トップ :: B 処理操作 運輸 :: B32 積層体

【発明の名称】 水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法
【発明者】 【氏名】粂 義正
【住所又は居所】滋賀県守山市欲賀町503番地 グンゼ包装システム株式会社守山工場内

【要約】 【課題】複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの感熱接着性物質層と水性インキによる印刷層との接着性に優れ、且つ、印刷層とポリプロピレン系共重合体からなる易ヒートシール性フィルムとのラミネート強度に優れる、水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法を提供すること。

【解決手段】水性インキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹脂層を有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの前記感熱接着性樹脂層の全面又は1部に水性インキによる印刷を施し、次いで少なくともこの印刷部に構成成分としてエチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンをオーバーコートした後、易ヒートシール性無延伸フィルムと連続的にサーマルラミネートする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】下記の樹脂(a)を主成分とし且つ水性インキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹脂層を有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの前記感熱接着性樹脂層の全面又は1部に水性インキによる印刷を施し、次いで少なくともこの印刷部に構成成分としてエチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンをオーバーコートした後、複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムのオーバーコート面と下記の樹脂(b)を主成分とする易ヒートシール性無延伸フィルムとを連続的にサーマルラミネートすることを特徴とする水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法。
樹脂(a):プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
樹脂(b):プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
【請求項2】下記の樹脂(a)を主成分とし且つ水性インキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹脂層を有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの前記感熱接着性樹脂層の全面又は1部に構成成分としてエチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンを含有する水性インキによる印刷を施し、次いで複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの印刷面と下記の樹脂(b)を主成分とする易ヒートシール性無延伸フィルムとを連続的にサーマルラミネートすることを特徴とする水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法。
樹脂(a):プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
樹脂(b):プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
【請求項3】請求項1又は2に記載の水性インキを含むフレキシブル包装材料から作製された包装用袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、内面に印刷が施された2軸延伸ポリプロピレン系フィルムと易ヒートシール性無延伸ポリプロピレン系フィルムとのラミネートフィルムの製造方法に関し、より詳しくは、内面に水性インキによる印刷が施された複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムと易ヒートシール性無延伸ポリプロピレン系フィルムとを連続的にサーマルラミネートすることを特徴とする水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内面に印刷が施された2軸延伸ポリプロピレン系フィルムと易ヒートシール性無延伸ポリプロピレン系フィルムとのラミネートフィルムは最もポピュラーなフレキシブル包装材料である。そしてその製造方法の1つとして特開昭56−77116号公報で開示された技術がある。同公報では、感熱接着性物質層を有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの感熱接着性物質層に印刷を施し、次いで前記印刷面にポリプロピレン系共重合体からなる易ヒートシール性フィルムをサーマルラミネートする技術が開示されている。また、好適なサーマルラミネーターとしては特開平6−155579号公報で開示された技術がある。同公報では、ライン速度に対応して移動する供給角度調整ロールと排出角度調整ロールとによって低速の増速域から高速の定常域まで安定した品質のラミネートフィルムが得られる技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記特開昭56−77116号公報では、適用できる印刷インキが油性インキなのか、水性インキなのか、あるいは両方なのか、明記されていない。そこで本発明者が追試実験したところ、油性インキは適用可能であるが、水性インキは適用不可能であることが判明した。何故ならば、水性インキを使用した場合、感熱接着性物質層と水性インキによる印刷層との接着性に欠け、又、印刷層とポリプロピレン系共重合体からなる易ヒートシール性フィルムとのラミネート強度が弱く、実用上問題があることが明らかになったからである。
