、用紙サイズ、コピー枚数など)の設定値をユーザが選択する際には、ユーザはカーソルキー3、5を操作することで設定値を変更することができ、そして、LCD1には、現在の設定値を示した画面が表示される。
【0016】例えば、印刷倍率の設定値を選択する場合には、LCD1には現在の設定倍率を示す画面が表示され、そして、上向きカーソルキー3又は下向きカーソルキ−5のユーザによる(押圧)操作によって、図3に示すように、その現在の設定倍率を示す画面は、倍率200%の画面21、倍率100%の画面23及び倍率50%の画面25の中の一つに選択的に遷移していく。なお、ここでは、200%と100%と50%の3種類の倍率候補しか示してないが、実際は可変範囲の間をより小さい刻みで多数の倍率候補が存在するのが通常であり、その多数の倍率候補の中を現在の設定値がカーソルキー操作に応答して遷移していくことになる。
【0017】設定倍率の遷移の方向は、原則として、上向きカーソルキー3が押された場合は増加方向、下向きカーソルキ−5が押された場合には減少方向となる。しかし、現在の設定倍率が可変範囲の上限(例えば200%)にあるときに上向きカーソルキー3が押されたときと、現在の設定倍率が可変範囲の下限(例えば50%)にあるときに下向きカーソルキ−5が押された場合は、例外である。すなわち、現在の設定倍率が可変範囲の上限(例えば200%)にあるときに上向きカーソルキー3が押されると、設定倍率は上限の200%から下限の50%へ一気にジャンプし、それに伴って、LCD1の画面も図3に示す画面21から画面25に切り替わる。また、逆に、現在の設定倍率が可変範囲の下限(例えば50%)にあるときに下向きカーソルキ−5が押されると、設定倍率は下限の50%から上限の200%へ一気にジャンプし、それに伴って、LCD1の画面も図3に示す画面25から画面21に切り替わる。
【0018】要するに、現在の設定値が可変範囲のどの位置にあっても、上向きカーソルキー3と下向きカーソルキ−5の双方が有効であり、各カーソルキーの操作に応答して、設定値はその可変範囲を、そのカーソルキーがもつ変更方向へ巡回するように遷移する。換言すれば、設定値の可変範囲はリング状になっていて、設定値はそのリング状の可変範囲内を、操作されたカーソルキーのもつ方向へ巡回するように遷移する。そして、LCD1の画面も、その設定値の遷移に伴って、現在の設定値を表示するように遷移していく。
【0019】さらに、LCD1に表示される現在の設定値を示す画面には、その現在の設定値だけでなく、その現在の設定値が可変範囲内の何処に位置しているかを示す位置指標も表示されるように成っている。例えば、図3に示すように、倍率200%の画面21には、一つの位置指標としての上向き三角マーク213が薄く表示され(又は表示されず)、別の位置指標としての下向き三角マーク215が濃く表示され(反転表示され)、それにより、現在の倍率200%が可変範囲の上限である(減少方向にしか倍率は変更し得ない)ことを表している。また、倍率100%の画面23には、上向き三角マーク233と下向き三角マーク235が共に濃く表示され(反転表示され)、それにより、現在の倍率100%が可変範囲の上限でも下限でもない(増加方向にも減少方向にも倍率が変更し得る)ことを表している。さらに、倍率50%の画面25には、上向き三角マーク253は濃く表示され(反転表示され)、下向き三角マーク255が薄く表示され(又は表示されず)、それにより、現在の倍率50%が可変範囲の下限である(増加方向にしか倍率は変更し得ない)ことを表している。
【0020】上記の位置指標により、ユーザは、現在の設定値が可変範囲のどの位置にあるかが直ちに分かる。そして、重要なことは、現在の設定値が可変範囲のどの位置にあるかに関わらず、上向きカーソルキー3と下向きカーソルキー5の双方が有効であるということである。この2つの機能により、ユーザは、目的の設定値に少ないキー操作で効率的に到達することができる。例えば、設定倍率を現在の倍率200%から倍率50%へ変更したいとき、ユーザは、現在の設定倍率200%が上限であることを知り、そこから、一気に下限へジャンプした方が手っ取り早く50%へ到達できる考え、上向きカーソルキー3を押す。それにより、倍率50%へ素早く到達できる。これに対し、従来技術では、下向きカーソルキー5を2回押さないと、倍率200%から倍率50%へ到達できない。
【0021】図4は、この実施形態に係る設定値変更装置の構成を示すブロック図である。
【0022】図4において、操作検出部9は、上向きカーソルキー3又は下向きカーソルキー5がユーザに押されたことを検出し、コントローラ15に通知する。
【0023】液晶表示部駆動回路(LCDドライバ)11は、コントローラ15からの指令信号に基づいて、LCD1にどのような画面を表示するかを制御する。
【0024】メモリ13には、各種モード(印刷倍率、用紙サイズ、コピー枚数など)毎の現在の設定値や、設定値の可変範囲や、可変範囲内での設定値変更の刻み量(又は、その可変範囲内の具体的な複数の候補値)や、LCD1に表示すべき画面のデータ(設定値を示す文字フォントや、位置指標などのデータ)が記憶されている。
【0025】コントローラ15は、カーソルキー3、5のユーザによる操作に応答して、メモリ13内のデータを用いて、既に説明したような設定値の変更や、LCD1の画面の変更などを制御する。
