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【発明の名称】 二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム及びその製造方法
【発明者】 【氏名】森田 真司
【住所又は居所】茨城県猿島郡総和町北利根9番地 東セロ株式会社内

【要約】 【課題】水性インキへとの付着性に優れ、且つ帯電防止性及び耐ブロッキング性に優れた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム及びその製造方法を提供する。

【解決手段】多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)0.05〜2重量%、アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)0.01〜1重量%及びアルキルベタイン型両性界面活性剤(C)0.05〜2重量%を含むプロピレン重合体組成物から得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの両面に、アンチ・ブロッキング剤を含むポリオレフィン組成物層が被覆されてなることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム及びその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)0.05〜2重量%、アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)0.01〜1重量%及びアルキルベタイン型両性界面活性剤(C)0.05〜2重量%を含むプロピレン重合体組成物から得られうる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの両面に、アンチ・ブロッキング剤を含むポリオレフィン組成物層が被覆されてなることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
【請求項2】多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)がグリセリン脂肪酸部分エステルである請求項1記載の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
【請求項3】ポリオレフィン組成物層の少なくとも一層がプロピレン・α―オレフィンランダム共重合体組成物層である請求項1又は2記載の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
【請求項4】ポリオレフィン組成物層の少なくとも片面に印刷層を有してなる請求項1〜3の何れかに記載の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
【請求項5】印刷層が水性インキ印刷層である請求項4記載の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
【請求項6】印刷層が積層されたポリオレフィン組成物層がコロナ放電処理されてなる請求項4又は5記載の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
【請求項7】多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)0.05〜2重量%、アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)0.01〜1重量%及びアルキルベタイン型両性界面活性剤(C)0.05〜2重量%を含むプロピレン重合体組成物を中間層とし、アンチ・ブロッキング剤を含み、且つ前記(A)、(B)及び(C)の各化合物を実質的に含まないポリオレフィン組成物を被覆層とした共押出し多層フィルムを二軸延伸することを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性インキ層に限らず、水性インキ印刷層との付着性に優れ且つ帯電防止性及び耐ブロッキング性を有する二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンフィルムに代表されるポリオレフィンフィルムは、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルム等の有極性ポリマーからなるフィルムに比べ帯電し易く、そのままで包装用フィルムに用いると空気中の埃を吸着したり、フィルム同志がブロッキングし易いことから、ほとんど例外なく、帯電防止剤が添加されている。しかしながら、帯電防止剤を添加したフィルム面に印刷、特に水性インキで印刷した場合は、帯電防止剤が水性インキの付着性を阻害することが知られている。
【0003】水性インキの付着性を阻害しない帯電防止剤として、N−エタノール酸アミドあるいはN,N−ジエタノール酸アミドを添加することが提案されている(特開平6−345904号公報、特開平7−164608号公報)。しかしながら、かかる構造の帯電防止剤を添加しても、水性インキとの付着性を未だ阻害することが分かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは水性インキへとの付着性に優れ、且つ帯電防止性及び耐ブロッキング性に優れた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムを開発すべく種々検討を行うことを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)0.05〜2重量%、アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)0.01〜1重量%及びアルキルベタイン型両性界面活性剤(C)0.05〜2重量%を含むプロピレン重合体組成物から得られうる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの両面に、アンチ・ブロッキング剤を含むポリオレフィン組成物層が被覆されてなることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム、好ましくは二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの少なくとも片面に印刷層、好ましくは水性インキ印刷層を有してなることを特徴とする水性インキとの付着性を阻害せず、且つ帯電防止性及び耐ブロッキング性に優れた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム及びその製造方法である。