【0004】本発明の課題は、複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの感熱接着性物質層と水性インキによる印刷層との接着性に優れ、且つ、印刷層とポリプロピレン系共重合体からなる易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミネート強度に優れる、水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法を提供することにある。また、このフレキシブル包装材料から作製された包装用袋を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するため本発明は、下記の樹脂(a)を主成分とし且つ水性インキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹脂層を有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの前記感熱接着性樹脂層の全面又は1部に水性インキによる印刷を施し、次いで少なくともこの印刷部に構成成分としてエチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンをオーバーコートした後、複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムのオーバーコート面と下記の樹脂(b)を主成分とする易ヒートシール性無延伸フィルムとを連続的にサーマルラミネートする、水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法であることを特徴とする。
樹脂(a):プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
樹脂(b):プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
【0006】また、下記の樹脂(a)を主成分とし且つ水性インキに対する易接着性を付与された感熱接着性樹脂層を有する複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの前記感熱接着性樹脂層の全面又は1部に構成成分としてエチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンを含有する水性インキによる印刷を施し、次いで複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの印刷面と下記の樹脂(b)を主成分とする易ヒートシール性無延伸フィルムとを連続的にサーマルラミネートする、水性インキを含むフレキシブル包装材料の製造方法であることを特徴とする。
樹脂(a):プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
樹脂(b):プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
【0007】さらに、前記の水性インキを含むフレキシブル包装材料から作製された包装用袋であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムを構成する2軸延伸ポリプロピレン系フィルムとは、沸騰n−へプタン抽出残分が90重量%以上のプロピレン単独重合体、エチレン等共重合成分の含有量が5モル%以下で、感熱接着性樹脂層や易ヒートシール性無延伸フィルムよりも融点の高いところのポリプロピレン系共重合体、又はこれらの混合物からなる少なくとも1層の2軸延伸フィルムである。2軸延伸ポリプロピレン系フィルムには、安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、他の樹脂等、公知のものを合目的的に添加してもよい。また、複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムを製造する際に発生する屑を、物性が許容される範囲内で添加してもよい。2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの厚さは特に限定するものではないが、通常、10〜60μmが好ましい。
【0009】本発明の複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムを構成する感熱接着性樹脂層とは、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を主成分としてなる層である。プロピレン−エチレンランダム共重合体としては、好ましくはエチレン含有量0.5〜15モル%、より好ましくはエチレン含有量1〜10モル%のプロピレン−エチレンランダム共重合体が挙げられる。プロピレン−1−ブテンランダム共重合体としては、好ましくは1−ブテン含有量1〜35モル%、より好ましくは1−ブテン含有量5〜25モル%のプロピレン−1−ブテンランダム共重合体が挙げられる。また、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体としては、好ましくはエチレン含有量0.5〜15モル%、1−ブテン含有量0.5〜35モル%、より好ましくはエチレン含有量1〜10モル%、1−ブテン含有量1〜25モル%のプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が挙げられる。感熱接着性樹脂層には、安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、他の樹脂等、公知のものを合目的的に添加してもよい。感熱接着性樹脂層の厚さは特に限定するものではないが、通常、0.5〜5μmが好ましい。
