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【発明の名称】 反射マーク片及びその製法
【発明者】 【氏名】大池 哲夫
【住所又は居所】東大阪市若江東町4丁目6番25号 株式会社精巧社内

【要約】 【課題】マーク片の端縁のシール性を確保し、耐久性を確保する。

【解決手段】マーク形状の輪郭7を有するプラスチック薄膜体と、ガラスビーズを配合したインキで印刷された反射層と、透明フィルムとを積層する。輪郭7に沿って連続した包囲線8を、接着剤にて形成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して成るインキによりプラスチック薄膜体上に所定マークをスクリーン印刷し、そのスクリーン印刷した印刷面上に、該マークの輪郭に沿って連続した包囲線を、及び、該マークの内域には中間浮上り防止線を、熱接着性接着剤溶液のスクリーン印刷により、塗布し、乾燥させた後、その上から透明フィルムを熱を加えながら圧着し、次に、上記マークの輪郭に沿って切り抜いて反射マーク片を作製することを特徴とする反射マーク片の製法。
【請求項2】 スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して成るインキによりプラスチック薄膜体上に所定マークをスクリーン印刷し、そのスクリーン印刷した印刷面上に、該マークの輪郭に沿って連続した線幅1mm乃至10mmの包囲線を、及び、該マークの内域には線幅 0.1mm乃至3mmの線又は破線若しくは点線から成る中間浮上り防止線を、熱接着性接着剤溶液のスクリーン印刷により、塗布し、乾燥させた後、その上から透明フィルムを熱を加えながら圧着し、次に、上記マークの輪郭に沿って切り抜いて反射マーク片を作製することを特徴とする反射マーク片の製法。
【請求項3】 スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して成るインキによりプラスチック薄膜体上に所定マークをスクリーン印刷し、そのスクリーン印刷した印刷面上に、該マークの輪郭に沿って連続した包囲線を、及び、該マークの内域には中間浮上り防止線を、接着剤のスクリーン印刷により、塗布し、その上から透明フィルムを圧着し、次に、上記マークの輪郭に沿って切り抜いて反射マーク片を作製することを特徴とする反射マーク片の製法。
【請求項4】 スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して成るインキによりプラスチック薄膜体上に所定マークをスクリーン印刷し、そのスクリーン印刷した印刷面上に、該マークの輪郭に沿って連続した線幅1mm乃至10mmの包囲線を、及び、該マークの内域には線幅 0.1mm乃至3mmの線又は破線若しくは点線から成る中間浮上り防止線を、接着剤のスクリーン印刷により、塗布し、その上から透明フィルムを圧着し、次に、上記マークの輪郭に沿って切り抜いて反射マーク片を作製することを特徴とする反射マーク片の製法。
【請求項5】 中間浮上り防止線が、1区画の面積が 0.1cm2 乃至20cm2 の小図形を多数個区画形成している請求項1,2,3又は4記載の反射マーク片の製法。
【請求項6】 所定マーク形状の輪郭を有するプラスチック薄膜体と、スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して該薄膜体上に印刷された反射層と、該反射層上に接着剤にて積層固着された透明フィルムとを、備えると共に、上記接着剤は、上記輪郭に沿って連続した包囲線、及び、内域の中間浮上り防止線を、描くように配設されていることを特徴とする反射マーク片。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射マーク片及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からガラスビースを利用した再帰反射シートは公知であり、このシートのガラスビーズ層の表面に印刷を行ってマーク片を製作することも広く行われている。しかしながら反射シートに印刷した場合は印刷部分が不透明となるのでその部分は再帰反射性は失われる。印刷インキにガラスビーズを混入して印刷するときは各色の反射層が得られ自由なデザインが可能となる。この場合インキ層よりガラスビーズが突出し再帰反射性は得られるが表面保護が必要になる。そのとき、フィルムを接着剤等で貼り合わせた場合は接着剤にビーズが埋め込まれ再帰反射性は減衰する。
