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【発明の名称】 マルチモード連続印刷
【発明者】 【氏名】ブルース・エー・プラムリー

【氏名】マシュー・リアドン

【要約】 【課題】巻材処理量がヘッド印刷速度に制限されないマルチモード連続印刷の制御方法を提供する。

【解決手段】プリンタ20は、フレーム22を有しており、そのフレーム22にはローラ24が回転可能に取付けられている。このローラ24は、巻材(例えばロール紙)26を支持すると共に、巻材26を縦向きで、矢印”X”で示す第一座標方向に、装置を通して連続的に前進させるためのものである。巻材を連続的に前進させるために、ローラ24は適切な手段により駆動される。この適切な手段は、例えばモータ(図示せず)等であるが限定されない。モータは、プリンタに接続されたプログラム制御可能な制御装置28から出される命令に対応する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリンタ(20,320)を通過して連続して前進するシート状の巻材(26)の前進速度を変化させるための方法であって、上記プリンタが、上記巻材(26)を縦向きで第一座標方向に連続的に前進通過させるための手段(24)と、制御装置(28)によって発生されるコマンド信号に対応して、上記第一座標方向と、これにほぼ垂直な第二座標方向とに移動可能なプリントヘッド(86、286)とを備え、上記プリントヘッドの上記第二座標方向の移動により、上記第一座標方向にほぼ垂直な方向の印刷線が、上記プリントヘッド(86,286)から上記連続して前進する巻材(26)に転写されることが可能であり、上記制御装置(28)が、上記プリンタ(20,320)と通信すると共に、望まれる図表に対応した印刷データを機械読み取り可能なフォーマットで記憶しており、上記巻材(26)を上記プリンタ(20,320)に提供するものであり、上記方法において、上記制御装置に保存された上記図表を解析して上記図表中のホワイトスペースを検出すると共に、そのホワイトスペースを加速して通過するためプリントヘッド(86,286)及び上記巻材(26)の一方あるいは両方の移動速度を増大させるように、上記制御装置(28)をプログラムするステップと、上記プリンタ(20,320)を通過して上記巻材(26)を前進させ、上記プリントヘッド(86,286)から印刷メディアを、上記保存された図表に従って上記巻材(26)に転写させ、上記プリントヘッド(86,286)及び上記巻材(26)の一方あるいは両方を上記ホワイトスペース上で加速させるよう、上記プリンタ(20,320)を、上記制御装置(28)から発生されるコマンド信号を介して操作するステップとによって特徴付けられる方法。
【請求項2】 プリンタ(20,320)を通過して連続して前進する巻材(26)の前進速度を変化させるための請求項1記載の方法であって、フレーム(22)と、そのフレーム(22)に対して速度Vwxで、上記巻材(26)を縦向きで上記第一座標方向に連続的に前進させるための手段(24)と、上記フレーム(22)に対して移動可能に設けられ、上記第一座標方向に延びる走査配列(102)内に配置された複数の印刷要素(100)を含む少なくとも一つのプリントヘッド(86、286)とを備えた請求項1記載の方法において、上記印刷要素(100)の上記走査配列(102)を、少なくとも一つの走査区分と少なくとも一つの位置変更区分を有する通路に沿って、上記巻材の速度Vwxに関連した速度Va で、上記フレーム(22)に対して繰り返し移動させるための手段(32,34,36,38,40,42,44,46,50,232)を備えており、上記走査配列(102)が通路の上記走査区分を移動するとき、上記走査配列(102)が、上記第一座標方向の第一速度成分Vaxと、上記第一座標方向に対して垂直な第二座標方向の第二速度成分Vayとを有し、印刷要素(100)の上記走査配列(102)を繰り返し移動させるための上記手段(32,34,36,38,40,42,44,46,50,232)により、上記第一速度成分Vaxが巻材の速度Vwxと等しくなり、それにより、上記走査配列(102)が上記通路の上記走査区分に沿って移動するとき、上記第一座標方向と平行で列高さhs を有する列を上記巻材(26)上に走査し、印刷要素(100)の上記走査配列(102)を繰り返し移動させるための上記手段(32,34,36,38,40,42,44,46,50,232)により、更に、上記第二速度成分Vayが、上記走査配列(102)が上記通路の上記走査区分を全て移動するのに必要な時間内に、上記巻材(26)が上記第一座標方向へ距離hw