トップ :: B 処理操作 運輸 :: B32 積層体

【発明の名称】 積層体およびその製造方法
【発明者】 【氏名】鈴田 昌由
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内

【氏名】本郷 忠志
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内

【氏名】大橋 美季
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内

【要約】 【課題】ウレタン系接着剤を設けた各種基材上に、押出ラミネート法により各種熱可塑性樹脂を積層させ、そのラミネート強度が良好な積層体及びその製造方法を提供する。

【解決手段】熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、ポリウレタン系接着剤を設けた後に、ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)を、樹脂Aを50〜99wt%、樹脂Bを1〜50wt%配合した樹脂組成物層を押出ラミネート法により積層させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、ポリウレタン系接着剤を設けた後に、ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)を、樹脂Aを50〜99wt%、樹脂Bを1〜50wt%配合した樹脂組成物層を押出ラミネート法により積層させたことを特徴とする積層体。
【請求項2】水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)が水酸基価を10〜250の範囲でアルコール変性を施した石油樹脂、あるいは水酸基価を5〜60の範囲でフェノール変性を施した石油樹脂、あるいはこれらの水素化物であり、かつ両者の軟化点温度が70〜180℃、数平均分子量が200〜2000であることを特徴とする、請求項1記載の積層体。
【請求項3】ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)が高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフィン共重合体、ポリαオレフィン、エチレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1、または2記載の積層体。
【請求項4】ポリオレフィン樹脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)からなる樹脂組成物を、温度180〜340℃の範囲で、ポリウレタン系接着剤を設けた、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、押出ラミネート法により積層させたことを特徴とする、積層体の製造方法。
【請求項5】水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)が水酸基価を10〜250の範囲でアルコール変性を施した石油樹脂、あるいは水酸基価を5〜60の範囲でフェノール変性を施した石油樹脂、あるいはこれらの水素化物であり、かつ両者の軟化点温度が70〜180℃、数平均分子量が200〜2000であることを特徴とする、請求項4記載の積層体の製造方法。
【請求項6】ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)が高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフィン共重合体、ポリαオレフィン、エチレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項4、または5記載の積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂からなる基材層、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材上に、ポリウレタン系接着剤を設け、その上にダイレクトでポリオレフィン樹脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)からなる樹脂組成物を押出ラミネート法により積層させた積層体およびその製造方法に関し、詳細には、従来までウレタン系接着剤を用いても押出ラミネート法により十分ラミネート強度を得ることが出来なかったポリプロピレン系樹脂やエチレン−αオレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂を用いても、ウレタン系接着剤を介すことで、上記基材に対し良好なラミネート強度を得ることが可能な積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンやポリプロピレンやエチレン−αオレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂は、押出加工性やヒートシール性という点から、包装材料などを構成する積層体の最内シーラント層として良く用いられている。特に、溶液法やスラリー法や気相法によって得られる、特にαオレフィンがブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのエチレン−αオレフィン共重合体は、低温シール性やホットタック性を有することから低温シールシーラントとしてよく使用される材料の一つであり、さらにはメタロセン触媒を用いたエチレン−αオレフィン共重合体は、ポリマーの一次構造から制御することが可能であることから、結晶性をコントロールが出来、かつ耐ピンホール性等の付加機能を包装材に与えることが可能である。
