トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ




【発明の名称】 インクジェットプリンタ
【発明者】 【氏名】青木 哲志

【氏名】山崎 健

【氏名】村田 修

【氏名】堤 敬

【氏名】小林 敏行

【要約】 【課題】記録ヘッドの印刷時における移動経路が、メンテナンス時の移動経路を兼ねることで、小型化を可能とするインクジェットプリンタを提供する。また、記録ヘッドの位置検知を行うことなく、安定したメンテナンス効果を得ることのできるインクジェットプリンタを提供する。

【解決手段】このインクジェットプリンタは、インクの吐出口を有する記録ヘッドと、記録ヘッドを印刷時に往復移動させる移動手段と、吐出口と対向した状態で吐出口から吐出されたインクを受けるインク受け部とを備えている。インク受け部は、記録ヘッドが進行方向を変える記録ヘッドの往復経路の一端部に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】インクの吐出口を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドを印刷時に往復移動させる移動手段と、前記吐出口と対向した状態で前記吐出口から吐出されたインクを受けるインク受け部とを備え、前記インク受け部は、前記記録ヘッドが進行方向を変える前記記録ヘッドの往復経路の一端部に設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、前記吐出口からインクを吸引する際に前記吐出口を覆うキャップ部材を備え、前記キャップ部材は、前記記録ヘッドが進行方向を変える前記記録ヘッドの往復経路の一端部に設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項3】請求項2記載のインクジェットプリンタにおいて、前記キャップ部材は、前記インク受け部を兼ねることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項4】請求項2〜3のいずれかひとつに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録ヘッドは、インクの色に応じて複数設けられており、前記キャップ部材は、前記記録ヘッドの個数に対応させて複数設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項5】請求項1〜4記載のいずれかひとつに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録ヘッドは、インクの色に応じて複数設けられており、前記インク受け部は、前記吐出が行われる際に、全ての前記記録ヘッドの吐出口と対向するように設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドの吐出状態の回復を行うインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタにおいては、インクを記録媒体に吐出する吐出口が、記録ヘッドの一面(ノズル面)に備えられている。通常、インクの粘度の増大、インクの固着による吐出口の目詰まり、あるいは吐出口に通じる液路内に発生した気泡やごみ等による目詰まりを回復させ、吐出状態を印刷可能な状態に復帰させるために、記録ヘッドに対してメンテナンスを行っている。この記録ヘッドのメンテナンスとしては、例えば、記録ヘッドのノズル面をキャップ部材で覆い、該キャップ部材を介して吸引ポンプでインクを吸引することや、記録ヘッドをキャップ部材近傍に設けられたインク受け部と対向するように移動させて、吐出口からインクをインク受け部に向けて吐出することなどが挙げられる。
【0003】一般に、吸引キャップは、印刷時における記録ヘッドの移動経路よりも外側に設けられており、吸引を行う際には、印刷時とは異なる経路で記録ヘッドを移動させている場合がある。また、インク受け部は印刷時に記録ヘッドが直線運動する経路上に設けられおり、記録ヘッドが加速状態のときにインク受け部に向けてインクを吐出している場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、多くの電子機器と同様にインクジェットプリンタにおいても、さらなる小型化が望まれているが、上記のような構成であると、記録ヘッドの印刷時における移動経路よりも外側に、キャップ部材を設置するのに必要な領域を確保しなければならず、その分小型化の弊害となっていた。また、加速状態で吐出を行うと、記録ヘッド毎にインク受け部を通過する速度が異なるため記録ヘッド毎に吐出回数も異なってしまう。これでは、メンテナンス効果に斑が生じてしまう。さらに、吐出を行うに際して、記録ヘッドがインク受け部を通過していいるかどうかを検知する必要があった。