だけ前進するような値にされ、その距離hw が上記列高さhsよりも小さくなり、上記走査区分を移動すると、上記走査配列(102)が、上記位置変更区分に沿って、上記巻材(26)がd=hs −hw となる距離dだけ前進するのにかかる時間と同じか、それよりも少ない時間で移動して、上記プリントヘッド(86、286)が再び走査区分に沿って直ちに移動できるように位置し、それにより、上記走査配列(102)により走査される上記巻材(26)の複数の連続列を、上記連続して前進する巻材(26)上に互いに隙間なく隣接するよう位置させ、上記制御装置(28)を操作する上記ステップが、上記ホワイトスペース上で上記速度成分Vw,Vax,Vay のうちの少なくとも一つを増大させることをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット、ドットマトリックス、感熱等のプリントヘッドを用いてシート状の材料に印刷することに係り、特に、巻材(ウェブ;web )が連続的に移動する印刷装置の処理量を増大する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続移動する巻材に印刷する印刷装置が知られている。幾つかの例は、米国特許第6076983号「連続的に前進するシート材に印刷するための方法及び装置」及び米国特許第6056454号「連続的に移動するシート材に印刷するための方法及び装置」に開示された印刷装置を含んでいる。これらの特許は、本出願であるガーバー・テクノロジー・インコーポレイテッドに譲渡されている。これら特許の内容全体が参照により本出願に含まれるものとする。
【0003】これらの特許はそれぞれ、連続移動するシート材(以下において、巻材)に印刷するための装置及び方法に向けられる。これは、材料支持面を区画するフレームと、装置内を通過して自身の長手方向であるX方向に連続的に前進する巻材と、材料支持面上に位置されたプリントヘッドとを含み、巻材がプリントヘッドと材料支持面との間を通過可能である。プリントヘッドは材料支持面に近接して位置され、材料支持面を連続的に横断する。そして印刷が、X座標方向と、このX方向にほぼ垂直なY座標方向との両方で行われる。これにより連続的に移動する巻材上に、互いに直前直後に位置され隣接する直線を印刷することが可能になる。これは例えば、巻材の連続的な前進を停止せずに連続した図表を印刷することを許容する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種のプリンタに関する困難性は、巻材処理量がプリントヘッド印刷速度により制限されることである。この問題に取り組む努力において、プリントヘッドが巻材にインクその他のプリントメディアを転写する速度を増大する努力が行われている。しかしながら、巻材が前進される速度が許容できないほど遅いという問題が依然として存在する。
【0005】以下ホワイトスペース(white space )と称される、プリントヘッドが巻材にインクその他のプリントメディアを転写する必要のない領域において、印刷速度が変えられれば有益である。例えば、複数のパターンピース(模様片;patternpiece)が印刷のためマーカー(marker )上に配置されるとき、ホワイトスペース(プリンタが指令されない、ピース間の印刷されない領域)は回避できない。ホワイトスペースはまたピース内に生じるかもしれない。ホワイトスペースは(印刷線の中の)線状又は(少なくとも1本の印刷線を横切る)長手状であることもできる。従って、ホワイトスペースの領域内で印刷速度が増大される必要性がプリンタに存在する。以上に基づき、本発明の主な目的は、従来技術のプリンタの問題及び欠点を克服するプリンタ及びその制御方法を提供することにある。
【0006】
【発明の概要】本発明は、プリンタを通って連続的に前進する巻材の前進速度を変化させる方法の一つの様相に関するものである。この方法を実行するために、シート状のワーク材からなる巻材を縦向きで第一座標方向に連続的に前進させる手段を備えたプリンタが提供される。プリンタは更に、制御装置から出される命令に対応して、第一座標方向および第一座標方向に対してほぼ垂直な第二座標方向に移動可能なプリントヘッドを有する。制御装置はプリンタと通信可能に接続されており、印刷作業を実行する間プリンタを作動すべく、プリンタにコマンド信号を送信する。所望の印刷図表に対応するデータが、マシン言語等のプリンタが読み取り可能なフォーマットで制御装置に保存される。
