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【発明の名称】 多層樹脂シートの製造方法
【発明者】 【氏名】菅原 教泰

【氏名】佐藤 正明

【要約】 【課題】シートの各層厚が大きく異なる多層積層シートについて、低コストであると共に効率よく、かつ得られる多層積層シートが品質的に良好なものである製造方法を提供すること。

【解決手段】少なくとも3層からなる積層シートであって、外層(A)および中間層(B)と、基材層(C)との厚みの比が、それぞれA/C≦0.1およびB/C≦0.1であり、外層(A)と基材層(C)との樹脂成分の融点の差が10℃以上を有する積層樹脂シートの製造方法において、共押出法により外層と中間層を積層した外層/中間層積層シートを予め製造しておき、次いで基材層シートを押出法により成形し、該基材層シートが熱いうちに、予め製造しておいた外層/中間層積層シートをラミネート法により積層させることを特徴とする多層樹脂シートの製造方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも3層からなる積層シートであって、外層(A)および中間層(B)と、基材層(C)との厚みの比が、それぞれA/C≦0.1およびB/C≦0.1であり、外層(A)と基材層(C)との樹脂成分の融点の差が10℃以上を有する積層樹脂シートの製造方法において、共押出法により外層と中間層を積層した外層/中間層積層シートを予め製造しておき、次いで基材層シートを押出法により成形し、該基材層シートが熱いうちに、予め製造しておいた外層/中間層積層シートをラミネート法により積層させることを特徴とする多層樹脂シートの製造方法。
【請求項2】 外層の厚さが3〜50μmであり、かつ中間層の厚さが3〜50μmである請求項1に記載の多層樹脂シートの製造方法。
【請求項3】 基材層シートの両面に、外層/中間層積層シートをラミネート法により積層させる請求項1または2に記載の多層樹脂シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デスクマットやテーブルマット等として好適に使用される、合成樹脂製多層シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、多層樹脂シートの製造方法としては、プレス法、共押出法、ラミネート法、押出−ラミネート法などの種々の手段が採用されている。例えば、多層シートを共押出法により製造するにあたっては、全ての層の樹脂を一度に共押出しさせるものであり、きれいな成形シートを作成するためには、各層を構成する各樹脂成分がある程度の時間スクリューで混練される必要がある。しかしながら、各層の厚みが大きく異なる多層積層シートを共押出しさせる場合には、厚い層と薄い層の間では、各層の樹脂の吐出量(生産スピード)が大きく異なり、厚い層の樹脂の吐出量により、その生産スピードの範囲で決定される。
【0003】したがって、薄い層の樹脂の吐出スピードを、厚い層の樹脂の吐出スピードに合わせる必要があり、必然的に薄い層の樹脂は、長時間スクリューで混練されることとなり、樹脂が熱劣化し、物性の変化したものや、黒く焦げたもの(小さい粒状物)が発生してくる。また、これが原因で、シート表面に黒い斑点(いわゆる、「ブツ」と称される黒い斑点)が生成したり、Tダイの吐出口の周辺に樹脂の塊(いわゆる、「目ヤニ」と称する塊)ができたりすることが多々あった。
【0004】一方、各層を構成する成形シートを押出法で製造した後、得られた各シート層をラミネート法により積層し、多層シート状物を得る製造方法にあっては、押出法による各層の形成工程と、その後のラミネート法による積層工程等、多くの製造工程を必要とする。したがって、工程数が多くなることによって、生産スピードの低下を来し、得られる多層樹脂積層シートの生産コストが高くなるといった問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、上記の問題点を解決するために、各シートの層厚が大きく異なる多層積層シートの製造方法について、低コストであると共に、効率よく製造でき、かつ得られる多層積層シートが品質的に良好なものである製造方法を提供することを課題とする。
【0006】かかる課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、層の厚さが大きく異なる多層樹脂シートを製造する場合の問題点は、各樹脂層の厚さの違い、ならびに各層を構成する樹脂の融点の相違に存在することを確認し、これらの相違がある特定範囲にある多層積層樹脂シートの製造に際しては、予め薄い層を構成する部分を製造しておき、厚い層を押出法により製造する段階で、予め製造しておいた薄い層をラミネートすれば、製造工程を少ないものとし得ると共に、品質的に極めて良好な多層樹脂シートが製造できることを見いだし、本発明を完成させた。
