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【発明の名称】 金属化アラミドフィルムおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】相田 正之
【住所又は居所】福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅株式会社若松製作所内

【要約】 【課題】アラミドフィルムと金属層との接合強度を高める。

【解決手段】この金属化アラミドフィルムは、表面粗化処理が施されることによりその表面のRa値が2〜10nmとされているアラミドフィルム1と、その表面に、モリブデン、ケイ素、一酸化ケイ素、Mo−Ta合金,Mo−Si合金,Mo−W合金,Mo−Al合金およびMo−Fe合金から選択される1種または2種以上が成膜されてなりその平均厚さが0.1〜5nmである中間層2と、その上に形成された平均厚さ10nm以上の金属層4とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面粗化処理が施されることによりその表面のRa値が2〜10nmとされているアラミドフィルムと、前記アラミドフィルムの表面に、モリブデン、ケイ素、一酸化ケイ素、Mo−Ta合金,Mo−Si合金,Mo−W合金,Mo−Al合金およびMo−Fe合金から選択される1種または2種以上が成膜されてなりその平均厚さが0.1〜5nmである中間層と、この中間層上に形成された平均厚さ10nm以上の金属層とを具備することを特徴とする金属化アラミドフィルム。
【請求項2】 アラミドフィルムの表面にプラズマエッチング処理を施すことにより前記表面のRa値を2〜10nmにする工程と、前記プラズマエッチング処理が施された前記アラミドフィルムの表面に、モリブデン、ケイ素、一酸化ケイ素、Mo−Ta合金,Mo−Si合金,Mo−W合金,Mo−Al合金およびMo−Fe合金から選択される1種または2種以上を成膜して平均厚さが0.1〜5nmである中間層を形成する工程と、この中間層上に平均厚さ10nm以上の金属層を形成する工程とを具備することを特徴とする金属化アラミドフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アラミドフィルムの表面に銅などの金属層を形成した金属化アラミドフィルムに関し、特に、TABテープ、フレキシブル回路基板またはフレキシブル配線板などとして使用される金属化アラミドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化・軽量化・構造の柔軟化に有利な回路基板として、TAB(Tape Automated Bonding)やFPC(Flexible Prnt Circuit) 等を用いた回路基板に対する需要が高まってきている。従来、この種の回路基板は、可撓性のあるプラスチック基板上に銅箔をエポキシ系接着剤等の接着剤で貼り合わせたものが使用されていた。
【0003】しかし、電子機器の高密度実装を図るために、この種の回路基板もさらに薄膜化することが望まれており、前述のように銅箔を接着する構造では、薄膜化への要求に十分応えることができなかった。
【0004】また、上記の接着剤を用いた回路基板では、■接着剤層に銅箔のエッチング液がしみこみ易く、高温高湿下でバイアスを加えると銅のマイグレーションが発生し、回路を短絡させることがある、■高速化のためにはインピーダンスをマッチングさせるとともにクロストークを減少させる必要があるが、接着剤があるために困難である、■接着剤層の寸法安定性が悪い、■接着剤層の存在により回路基板の微細加工が困難であり、高密度化に対応しにくい、■接着剤層の熱特性がプラスチック基板材料のそれよりも劣るため熱安定性に問題があり、高密度化への対応が困難である、■接着剤があるために製品に変形が生じやすいなどの問題もあった。
【0005】これらの問題を解決するため、接着剤を使用せずに金属化フィルムを形成する技術が検討されている。例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術により、プラスチック基板上に直接的に金属薄膜を回路パターンに沿って成膜したのち、この金属薄膜上に電解めっき等により金属めっき層を堆積させる方法や、金属薄膜をプラスチック基板の表面に形成し、その上に電解めっき等で金属を堆積させた後に、金属層をエッチングして回路パターンを形成する方法などが公知である。
【0006】しかし、このような構造では、回路パターン形成工程や電解めっき工程等の後工程を経ると、プラスチック基板と金属薄膜間の接合強度が低下し、剥離しやすいという問題があった。
【0007】この問題を解決するため、特開平1−133729号公報には、ポリイミドフィルムの表面に、酸化ジルコニウムまたは酸化ケイ素を成膜し、その上に銅層を成膜する構成が開示されている。特開平3−274261号公報には、ポリイミドフィルムの表面に、ニッケル、クロム、チタン、バナジウム、タングステン、モリブデン等を成膜し、その上に銅層を成膜する構成が記載されている。特開平5−183012号公報には、ポリイミドフィルムの表面に、ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデン等の薄膜を無電解めっきにより形成し、その上に銅層をめっき法で形成した構成が記載されている。