【0007】プリンタはまた、第一座標方向および第一座標方向に対してほぼ垂直な第二座標方向に移動可能に取り付けられたプリントヘッドを有する。連続して前進する巻材とプリントヘッドの移動との相互作用によって、制御装置により発生されたコマンド信号に対応して、第一座標方向に対してほぼ垂直な方向に沿った印刷媒体の線状ラインをプリントヘッドにより巻材上に転写することができる。所望の印刷図表に応じて、印刷メディア(印刷媒体)の線状ラインは互いに接触(隙間なく隣接)させることができる。これによって、連続したイメージが生成される。
【0008】制御装置(コントローラ)は、そこに保存された図表データを解析・評価して非印刷領域あるいはホワイトスペースを検出するようにプログラムされる。印刷作業中、巻材の連続的な前進及びプリントヘッドの移動は調整することができる。ホワイトスペースを加速して通過するために、プリントヘッドの移動速度又は巻材の前進速度、あるいはその両方が変化・変更される。これは、印刷作業を完了するまでにかかる時間を短縮できるというメリットがある。一回の印刷作業において多数の図表を印刷する場合、制御装置は各図表間のホワイトスペースを算出し(account )、それに応じてプリントヘッドの移動速度及び/又は巻材の前進速度を加速するようにプログラムされる。
【0009】本発明の方法に使用するプリンタは、フレームと、巻材を縦向きで第一座標方向に連続的に前進させる手段とを備えることが好ましい。巻材を前進させる手段は、巻材をフレームに対して速度Vwxで前進させる。少なくとも一つのプリントヘッドが、フレームに対して移動可能に取付けられる。プリントヘッドは、第一座標方向に延びる走査配列(基配列)に配置された多数の印刷要素を有する。印刷要素の走査配列をフレームに対して繰り返し移動させる手段も備える。この移動通路は、少なくとも一つの走査区分と、少なくとも一つの位置変更区分とを有する。この手段は、巻材の速度Vwxに関連した速度Va で走査配列を移動させる。速度Va は、第一座標方向への第一速度成分Vaxと、第一座標方向に対してほぼ垂直な第二座標方向への第二速度成分Vayを有する。
【0010】印刷要素の走査配列を繰り返し移動させる手段は、第一速度成分Vaxを巻材の速度Vwxと等しくする。これによって、通路の走査区分を移動(横断)している走査配列が、巻材上に第一座標方向と平行な列を走査する。走査された列は列高さhs を有する。更に、印刷要素の走査配列を繰り返し移動させる手段は、走査配列が通路の走査区分を全て移動するのに必要な時間内に、巻材が第一座標方向に進む距離hw が列高さhs よりも少なくなるように移動させる。
【0011】走査区分を横断すると、走査配列は位置変更区分に沿って移動する。この移動は、巻材がd=hs −hw となる距離dだけ進むのにかかる時間と同じか、それよりも少ない時間内に行われる。こうすることで、プリントヘッドが、再び走査区分に沿って直ちに移動できるように位置し、連続して前進する巻材上に位置する操作配列によって、互いに隙間なく隣接した連続列を走査する。ホワイトスペースに達すると、制御装置はプリンタが受信可能な命令信号を発生し、速度成分Vwx,Vax,Vayの少なくとも一つあるいは全てを変化させてホワイトスペースを短期間で仕上げる(通過する)。
【0012】走査配列は、フレームに対して8字状に形成された通路に沿って移動するようにしても良い。こうするためには、走査配列は、第一端部と第二端部とを有する第一走査区分と、第三端部と第四端部とを有する第二走査区分とに沿って移動しなければならない。この走査区分は、それぞれ巻材を横断して延びる。また、第一走査区分はX座標方向に対して第一角度で方向付けられ、第二走査区分は第一角度とほぼ等しく反対の方向に向いた第二角度に方向付けられる。第二走査区分の第三端部および第四端部は、それぞれ、第一走査区分の第二端部と第一端部の付近に位置することが好ましい。
【0013】この形態では、第一位置変更区分が、第一走査区分の第一端部と第二走査区分の第四端部との間を延びる。また、第二位置変更区分が、第一走査区分の第二端部と第二走査区分の第三端部との間を延びる。動作中、走査配列は通路の第一走査区分を第一端部から第二端部へと移動する。その速度は、X座標方向への第一速度成分V1ax とY座標方向への第二速度成分V1ay とを有する。この形態では、走査配列が、Y座標方向に対して平行で第一列高さh1sを有する第一列を巻材上に走査する。