【0003】ポリプロピレン樹脂もポリエチレン同様にヒートシール性が可能なポリオレフィンの一種であり、ポリエチレンよりも防湿性や耐熱性に優れることから、防湿性が要求される包装材やボイル、レトルト殺菌が必要とされる包装材に使用される。
【0004】また、エチレン成分と環状オレフィンを共重合させたエチレン−環状オレフィン共重合体は優れた防湿性や透明性という点から、ブローやインジェクション成形容器として、あるいはプレス−スルー−パッケージ(PTP)として塩化ビニル樹脂の代替として医療医薬分野に使用されているが、軟包装分野においても、その優れた特性を活かした展開が期待されている。
【0005】エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの接着性樹脂も、それらに石油樹脂やロジンやテルペンなどの各種添加剤を配合することで、ポリスチレン樹脂やポリプロピレン樹脂やポリエステル樹脂のシーラントタイプのホットメルト樹脂として、蓋材のシーラント層として使用されている【0006】一般に、軟包装分野における熱可塑性樹脂からなるフィルム基材や、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、無機化合物蒸着フィルムなどのバリア基材を積層させる際には、主にドライラミネート、ノンソルベントラミネート、ウエットラミネートなど、ウレタン系、イミン系などの接着剤を設ける方法がとられており、また、上述したヒートシーラブルなポリオレフィン樹脂を積層させるには、あらかじめインフレーションやキャスト法により得られた熱可塑性樹脂フィルムを、上述したドライラミネート、ノンソルベントラミネート、ウエットラミネートなど、ウレタン系、イミン系などの接着剤を設けて積層させたり、押出ラミネート法のように、ウレタン系、イミン系、ジエン系、塩素化ポリプロピレン系などを接着剤として、上記基材層に溶融状態で積層させる方法がとられている。
【0007】フィルム基材同士を、特にウレタン系接着剤でラミネートさせる場合には、フィルム基材と接着剤の塗れ性(親和性)と接着層自体の凝集力が必要となってくる。接着剤層自体の凝集力としては、以下にも述べるポリエステルポリオール、あるいはポリエーテルポリオールなどのポリオール系主剤に、各種ジイソシアネートの誘導体(ポリイソシアネート)からなる硬化剤を所定量配合し、水酸基等の活性水素含有基とイソシアネート基の反応によって生成するウレタン結合等の各種結合を利用した凝集力の向上が挙げられ、一つにウレタン結合部位の水素結合による架橋構造の形成、もう一つにアロファネートなどのさらなる付加反応によって形成された架橋構造が挙げられる。また、各種基材と接着剤の塗れ性向上は、主にその両者の界面における水素結合が大きなポイントとして挙げられており、フィルム基材の塗れ性を向上させるべく、コロナ処理やフレーム処理やプラズマ処理などの各種表面処理を施すことが行われている。
【0008】しかしながら、ポリウレタン系接着剤を用いて押出ラミネート法により、上述したポリオレフィン系樹脂を押し出すには、加工温度を上げて、強制的にポリオレフィン系樹脂を酸化させる必要がある。特に、高圧法により得られた低密度ポリエチレンに関しては、加工温度300〜340℃の範囲で押し出すことで、基材上に設けられたポリウレタン系接着剤と押出ラミネート法により積層されたポリオレフィン系樹脂との塗れ性(親和性)が向上し、良好なラミネート強度を付与することが可能である。しかしながら、エチレン−αオレフィン共重合体や、ポリプロピレン樹脂やエチレン−環状オレフィン共重合体は、高温加工を行うことでゲル化や分解が起こり、高温加工をすることが困難である。また、ポリプロピレンやエチレン−環状オレフィン共重合体の場合は、ポリマー構造中にメチル基や環状オレフィン部位などの疎水性基を有しており、水素結合性が低い。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は240℃を超える加工を行うと脱酢酸反応を伴い、構造中に熱的に不安定な不飽和結合を形成し、ポリマーの劣化を迎える。
【0009】このような、低温押出必須の樹脂に対して押出ラミネート法により積層させる場合には、押出樹脂にオゾン処理を施したり、あらかじめ基材上に高温加工が可能なポリオレフィン樹脂を下引き、その上に低温で上述した樹脂を押し出す等の手法がとられている。特にエチレン−αオレフィン共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体を押し出す際には、その前に低密度ポリエチレン等を下引きするケースが多い。しかしながら、前述したオゾン処理については、オゾンの処理状況が目視で観察できない、処理度の確認が不明瞭、臭気など不安定要素が多い。また、下引きに関しては工程が増える、コストが高くなるなど問題点を抱えている。更にこの下引きはポリエチレン系樹脂であれば可能であるが、ポリプロピレン系樹脂を押し出すには、下引きとしてあらかじめ成膜しておいたキャストポリプロピレンフィルムを、ドライラミネートなどの手法で積層させておく必要がある。
【0010】以上のような背景より、機能性のポリマーを押出ラミネート法でダイレクトに各種基材に積層させる方法が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記の実状を考慮したものであり、ウレタン系接着剤を設けた各種基材上に、押出ラミネート法により各種熱可塑性樹脂を積層させ、そのラミネート強度が良好な積層体及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題点を解決するために考え出されたものであり、請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、ポリウレタン系接着剤を設けた後に、ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)を、樹脂Aを50〜99wt%、樹脂Bを1〜50wt%配合した樹脂組成物層を押出ラミネート法により積層させたことを特徴とする積層体、としたものである。