【0010】複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムを製造する方法は特に限定するものではなく、公知の如何なる方法によってもよい。好ましい方法として、例えば、ポリプロピレン系フィルムと感熱接着性樹脂層とを共押出し、縦方向及び横方向に共延伸する方法、あるいは、縦方向に延伸したポリプロピレン系フィルム上に感熱接着性樹脂層を押出しラミネートし、次いで横方向に共延伸する方法が例示できる。
【0011】水性インキに対する易接着性を付与するため、感熱接着性樹脂層には易接着処理をする必要がある。易接着処理としては特に限定するものではなく、例えば、感熱接着性樹脂層表面を火炎処理し引き続きコロナ放電処理する方法、感熱接着性樹脂層表面を火炎処理し引き続き紫外線照射処理する方法、感熱接着性樹脂層表面を窒素等の不活性ガス雰囲気下でコロナ放電処理する方法、感熱接着性樹脂層表面をプラズマ処理する方法、感熱接着性樹脂層にN−エタノール酸アミド等を含有させる方法、感熱接着性樹脂層上にアンカーコート層を設ける方法が好ましい方法として例示できる。
【0012】これらの中でも感熱接着性樹脂層表面を火炎処理し引き続きコロナ放電処理する方法が効果の点からより好ましい。火炎処理の印加熱量は、2000〜25000J/mが好ましい。より好ましくは4000〜20000J/mである。2000J/m未満では水性インキに対する易接着性が不十分となる傾向にある。一方、25000J/mを越えて処理するとフィルム表面が荒れる傾向にあるのみならず、帯電防止剤を練りこんだものでは、フィルム表面が白化したり、べたついたりして好ましくない。コロナ放電処理の印加電気エネルギーは、800〜4000J/mであることが好ましい。より好ましくは1100〜3300J/mである。印加電気エネルギーが800J/m未満では、水性インキに対する易接着性が不十分となる傾向にある。印加電気エネルギーを4000J/mを越えて処理した場合には、易接着性の低下、ピンホールの発生、フィルムの白化などが起こり易い傾向にある。
【0013】本発明の水性インキとは、特に限定するものではない。例えば、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジンエステル系樹脂、シェラック樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等をバインダーとし、無機、有機の顔料を含み、水と、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールとを主たる溶剤とし、必要に応じ有機アミン、アンモニア水、アルカリ金属水酸化物等を混合したものが例示できる。水性インキの印刷は感熱接着性樹脂層の全面であってもよいし、その1部であってもよい。印刷方法としては、特に限定するものではなく、例えば、グラビア印刷やフレキソ印刷が例示できる。
【0014】水性インキによる印刷層と易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミネート強度を確保するため、本発明では以下の2つの手段の内いずれかを用いる。
【0015】その1つは、水性インキによる印刷層の上に、構成成分としてエチレンを含む共重合体を主成分とするエマルジョンをオーバーコートするという手段である。エマルジョンとしてはエチレンを構成成分として含む共重合体を主成分とするものであれば特に限定するものではない。例えば、エチレン含有量50〜95重量%、極性基を有するビニルモノマー含有量50〜5重量%のランダム共重合体からなるエマルジョンが好ましいものとして例示できる。それらの具体例としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、及びこれらの酸変性物等を主成分とするエマルジョンが例示できる。これらの中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体がより好ましい。ランダム共重合体のエチレン含有量は50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、より好ましくは65〜80重量%である。95重量%を超えると、易ヒートシール性フィルムとのラミネート強度を確保することが難しくなる場合もあり、50重量%未満では、オーバーコート層の滑性や耐ブロッキング性とラミネート強度の点でバランスをとり難く好ましくない場合もある。
【0016】オーバーコートする部位は、印刷部と合致させてもよいし、印刷部を含みそれより少し広めであってもよい。さらには、感熱接着性樹脂層の全面に渡ってもよい。コストの点からは、印刷部と合致させるか、印刷部を含みそれより少し広めにオーバーコートするのが望ましい。オーバーコート方法としては特に限定するものではなく、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、コーターによる塗布等が例示できる。生産性の点からは、水性インキによる印刷と同時に同じ印刷機でオーバーコートする方法が望ましい。オーバーコートの厚さは、乾燥後の厚さで好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは1〜5μである。0.01μm未満では、印刷層と易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミネート強度の安定性に欠ける傾向にある。一方、10μmを超えると、乾燥に時間がかかりすぎ生産性に欠ける傾向にある。