【0014】走査配列が第一走査区分を横断するとき、第二速度成分V1ay は、配列が第一走査区分を全て横断するのに必要な時間内に巻材がX座標方向に進む距離h1wが、第一列高さh1sよりも小さくなるようにされる。走査配列が第一走査区分を全て横断すると、走査配列は第一位置変更区分に沿って移動する。この移動にかかる時間は、巻材がd1=h1s−h1wとなる距離d1だけ前進するのにかかる時間と同じかそれよりも少ない。そして、プリントヘッドは、第二走査区分に沿って直ちに移動できるように位置する。
【0015】次に、走査配列は、第二走査区分を速度V2a で移動する。その速度V2a は、第一速度成分V2ax と、第二速度成分−V2ay とで構成される。第二走査区分を移動するときに、走査配列は、Y座標方向に対して平行で第二列高さh2sを有する第二列を巻材上に走査する。速度成分−V2ay は、走査する配列が第二走査区分を全て移動するのに必要な時間内に、巻材がX座標方向へ進む距離h2wが、第二高さh2sよりも小さくなるようにされる。
【0016】従って、第二走査区分を全て移動すると、走査配列は第二位置変更区分を移動する。その移動にかかる時間は、巻材がd2 =h2s−h2wとなる距離d2 だけ移動するのにかかる時間と同じか、それよりも少ない。この方法では、プリントヘッドは、第一走査区分に沿って直ちに移動するように再び位置する。走査配列の移動通路はフレームに対して8字状になる。上述したように、制御装置はホワイトスペースを加速して通過するために、巻材の前進速度又はプリントヘッドの移動速度あるいはそれら両方を加速するようにプリンタを作動する。
【0017】本発明の利点は、巻材を連続的に前進させることで従来の印刷時間を短縮できるだけでなく、非印刷領域又はホワイトスペース上で、巻材の前進速度又はプリントヘッドの移動速度あるいはその両方を加速することによって印刷速度をより短縮できるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】図1および図2において、本発明の装置の一実施の形態を参照番号20で示す。装置(プリンタ)20は、フレーム22を有しており、そのフレーム22にはローラ24が回転可能に取付けられている。このローラ24は、巻材(例えばロール紙)26を支持すると共に、巻材26を縦向きで、矢印”X”で示す第一座標方向に、装置を通して連続的に前進させるためのものである。巻材を連続的に前進させるために、ローラ24は適切な手段により駆動される。この適切な手段は、例えばモータ(図示せず)等であるが限定されない。モータは、装置20に接続されたプログラム制御可能な制御装置28から出される命令に対応する。制御装置28は、巻材26上に印刷すべき所望の図表に対応するデータを、機械読取り可能なフォーマットで保存(記憶)している。
【0019】図2に示すように、伸長台車支持材30がフレーム22に取付けられている。伸長台車支持材30はローラ24の長手方向にローラ24とほぼ平行に延びる。プリントヘッド台車(キャリッジ)32が、台車支持材30に、上部レール34および下部レール36を介してスライド可能に設けられている。この上部レール34および下部レール36は、互いにほぼ平行、かつ、ローラ24ともほぼ平行に並べられて台車支持材30に取付けられている。上部レール34および下部レール36は、それぞれ、プリントヘッド台車32に設けられたブッシュ38(一つのみ示す)を通って延びている。動作中、プリントヘッド台車32は、制御装置28から出されたコマンド信号に対応して、上部および下部レールに沿ってY座標方向において前後にスライドする。プリントヘッド台車32が上部レール34および下部レール36に沿ってスムースにスライドできるように、ブッシュ38は適した材料を使用しなければならない。例えば、ポリエトラクルオルエチレンであるが限定されない。更に、ブッシュ38を図示および説明してきたが、本発明はこの点に関して限定されず、例えば、直線ローラータイプのベアリング等、当業者に知られている他の構成が本発明のより広い解釈から外れることなく適用できる。
【0020】図1及び図2において、ステッパーモータ(図示せず)が、台車支持材30の裏側の第一端部に設けられており、そのステッパーモータは、台車支持材を通り抜けて延出する回転シャフト40を有している。第一プーリ42がシャフト40に設けられ、ベルト44と回転駆動可能に係合している。第二プーリ46が台車支持材の第二端部に回転可能に設けられ、第二プーリ46もまたベルト44と係合している。後程詳述するように、ベルト44は、その端部がプリントヘッド台車32に取付けられている。ベルト44は、長さ方向に等間隔で配置された複数の歯を有するタイミングベルトが好ましく、第一プーリ42および第二プーリ46は、タイミングベルトの歯と噛合うように円周に配置された噛合歯を有するタイミングプーリが好ましい。しかしながら、本発明はこの点に関して限定されず、例えば、Vベルトと溝車等、当業者に知られている他のタイプのベルトとプーリが本発明のより広い解釈からはずれることなく適用できる。