【0006】
【発明の具体的説明】プロピレン重合体本発明に係わるプロピレン重合体は、一般にポリプロピレンの名称で製造・販売されているポリオレフィン樹脂で、通常、密度が0.890〜0.930g/cm、MFR(ASTM D1238 荷重2160g、温度230℃)が0.5〜60g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、更に好ましくは2〜5g/10分ののプロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと他の少量例えば、5モル%以下のα−オレフィン、例えばエチレン、ブテン、ヘキセン−1等とのランダムあるいはブロック共重合体である。これらの中でも、プロピレンの単独重合体、若しくは1モル%以下のランダム共重合体でアイソタクテシティの高い重合体が高剛性を有する二軸延伸フィルムが得られるので好ましい。
【0007】ポリオレフィン本発明に係わるポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の、炭素数2〜10のα―オレフィンの単独重合体、若しくは2種以上のα―オレフィンの共重合体で、通常、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルー1−ペンテン等として市販されている。これらの中でも、中間層となる前記プロピレン重合体からなる二軸延伸フィルムとの接合性に優れるプロピレン系重合体が好ましい。かかるプロピレン系重合体としては、具体的には前記プロピレン重合体と同じ範疇の重合体、及びプロピレン・α―オレフィンランダム共重合体を例示できる。かかるポリオレフィンのMFRはフィルム成形できる限り特に限定はされないが、通常、0.5〜60g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、更に好ましくは2〜7g/10分の範囲にある。
【0008】プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体本発明に係わるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、好ましくは融点が80〜155℃、更に好ましくは90〜145℃の範囲にあるプロピレンとのランダム共重合体であり、融点が155℃を越えるものは、低温ヒートシール性、ラミネート強度が改良されない虞があり、一方、80℃未満のものは、べたが発生し、ブロッキングし易くなる傾向にある。又、かかるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は、通常、α―オレフィン含有量が、1〜40モル%、好ましくは2〜35モル%の範囲にある。α―オレフィンの含有量がかかる範囲にあると、低温ヒートシール性、ラミネート強度、耐ブロッキング性等のバランスに優れた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムが得られる。プロピレンと共重合するα―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。具体的な共重合体としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。これら共重合体は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。又、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体には、更に、低温ヒートシール性を付与するために、エチレン・1−ブテンランダム共重合体、1−ブテン・エチレンランダム共重合体、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体等他のα―オレフィン共重合体を少量添加しておいても良い。
【0009】多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)本発明に係わる多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)は、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等の通常アルキル基の炭素数が7〜21の飽和脂肪酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸等との部分エステルである。かかる部分エステルとしては、具体的には、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート、ジグリセリンカプリレート、ポリグリセリンモノステアレート等の(ポリ)グリセリンモノエステル、グリセリンモノ・ジステアレート、グリセリンモノ・ジ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンモノ・ジリシネート、グリセリンモノ・ジパルミテート、グリセリンモノ・ジベヘネート、グリセリンモノ・ジオレート等のモノ・ジエステル等が挙げられる。これらの中でも、(ポリ)グリセリンモノエステルが好ましく、特にグリセリンモノパルミテート及びグリセリンモノステアレートが水性インキ層と付着性を阻害しないので好ましい。
【0010】アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)本発明に係わるアルキルジアルカノールアミン系化合物(B)は、一般式(1)で表される化合物である。
【化1】

(式中、Rは炭素原子数10〜22個の脂肪族炭化水素基を表し、m,nは1〜10である。)。このアルキルジアルカノールアミン系化合物(B)としては、具体的には、デシルジエタノールアミン、ドデシルジエタノールアミン、テトラデシルジエタノールアミン、ヘキサデシルジエタノールアミン、オクタデシルジエタノールアミン、ドコシルジエタノールアミン、オレイルジエタノールアミン等のアルキルジエタノール系化合物、あるいはオクチルアミンのエチレンオキシド付加体、ドデシルアミンのエチレンオキシド付加体、テトラデシルアミンのエチレンオキシド付加体、ヘキサデシルアミンのエチレンオキシド付加体、オクタデシルアミンのエチレンオキシド付加体、ヤシ油アルキルアミン(ココアミン)のエチレンオキシド付加体、牛脂アルキルアミンのエチレンオキシド付加体、水添牛脂アルキルアミンのエチレンオキシド付加体等の、炭素数8〜20のモノアルキルアミンのエチレンオキシド付加体が挙げられる。かかるエチレンオキシドの付加モル数は2〜50モルが好ましい。これら、アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)の中でも、特に、ドデシルジエタノールアミンが望ましい。これらのアルキルジアルカノールアミン系化合物は、単独(1種)で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて使用することもできる。