【0005】本発明の課題は、記録ヘッドの印刷時における移動経路が、メンテナンス時の移動経路を兼ねることで、小型化を可能とするインクジェットプリンタを提供することを目的とする。また、記録ヘッドの位置検知を行うことなく、安定したメンテナンス効果を得ることのできるインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、インクの吐出口を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドを印刷時に往復移動させる移動手段と、前記吐出口と対向した状態で前記吐出口から吐出されたインクを受けるインク受け部とを備え、前記インク受け部は、前記記録ヘッドが進行方向を変える前記記録ヘッドの往復経路の一端部に設けられていることを特徴としている。
【0007】請求項1記載の発明によれば、インク受け部が、記録ヘッドの往復経路の一端部に設けられているので、印刷時において記録ヘッドの往復経路の一端部、つまり記録ヘッドが進行方向を変える部分で前記吐出を行うことができ、記録ヘッドがインク受け部を通過中であるかどうかを検知しなくともよい。また、通常記録ヘッドは進行方向を変える際に一旦略停止状態となる。この状態の時には、各記録ヘッドは、インク受け部に対して略停止状態であるので、吐出を行っても吐出回数に違いは生じず、安定したメンテナンス効果を得ることができる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、前記吐出口からインクを吸引する際に前記吐出口を覆うキャップ部材を備え、前記キャップ部材は、前記記録ヘッドが進行方向を変える前記記録ヘッドの往復経路の一端部に設けられていることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明によれば、キャップ部材が、記録ヘッドの往復経路の一端部に設けられているので、この往復経路の一端部で吸引を行うことができる。したがって、記録ヘッドの印刷時における移動経路内で前記吸引を行うことができ、その分インクジェットプリンタを小型化することができる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載のインクジェットプリンタにおいて、前記キャップ部材は、前記インク受け部を兼ねることを特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同等の効果を得ることができる。特に、キャップ部材は、インク受け部の機能を兼ね備えていながら単一の部材であるので、より小型化を向上させることができる。また、単一の部材で前記吸引と前記吐出を可能としているので、制御手順も容易にすることができる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項2〜3のいずれかひとつに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録ヘッドは、インクの色に応じて複数設けられており、前記キャップ部材は、前記記録ヘッドの個数に対応させて複数設けられていることを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明によれば、キャップ部材が、記録ヘッドの個数に対応させて複数設けられているので、複数ある記録ヘッドを一度に前記吸引することができ、メンテナンスにかかる時間を短縮することができる。特に、キャップ部材が、インク受け部の機能を兼ねている場合では、複数ある記録ヘッドから一度にインクを吐出することができるので、さらにメンテナンスにかかる時間を短縮することができる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1〜4記載のいずれかひとつに記載のインクジェットプリンタにおいて、前記記録ヘッドは、インクの色に応じて複数設けられており、前記インク受け部は、前記吐出が行われる際に、全ての前記記録ヘッドの吐出口と対向するように設けられていることを特徴としている。
【0015】請求項5記載の発明によれば、インク受け部が、前記吐出が行われる際に、全ての記録ヘッドの吐出口と対向するように設けられているので、複数ある記録ヘッドを一度に前記吐出させることができ、メンテナンスにかかる時間を短縮することができる。
【0016】ここで、インク受け部は、全ての前記記憶ヘッドの吐出口と対向するように設けられるのであれば如何なる構成でもよく、例えば、記録ヘッドの個数に対応させてインク受け部を複数設けたり、全ての記録ヘッドの吐出口をカバーするだけの大きさにインク受け部を形成したりする構成が挙げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】[第一の実施の形態]以下、この発明の第一の実施の形態について、図1〜図3の図面を参照しながら説明する。
【0018】本実施の形態で例示されるインクジェットプリンタ1は、記録媒体にインクを吐出し印刷を行うものであり、その印刷を行う部分の主要構成は、図1に示すように、シート状の記録媒体2(例えば、紙など)を印刷時に前方へ搬送させる搬送手段(図示省略)と、記録媒体2を背面側から支持するプラテン7(図2)と、前記記録媒体2にインクを吐出する記録ヘッド3と、複数色毎の記録ヘッド3を搭載するキャリッジ(移動手段)4と、前記記録ヘッド3の吐出状態をメンテナンスするメンテナンスユニット5と、印刷時あるいはメンテナンス時などにキャリッジ4を水平方向(矢印A)に沿って案内するガイドレール6と、これら各部の制御を行う制御部30(図3)とを備えている。