【0007】
【課題を解決するための手段】したがって、そのための請求項1に記載の本発明は、少なくとも3層からなる積層シートであって、外層(A)および中間層(B)と、基材層(C)との厚みの比が、それぞれA/C≦0.1およびB/C≦0.1であり、外層(A)と基材層(C)との樹脂成分の融点の差が10℃以上を有する積層樹脂シートの製造方法において、共押出法により外層と中間層を積層した外層/中間層積層シートを予め製造しておき、次いで基材層シートを押出法により成形し、該基材層シートが熱いうちに、予め製造しておいた外層/中間層積層シートをラミネート法により積層させることを特徴とする多層樹脂シートの製造方法である。
【0008】すなわち本発明は、薄くて融点の高い表層としての外層と薄い接着層の両者を予め共押出法により製造し、ロールに巻いて保管しておき、次いで厚い基材層を押出法により製造するにあたって、基材層のシートを押出し成形しながら、この段階で予め製造しておいた薄い層を、基材層の熱を使ってラミネートさせることにより多層樹脂シートを製造することに特徴を有する。そして、このような特異的製造方法は、例えば、少なくとも3層からなる積層シートにあっては、外層および中間層と、基材層との厚みの比がそれぞれ1/10以下であり、かつ、外層の樹脂成分と、基材層の樹脂成分との融点の差が10℃以上を有する場合に、極めて効果的であることが判明した。
【0009】外層(A)および中間層(B)と基材層(C)の厚みの関係A/CおよびB/Cが0.1よりも大きいと、共押出法で製造しても、外層や中間層と基材層の吐出量の差がさほど大きくないため、ブツの発生や目ヤニの発生も少ないため、本発明の効果も小さい。
【0010】外層と基材層の融点の差が10℃以上ある場合には、例えば、外層/中間層/基材層の積層シートを共押出法により製造すると、ダイスの中またはダイスの手前で、比較的温度の高い樹脂と比較的温度の低い樹脂が接触し、シートの変形等の不具合が生じる。このため、本発明の製造方法は、外層と基材層の融点の差が10℃以上ある積層シートにおいて特に有効である。
【0011】また請求項2に記載の本発明は、外層と中間層との厚さが、それぞれ3〜50μmの範囲のものである積層シートの製造方法であり、更に請求項3に記載の本発明は、基材層の両面に、外層/中間層からなる積層シートをラミネート法により積層する製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明が提供する製造方法により製造される多層樹脂シートとしては、少なくとも3層からなる積層樹脂シートであり、外層および中間層と、基材層の厚みが大きく異なるものであり、特にその層厚の比としては、具体的には、外層(A)および中間層(B)と、基材層(C)との厚みの比がそれぞれA/C≦0.1およびB/C≦0.1である必要がある。このような、基材層をベースとした場合に薄い層厚比である外層と中間層の両者を、共押出法により製造することは極めて容易であり、樹脂のスクリューによる混練に際しての滞留時間が短いものとなり、目ヤニ、ブツが発生しない高速で押出成形することができる。したがって、極めてきれいな外層/中間層積層シートが生産されることとなり、この外層/中間層積層シートを、予めロール状に巻き取っておく。
【0013】次いで、基材層を押出法により成形するのであるが、この基材層となる樹脂成分を押出し、シート状物に成形すると同時に、予め製造しておいた外層(A)/中間層(B)積層シートを基材層(C)の片面あるいは両面に積層させ、ラミネートすることにより目的とする多層樹脂シートが製造される。
【0014】この場合にあっては、外層(A)の樹脂成分と、基材層(C)の樹脂成分との融点の差が、それぞれ10℃以上を有することより、基材層のシート状物がいまだ冷却されていない加熱状態下では、当該基材層の熱により、外層/中間層積層シートが強固に接着、ラミネートされ、特別に接着剤等を使用しなくとも、基材層と表面層である外層との強固な一体性が確保されるものである。
【0015】本発明の製造方法により製造され得る多層樹脂シートとしては、例えば、デスクマットやテーブルマット等として好適に使用される合成樹脂製多層シートである。したがって、表層部分に該当する外層(A)の樹脂としては、強靭性に優れるとともに、耐磨耗性があり、さらに耐油性を有する樹脂が好ましい。そのような樹脂としては、ポリアミド系樹脂、いわゆるナイロン樹脂、あるいはアイオノマー樹脂、あるいは、ポリエステル系樹脂のなかでも、ポリ(エチレン−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、すなわちテレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノールとの共重合体(PET−G)など、融点が200℃以上のものが使用される。