【0013】請求項2記載の発明は、水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)が水酸基価を10〜250の範囲でアルコール変性を施した石油樹脂、あるいは水酸基価を5〜60の範囲でフェノール変性を施した石油樹脂、あるいはこれらの水素化物であり、かつ両者の軟化点温度が70〜180℃、数平均分子量が200〜2000であることを特徴とする、請求項1記載の積層体、としたものである。
【0014】請求項3記載の発明は、ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)が高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフィン共重合体、ポリαオレフィン、エチレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1、または2記載の積層体、としたものである。
【0015】請求項4記載の発明は、上記ポリオレフィン樹脂(樹脂A)と水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)からなる樹脂組成物を、温度180〜340℃の範囲で、ポリウレタン系接着剤を設けた、熱可塑性樹脂からなるフィルム基材、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材から選ばれる各種基材上に、押出ラミネート法により積層させたことを特徴とする、積層体の製造方法、としたものである。
【0016】請求項5記載の発明は、水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)が水酸基価を10〜250の範囲でアルコール変性を施した石油樹脂、あるいは水酸基価を5〜60の範囲でフェノール変性を施した石油樹脂、あるいはこれらの水素化物であり、かつ両者の軟化点温度が70〜180℃、数平均分子量が200〜2000であることを特徴とする、請求項4記載の積層体の製造方法としたものである。
【0017】請求項6記載の発明は、ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)が高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフィン共重合体、ポリαオレフィン、エチレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項4、または5記載の積層体の製造方法としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の積層体は、その基本構成として、基材層/ウレタン系接着剤層/(樹脂A+樹脂B)層からなり、これらをベースとした2層以上の多層構成でも展開が可能である。
【0019】基材層としては、熱可塑性樹脂フィルム基材、アルミ箔、アルミ蒸着を施したフィルム基材、無機化合物蒸着を施したフィルム基材が挙げられ、熱可塑性樹脂フィルム機材としては、延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ポリエチレンフィルム、ポリアクリルニトリルおよびアクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニル、(防湿)セロハン、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、など種類を問わず様々に選択することが可能である。また、これらのフィルム基材には、必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などを施しておいた方が好ましい。
【0020】アルミ箔については、公知の方法で作成されたアルミ箔を何れも使用することが可能である。また、アルミ蒸着や、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの無機化合物を蒸着したバリア蒸着フィルム基材の場合には、その基材に制限を受けることはなく、延伸ポリエステルフィルムや延伸ポリアミドフィルムや延伸(未延伸)ポリプロピレンフィルムなどを使用することが可能であり、蒸着用プライマーや蒸着層の保護層などをバリア性の向上や密着性の向上を考慮して設けても構わない。
【0021】ウレタン系接着剤は、ポリオール系主剤に、各種ジイソシアネートの誘導体(ポリイソシアネート)からなる硬化剤を所定量配合したものを使用することが可能である。例えばジイソシアネート単量体としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート等の単体や混合物を用いることが可能である。これらの単量体をトリマー(イソシアヌレート)、ビューレット、アダクトなどの誘導体を使用することが可能である。