【0021】図3に示すように、ベルト44は、プーリ46および42に係合しており、その第一端部48が、クランプ50を介してプリントヘッド台車32の一側面と接続されている。コイルスプリング52が、その第一フック端部54により、プリントヘッド台車32から延出した突出部56に取付けられている。ベルト44の第二端部58は、プリントヘッド台車32上でクランプ50と反対側に位置する溝60に沿って延び、スプリング52の第二フック端部61により保持されている。ベルト44をスプリング52の第二フック端部58に設けることで、スプリングが引っ張られてベルトに張力が加わるように、ベルト44の長さが調節されている。
【0022】図3に示すように、溝60は、向かい合った壁62,64を有しており、壁64は、溝60の第一端部66からプリントヘッド台車32の外壁68の方に向けてテーパ状になっている。保持部材70が、スライド可能に溝60内に位置しており、その保持部材70は、壁64のテーパと一致したテーパを持つ第一表面72を有している。保持部材70は、第一表面72の反対側でベルト44の付近に位置する第二表面74をも有している。この構成では、保持部材70が、溝60のテーパ状の壁64に沿ってスライドするため、矢印”A”で示した方向に力が働いた時に、ベルト44をロックして、動作中のベルトのたるみや緩みを防止することが出来る。このロックは解除可能である。
【0023】上述した保持部材70の代わりの形態として、図4に示すように、溝60が互いに整列された一対のテーパ状の壁76を有した形状としてもよい。それぞれの壁76は、突出したヘリ78を有している。ボール80が、それぞれの壁76とベルト44との間に位置し、それぞれボールとヘリの間にはスプリング82が設けられてボールをベルト側へ付勢している。従って、動作中、スプリング52がベルト44に張力を加え、同時に、スプリング82により荷重が加えられたボール80がベルトの緩みを防止する。このベルトの緩み防止は、ボール80がテーパ状の壁76とベルト44との間でくさびの働きをしてベルトを所定位置にロックすることによりなされる。このロックは解除可能である。スプリングにより荷重が加えられたボールを図示および説明してきたが、本発明はこの点に関して限定されず、例えば、図5に示すように、スプリングにより荷重が加えられたくさび84を使用する構成等、他の構成が本発明の広い解釈からはずれることなく適用できる。
【0024】図6に示すように、プリントヘッド台車32は、一対のレール90(一つのみ示す)を介してプリントヘッド台車32にスライド可能に設けられた台88に取外し可能に設けられた二つのプリントヘッド86を有している。レール90は、それぞれ、台88の外側に突出した突起94に形成された孔92を通ってプリントヘッド台車32の外側へ延びている。アクチュエータ96が、プリントヘッド台車32に設けられており、そのアクチュエータ96は、プリントヘッド台車32を通って延出して、台88と係合している駆動部材98を有している。好ましくは、アクチュエータ96はステッパーモータであり、駆動部材98はステッパーモータに回転可能に取付けられたリードスクリューである。リードスクリューが回転することにより、図1に示した制御装置28から出された命令に対応して、台88およびプリントヘッド86が前方と後方の位置の間を移動する。しかしながら、本発明はこの点に関して限定されず、例えば、伸長するシリンダロッドを有する空気圧シリンダ等、当業者に知られている他のタイプの駆動装置および駆動部材を使用しても良い。また、図示した形態では、プリントヘッド86は二つであるが、この点に関しても限定されず、一つのプリントヘッドを用いたものや、複数のプリントヘッドを互い違いに(ジグザグに)設けた形態としても良い。
【0025】次に、本発明におけるプリントヘッド台車の第二の実施の形態を図7において参照番号232で示す。プリントヘッド台車232は、上述したプリントヘッド台車32と多くの点で共通しているため、そのような要素は参照番号の先に2を付けて示した。このプリントヘッド台車232が、上述したプリントヘッド台車32と異なる点は、アクチュエータおよび駆動部材の代わりに、カム機構234によってプリントヘッドが前方と後方の位置間を動かされる点である。