【0017】他の1つは、水性インキの中に前記のエマルジョンを混合して、この混合物を用いて印刷層とする手段である。エマルジョンを混合した分、印刷層の色目が薄くなるので、これを補うためには、印刷層の厚さを厚くするか、元の水性インキの顔料の含有量を多くすればよい。
【0018】水性インキ(又は水性インキとエマルジョンとの混合物)による印刷層と易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミネート強度は、好ましくは70g/cm以上、より好ましくは100g/cm以上である。
【0019】本発明の易ヒートシール性無延伸フィルムとは、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を主成分としてなる、易ヒートシール性を有する無延伸フィルムである。プロピレン−エチレンランダム共重合体としては、好ましくはエチレン含有量0.5〜15モル%、より好ましくはエチレン含有量1〜10モル%のプロピレン−エチレンランダム共重合体が挙げられる。プロピレン−1−ブテンランダム共重合体としては、好ましくは1−ブテン含有量1〜35モル%、より好ましくは1−ブテン含有量5〜25モル%のプロピレン−1−ブテンランダム共重合体が挙げられる。また、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体としては、好ましくはエチレン含有量0.5〜15モル%、1−ブテン含有量0.5〜35モル%、より好ましくはエチレン含有量1〜10モル%、1−ブテン含有量1〜25モル%のプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が挙げられる。易ヒートシール性無延伸フィルムと前記の感熱接着性樹脂層とは同じ樹脂構成であってもよいし、違う樹脂構成であってもよい。易ヒートシール性無延伸フィルムには、安定剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、他の樹脂等、公知のものを合目的的に添加してもよい。
【0020】易ヒートシール性無延伸フィルム表面にはコロナ放電処理等の公知の表面処理を施しても、施さなくてもよい。好ましくは、複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムとサーマルラミネートされる面には表面処理を施し、反対面のヒートシールされる面には表面処理を施さない方がより望ましい。このようにすることによって、印刷層(オーバーコート層)との接着性がより優れ、低温ヒートシール性にも優れるからである。表面処理強度としては、濡れ指数が360μN/cm以上となるようにすることが望ましい。
【0021】易ヒートシール性無延伸フィルムの厚さは特に限定するものではないが、通常、20〜50μmが好ましい。
【0022】内面に水性インキによる印刷層を含む複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムと易ヒートシール性無延伸フィルムとを連続的にサーマルラミネートする方法としては種々の方法が考えられ、如何なるものでもよいが、通常加熱されたニップロールを用いれば十分である。例えば、ニップロールの片方は好ましくは90〜180℃、より好ましくは110〜160℃に加熱された金属ロール、他方はシリコンゴム等の耐熱性、非粘着性に優れたゴムロールを用い、加熱金属ロールに2軸延伸ポリプロピレン系フィルムが接するようにして、線圧を好ましくは50N/cm以上、より好ましくは150N/cm以上、600N/cm以下にして通すとスムースにラミネートが出来る。サーマルラミネーターとして前記した特開平6−155579号公報で開示されたものを用いると、低速の増速域から高速の定常域まで安定した品質のラミネートフィルムが得られるので、生産性の点からはさらに好ましいものとなる。
【0023】上記で製造されたラミネートフィルムに製袋機を用いて、合掌シール1とボトムシール2を施すことにより合掌シール袋と通称される包装用ラミネート袋(図1参照)が、また三方シール3を施すことにより三方シール袋と通称される包装用ラミネート袋(図2参照)がそれぞれ製造される。この際、斯かるラミネート袋に被包装物を詰めた後、開口部4をどのようにするかは自由であるが、一般にはヒートシールや公知の各種方法により封止するのがよい。なお、本発明のラミネートフィルムを用いて製袋を行いながら、同時に被包装物を詰める、所謂自動包装機による被包装物の入ったラミネート袋の態様も本発明に包含される。さらには、袋形態としてガゼット袋であってもよい。
【0024】
【実施例】次に、本発明の代表的な実施例を比較例と共に挙げて説明する。
【0025】感熱接着性樹脂層と水性インキによる印刷層との接着性の評価は以下の方法による。即ち、印刷層に市販のセロハン粘着テープを貼った後、手で剥離して以下のランク付けをした。
○:セロハン粘着テープに印刷層が全く取られない△:セロハン粘着テープに印刷層の1部が取られる×:セロハン粘着テープに印刷層の全面が取られる【0026】複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムと易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミネート強度の測定は以下の方法による。即ち、ラミネートフィルムを1cm幅に切り取り、剥離試験機(新東科学株式会社製 Peeling TESTER HEIDON−17)にセットし、剥離速度20cm/min、T型剥離で測定した。
【0027】シール強度の測定は以下の方法による。即ち、シールしたフィルムを1cm幅に切り取り、引張試験機(東洋精機株式会社製 STROGRAPH R)にセットし、引張速度20cm/minで測定した。