【0022】ポリオール系主剤としては、分子量が好ましくは300〜50000で官能基数が約2〜4の化合物が挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の二塩基酸もしくはそれらのジアルキルエステルまたはそれらの混合物に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのグリコール類もしくはこれらの混合物とを反応させてなるポリエステルポリオールや、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのオキシラン化合物をエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパンなどを開始剤として重合したポリエーテルポリオールや、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどを(メタ)アクリル酸あるいはそのエステル化物と共重合することで得られるアクリルポリオール、その他、ポリエステルアミドポリオールや上述したポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られたポリウレタンポリオールも使用可能である。
【0023】ポリウレタン系接着剤の場合は、上記主剤と硬化剤を所定量配合することで使用することが可能であるが、必要に応じては、接着性を改善及び向上させるため、リン酸類やエポキシ化合物、アミン化合物、シランカップリング剤、カルボン酸化合物あるいはその無水物、そして硬化反応を促進させる触媒や各種安定剤、増粘剤などを添加しても構わない。
【0024】ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、αオレフィンがブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4メチルペンテン−1などのエチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、αオレフィンがブテン−1のプロピレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−αオレフィン共重合体、ポリαオレフィン、エチレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物が使用可能であるが、これらに制限されることはない。
【0025】樹脂Aに配合する水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)としては、石油留分(ジシクロペンタジエンなどのC5留分、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデンなどのC9留分)を重合して石油樹脂を製造する際に、アリルアルコールのようなアルコール化合物やフェノール化合物など水酸基化合物により変性することが挙げられるが、この製造法に制限されることはない。
【0026】水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)の水酸基価はアルコール変性石油樹脂で10〜250の範囲、フェノール変性石油樹脂で5〜60の範囲であることが好ましい。水酸基価が小さくなると接着などの改質効果が得られない。また、上記範囲を超えて水酸基価が大きくなると分子量が小さくなり、加工性やその他に影響を与える。また、これらの石油樹脂は、樹脂Aの剛性付与そして加工性の点から軟化点温度が70〜180℃の範囲で調整されることが好ましい。Tgとしては40〜130℃の範囲になる。また、分子量は上記軟化点と密接に関連することから、数平均分子量が200〜2000であることが好ましい。
【0027】上述した水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)は、必要に応じて不飽和結合部分を水素化しても構わない。
【0028】ポリオレフィン系樹脂(樹脂A)に対する水酸基変性石油樹脂(樹脂B)は樹脂Aが50〜99wt%にたいし樹脂Bが1〜50wt%である方が好ましい。1wt%よりも少ないと水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)による樹脂Aの改質効果が得られない。また、50wt%より多いと、樹脂Aの加工性に問題を与える。
【0029】以下に、上述した構成である基材層/ウレタン系接着剤層/(ポリオレフィン系樹脂/水酸基を有する石油樹脂からなる樹脂組成物)層の製造方法を示す。ポリオレフィン系樹脂である樹脂Aおよび水酸基変性石油樹脂(樹脂B)を所定の配合量になるように、リボン、ヘンシェル、タンブラーミキサーなどでドライブレンドしたものを、必要に応じては二軸押出機やバンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機を用いてコンパウンド化しておいても構わない。この時の混練温度としては、樹脂Aの劣化を伴わない加工温度および樹脂Bの軟化点を超える温度が好ましく、理想的には240℃以下で混練をしておいた方が、樹脂Bの分散性という意味で好ましい。これらのコンパウンド物あるいは、混練加工を施していないドライブレンド物でも構わないが、それを単軸押出機のホッパーに導入し、樹脂Aの理想加工温度(例えばエチレン−αオレフィン共重合体であれば220〜290℃、高密度ポリエチレンであれば、280〜330℃、エチレン−酢酸ビニル共重合体であれば、240℃以下など)で押し出すことが挙げられる。
【0030】基材層との積層には、上記各種基材層を単軸押出機の巻出し部にセットし、あらかじめ、押出機に設置されている接着剤コーティングユニットに、所定配合比で混ぜ合わせたポリオール系主剤とポリイソシアネート系硬化剤を酢酸エチルなどの溶媒で、所定の固形分に調整したものを、グラビアコートなどの手法で基材上に塗工し、温度60℃以上の乾燥条件で、ドライ膜厚5μm以下の範囲で基材上にポリウレタン系接着剤層を設けた後、インラインで上述した樹脂Aと樹脂Bの樹脂組成物を、Tダイによる押出ラミネート法であれば厚さ10〜50μm、Tダイによる押出ニーラム法であれば、〜100μm程度まで積層させることが可能である。また、ニーラム法ではフィルムを成膜し、ウレタン系接着剤を塗工した基材層に貼り合わせる前にコロナ処理などの処理を押出フィルム側に施すことも可能である。