【0026】このカム機構234は、プリントヘッド台車232に設けられて、適切な手段により回転駆動されるカム236を有している。この適切な手段は、例えばステッパーモータ(図示せず)であるが限定されない。プリントヘッド286が取り外し可能に取付けられた台288が、前方と後方の位置間で移動できるようにプリントヘッド台車232にスライド可能に取付けられている。台288は、台288から突出した伸張部238を有しており、その伸張部の端部240に車輪242が回転可能に設けられ、カム236の外周面244と車輪242が係合している。ガイド246は、プリントヘッド台車232から延出しており、台車が前方および後方に移動する時に台車の姿勢・整列を維持するために、台288の縁248とスライド可能に係合している。図中において、スプリング250で示した付勢部材は、その一端が台288に取付けられ、他端がプリントヘッド台車232に取付けられて台車を後方の位置へ付勢している。動作中、カム234が回転すると、台288およびプリントヘッド286が、車輪242が図7に示した点”P”に達するまでの間、後方から前方へと移動する。点Pに達すると、スプリング250の張力により、台288が後方の位置へと戻されて車輪242がカムの外周面”S”と係合する。
【0027】図8に示すように、図1におけるプリントヘッド86または図7におけるプリントヘッド286は、それぞれ、マトリックスのような基配列(走査配列)102内に配置された複数の独立した印刷要素100を有している。この印刷要素100は、インク容器(図示せず)とつながっており、動作中、図1および図2におけるプリントヘッド台車32、または図7におけるプリントヘッド台車232が巻材26を横断すると、制御装置28から出された命令に対応して、印刷要素100の基配列102から巻材上にインクが移される。インクジェットタイプのプリントヘッドを図示および説明してきたが、本発明はこの点に関して限定されず、例えば、ドットマトリックスや感熱式のプリントヘッド等、当業者に知られている他のプリントヘッドを使用しても良い。
【0028】図1、図2および図9を用いて、装置20の作用を詳しく説明する。動作中、巻材26がX方向に速度Vwxで連続的に進められると、ベルト44により、プリントヘッド台車32および基配列102が、制御装置28から出されるコマンド信号に対応して巻材26上を繰り返し横断する。プリントヘッド台車32が巻材26を横断していると、アクチュエータ96により、台88およびプリントヘッド86が前方と後方の位置間を移動する。
【0029】図9に、上述した動きによる、図8に示したプリントヘッド86および基配列102が巻材26を横断する時の、基配列102のフレームに対する移動通路を示す。通路は、A点からB点へ延びる走査区分と、B点からA点へ延びる位置変更区分とを有している。基配列102は、走査区分を、A点からB点へ速度Vaで横断する。この速度Va は、X座標方向への第一速度成分Vaxと、Y座標方向への第二速度成分Vayとを有している。この速度Vax、つまり、アクチュエータ96が、台88をX座標方向において後方から前方へと移動させる速度は、巻材が連続的に送られる速度Vwxと等しい。基配列102の、巻材26に対する移動通路の最も好ましい状態を図10に示した。走査区分ABを横断する基配列が、Y座標方向と平行で列高さhs を有する列を巻材上に走査する。
【0030】図9に戻り、第二速度成分は、プリントヘッド台車232が巻材26をY座標方向に横断する速度と等しく、配列102が走査区分ABの全範囲を移動するのに必要な時間内に、巻材26がX座標方向に距離hw だけ前進する。この距離hw は、列高さhs よりも小さい。基配列102が走査区分ABを横断すると、基配列102は、位置戻し区分BAに沿って移動して、走査区分ABに沿って直ちに移動できるように位置する。位置戻し区分BAを移動するのにかかる時間は、巻材26がd=hs −hw となる距離dだけ前進する時間と同じか、それよりも少ない。再び図10に戻り、上記工程を繰り返し、巻材26を連続してX座標方向に前進させることで、基配列102により、Y座標方向と平行で互いに隙間なく隣接した列を巻材上に連続して走査することができる。これらの連続列を走査することで、制御装置28から出された命令に対応して所望する図表を巻材上に印刷する。