【0019】搬送手段は、印刷時において、キャリッジ4の動作にタイミングを合わせて、記録媒体2を印刷領域C上で搬送し、印刷の終了に応じて、記録媒体2は、印刷領域Cから下方(矢印B)に向かって搬送される。
【0020】プラテン7は、図2に示すように、印刷可能な最大サイズの記録媒体を支持するため、最大サイズの記録媒体に対応した幅に形成されている。そして、この最大サイズの記録媒体に対して印刷を行う際には、印刷領域Cは最も大きくなる。
【0021】記録ヘッド3には、図1に示すように、インクを吐出する吐出口が、記録媒体2に対向する面(ノズル面)に複数設けられている。この記録ヘッド3は、インクジェットプリンタ1で使用されるインクのインク色(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)に応じて、複数個設けられている。
【0022】キャリッジ4は、印刷時および記録ヘッド3のメンテナンス時に、制御部30の制御に基づいて、各色毎の記録ヘッド3を印刷領域Cに沿って水平方向に往復移動させる。一般的にインクは、時間が経つにつれ凝固するものであり、メンテナンスユニット5で記録ヘッド3の吐出状態をメンテナンスしたとしても、印刷時のインク吐出を行うまでに多少なりとも凝固してしまう。この凝固速度は、インクの種類によって異なるものであるので、キャリッジ4に搭載される複数の記録ヘッド3の配列を、メンテナンスユニット5に近いものが凝固速度の遅いインクを有した記録ヘッド3とし、遠くなるにつれ凝固速度が速くなるインクを有した記録ヘッド3とすることが好ましい。このような配列とすることで、メンテナンス後から印刷時の吐出を行うまでに最も時間のかかる記録ヘッド3は、凝固速度の遅いインクを有しているために、印刷時のインク吐出を安定して行うことができる。
【0023】通常、キャリッジ4の移動範囲は、印刷を行う記録媒体のサイズに合わせて、印刷領域Cの右端部(メンテナンスユニット5側)を基準線として変更されるものであるが、ここでは、印刷可能な最大サイズの記録媒体に対して印刷を行う際の移動範囲について説明する。
【0024】キャリッジ4の移動範囲は、図2に示すように、記録ヘッド3を一定速度で移動させる定速移動範囲と、記録ヘッド3の往復経路の両端部で、記録ヘッド3の進行方向を変える加減速範囲とからなる。
【0025】定速移動範囲は、印刷領域Cの両端に、キャリッジ4の幅とほぼ同等な幅を有する領域(定速範囲左端部、定速範囲右端部)が加えられている。これは、全ての記録ヘッド3が加減速範囲を越えれば、印刷時において各記録ヘッド3を少なくとも印刷領域C上では定速で移動でき、安定した印刷を行えるために設定されている。なお、本実施の形態では、定速範囲右端部および定速範囲左端部の幅をキャリッジ4の幅とほぼ同等となるように設定しているが、キャリッジ4に搭載される複数の記録ヘッド3のうち、両端の記録ヘッド3に備わる吐出口の間隔を定速範囲右端部および定速範囲左端部の幅として設定してもよい。このような構成であれば、定速走行範囲を狭めることができ、インクジェットプリンタ1をより小型化することができる。
【0026】加減速範囲では、記録ヘッド3の進行方向を変える際に、記録ヘッド3の移動速度を減速し一旦停止した後、進行方向を変えて加速する。この加減速範囲は、キャリッジ4の幅と同等の幅を有している。
【0027】メンテナンスユニット5は、図1および図2に示すように、記録ヘッド3の吐出口を覆った状態で吐出口からインクを吸引する吸引キャップ(キャップ部材)8と、該吸引キャップ8によるインクの吸引が行われた後に、ノズル面を摺擦しノズル面に残るインクを拭き取るブレード11(図3)とを備えている。このメンテナンスユニット5は、移動範囲の一端の加減速範囲に設けられている。
【0028】吸引キャップ8は、記録ヘッド3の個数に対応して複数(本実施例では4個)設けられており、印刷待機中に記録ヘッド3の吐出口が乾かないよう各記録ヘッド3のノズル面を覆って保湿している。この吸引キャップ8には、吸引キャップ8とノズル面により形成された空間内部を吸引する吸引ポンプ10(図3)が、チューブを介して連結されている。この吸引ポンプ10は、制御部30によって吸引を制御されている。そして、吸引ポンプ10は、吸引キャップ8により覆われた状態の吐出口を、吸引キャップ8を介して吸引する。そして、吸引ポンプ10によって吐出口から吸引されたインクは、廃インクタンクに排出される。また、この吸引キャップ8は、ブレード11によるノズル面の摺擦が行われた後、つまり吸引後に、記録ヘッド3の吐出口と対向した状態で、吐出口から吐出されたインクを受ける。
【0029】制御部30は、図3に示すように、インターフェイス31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、CPU(Central Processing Unit)34等から構成され、ROM32中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従いインターフェイス31に接続された各種機器を制御するようになっている。