【0016】ポリアミド系樹脂としては、一般的にナイロン樹脂と称されるものが挙げられ、具体的には、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6−ナイロン/6,6−ナイロン共重合体、ポリアミド系熱可塑性エラストマーから選ばれる一種以上の樹脂からなるポリアミド系樹脂を挙げることができる。
【0017】一方、中間層としては、基材層と外層との接着性がよい樹脂が好ましく、特に極性のあるモノマーを含む単独重合樹脂または共重合樹脂が好適であり、さらに好ましくは、エチレン系共重合体からなる接着性樹脂が挙げられる。
【0018】具体的なエチレン系共重合体からなる接着性樹脂としては、アイオノマー樹脂や、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、α−オレフィンと不飽和結合を有するカルボン酸無水物の多元共重合体や、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、α−オレフィンの共重合体に、不飽和結合を有するカルボン酸無水物をグラフト重合させた共重合体が挙げられる。
【0019】なかでも、エチレンとアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含有するエチレン系共重合体からなる接着剤が好適である。具体的には、エチレン・アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル・無水マレイン酸の多元共重合体、または、エチレン・アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル共重合体に無水マレイン酸をグラフト重合させたエチレン系共重合体のグラフト変性物、またはこれらの混合物等が挙げられる。
【0020】アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸やメタアクリル酸などの共重合体の分子鎖間(分子鎖中のカルボキシル基間)を、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン等の金属イオンで架橋させたものである。また、その特性を損なわない限り、エチレン、アクリル酸メタアクリル酸以外の単量体が共重合したものであってもよい。そのような具体的なアイオノマー樹脂としては、デュポン社の熱可塑性樹脂(商品名:サーリン)、三井・デュポンポリケミカル社の熱可塑性樹脂(商品名:ハイミラン)等などを挙げることができる。
【0021】また、接着性樹脂であるエチレン・アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル・不飽和結合を有するカルボン酸無水物の多元共重合体や、エチレン・アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの共重合体の不飽和結合を有するカルボン酸無水物によるグラフト変性物としては、例えば、エチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸三元共重合体である住友化学社製の共重合体(商品名:ボンダイン)、あるいは三井石油化学社製の共重合体(商品名:アドマー)を挙げることができる。
【0022】一方、本発明の製造方法により提供される多層樹脂シートの基材層樹脂としては、エチレン系共重合体樹脂成分として従来からデスクマット等の素材として使用されているものであれば、いずれのものであっても好適に使用することができる。そのなかでも、前記した外層の樹脂成分との融点の差が10℃以上も低い樹脂成分を挙げることができる。より具体的なエチレン系共重合体樹脂としては、融点が150〜160℃程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMA)、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−ブテン共重合体樹脂、エチレ−ペンテン共重合体樹脂、エチレン−ヘキセン共重合体樹脂、エチレン−オクテン共重合体樹脂等のエチレン系共重合体、またはこれらの混合物などを挙げることができる。
【0023】また、ポリエチレン系の樹脂も好適に使用でき、具体的には低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン、すなわちメタロセンポリエチレン等を挙げることができる。
【0024】さらに他の基材層の樹脂成分として、水素添加スチレン−ブタジエンゴムとポリプロピレンの混合物、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBP)等を使用することができる。