【0026】図5は、図4に示したコントローラ15による制御動作のフローを示す。
【0027】図5において、まず、設定値変更を行いたいモード(印刷倍率、用紙サイズ、コピー枚数などの中のいずれか)がユーザによって選択されると(ステップS31)、コントローラ15は、その選択されたモード(例えば、印刷倍率)について、或る初期値(予め決まっている値、又は、直前までの現在の設定値)を現在の設定値とする(ステップS32)。そして、コントローラ15は、その現在の設定値と、その現在の設定値の可変範囲内での位置を示す位置指標とをLCD1に表示する(ステップS33)。
【0028】次に、上向きカーソルキー3ユーザによって操作されると(ステップS34で「上キー」)、コントローラ15は、現在の設定値が可変範囲の上限値(例えば、倍率の場合は200%)か否かをチェックする(ステップS35)。チェックの結果、上限でなければ、コントローラ15は、現在の設定値をその上側の次の候補値へシフトさせる(つまり、1刻み量だけ現在の設定値を増やす)(ステップS36)。同時に、コントローラ15は、シフト後の現在の設定値と、その位置指標とをLCD1に表示する(ステップS33)。
【0029】上記ステップS35のチェックの結果、上限であった場合、コントローラ15は、現在の設定値を可変範囲の下限値(例えば、倍率の場合は50%)へジャンプさせる(ステップS37)。同時に、コントローラ15は、シフト後の現在の設定値と、その位置指標とをLCD1に表示する(ステップS33)。
【0030】また、下向きカーソルキー5が操作された場合には(ステップS34で「下キー」)、コントローラ15は、現在の設定値が可変範囲の下限値(例えば、倍率の場合は50%)か否かをチェックする(ステップS38)。チェックの結果、下限でなければ、コントローラ15は、現在の設定値をその下側の次の候補値へシフトさせる(つまり、1刻み量だけ現在の設定値を減らす)(ステップS39)。同時に、コントローラ15は、シフト後の現在の設定値と、その位置指標とをLCD1に表示する(ステップS33)。
【0031】上記ステップS38のチェックの結果、下限であった場合、コントローラ15は、現在の設定値を可変範囲の上限値(例えば、倍率の場合は200%)へジャンプさせる(ステップS40)。同時に、コントローラ15は、シフト後の現在の設定値と、その位置指標とをLCD1に表示する(ステップS33)。
【0032】図6は、用紙サイズの設定値を変更する場合を例にとり、LCD1に表示され得る別の画面例を示している。
【0033】図6に示すように、例えばB5判、A4判、B4判、A3判という4種類の候補値からなる可変範囲中を、用紙サイズの設定値が、上向きカーソルキーが操作されれば図中左回りに、また、下向きカーソルキーが操作されれば図中右回りに遷移して、それに合わせて、表示画面も図中左回りに又は図中右回りへと遷移するようになっている。そして、位置指標としては、各画面の右端に示されているように(必ずしも右端である必要はない)、現在の設定値がその4種類の候補値の何番目であるかを示す、「1/4」、「2/4」、「3/4」、「4/4」のような分数(分子が序数、分母が候補値総数)が使われている。
【0034】図7は、コピー枚数の設定値を変更する場合を例にとり、LCD1に表示され得るさらに別の画面例を示している。
【0035】図7に示すように、例えば200枚から1枚までの200種類の候補値からなる可変範囲中を、コピー枚数の設定値が、上向きカーソルキーが操作されれば図中左回りに、また、下向きカーソルキーが操作されれば図中右回りに遷移して、それに合わせて、表示画面も図中左回りに又は図中右回りへと遷移するようになっている。そして、位置指標としては、各画面の右端に示されているように(必ずしも右端である必要はない)、現在の設定値がその候補値全体中のどのレベルであるかを示す、縦長バー601(全体を示す)中に反転表示された横ライン602(現在設定値のレベルを示す)が使われている。
【0036】以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。位置指標には,上述の例以外にも様々なものが採用し得る。また、カーソルキー操作によって変更される「現在の設定値」は、カーソルキーが1回操作される都度に機器内のメモリに正式の設定値として確定的に登録されるようになっていてもよいし、或るいは、カーソルキーの個々の操作時には仮に選択されているだけであって、カーソルキーの操作が全て終了して初めて、正式の設定値として機器内のメモリに確定的に登録されるようになっていてもよい。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
【出願日】 平成13年11月7日(2001.11.7)
【代理人】 【識別番号】100095371
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 輝之 (外2名)
【公開番号】 特開2003−145894(P2003−145894A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−342155(P2001−342155)