【0003】従来の再帰反射シートは、例えば、図10の平面図と図11の拡大断面図に示すように、薄いフィルム31上にクッション層32を介してガラスビーズ33…を固着し、その上に透明フィルム34を重ね合わせて、狭い幅Aの格子模様Bに接着剤や熱融着等で、全体を積層状に一体化して再帰反射シート35を作製していた。この狭い幅Aの格子模様Bのみは再帰反射性は低下するが、それ以外の範囲───格子内域C───は十分な再帰反射性を発揮する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の図10と図11のように構成された従来のシート35から所定形状のマーク片36を切断形成すると、図10の2点鎖線及び図12に示す如く、透明フィルム34が、ガラスビーズ33・クッション層32・フィルム31から成る下部層と、輪郭(端縁)に沿って点状に、連結されているに過ぎない。
【0005】即ち、透明フィルム34の裏面と、ガラスビーズ33…の層との間に、隙間が生じ、図12中に矢印E…にて示すように、透明フィルム34の端縁のメクレ(遊離)を生じる。従って、従来のマーク片36は、耐久性が低く、損傷を受け易いという欠点があった。そこで、図12のようなマーク片36の端縁(輪郭)に沿って、別途、シールする構造を必要とするが、後加工が面倒かつ煩雑である。
【0006】また、マーク片36とするために、図10と図11の状態から、さらに透明フィルム34上に印刷を行うのが通常であるが、そのような印刷を行うとその部分の再帰反射性は低下するという、別の問題もあった。そこで、本発明は、マーク片として切り抜いた場合にも、端縁(マーク輪郭)に隙間(メクレ)を生じない反射マークの製法を提供することを目的とする。また、そのような隙間(メクレ)を生じないで寿命の長いマーク片を提供することを他の目的とする。
【0007】また、ガラスビーズに印刷用インキを配合して、再帰反射性に優れたマーク片を容易にかつ美しく確実に作製することを、別の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る反射マーク片の製法は、スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して成るインキによりプラスチック薄膜体上に所定マークをスクリーン印刷し、そのスクリーン印刷した印刷面上に、該マークの輪郭に沿って連続した包囲線を、及び、該マークの内域には中間浮上り防止線を、熱接着性接着剤溶液のスクリーン印刷により、塗布し、乾燥させた後、その上から透明フィルムを熱を加えながら圧着し、次に、上記マークの輪郭に沿って切り抜いて反射マーク片を作製する方法である。
【0009】また、スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して成るインキによりプラスチック薄膜体上に所定マークをスクリーン印刷し、そのスクリーン印刷した印刷面上に、該マークの輪郭に沿って連続した線幅1mm乃至10mmの包囲線を、及び、該マークの内域には線幅 0.1mm乃至3mmの線又は破線若しくは点線から成る中間浮上り防止線を、熱接着性接着剤溶液のスクリーン印刷により、塗布し、乾燥させた後、その上から透明フィルムを熱を加えながら圧着し、次に、上記マークの輪郭に沿って切り抜いて反射マーク片を作製する方法である。
【0010】また、スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して成るインキによりプラスチック薄膜体上に所定マークをスクリーン印刷し、そのスクリーン印刷した印刷面上に、該マークの輪郭に沿って連続した包囲線を、及び、該マークの内域には中間浮上り防止線を、接着剤のスクリーン印刷により、塗布し、その上から透明フィルムを圧着し、次に、上記マークの輪郭に沿って切り抜いて反射マーク片を作製する方法である。
【0011】また、スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して成るインキによりプラスチック薄膜体上に所定マークをスクリーン印刷し、そのスクリーン印刷した印刷面上に、該マークの輪郭に沿って連続した線幅1mm乃至10mmの包囲線を、及び、該マークの内域には線幅 0.1mm乃至3mmの線又は破線若しくは点線から成る中間浮上り防止線を、接着剤のスクリーン印刷により、塗布し、その上から透明フィルムを圧着し、次に、上記マークの輪郭に沿って切り抜いて反射マーク片を作製する方法である。
【0012】特に、中間浮上り防止線が、1区画の面積が 0.1cm2 乃至20cm2 の小図形を多数個区画形成しているように構成するのが好ましい。