【0025】本発明の製造方法により提供される多層樹脂シートにあっては、厚い厚みを有する基材層の片面もしくは両面に、中間層を介して外層が積層された多層樹脂シートであり、かかる多層樹脂シートは、デスクマットあるいはテーブルマットとして使用されるものである。したがって、例えば基材層−中間層−外層の3層構造を有する多層樹脂シートの場合にあっては、基材層/中間層/外層の層厚は、基材層として500〜5,000μm程度、好ましくは800〜1,800μm程度であり、中間層として3〜50μm程度、好ましくは10〜30μm程度であり、外層として3〜50μm程度、好ましくは10〜15μm程度であることが好ましい。
【0026】本発明の製造方法により提供される多層樹脂シートを構成する各外層、中間層、基材層の樹脂成分には、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、無機充填剤、着色剤等の各種添加剤を添加することもできる。この添加剤の種類およびその添加量は、特に限定されるものではなく、従来からこの種のシートに使用されている添加剤を、従来と同様の添加量にて添加すればよい。
【0027】本発明が提供する多層樹脂シートの製造方法は、具体的には以下のようにして実施される。すなわち、先ず、薄くて融点の高い外層(A)、すなわち表層となる樹脂と、薄い中間層(B)、すなわち接着剤層となる樹脂を共押出法により製造して、得られた薄い外層/中間層積層シートをロールに巻いて、一旦保管しておく。
【0028】次いで、融点の低い、厚い基材層となる樹脂を押出法により製造する。この段階で、基材層シートを押し出しながら、先に予め製造しておいた薄い外層/中間層積層シートをロールから巻き戻し、基材層シートと積層、ラミネートさせことにより目的とする多層積層シートを製造する。この場合、薄い外層/中間層積層シートの基材層シートへの積層、ラミネートは、押出成形機のTダイから押し出された基材層シートがいまだ熱いうちに行われるため、特に接着剤等を用いて接着させなくても、良好にラミネート化し得るものである。
【0029】上記の方法により、少なくとも基材層シートの片面に薄い外層/中間層積層シートをラミネートして、3層構造の多層樹脂シートを製造することができるが、基材シートの両面に薄い外層/中間層積層シートをラミネートさせれば、5層構造の多層樹脂シートが製造される。
【0030】本発明が提供する多層樹脂シートの製造方法により、適宜所望の厚さの多層樹脂シートを製造することができる。なお、多層樹脂シート自体の厚さは一概に特定できないが、得られるシートの用途等によって異なる。例えば、デスクマットやテーブルマットとして使用する場合には、0.3〜3mm程度の厚さを有する多層シートとすればよく、そのシート厚みに対応して、基材層、接着性樹脂層となる中間層、ならびに表面層となる外層の厚みが決定される。
【0031】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されず、種々の変形も本発明の範囲に包含されるものである。
【0032】実施例1〜4:下記の表中に示す配合からなる、表層としての外層用のポリアミド樹脂組成物および接着性樹脂層としての中間層用のエチレン系共重合体樹脂組成物を共押出法により成型して、外層/中間層からなる積層シートを得、これを予めロールに巻き取った。次いで、基材層としての基体シート用のポリエチレンまたはエチレン共重合体樹脂組成物をTダイ押出機により押出し、そこに予めロールに巻き取った外層/中間層積層シートを基材層の両面に積層し、ラミネートさせることにより外層厚:0.01mm;中間層厚:0.005mm;基材層厚:1.5mm;中間層厚:0.005mm;外層厚:0.01mmからなる5層の全体層厚ほぼ1.5mmを有する本発明のオレフィン系樹脂シートを得た。
【0033】比較例1〜3:実施例1〜3の配合からなる表層としての外層用のポリアミド樹脂組成物、接着性樹脂層としての中間層用のエチレン系共重合体樹脂組成物および基材層としての基体シート用のポリエチレンまたはエチレン共重合体樹脂組成物を共押出させ、外層厚:0.01mm;中間層厚:0.005mm;基材層厚:1.5mm;中間層厚:0.005mm;外層厚:0.01mmからなる5層で全体層厚ほぼ1.5mmを有する本発明のオレフィン系樹脂多層シートを、全ての層を共押出法で製造した。
【0034】得られた実施例1〜5ならびに比較例1〜3の各多層樹脂シートについて、基剤層と外層との層間接着性、表面における黒いブツの発生状況、Tダイ押出機の吐出口付近での樹脂の塊(目ヤニ)の発生状況を観察した。その結果を合わせて表中に記載した。
【0035】
【表1】

【0036】配合成分は、以下のとおりである。
*1:エチレン−メタクリル酸メチル(住友化学工業社製:アクリフト WH202)
*2:メタロセンPE(三井化学社製:SP−2520)
*3:エチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業社製:エバテート H2010)