【0030】インターフェイス31には、記録ヘッド3と、キャリッジ4と、ブレード11と、吸引ポンプ10などが電気的に接続されている。
【0031】ROM32には、インクジェットプリンタ1の各部の動作に関する各種制御プログラムや制御データなどが書き込まれている。
【0032】RAM33は、電力が供給されている間だけ入力されたデータを複数記憶可能であり、各種データの記憶領域とCPU34による作業領域などが備えられている。
【0033】CPU34は、ROM32に格納されている各種プログラムの中から指定されたプログラムを、RAM33内の作業領域に展開し、プログラムに従った各種処理を実行する。
【0034】この制御部30は、インクジェットプリンタ1の動作全体を制御するものであるが、ここでは、印刷時に行われる制御手順について説明する。
【0035】印刷待機時において、各記録ヘッド3の吐出口は、メンテナンスユニット5の吸引キャップ8によって覆われた状態にある。制御部30に印刷を開始する信号が入力されると、制御部30は、記録ヘッド3の吐出口からインクを吸引するように吸引ポンプ10を制御し、吐出状態を復帰させる。そして制御部30は、吸引後に記録ヘッド3ノズル面を摺擦するようにブレード11を制御し、ノズル面に残るインクを拭き取る。その後、制御部30は、各記録ヘッド3と吸引キャップ8とが離間するようにキャリッジ4を制御し、各記録ヘッド3と吸引キャップ8とが対向した状態となると、吸引キャップ8に向けてインクを吐出するように各記録ヘッド3を制御して、吐出口を安定吐出できる状態にする。
【0036】そして、制御部30は、各記録ヘッド3が往復移動するようにキャリッジ4を制御するとともに、この往復移動に対応してインクの吐出を行うように各記録ヘッド3を制御し、印刷を行う。印刷中、所定のタイミングとなると、制御部30は、各記録ヘッド3が各吸引キャップ8と対向した状態となったときに、吸引キャップ8に向けてインクを吐出するように記録ヘッド3を制御し、記録ヘッド3の吐出状態を回復する。
【0037】以上のように、この第一の実施の形態のインクジェットプリンタによれば、吸引キャップ8によって、記録ヘッド3の往復経路の一端部で、インクを吸引することおよび吐出されたインクを受けることが行われているので、記録ヘッド3の印刷時における移動経路内で、インクの吸引および吐出されたインクの受け止めを行うことができる。つまり、吸引および吐出の両方を、同一の部分で行うことができ、その分インクジェットプリンタを小型化することができる。また、印刷時において、記録ヘッド3の往復経路の一端部、つまり記録ヘッド3が進行方向を変える部分で吸引および吐出が行えるので、記録ヘッド3が吸引キャップ8を通過中であるかどうかを検知しなくともよい。また、通常記録ヘッド3は進行方向を変える際に一旦略停止状態となる。この状態の時には、各記録ヘッド3は、吸引キャップ8に対して略停止状態であるので、吐出を行っても吐出回数に違いは生じず、安定したメンテナンス効果を得ることができる。また、吸引キャップ8は、インクの吸引および吐出されたインクを受ける機能を兼ね備えていながら単一の部材であるので、より小型化を向上させることができる。また、単一の部材で前記吸引と前記吐出を可能としているので、制御手順も容易にすることができる。
【0038】また、吸引キャップ8が、記録ヘッド3の個数に対応させて複数設けられているので、複数ある記録ヘッド3に対して、吸引および吐出を一度に行うことができ、メンテナンスにかかる時間を短縮することができる。
【0039】なお、この第一の実施の形態では、吸引キャップ8が、待機時においては記録ヘッド3を保湿する構成であったが、この保湿する機能を別のキャップ部材等で行う構成であってもよい。こうした場合であっても、メンテナンスユニット5が設けられた加減速範囲とは異なるもう一方の加減速範囲に保湿を行うキャップ部材を設ければ、小型化を維持することができる。
【0040】[第二の実施の形態]この発明の第二の実施の形態について、図4の図面を参照しながら説明する。第二の実施の形態特有の部分以外は、上記第一の実施の形態における場合と同様である。そして、第二の実施の形態において、前述の第一の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0041】第一の実施の形態では、吸引キャップ8が、記録ヘッド3に対するインクの吸引する機能およびインクの吐出を受ける機能を兼ね備える構成であったが、この第二の実施の形態では、吸引する機能および吐出を受ける機能をそれぞれ別個の部材が備える構成である。
【0042】以下に、この第二の実施の形態として例示されるメンテナンスユニットについて具体例を挙げて説明する。