【0008】特開平7−197239号公報には、ポリイミドフィルム上に、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン等の金属を真空蒸着し、さらに電解めっきにより銅層を形成した構成が記載されている。特開平8−330695号公報には、ポリイミドフィルム上に、モリブデンの薄膜をスパッタリングにより形成し、その上に電解めっきにより銅層を形成した構成が記載されている。特開平6−256960号公報には、アラミドフィルムの表面をヒドラジンとアルカリ金属水酸化物を含有する水溶液でエッチング処理し、触媒付与処理を行った後、無電解めっきにより金属薄膜を形成し、さらに銅被覆処理を行う銅被覆アラミド基板の製造方法が記載されている。特開2000−212315号公報には、アラミドフィルム等に真空蒸着法で銅層を両面に形成したシールド材の製造方法が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のいずれの方法を適用した場合にも、アラミドフィルムを使用した場合には、銅層がアラミドフィルムから剥離する現象を十分に防止するには至っていない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、金属層とアラミドフィルムとの接合強度をさらに高めた金属化アラミドフィルムおよびその製造方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明に係る金属化アラミドフィルムは、プラズマエッチング処理等の表面粗化処理が施されることによりその表面のRa値が2〜10nmとされたアラミドフィルムと、前記アラミドフィルムの表面に、モリブデン、ケイ素、一酸化ケイ素、Mo−Ta合金,Mo−Si合金,Mo−W合金,Mo−Al合金およびMo−Fe合金から選択される1種または2種以上が成膜されてなりその平均厚さが0.1〜5nmである中間層と、この中間層上に形成された平均厚さ10nm以上の金属層とを具備することを特徴とする。
【0012】一方、本発明の金属化アラミドフィルムの製造方法は、アラミドフィルムの表面にプラズマエッチング処理を施すことにより前記表面のRa値を2〜10nmにする工程と、前記プラズマエッチング処理が施された前記アラミドフィルムの表面に、モリブデン、ケイ素、一酸化ケイ素、Mo−Ta合金,Mo−Si合金,Mo−W合金,Mo−Al合金およびMo−Fe合金から選択される1種または2種以上を成膜して平均厚さが0.1〜5nmである中間層を形成する工程と、この中間層上に平均厚さ10nm以上の金属層を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0013】本発明の金属化アラミドフィルムは、TABテープ、フレキシブル回路基板、フレキシブル配線板などの形態であってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る金属化アラミドフィルムの一実施形態を示す概略図である。この金属化アラミドフィルムは、プラズマエッチング処理等の表面粗化処理が施されたアラミドフィルム1と、アラミドフィルム1の表面に形成された中間層2と、この中間層2上に形成された金属層4とを具備する。
【0015】アラミドフィルム1の材料であるアラミド樹脂は、次の構成単位からなる群より選択された単位より実質的に構成される。
−NH−Ar1−NH− (1)
−CO−Ar2−CO− (2)
−NH−Ar3−CO− (3)
Ar1、Ar2、Ar3はそれぞれ、少なくとも1個の芳香環を含む2価の基であり、構成単位(1)と(2)がポリマ−中に存在する場合には、両者は実質的に等モルである。
【0016】アラミドフィルム1の機械的性能及び寸法安定性を高める観点からは、Ar1、Ar2及びAr3はそれぞれパラ配向型の基であることが好ましい。パラ配向型とは、芳香環における主鎖の結合方向がパラ位に位置しているか、または2つ以上の芳香環からなる残基において両端の主鎖の結合方向が同軸又は平行であることを意味する。ただし、メタ配向型であってもよいし、メタ配向型を混在させてもよい。アラミドフィルム1の材質としては、特に、全ての芳香環の80モル%以上がパラに結合されているアラミド樹脂が好適である。
【0017】なお、芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシル基等で置換されていてもよい。Ar1、Ar2、Ar3はいずれも2種以上であっても良く、また相互に同じであっても異なっても良い。アラミド樹脂には、上記した以外の基が約10モル%以下共重合されたり、他のポリマ−がブレンドされたりしていても良い。本発明に用いられる芳香族ポリアミドとして最も代表的なものはポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)である。
【0018】また、アラミドフィルム1には、フィルムの物性を損ねたり、本発明の主旨に反しない範囲で、酸化防止剤、除光沢剤、紫外線安定化剤、帯電防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。
【0019】これらのアラミド樹脂に使用されるポリマーは、周知の方法により、各々の単位に対応するジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸より製造することができる。具体的にはカルボン酸基をまず酸ハライド、酸イミダゾライド、エステル等に誘導した後、アミノ基と反応させる方法が用いられる。重合方法としては、いわゆる低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法などを用いることができる。
【0020】アラミドフィルム1の厚さは特に限定されないが、4〜50μmであることが好ましい。この範囲であれば、TABテープ、フレキシブル回路基板、フレキシブル配線板などの用途に好適である。アラミドフィルム1は、単層であってもよいが、複数種のアラミド樹脂を積層した積層フィルムであってもよい。
【0021】中間層2および金属層4が形成されるべきアラミドフィルム1の表面には、予め表面粗化処理が施されて、その表面の中心面平均あらさ(Ra)値が2〜10nmとされている。Ra値はより好ましくは2〜5nmとされる。このような範囲であると金属層4とアラミドフィルム1との接合強度を高めることができる。一方、Ra値が大きすぎるとアラミドフィルム1の表面をかえって劣化させてしまい、金属層4の接合強度が低下する。逆に、Ra値が小さすぎると脆弱層を十分に取り除くことができず、金属層4の接合強度が低下する。