【0011】アルキルベタイン型両性界面活性剤(C)本発明に係わるアルキルベタイン型両性界面活性剤(C)は、下記一般式(2)で表される化合物である。
−CHCOO (2)
(R は炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R 及びR 同一又は異なってもよい炭素数1〜5のアルキル基もしくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を示す。)
このアルキルベタイン型両性界面活性剤(C)としては具体的には、トリアルキルベタインやジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ステアリルジヒドロキシメチルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジヒドロキシメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ミリスチルジヒドロキシメチルベタイン、ベヘニルジヒドロキシメチルベタイン、パルミチルジヒドロキシエチルベタイン、オレイルジヒドロキシメチルベタイン等のアルキルジヒドロキシアルキルベタインを挙げることができる。
【0012】プロピレン重合体組成物本発明のプロピレン重合体組成物は、多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)、好ましくはグリセリン脂肪酸の部分エステルを0.05〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%、アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)0.01〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%及びアルキルベタイン型両性界面活性剤(C)0.05〜2重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%を夫々含み、且つ好ましくは(A)、(B)及び(C)の全量で0.3〜1.0重量%含むことを特徴とするプロピレン重合体組成物である。多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)の含有量が0.05重量%未満では、二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムにした場合の帯電防止効果の発現が不十分であり、一方2重量%を超えるとインキ付着性を阻害する虞、あるいは透明性が劣化する虞がある。アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)の含有量が0.01重量%未満では、二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムにした場合の帯電防止効果の発現が不十分であり、一方1重量%を超えると印刷性が劣化する虞、あるいはフィルムがブロッキングする虞がある。アルキルベタイン型両性界面活性剤(C)の含有量が0.05重量%未満では、二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムにした場合の帯電防止効果の発現が不十分であり、一方2重量%を超えると印刷性が劣化する虞、あるいはフィルムがブロッキングする虞がある。
【0013】ポリオレフィン組成物本発明に係るポリオレフィン組成物は、アンチ・ブロッキング剤を0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%を含む組成物である。アンチ・ブロッキング剤の量が0.01重量%未満では、得られる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムがブロッキングし易く、一方、3.0重量%を越えると、得られる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの透明性が劣る傾向にある。本発明に用いるアンチ・ブロッキング剤は種々公知のもの、例えば、シリカ、タルク、雲母、ゼオライトや更には金属アルコキシドを焼成して得た金属酸化物等の無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の有機化合物粒子等を用い得る。これらの中でも、シリカ、ポリメタクリル酸メチルがアンチブロッキング性、透明性の面から特に好ましい。
【0014】二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムは、前記特定の化合物を含むプロピレン重合体組成物から得られうる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの両面に、前記アンチ・ブロッキング剤を含むポリオレフィン組成物層が被覆されてなる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムである。被覆層として、片面にポリオレフィン組成物層としてプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物層を用いた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムは、低温ヒートシール性を有する二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムとなり、両面にプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体組成物層を用いた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムはオーバーラップ包装用に適した二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムとなる。