*4:エチレン−アクリル酸エチル−無水マイレン酸の三元共重合体(住友化学工業社製:ボンダイン TX8030)
*5:エチレン−アクリル酸エチル共重合体の無水マイレン酸によるグラフト変性物(三井石油化学工業社製:アドマー)
*6:亜鉛系アイオノマー(三井デュポンポリケミカル社製:ハイラミン 1705)
*7:6−ナイロン/6,6−ナイロン共重合体(三菱エンジニアリングプラスチック社製:ノバミッド 2020)
*8:ナイロンエラストマー(ダイセル・ヒュルス社製:ダイアミド E55−S3)
*9:6−ナイロン(東レ社製:CM 1021)
【0037】*10:基材層と外層の接着性の評価外層を貫通して、碁盤の目状に切り傷を付け、粘着テープを貼り、剥がすことにより、外層が基材層から剥離するかどうかを目視により確認した。
○ 全く剥離せず△ 剥離部分が20%未満× 剥離部分が20%以上【0038】*11:シート表面でのブツの発生の評価シート表面を拡大鏡により目視し、シート表面を樹脂の黒い塊の存在を観察した。
無 ブツの発生は全くみられない有 ブツの発生が認められる【0039】*12:Tダイ吐出口での塊の有無(目ヤニの有無)評価Tダイ吐出口周辺において、樹脂の塊(目ヤニ)の有無を、目視により観察した。
無 樹脂の塊(目ヤニ)の発生は全くみられない有 樹脂の塊(目ヤニ)の発生が認められる【0040】実施例6〜8:上記表1に示した実施例1〜3の配合に基づき、表層としての外層用のポリアミド樹脂組成物および接着性樹脂層としての中間層用のエチレン系共重合体樹脂組成物を共押出法により成型して、外層/中間層積層シートを得、これを予めロールに巻き取った。次いで、基材層としての基体シート用のポリエチレンまたはエチレン共重合体樹脂組成物をTダイ押出機により押出し、そこに予めロールに巻き取った外層/中間層積層シートを基材層の片面に積層し、ラミネートさせることにより基材層厚:1.5mm;中間層厚:0.005mm;外層厚:0.01mmからなる3層の全体層厚1.5mmを有する本発明のオレフィン系樹脂シートを得た。
【0041】得られた各多層シートについて、実施例1〜3と同様に基材層と外層との層間接着性、シート表面における黒いブツの発生状況、Tダイ吐出口の樹脂の塊(目ヤニ)の発生状況を観察した。その結果、実施例6〜8で製造された多層シートの基材層と外層との層間接着性は極めて良好なものであり、表面における黒いブツの発生も認められず、またTダイ吐出口の樹脂の塊(目ヤニ)の発生も観察されなかった。
【0042】
【発明の効果】上記のように、本発明の製造方法よれば、各シート層厚が異なる多層樹脂積層シートについて、低コストであると共に、効率よく、品質が良好な多層積層シートを製造することができる。すなわち、これまで多層シートを共押出法により、各層を構成する樹脂を一度に共押出しさせる場合には、薄い層の樹脂成分が、長時間スクリューで混練されることとなり、樹脂が熱劣化し、物性の変化したものや、黒く焦げたもの(小さい粒状物)が発生し、シート表面に黒い斑点(いわゆる、「ブツ」と称される黒い斑点)が生成したり、Tダイの吐出口の周辺に樹脂の塊(いわゆる、「目ヤニ」と称する塊)ができたりすることがあったが、本発明により、かかる問題点を解消し、高能率で品質の良好な多層シートを簡便に製造し得る製造方法が提供される。
【0043】特に本発明の製造方法によれば、従来の共押出法によるシート表面に黒い斑点(ブツ)の生成を回避することができ、また、Tダイの吐出口の周辺に樹脂の塊(目ヤニ)の発生が認められないことから、Tダイ押出法をロングランさせても、外観上の欠点は全く認められない多層シートが製造され、その歩留まりも向上し、低コストで複雑な多層樹脂シートを安定して製造し得る利点を有している。
【0044】また、本発明方法で得られる多層樹脂シートは、樹脂シート表面に積層される表面層としての外層と、基体シートとしての基剤層に対する層間接着力も強固なものとなり、さらに表面層として外層が有する強靭性、耐磨耗性、耐油性が発揮され、その結果シート表面に傷が付きにくく、耐油性に優れ、波打ち変形の生じないものであり、一般文具用品等としても好適に使用できる多層樹脂シートが、極めて簡便に得られる利点を有するものでもある。
【出願人】 【識別番号】000000077
【氏名又は名称】アキレス株式会社
【出願日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【代理人】 【識別番号】100083301
【弁理士】
【氏名又は名称】草間 攻
【公開番号】 特開2003−112398(P2003−112398A)
【公開日】 平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願番号】 特願2001−309316(P2001−309316)