【0031】上述及び後述の巻材26及びプリントヘッド86の動作の概略の骨格の中で、制御装置28は、巻材及び/又は基配列の速度を変化させるためのプリントシーケンスを解析するようプログラムされることができ、これによってホワイトスペースに直面したとき、他の場合より速くプリントヘッド86を移動することができる。基配列102の中のプリントヘッドがインクその他の印刷メディアを転写しているとき、プリントヘッド86は、最大プリントヘッド速度、さらには基配列102の最大速度、さらには最大巻材速度、maxVwxを定義する。しかしながら、ホワイトスペースにおいてはプリントヘッド速度は最大プリントヘッド速度を越えることができ、プリントヘッド速度と巻材速度との間に一定の関係を設ける必要はない。
【0032】例えば線状ライン(a lineal line )の中のホワイトスペースの場合、線状ラインの中のホワイトスペースに直面すると、プリントヘッド速度は最大プリントヘッド速度を越えて増大されることができる。このとき、これに合わせて巻材速度を増大する必要があろう。これにより、プリントヘッドは、印刷が開始する次の線状位置(lineal location)に到達する。長手のホワイトスペースの場合、巻材速度が増大され、しかしながらプリントヘッド速度は、インクその他の印刷メディアの転写を再開する線状位置に応じて、任意の正又は負の値、又はゼロであってもよい。プリントヘッド速度がゼロとなる場合の一例としては、プリントヘッドが適切な線状位置にあって巻材が長手方向に前進される必要がある場合が挙げられる。
【0033】図1および図2に示したプリントヘッド台車32に関して、装置20の作用を説明してきたが、同じ説明が図7に示したプリントヘッド台車232に対しても適用できる。このプリントヘッド台車232の相違点は、台88を進めるためのリードスクリュー98の代わりに、台288と係合したカム236を用いてプリントヘッド286を前方と後方の位置間を速度Vaxで移動するようにしたものである。
【0034】代わりに、印刷要素の走査配列を基配列102から次のように選択しても良い。動作中、プリントヘッドが、走査区分ABに沿って巻材26を横断するときに、走査配列を構成する印刷要素のグループが選択的に駆動される。それにより、走査する配列が基配列102を、フレーム22に対してX座標方向へ速度Vaxで移動する。この速度Vaxが、巻材の速度Vwxと等しい。
【0035】プリントヘッド86および印刷要素102の基配列の動きは、点AとBで区切られた直線区分に沿って前後に移動するように図9および図10で示したが、本発明はこの点に関して限定されず、プリントヘッド86は、フレーム22に対して他の通路に沿って移動するようにしても良い。例えば、図11および図12にその概要を示すように、基配列102は、ABおよびCDで示す、第一,第二走査区分と、BCおよびDAで示す、第一,第二位置変更区分とから成る8字状の通路に沿って移動するようにしても良い。
【0036】装置20の動作中、基配列102は、初めに第一走査区分ABを第一端部Aから第二端部Bへ速度V1aで横断する。この速度V1aは、X座標方向への第一速度成分V1ax とY座標方向への第二速度成分V1ay とで構成され、第一速度成分V1ax は、巻材の速度Vwxと等しい。従って、基配列が、Y座標方向と平行で第一列高さh1sを有する最初の列を巻材上に走査をする。
【0037】第一走査区分を基配列が横断する際、第二速度成分V1ay は、配列102が第一走査区分の全範囲を移動するのに必要な時間内に、巻材がX座標方向に距離h1wだけ前進するように構成される。その距離h1wは、列高さh1sよりも小さい。第一走査区分を全て横断すると、基配列は次に、第一位置変更区分を点Bから点Cへと横断する。その横断にかかる時間は、巻材がd1 =h1s−h1wとなる距離d1 だけ前進するのにかかる時間と同じか、それよりも少ない。そして、プリントヘッドは、第二走査区分CDに沿って直ちに移動できるように位置する。
【0038】図11において、基配列は次に、第二走査区分を速度−V2aで横断する。この速度−V2aは、X座標方向への第一速度成分V2ax とY座標方向への第二速度成分−V2ay とで構成され、第一速度成分V2ax は巻材の速度Vwxと等しい。第二走査区分を点Cから点Dへ横断する時に、基配列が、Y座標方向と平行で第二列高さh2sを有する二番目の列を巻材上に走査する。更に、速度成分−V2ay は、走査配列が、第二走査区分の全範囲を移動するのに必要な時間内に、巻材がX座標方向に距離h2wだけ前進するように構成される。この距離h2wは、第二列高さh2sよりも小さい。