【0028】(実施例1)2軸延伸ポロプロピレン系フィルムのスキン層(A)となるプロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:0.47モル%、MFR(230℃、21.18N):1.45)100重量部とプロピレン単独重合体(融点:162℃、MFR(230℃、21.18N):5.5)50重量部と帯電防止剤0.45重量部と有機アンチブロッキング剤0.3重量部との混合物、2軸延伸ポロプロピレン系フィルムのコア層(B)となるプロピレン単独重合体(融点:160℃、MFR(230℃、21.18N):2.3)100重量部と滑剤0.05重量部と有機アンチブロッキング剤0.3重量部との混合物、感熱接着性樹脂層(C)となるプロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含有量:4.5モル%、MFR(230℃、21.18N):9.0)100重量部とプロピレン−1−ブテンランダム共重合体(1−ブテン含有量:19モル%、MFR(230℃、21.18N):8.0)30重量部と滑剤2.25重量%と有機アンチブロッキング剤2.1重量部との混合物を、3台の押出機を用いて各々押出機で溶融混練し、(A)/(B)/(C)の順になるように240℃のTダイ内で融着積層して押出し、30℃の冷却ロールで冷却し、130℃で縦方向に5倍ロール延伸し、165℃で横方向に10倍延伸し、165℃で横方向に3%弛緩させながらアニ−ルし、冷却し、巻き取り、次いでこのフィルムを40℃で24時間エージングした。フィルムの平均厚さは(A)層が1.5μm、(B)層が16.5μm、(C)層が2.0μm、トータル20.0μmであった。次いで、このフィルムの感熱接着性樹脂層(C)面に、易接着処理として下記条件の火炎処理とコロナ放電処理とをこの順で連続的に行い、所期の複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムを得た。
表面処理条件 フィルム走行速度:60m/min 火炎処理:印加熱量8000J/m フィルム温度40℃ コロナ放電処理:印加電気エネルギー1200J/m フィルム温度40℃【0029】(実施例2)実施例1で得た複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムの感熱接着性樹脂層面の1部に、水性インキ(東洋インキ製造株式会社製 アクアエコールJW202青)を用いてグラビア印刷による図柄印刷を施し、引き続き、その上に水性インキ(東洋インキ製造株式会社製 アクアエコールJW202白)を用いて白ベタ印刷を施した(印刷速度70m/min、乾燥後の印刷層の厚さは青色約1μm、白ベタ約2μm)。感熱接着性樹脂層と印刷層との接着性の評価結果を表1に示す。
【0030】(実施例3)実施例2の印刷に引き続き同じ印刷機で、印刷部と合致させた部位にエチレン−酢酸ビニルランダム共重合体からなるエマルジョン(中央理科工業株式会社製アクアテックスEC−1800)をオーバーコートした(乾燥後のコート厚さは約3μm)。次いで、このフィルムと易ヒートシール性無延伸フィルム(東レ株式会社製3501)とを、図3に示すニップロール部(加熱金属ロール:ロール径400mm、表面温度131℃、シリコンゴムロール:ロール径300mm、ニップ圧:300N/cm)を有するサーマルラミネーターを用いて、2軸延伸ポリプロピレン系フィルムが加熱金属ロールに接するようにし、前記のオーバーコート層と易ヒートシール性無延伸フィルムのコロナ放電処理面とが合わさるようにして、速度120m/min、α=39°、β=39°でラミネートした。次いで、このラミネートフィルムを35℃で24時間エージングして所期のラミネートフィルムを得た。印刷部及び無地部(非印刷部)のラミネート強度を表2に示す。
【0031】(実施例4)実施例3で得たラミネートフィルムを製袋機(トタニ技研工業株式会社製 BH600B:シール温度150℃、90ショット/min)にかけて三方シール袋を得た。シール強度を表3に示す。
【0032】(比較例1)感熱接着性樹脂層(C)面に易接着処理を施さない以外、実施例1と同様にして複合2軸延伸ポリプロピレン系フィルムを得、実施例2と同様にしてこのフィルムにグラビア印刷を施した。感熱接着性樹脂層と印刷層との接着性の評価結果を表1に示す。
【0033】(比較例2)エマルジョンコートをしない以外、実施例1〜3と同様にしてラミネートフィルムを得た。印刷部及び無地部(非印刷部)のラミネート強度を表2に示す。
【0034】(実施例5)実施例2のアクアエコールJW202白に代えて、アクアエコールJW202白100重量部と実施例3で使用したエマルジョン100重量部との混合物を用い、乾燥後の混合物層の厚さを約4μmとした以外、実施例2と同様にしてグラビア印刷を施した。感熱接着性樹脂層と印刷層との接着性の評価結果を表1に示す。次いで、エマルジョンコートをしない以外、実施例3と同様にしてラミネートフィルムを得た。印刷部及び無地部(非印刷部)のラミネート強度を表2に示す。次いで、実施例4と同様にして三方シール袋を得た。シール強度を表3に示す。
【0035】

【0036】

【0037】

【0038】
【発明の効果】本発明は以上のような構成からなるので、以下の効果を奏す。
【0039】易ヒートシール性無延伸フィルムとのラミネートはサーマルラミネートによるので、有機溶剤を使用するドライラミネートに比べ、環境負荷が小さい。また、水性インキを使用するので、油性インキの使用に比べ、環境負荷が小さい。さらに、本発明のフレキシブル包装材料から得られる包装用袋は、食品衛生上より安全なものである。
【出願人】 【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
【住所又は居所】京都府綾部市青野町膳所1番地
【出願日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−103732(P2003−103732A)
【公開日】 平成15年4月9日(2003.4.9)
【出願番号】 特願2001−303297(P2001−303297)