【0022】中心面平均あらさ(Ra)は、断面曲線から低周波成分を除去して得られるあらさ曲線から、その中心面の方向に測定面積Sの部分を抜き取り、抜取部分の中心面をx軸、縦倍率の方向をy軸として、あらさ曲線をy=f(x、y)で表したとき、下記式で求められる値を表したものをいう。測定は、原子間力顕微鏡の探触針を用いたコンタクトモードで行い、測定範囲は2×2μmとする。
【0023】
【数1】

【0024】表面粗化処理の種類は限定されないが、プラズマエッチング処理が好適である。プラズマエッチング処理は、真空容器内でアラミドフィルム1を走行させ、その表面にプラズマを照射することにより、アラミドフィルム1の表面に存在する脆弱層を除去する。プラズマ処理にはアルゴン、酸素、窒素、ヘリウム、四フッ化炭素、三フッ化炭素、四塩化炭素などの1種または2種以上の混合ガスを用いることができる。プラズマ発生に必要なエネルギー供給源としては、一般的に直流(DC)、交流(AC)、高周波(RF)、マイクロ波などが利用されており、さらに磁場を与えることによりプラズマをより安定化する方法も適用可能である。処理条件は装置構成により異なるが、例えば高周波電源を用いた場合、処理槽内真空度10-2〜100Pa、高周波印可0.05〜1.0W/cm2、処理時間30秒〜20分間程度に設定するのが好ましい。
【0025】このようなプラズマエッチング処理を行うことにより、アラミドフィルム1の表面に存在する脆弱層を除去することができ、しかも接合界面を粗面化できるため、アラミドフィルム1と中間層2および金属層4との接合強度を高めることが可能となる。
【0026】中間層2は、モリブデン、ケイ素、一酸化ケイ素、Mo−Ta合金,Mo−Si合金,Mo−W合金,Mo−Al合金およびMo−Fe合金から選択される1種または2種以上が単層または複数層として成膜されたものであり、その平均厚さは0.1〜5nmとされている。図示の例では、アラミドフィルム1の片面のみに中間層2および金属層4が形成されているが、両面に形成されていてもよいし、予め中間層2および金属層4が一定のパターン形状をなすように形成されていてもよい。
【0027】中間層2の平均厚さが0.1nmよりも薄いと、中間層2の膜厚が不均一になって膜厚の制御が困難になり、アラミドフィルム1に対する金属層4の接合強度も低下する。また、中間層2が5nmより厚いと配線パターンをエッチングにより形成するときに中間層2が溶解しにくくなり、エッチング性が悪くなる。中間層2のより好ましい厚さは1〜5nmである。この範囲内であると、製造コストも高くなく、金属層4の接合強度を高める効果にも優れている。
【0028】中間層2は0.1〜5nmという薄さであるから、孔のない緻密な膜にはなっていないと考えられ、例えば多数の孔が形成された多孔膜状、または島状に成膜材料が点在する状態と考えられる。いずれの場合にも、本発明の効果を発揮する。アラミドフィルム1の表面において、島状に成膜材料が点在する場合、アラミドフィルム1の微視的に見た表面の凸部に対して集中的に付着していてもよいし、逆に、アラミドフィルム1の表面の凹部に対して集中的に付着していてもよい。このように不均一に付着している場合の中間層2の平均厚さとは、中間層2の付着量をアラミドフィルム1上の付着領域面積で平均化した厚さ(質量膜厚)をいうものとする。
【0029】本発明者らの実験によると、中間層2の材質としてMo−Ta,Mo−Si,Mo−Wを用いた場合、特に高い接合強度を示し、また各種耐久試験後でも高い接合強度を維持することができることが判明した。モリブデン合金は、モリブデン単体からなる中間層に比べて高温時にも酸化しにくいので、耐久試験後にも高い接合強度を維持できる。
【0030】モリブデン合金を使用した場合、Moの原子百分率は70〜98%であることが望ましい。Moの原子百分率が70%未満であっても98%より大きくても、アラミドフィルム1に対する金属層4の接合強度が低下する。Moの原子百分率は、より好ましくは80〜95%である。
【0031】中間層2をアラミドフィルム1上に形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の乾式薄膜形成技術により、前記成膜材料をアラミドフィルム1上に付着させればよい。前記材料を成膜する上でより好ましい成膜方法は、スパッタリング法、およびイオンプレーティング法である。成膜条件は特に限定されないが、成膜材料の酸化を防ぐ上では成膜槽内の酸素、水の分圧を極力低くすることが好ましい。
【0032】金属層4の材質は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、金、白金などから選択される1種または2種以上であり、特に好ましくは純銅、または、ニッケル、亜鉛、もしくは鉄等を含む銅合金である。金属層4の厚さは10nm以上であり、より好ましくは30nm〜500nmである。金属層4が厚すぎるとコストが高くなりすぎ、薄すぎるとめっき工程にて焼き切れる等の不良が発生しやすくなる。
【0033】金属層4を形成するには、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術により、中間層2を形成したアラミドフィルム1上に金属を成膜するだけでもよいし、あるいは、ある程度の薄膜を前記各方法で成膜した後に、この蒸着膜上に電解めっき法や無電解めっき法等により金属めっき層を堆積させてもよい。
【0034】上記実施形態からなる金属化アラミドフィルムによれば、特定の成膜材料からなる中間層2をアラミドフィルム1と金属層4との間に形成したことにより、アラミドフィルム1と金属層4との接合強度を高めることができる。
【0035】また、アラミドフィルムを基材として使用しているから、フィルム引っ張り強度が例えばポリイミドを使用した場合の2倍以上となり、弾性率はポリイミドの4倍以上となる。したがって、基材としてポリイミドを使用した従来品に比較して、耐機械的特性(例えば屈曲性)の高いフレキシブル基板材料を提供できる。また、ポリイミドフィルムを使用したフレキシブル基板材料と同等の寸法安定性、化学的特性、電気的特性を得ることもできる。