【0015】二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの各層の厚さは、用途に応じて種々決定されるが、通常、中間層であるプロピレン重合体組成物層の厚さが10〜100μm、好ましくは15〜60μm、被覆層であるポリオレフィン組成物層の厚さが0.05〜15μm、好ましくは0.1〜10μmの範囲にある。ポリオレフィン組成物層の厚さが0.05μm未満では、得られる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムがブロッキングする虞があり、15μmを越えるとプロピレン重合体組成物に含まれている化合物が表面に移行し難く、得られる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの帯電防止性が劣る虞がある。
【0016】本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムは、又、ポリオレフィン組成物層の少なくとも片面に印刷層、好ましくは水性インキ印刷層を有してなる。ポリオレフィン組成物層の印刷面は、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、火炎処理等を行っておいた方が、中間層に含まれる多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)、アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)、ベタイン型両性界面活性剤(C)が被覆層の表面に移行して帯電防止効果が発現され、且つインキ、特に水性インキの接着性が向上するので好ましい。中でも、コロナ放電処理が、取り扱いが簡便でしかも表面改質効果に優れているので好ましい。
【0017】本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムのポリオレフィン組成物層上に印刷層を形成するインキは、水溶性、油性を問わず種々公知のものが使用し得る。水性インキ印刷層を形成する水性インキは種々公知のものが使用し得る。かかる水性インキとしては無機顔料、有機顔料からなる顔料及び染料である色料、樹脂を分散あるいは溶解したビヒクル及び界面活性剤、静電防止剤、消泡剤、可塑剤等の補助剤とから構成され、樹脂として水溶性アクリル共重合系樹脂、ポリエステル系樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリアミド樹脂等を例示できる。水性インキは少量、例えば40%以下のアルコールを含んでいても良い。
【0018】本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムには、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリプロピレンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
【0019】二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの製造方法本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの製造方法は、多価アルコール脂肪酸の部分エステル(A)0.05〜2重量%、アルキルジアルカノールアミン系化合物(B)0.01〜1重量%及びアルキルベタイン型両性界面活性剤(C)0.05〜2重量%を含むプロピレン重合体組成物を中間層とし、アンチ・ブロッキング剤を含み、且つ前記(A)、(B)及び(C)の各化合物を含まないポリオレフィン組成物を被覆層とした共押出し多層フィルムを公知の同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等により二軸延伸する方法である。被覆層に前記(A)、(B)及び(C)の各化合物を実質的に含まないポリオレフィン組成物を用いることにより、延伸槽内での延伸時に、中間層に添加されている前記(A)、(B)及び(C)の各化合物の揮散を抑止できる。
【0020】
【発明の効果】本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムは、帯電防止性、耐ブロッキング性に優れ、しかも水性インキに限らず、油性インキをも十分に付着した印刷層を形成することが出来るので、印刷インキの選択が容易となり、適応性に優れる。又、水性インキを使用できるので、印刷時の有機溶剤の使用を低減てきる。しかも、印刷層、中でも水性インキ印刷層のインキが積層された二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムは水性インキ印刷層のインキが二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムに充分に転写されているので印刷層が鮮明であり、しかも帯電防止性も優れるという特徴を有する。したがって、本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムはかかる特徴を活かして食品包装用フィルムをはじめ、カセットテープ、フロッピー(登録商標)ディスク等の電子情報材料の包装用フィルム、たばこ包装用フィルム等のオーバーラップ包装用フィルムを含め、あらゆる分野の包装用フィルムに好ましく使用できる。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
【0022】実施例1グリセリンモノステアレート及びグリセリンモノパルミテートの混合物0.3重量%、ヘキサデシルジエタノールアミン0.1重量%、オレイルジエタノールアミン0.05重量%及びベタイン型両性界面活性剤0.15重量%を夫々含む融点162℃、MFR2.0g/10分のプロピレン単独重合体に、耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3‘、5’―ジーt―ブチルー4‘ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製品 製品名イルガノックス1010)1000ppm及びステアリン酸カルシウム(日本油脂製)1000ppmを加えたプロピレン重合体組成物(1)を中間層用とし、その両面(被覆層)をポリメチルメタクリレート粒子からなるアンチ・ブロッキング剤を0.10重量%含む融点162℃、MFR2.4g/10分のプロピレン単独重合体に耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3‘、5’―ジーt―ブチルー4‘ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製品 製品名イルガノックス1010)1000ppm 及びステアリン酸カルシウム(日本油脂製)1000ppmを加えたポリオレフィン組成物(2)を用い、縦方向の延伸倍率5倍(延伸温度130℃)、横方向の延伸倍率10倍(延伸温度160℃)で二軸延伸した後、片面(印刷面)をコロナ放電処理して、被覆層/中間層/被覆層:1μm/18μm/1μmからなる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムを得た。ついで、得られた二軸延伸フィルムのコロナ放電処理した面に、水/アルコール:1/1の 希釈溶剤で希釈した水溶性インキ(#3ザーンカップ粘度 16秒)を用い、5色グラビア印刷を施し印刷フィルムを得た。