【0031】このようにして得られた積層体は、非極性の樹脂Aに極性基を有する樹脂Bを配合することで、高温で酸化をさせなくても、ポリウレタン系接着剤と水素結合性を付与することが可能であり、従来までオゾン処理や下引き加工が必須だった樹脂においても、樹脂Bを配合することで、低温加工においてもラミネート強度を付与することが可能である。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これらに限られるものではない。また、以下の実施例を行うにあたり、以下の樹脂を使用した。
[材料]
−樹脂A−A−1:エチレン−ヘキセン−1共重合体(MI=8 at 190℃ 加工温度290℃)
A−2:高密度ポリエチレン(MI=8 at 190℃ 加工温度310℃)
A−3:プロピレン−エチレンランダム共重合体(MI=23 at 230℃加工温度290℃)
A−4:エチレン−酢酸ビニル共重合体(MI=15 at 190℃ 加工温度240℃)
−樹脂B−B−1:アルコール変性水素化石油樹脂(軟化点:100℃、水酸基価:100、Mn=370、Mw=650)
B−2:フェノール変性水素化石油樹脂(軟化点:100℃、水酸基価:50、Mn=370、Mw=650)
B−3:未変性水素化石油樹脂(軟化点:120℃、水酸基価:0、Mn=750、Mw=1500)
−基材−C−1:2軸延伸ポリエステルフィルム(コロナ処理 25μm)
C−2:2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)//アルミ箔(7μm)−ウレタン系接着剤−・主剤:ポリエステルポリオール系・硬化剤:トリレンジイソシアネートアダクト体・固形分(主剤+硬化剤):25wt%【0033】[積層体の作成]上述した基材を、単軸押出機の巻出し部にセットした。あらかじめ以下の実施例に示す配合比でドライブレンドした樹脂Aと樹脂Bの混合物をタンブラーにて良く攪拌し、2軸押出機によりあらかじめコンパウンド化した樹脂組成物を、単軸押出機のホッパーに導入した。固形分25wt%になるように酢酸エチルで希釈した2液硬化型接着剤を上記基材の押出樹脂積層面にグラビア法により塗工し、80℃で乾燥させ、ドライ膜厚で1μmになるようにウレタン系接着剤を設けた。樹脂A横に記載の加工温度で、加工速度60m/min.で押し出した溶融樹脂を厚さ30μmになるようにウレタン系接着剤に積層させた。その際、以下に示す評価を行うべく、サンド基材としてあらかじめ作成しておいた2軸延伸ポリエステル基材(25μm)//低密度ポリエチレン(20μm)を樹脂A−1、−2、−4用に、2軸延伸ポリエステル基材(25μm)//キャストポリプロピレン(20μm)を樹脂A−3用に使用することで、最終的に基材/ウレタン系接着剤層/樹脂組成物層/サンド基材という構成の評価サンプルを作成した。
【0034】[評価方法]上述した方法で作成したサンプルの基材/ウレタン系接着剤層/樹脂組成物層間のラミネート強度を、試料幅15mm、剥離速度300mm/min.のT型剥離で測定した。
【0035】<実施例1>樹脂A−1を80wt%にたいし樹脂B−1を20wt%を配合した。
【0036】<実施例2>樹脂A−2を80wt%にたいし樹脂B−1を20wt%を配合した。
【0037】<実施例3>樹脂A−3を80wt%にたいし樹脂B−1を20wt%を配合した。
【0038】<実施例4>樹脂A−4を70wt%にたいし樹脂B−1を30wt%を配合した。
【0039】<実施例5>樹脂A−1を70wt%にたいし樹脂B−2を30wt%を配合した。
【0040】<実施例6>樹脂A−3を70wt%にたいし樹脂B−2を30重量部を配合した。
【0041】<比較例1〜4>B−1を配合しなかった以外は実施例1〜4と同じである。
【0042】<比較例5>樹脂A−1を99.5wt%にたいし樹脂B−1を0.5wt%を配合した。
【0043】<比較例6>樹脂A−1を80wt%にたいし樹脂B−3を20wt%を配合した。
【0044】
【表1】

【0045】
【発明の効果】上記結果から確認されるように、本発明の積層体は、樹脂組成物層としてポリオレフィン系樹脂(樹脂A)に水酸基を有する石油樹脂(樹脂B)を配合することで、従来までは押出ラミネート法によりダイレクトで2液硬化型接着剤に接着することが出来なかった樹脂、例えば加工温度の点で言うと、エチレン−αオレフィン共重合体や、ポリプロピレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体などでも、樹脂B未添加と比較して著しくそのラミネート強度が得られていることが確認される。この内容は、従来までオゾン処理や下引き加工を必要とされていた熱可塑性樹脂の、オゾン処理による環境悪化、処理度の安定性、さらには下引き加工工程省略に伴うコストダウンも期待できる。また、ポリプロピレン樹脂の押出ラミネーションにおいても、十分な接着強度が得られることから、各種軟包装用の包材設計の幅を広げることが可能であり、また、本実施例では記載していないが、押出ニーラム加工も可能であり、かつ必要に応じては機能性のあるシーラントを最外層として共押出する事も可能であることから、今後の機能性包材の開発に貢献が可能である。
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号
【出願日】 平成13年9月27日(2001.9.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−103733(P2003−103733A)
【公開日】 平成15年4月9日(2003.4.9)
【出願番号】 特願2001−296696(P2001−296696)