【0039】第二走査区分を全て横断すると、基配列は、第二位置変更区分を点Dから点Aへと移動する。その横断にかかる時間は、巻材がd2 =h2s−h2wとなる距離d2 だけ前進するのにかかる時間と同じか、それよりも少ない。このようにすれば、プリントヘッドは再び、第一走査区分に沿って直ちに移動できるように位置し、基配列の移動通路は、フレームに対して8字状になる。
【0040】図12に示すように、図11における8字状の通路を連続的に前進する巻材26に対しての視点から見てみると、基配列102は、8字状の通路を一度横断するごとに、Y座標に平行で隣接した連続列を巻材上に2列走査する。基配列102が、図1に示した制御装置28から出される命令に対応して、巻材26上に所望する図表に一致させて印字の列を転写する。
【0041】図9〜図12において、基配列102全体のX座標方向への速度成分Vax、V1ax および−V2ax を巻材の速度Vwxと等しくすることを説明してきたが、本発明は、この点に関して限定されない。例えば、図8を参照して、制御装置28から出される命令に対応して、基配列102を構成する走査配列104を部分的に選択して駆動しても良い。動作中、プリントヘッド86が巻材26上を走査区分に沿って横断すると、走査する配列104が、基配列102内をX座標方向に、速度Vax、V1ax もしくは−V2ax で移り変わる。それにより、走査する配列が、Y座標方向と平行で隣接した連続列を巻材26上に走査する。
【0042】基配列102は、巻材26の幅全部を横断するように図示したが、本発明はこの点に関して限定されない。印刷される図表によって、基配列102が巻材の幅の一部分だけ横断するようにしても良い。また、印刷される図表の複雑さや巻材26の幅に合わせて巻材の速度Vwxを変えても良い。更に、図1における制御装置28が、印刷する図表に相当したデータを処理できる速度に合わせて速度Vwxを変えても良い。図1におけるプリントヘッド台車32または図7におけるプリントヘッド台車232、および基配列102の速度を巻材の速度Vwxの変化(違い)を保障するために、制御装置から出される命令に対応して調整するようにしても良い。
【0043】図13に、本発明の他の実施の形態を示す。この形態では、装置20と多くの点で共通しているため、そのような要素は参照番号の先に3を付けて示した。図1において、装置20は、支持表面を区画すると共に巻材26を前進させるためのローラ24を備えた形態を説明したが、本発明は、この点に関して限定されない。図13に示すように、実質的に平らな試料支持表面324を有するフラットベッドタイプの印刷装置320を用いて、基配列302が、上述したものと同じ通路に沿って同じ方法で巻材326上を横断するようにしても良い。
【0044】また、図13に示すように、装置320に旋回可能に取付けられ、X座標方向に対して第一角度θ1 と、第一角度と反対側で同じ大きさとなる第二角度θ2 との間を移動するプリントヘッド台車支持材326を用いて上述した8字状の通路を形成するようにしても良い。動作中、基配列302は、角度θ1 の方向を向いた台車支持材326に沿って移動する。基配列302が第一走査区分の端部に達すると、台車支持材は回転して角度θ2 の方向を向く。それにより、基配列302は、第二走査区分を横断できるように位置する。この工程は、所望する図表が前進する巻材上に印刷されるまで繰り返される。
【0045】これまで、図示および説明してきた一方で、本発明では様々な変形や代用が考えられる、従って、本発明はその一例として説明されたものであり、限定されるものでは無いと理解される。
【出願人】 【識別番号】599099559
【氏名又は名称】ガーバー・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Gerber Technology,Inc.
【住所又は居所原語表記】24 Industrial Park Road West,Tolland,Connecticut,United States of America
【出願日】 平成14年8月21日(2002.8.21)
【代理人】 【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
【公開番号】 特開2003−145876(P2003−145876A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2002−240401(P2002−240401)