【0023】得られた多層フィルムを以下の方法で評価した。
〔印刷適性〕
着肉性:セルからフィルムに転写されたインキ各色の広がりを目視で観察し、5段階評価した。
5(良)〜1(劣)
インキ接着:印刷面をセロテープ(登録商標)剥離によりインキとフィルムの接着性を評価した。インキ/フィルム間で剥離しないものを○、剥離するものを×とした。
ブロッキング:印刷後、室温で10日間保存したロールサンプルを300m/分で巻き返して評価した。
ブロッキング(非印刷面とインキの接着)が見られないものを○とした。
〔表面固有抵抗値〕得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面について、JISK 6911 に従い表面固有抵抗値を測定した。その結果多層フィルムの印刷適性は○、表面固有抵抗値は4.8×1011Ωで、印刷性及び表面固有抵抗値ともに良好な結果を示した。それらの結果を表1に示す。
【0024】実施例2実施例1で用いたプロピレン重合体組成物(1)に代えて、グリセリンモノステアレート及びグリセリンモノパルミテートの混合物0.2重量%、オレイルジエタノールアミン0.1重量%及びベタイン型両性界面活性剤0.1重量%を夫々含むポリプロピレン組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの印刷適性は○、表面固有抵抗値は7.7×1013Ωで、印刷性及び表面固有抵抗値ともに良好な結果を示した。それら結果を表1に示す。
【0025】実施例3実施例1で用いたプロピレン重合体組成物(1)に代えて、グリセリンモノステアレート及びグリセリンモノパルミテートの混合物0.3重量%、オレイルジエタノールアミン0.15重量%及びベタイン型両性界面活性剤0.15重量%を夫々含むポリプロピレン組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの印刷適性は○、表面固有抵抗値は6.3×1011Ωで、印刷性及び表面固有抵抗値ともに良好な結果を示した。それらの結果を表1に示す。
【0026】比較例1実施例1で用いたプロピレン重合体組成物(1)に代えて、グリセリンモノステアレート及びグリセリンモノパルミテートの混合物0.1重量%、ステアリルジエタノールアミンモノステアレート0.2重量%、ステアリン酸ジエタノールアミド0.15重量%及びベタイン型両性界面活性剤0.3重量%を夫々含むポリプロピレン組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムの着肉性は×、表面固有抵抗値は8.0×1010Ωで、表面固有抵抗値は良好だが、印刷性は×という結果となった。それらの結果を表1に示す。
【0027】比較例2実施例1で用いたプロピレン重合体組成物(1)に代えて、グリセリンモノステアレート及びグリセリンモノパルミテートの混合物0.25重量%、オレイルジエタノールアミン0.1重量%ステアリルジエタノールアミンモノステアレート0.5重量%及びステアリン酸0.05重量%を夫々含むポリプロピレン組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた多層フィルムの着肉性は×、表面固有抵抗値は1.6×1011Ωで、表面固有抵抗値は良好だが、印刷性は×という結果となった。それらの結果を表1に示す。
【0028】実施例4実施例1の被覆層の片面を、実施例1で用いたポリオレフィン組成物(2)に代えて、融点:138℃、プロピレン含有量:95.4モル%、エチレン含有量:3.0モル%、MFR:7g/10分のプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体:80重量%と、プロピレン含有量:71.1モル%、融点:110℃、MFR:7.0g/10分のプロピレン・1−ブテンランダム共重合体:20重量%の組成物に、耐熱安定剤としてテトラキス[メチレンー3−(3‘、5’―ジーt―ブチルー4‘ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製品 製品名イルガノックス1010)1000ppm、ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)1000ppm及びアンチブロッキング剤としてポリメタクリル酸メチル微粒子を1.0%配合したプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物(3)を用い、他の被覆層であるポリオレフィン組成物(2)層の表面をコロナ放電処理する以外は、実施例1と同様に行った。得られた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの印刷適性は○、表面固有抵抗値は8.3×1012Ωで、印刷性及び表面固有抵抗値ともに良好な結果を示した。それら結果を表1に示す。
【0029】実施例5実施例1の被覆層の両面を実施例1で用いたポリオレフィン組成物(2)に代えて、実施例4で用いたプロピレン・α−オレフィン共重合体組成物(3)を用い、片面をコロナ放電処理する以外は、実施例1と同様に行った。得られた二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの印刷適性は○、表面固有抵抗値は2.3×1011Ωで、印刷性及び表面固有抵抗値ともに良好な結果を示した。それら結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

【出願人】 【識別番号】000220099
【氏名又は名称】東セロ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区京橋一丁目3番3号
【出願日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−112394(P2003−112394A)
【公開日】 平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願番号】 特願2001−282536(P2001−282536)