【0013】また、本発明に係る反射マーク片は、所定マーク形状の輪郭を有するプラスチック薄膜体と、スクリーン印刷用インキにガラスビーズを配合して該薄膜体上に印刷された反射層と、該反射層上に接着剤にて積層固着された透明フィルムとを、備えると共に、上記接着剤は、上記輪郭に沿って連続した包囲線、及び、内域の中間浮上り防止線を、描くように配設されている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
【0015】図7の平面図、及び、図8の拡大断面図に於て、アルファベットの“B”“C”を表すマーク片1を例示し、プラスチック薄膜体2と、スクリーン印刷用インキにガラスビーズ3を配合してこの薄膜体2上に印刷された反射層4と、この反射層4上に接着剤5にて積層固着された透明フィルム6とを、備える。
【0016】なお、ガラスビーズ3の表面に極薄層に付着された上記スクリーン印刷用インキは図示省略した。そして、接着剤5は、マーク片1の輪郭7に沿って連続した包囲線8、及び、内域9の中間浮上り防止線10を、描くように配設されている。
【0017】プラスチック薄膜体2は、塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィルム又はシートが用いられ、色が各種のものを選択可能であり、特に、アルミ蒸着したものも(反射効果を高めるうえで)望ましい。また、場合によっては、布地を用いることもできる。この薄膜体2の厚みは、用途に応じて自由に選定できる。
【0018】ガラスビーズ3の径は、10μm乃至 200μmとする。特に、30μm乃至80μmがスクリーン印刷の容易性、付着強度、再帰特性等のうえで望ましい。スクリーン印刷用インキは図示省略したが、実施上は、図8に於て、ガラスビーズ3,3相互間、及び、ガラスビーズ3とプラスチック薄膜体2との間に、極めて薄い層として、介在して、各々相互間を接続している。透明フィルム6は、ポリエステル,塩化ビニル,ポリカーボネート,アクリル等が使用でき、厚さは25μm乃至 400μmが好ましい。
【0019】接着剤5によって形成された包囲線8は、幅寸法W0 ′を、 0.5mm乃至 9.5mmに設定するのが好ましい。その理由は、W0 ′< 0.5mmではマーク片1の端縁から透明フィルム6がメクレ(遊離)を生じる虞があるからであり、また、W0 ′> 9.5mmでは、図8中に矢印R…にて示す高輝度の再帰性反射の生じる有効面積が過度に減少するため、好ましくないからである。
【0020】次に、マーク片1の内域9の中間浮上り防止線10は、幅寸法W1 が 0.1mm乃至3mmの実線又は破線若しくは点線をもって、図7及び図3(b)のように、正方形の格子状に、(スクリーン印刷で)上記包囲線8と同時に描かれる。なお、この浮上り防止線10の幅寸法W1 について、W1 < 0.1mmならば強度が不足して透明フィルム6が遊離して浮上る虞があり、逆に、W1 >3mmならば、図8中に矢印R…にて示す高輝度の再帰性反射を生じる有効面積が過度に減少して、好ましくない。
【0021】そして、中間浮上り防止線10は、図3の(b)以外に、図3(c)のように亀甲状としたり、図3(d)のように三角形としたり、図3(e)のように菱形(平行四辺形)としたり、図3(f)のように長方形格子とするも、自由である。これ以外に、円形・花形・楕円形等を散点状に多数配置しても、自由である(図示省略)。
【0022】さらに、図3(b)〜(f)に例示するように、中間浮上り防止線10によって区画形成された1区画(小図形)の面積Sを、 0.1cm2 乃至20cm2 に設定する。特に 0.3cm2 乃至1cm2 に設定するのが良い。下限値未満であると、図8中に矢印R…で示した再帰性反射の有効面積が過小となるためであり、逆に、上限値を越すと、強度不足となって透明フィルム6が浮上る(遊離する)虞があるためである。
【0023】なお、図9に示す他の実施の形態のように、他の物体に貼るための貼着剤層11を、プラスチック薄膜体2の裏面に積層するも、好ましい。さらに(図示省略の)剥離紙を、この貼着剤層11に積層しても自由である。
【0024】次に、本発明に係る反射マーク片の製法について、説明する。図1の拡大断面図、及び、要部平面図に示すように、上記プラスチック薄膜体2上に、(図示省略した)スクリーン印刷用インキにガラスビーズ3…を配合して成るインキにより、例えばアルファベット等の所定マークを、スクリーン印刷する。なお、プラスチック薄膜体2は大面積の長尺シート材や大面積枚葉材である。また、スクリーン印刷用インキは、透明性の高い無彩色、又は、赤や黄や青等の有彩色で透明性の高いものとする。(このように反射層4を形成する。)