【0043】[具体例1]この具体例1のメンテナンスユニット5Aは、図4(a)に示すように、各記録ヘッド3に対応した複数の吸引キャップ(キャップ部材)8aと、記録ヘッド3の吐出口から吐出されたインクを受けるインク受け部9aとを備えている。インク受け部9aは、各記録ヘッド3の吐出口から吐出されるインクを全て受け止められる大きさに形成されている。そして、インク受け部9aには、受け止めたインクを廃インクタンクにまで案内する流路が形成されている。このメンテナンスユニット5Aは、制御部30と電気的に接続されている。メンテナンスユニット5Aは、インクの吐出を受ける際には、制御部30の制御に基づいて、矢印D(記録ヘッド3の移動経路に対して垂直方向)に沿って移動し、インク受け部9aが記録ヘッド移動範囲Fに収まった状態、つまりインク受け部9aと記録ヘッド3とが対向する状態(図4(a)の左図)となる。そして、メンテナンスユニット5Aは、待機時およびインク吸引時においては、制御部30の制御に基づいて、吸引キャップ8aが記録ヘッド移動範囲Fに収まった状態、つまり吸引キャップ8aと記録ヘッド3とが対向する状態(図4(a)の右図)となり、その後、メンテナンスユニット5Aは、制御部30の制御に基づいて、吸引キャップ8aが記録ヘッド3の吐出口を覆うように動作する。
【0044】[具体例2]具体例1では、各記録ヘッド3に対応して複数の吸引キャップ8aが設けられるメンテナンスユニット5Aを例示したが、この具体例2のメンテナンスユニット5Bは、記録ヘッドの個数に関係なく吸引キャップ8bがひとつ設けられる構成である。つまり、インクの吸引が、各記録ヘッド3に対して一個ずつ繰り返し行われる構成である。このメンテナンスユニット5Bは、制御部30と電気的に接続されており、制御部30の制御に基づいて、インクの吐出を受ける際には、インク受け部9aが記録ヘッド移動範囲Fに収まった状態、つまりインク受け部9aと記録ヘッド3とが対向する状態(図4(b)の右図)となる。また、インク吸引時においては、矢印E(記録ヘッド3の移動経路に対して垂直方向)に沿って移動し、吸引キャップ8bが記録ヘッド移動範囲Fに収まった状態、つまり吸引キャップ8aと記録ヘッド3とが対向する状態(図4(b)の左図)となる。その後、メンテナンスユニット5Bは、制御部30の制御に基づいて、吸引キャップ8bが記録ヘッド3の吐出口を覆うように動作する。そして、記録ヘッド3の吸引が一個終わると、制御部30は記録ヘッド3の吐出口から吸引キャップ8bを離間するようにメンテナンスユニット5Bを制御するとともに、次に吸引される記録ヘッド3と吸引キャップ8bとが対向するように、キャリッジ4を制御する。
【0045】[具体例3]具体例2では、メンテナンスユニット5Bが、記録ヘッド3の移動経路に対して垂直方向に動作することで、吸引および吐出を行う構成であったが、この具体例3のメンテナンスユニット5Cは、インク受け部9cの側方に吸引キャップ8cを設ける構成である。つまり、このような構成であるため、メンテナンスユニット5Cを、記録ヘッド3の移動経路に対して垂直方向に移動させなくとも、吸引および吐出を行うことができる。
【0046】以上のように、この第二の実施の形態のインクジェットプリンタでは、インク受け部9a、9b、9cが、前記吐出が行われる際に、全ての記録ヘッド3の吐出口と対向するように設けられているので、複数ある記録ヘッド3から一度にインクを吐出させることができ、メンテナンスにかかる時間を短縮することができる。
【0047】なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、印刷時において記録ヘッドの往復経路の一端部、つまり記録ヘッドが進行方向を変える部分で前記吐出を行うことができ、記録ヘッドがインク受け部を通過中であるかどうかを検知しなくともよい。また、通常記録ヘッドは進行方向を変える際に一旦略停止状態となる。この状態の時には、各記録ヘッドは、インク受け部に対して略停止状態であるので、吐出を行っても吐出回数に違いは生じず、安定したメンテナンス効果を得ることができる。請求項2記載の発明によれば、往復経路の一端部で吸引を行うことができる。したがって、記録ヘッドの印刷時における移動経路内で前記吸引を行うことができ、その分インクジェットプリンタを小型化することができる。
【0049】請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同等の効果を得ることができる。特に、キャップ部材は、インク受け部の機能を兼ね備えていながら単一の部材であるので、より小型化を向上させることができる。また、単一の部材で前記吸引と前記吐出を可能としているので、制御手順も容易にすることができる。請求項4記載の発明によれば、複数ある記録ヘッドを一度に前記吸引することができ、メンテナンスにかかる時間を短縮することができる。特に、キャップ部材が、インク受け部の機能を兼ねている場合では、複数ある記録ヘッドから一度にインクを吐出することができるので、さらにメンテナンスにかかる時間を短縮することができる。請求項5記載の発明によれば、複数ある記録ヘッドを一度に前記吐出させることができ、メンテナンスにかかる時間を短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成13年11月12日(2001.11.12)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
【公開番号】 特開2003−145803(P2003−145803A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−346251(P2001−346251)