【0036】さらに、アラミドフィルムは、厚さ10μm以下の薄膜フィルムとすることが容易であるから、フレキシブル基板材料の軽量化および高密度化が可能であり、製造コストの低下も図れる。
【0037】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の効果を実証する。
(実施例1)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材にアルゴンガスを使用し、高周波0.2W、処理時間10分の条件でプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.23nmとなった。Ra値の測定には、セイコーインスツルメンツ株式会社製「Nanopic S1000」(商品名)を使用した。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、実施例1の金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:モリブデン成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0038】(実施例2)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は2.81nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、実施例2の金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:モリブデン成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0039】(実施例3)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.20nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:シリコン成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力250W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0040】(実施例4)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は2.90nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:シリコン成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力250W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0041】(実施例5)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.39nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:一酸化シリコン成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力400W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0042】(実施例6)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.10nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:一酸化シリコン成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力400W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0043】(実施例7)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.58nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−Ta成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0044】(実施例8)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は2.71nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−Ta成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0045】(実施例9)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.62nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−Si成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0046】(実施例10)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は2.91nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−Si成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0047】(実施例11)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.10nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−W成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0048】(実施例12)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は2.85nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−W成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0049】(実施例13)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.09nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−Al成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0050】(実施例14)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は2.90nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−Al成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0051】(実施例15)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は3.39nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−Fe成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0052】(実施例16)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)を使用し、このフィルム基材に実施例1と同じプラズマエッチング処理を施した。このときのフィルム基材のRa値は2.75nmとなった。表面処理を施したフィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo−Fe成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0053】(比較例1)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)をそのまま使用した。フィルム基材のRa値は1.56nmであった。フィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0054】(比較例2)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)をそのまま使用した。フィルム基材のRa値は1.64nmであった。フィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0055】(比較例3)アラミドフィルムとして旭化成工業株式会社商品名「アラミカ」(厚さ12μm)をそのまま使用した。フィルム基材のRa値は1.56nmであった。フィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて中間層および金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0056】(比較例4)アラミドフィルム基材として東レ株式会社商品名「ミクトロン」(厚さ12μm)をそのまま使用した。フィルム基材のRa値は1.64nmであった。フィルムをスパッタリング装置内にセットし、プラズマエッチング処理した表面に下記の条件にて金属層を形成し、金属化アラミドフィルムを得た。
中間層材質:Mo成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力200W成膜厚さ:2nm金属層材質:銅成膜条件:アルゴンガス使用、DC出力3kW成膜厚さ:300nm【0057】(比較実験)上記実施例1〜16および比較例1〜4の金属化アラミドフィルムに電解銅めっきにより20μmの銅層を成膜した後、幅10mm×長さ150mmの短冊状試験片を切り出し、IPC−TM−650(米国プリント回路工業会規格試験法)による方法にて、フィルム基材と金属薄膜間の接合強度を測定した。この試験法は、前記短冊状試験片のアラミドフィルム側を6インチの直径ドラムの外周に周方向へ向けて接着固定したうえ、金属膜の一端を治具で50mm/分でアラミドフィルムから剥離させながら引っ張り、それに要する荷重を測定する方法である。結果を表1に示す。
【0058】また、各試験片に対してプレッシャクッカー試験(PCT)および高温試験を行い、その後の金属化ポリイミドフィルムについて、上記と同じ接合強度試験を行うことにより、耐久試験後の接合強度を比較した。結果を表1に示した。なお、PCTの条件は121℃、湿度100%、2気圧、48時間とし、高温試験は150℃、24時間とした。
【0059】
【表1】

【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、アラミドフィルムに表面粗化処理を施して表面のRa値を2〜10nmとしたうえ、モリブデン、ケイ素、一酸化ケイ素、Mo−Ta合金,Mo−Si合金,Mo−W合金,Mo−Al合金およびMo−Fe合金から選択される1種または2種以上からなる平均厚さが0.1〜5nmである中間層を形成したうえ、金属層を形成しているので、アラミドフィルムと金属層との接合強度を十分に高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000176822
【氏名又は名称】三菱伸銅株式会社
【住所又は居所】東京都中央区銀座1丁目6番2号
【出願日】 平成13年10月3日(2001.10.3)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2003−112387(P2003−112387A)
【公開日】 平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願番号】 特願2001−307869(P2001−307869)