【0025】その後、スクリーン印刷した印刷面13上に、図4の拡大断面図、及び、図3の平面図に示すように、マーク12の輪郭7に沿って包囲線8を、及び、マーク12の内域9には中間浮上り防止線10を、熱接着性接着剤溶液のスクリーン印刷により、塗布する。
【0026】包囲線8の幅寸法W0 は、1mm乃至10mmに設定する。つまり、既述の完成品としての図8,図9のマーク片1の包囲線8の幅寸法W0 ′よりも、 0.5mm乃至2mmだけ大きく塗布形成する。なお、内域9の中間浮上り防止線10の幅寸法W1 は、図8で説明した場合と同一である。中間浮上り防止線10の形成と面積Sは図3(a)、及び、(b)〜(f)に例示し、かつ、既述した通りである。
【0027】その後、塗布した上記接着剤5を乾燥させ、図5に示す如く、その上から透明フィルム6を重ね合わせて、図5中の矢印Hのように熱を加えながら圧着することで、熱接着性接着剤5を介して透明フィルム6を一体状に積層する。
【0028】大面積のプラスチック薄膜体2・透明フィルム6には、多数のマーク12…が、このように形成される。そこで、次工程に於て、図6に示すように、所定マーク12の輪郭7に沿ってカッター14にて切り抜いて、図7に示したような反射マーク片1…を作製する。
【0029】この切り抜きの際、所定幅寸法W0 の包囲線8の外端縁寄りを、切り抜いて、(W0 −W0 ′)に相当する微小幅の部分を、捨て材として、除去することによって、マーク片1の外端部が接着剤5にて密封(シール)され、かつ、強固に積層一体化を図り得る。かつ、切り抜く工程時のカッター14とワークの位置ずれを、許容させ得る。
【0030】このようにして、図7と図8に示したようなマーク片1が得られる。なお、上記切り抜き前(又は図8のマーク片1を切り抜き後)、粘着剤層11を積層させて、図9のような構成とするも自由である。前述の熱接着性接着剤としては、透明性の優れたものが望ましい。そして、ポリエステル系やアクリル系等が使用できる。
【0031】次に、他の実施の形態について説明すると、図3と図4に於て使用する接着剤を、非加熱タイプとする。ここで、接着剤としては、いわゆる粘着剤とも呼ばれるタイプのものも包含すると定義する。例えば、エポキシ系としたり、あるいは、アクリル系であって架橋系とする(但し、非架橋系も使用は可能)。従って、その後の図5で示した圧着工程では、熱Hは使用しない。例えば、常温でロールプレスすれば良い。
【0032】なお、上述した各種の実施の形態に於て、プラスチック薄膜体2にスクリーン印刷する場合、多色としても自由であり、そのとき、再帰性反射させたい部位にのみ、ガラスビーズ3…を配合しておけば良い。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述の構成により、次のような著大な効果を奏する。
(請求項1,2,3又は4によれば、)マーク片1としてさらにその上に印刷を行う必要がなくなり(ガラスビーズ3…を配合したインキによるスクリーン印刷にて完成しているので)、マーク片1の作製が安価に、かつ、能率良く行うことができる。
【0034】また、得られたマーク片1の端縁は確実に包囲線8にてシール(密封)され、メクレや遊離等の損傷を受けず、水の浸入もなく、耐久性に優れて、長期間良好な高輝度反射を行うことができる。さらに、中間浮上り防止線10…によって、マーク片1の中間の浮上りも防止されて、長期間、美しく再帰性反射を行う。
【0035】(請求項2,4,5によれば、)一層確実にマーク片1の端縁のメクレ(遊離)を防止し、内域9の浮き上りも防止でき、しかも、マーク片1の全面積に対して、高輝度再帰性反射を行う有効面積が大きく確保できる。
【0036】(請求項6によれば、)マーク片の端縁(輪郭7)からのメクレ(遊離)を防止し、かつ、内域9の浮き上りを防いで、耐久性に優れ、かつ、長期間高輝度反射の美しさを維持できる。
【出願人】 【識別番号】500078772
【氏名又は名称】株式会社精巧社
【住所又は居所】東大阪市若江東町4丁目6番25号
【出願日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
【公開番号】 特開2003−112382(P2003−112382A)
【公開日】 平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願番号】 特願2001−309437(P2001−309437)