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【発明の名称】 化粧材
【発明者】 【氏名】小野 典克
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【氏名】田中 正義
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

【要約】 【課題】初期から層間密着性に優れかつ環境に影響を及ぼさず、しかも紫外線に晒された時の黄変性が極めて低い化粧材を提供する。

【解決手段】オレフィン系樹脂からなる基材シート1上に、接着剤層2を介して、透明オレフィン系樹脂からなる表面シート1’が積層されてなる化粧材において、前記接着剤層2が、ポリオール化合物とノルボルナンジイソシアネートとを反応させてなり末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化性ホットメルト接着剤の硬化物からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オレフィン系樹脂からなる基材シート上に、接着剤層を介して、透明オレフィン系樹脂からなる表面シートが積層されてなる化粧材において、前記接着剤層が、ポリオール化合物とノルボルナンジイソシアネートとを反応させてなり末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化性ホットメルト接着剤の硬化物からなる、ことを特徴とする化粧材。
【請求項2】 前記ポリオール化合物が、数平均分子量が2000〜5000である1,6−ヘキサングリコールとセバチン酸とのコポリエステルポリオール樹脂30〜60重量%、数平均分子量が2000〜5000である1,6−ヘキサングリコールとアジピン酸とのコポリエステルポリオール樹脂30〜60重量%、および飽和ポリエステル樹脂5〜10重量%からなる、請求項1に記載の化粧材。
【請求項3】 前記湿気硬化性ホットメルト接着剤が硬化触媒をさらに含有してなる、請求項1または2に記載の化粧材。
【請求項4】 前記湿気硬化性ホットメルト接着剤が紫外線吸収剤をさらに含有してなる、請求項1から3までのいずれかに記載の化粧材。
【請求項5】 前記基材シートと前記表面シートが、模様層をも介して積層されている、請求項1から4までのいずれかに記載の化粧材。
【請求項6】 前記表面シートが凹凸を有している、請求項1から5までのいずれかに記載の化粧材。
【請求項7】 前記凹凸に着色材が充填されている、請求項6に記載の化粧材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線に晒された時の黄変性が極めて低く、例えば、家具、建具等の建材、自動車、車輌、航空機等の表面装飾材料等に有用な化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、建材用化粧シートとして、塩化ビニル系樹脂が用いられていたが、塩化ビニル系樹脂を用いる化粧シートは、素材に塩化ビニル樹脂を使用しているため、廃棄・燃焼時に有毒な塩素化物が発生する問題があった。このため、非塩化ビニル系樹脂であるオレフィン系樹脂を用いる化粧シートが提案されている。オレフィン系樹脂は環境面で優れるものの接着性に劣るため、オレフィン系樹脂をラミネートした化粧シートは、例えば、熔融したオレフィン系樹脂を押出成形して、アンカーコート剤ないしは接着剤層を施した基材シートにラミネートする方法、基材シートとオレフィン系樹脂シート(表面シート)とを通常の熱融着型接着剤を用いて貼着する方法、基材シートとオレフィン系樹脂シートとを2液硬化型ウレタン樹脂接着剤層を用いてドライラミネートする方法などによって製造されている。また、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シートを化粧シートに被覆する方法としては、例えば、ポリプロピレン層とエチレン−α−オレフィン共重合体を含有するポリエチレン層とからなる二層シートの押出し成型直後に、前記二層シートの少なくとも表面部分が熔融状態にあるエチレン−α−オレフィン共重合体を含有するポリエチレン層面に、オゾンを含有する気体を一定の割合で吹きつけるオゾン処理を施し、その後、前記二層シートと別の基材シートを、アンカーコート剤(接着剤)層を介して接着させる積層体の製造方法も知られている(特公昭62−60970号公報等参照)。これらの従来法の中でも特に、オレフィン系樹脂を押出成形して、接着剤層(あるいはアンカーコート剤層)を介してラミネート接着する方法が、比較的強い接着強度を有する化粧シートを得ることができることから、広く用いられている。
【0003】しかしながら、この方法に使用する接着剤は溶剤希釈系の接着剤であり、化粧シート製造時に溶剤分が揮発し、悪臭、溶剤中毒など環境に良い影響を与えるものではなかった。また、溶剤を乾燥させるための設備が必要であり、生産効率を向上させるためには、溶剤乾燥能力の制約を受け、製造スペース、電気代等余分なコストがかかるといった問題もあった。さらに、乾燥が不十分で、残留溶剤があると、シート層間に所謂膨れを生じたり、接着性能に悪影響を与える場合もあった。また、これら接着剤を常温において未硬化状態で液状の2液硬化型樹脂とすれば、溶剤乾燥の問題は解消されるが、その一方で硬化反応が完了するまでの初期接着力が弱くなり、硬化反応が完了するまでは後加工ができないという問題が生じる。
【0004】そこで、本発明者らは、これらの問題を解決し、初期から層間密着性に優れかつ環境に優しい化粧シートとして、湿気硬化性ホットメルト接着剤を用いて形成した接着剤層を介してオレフィン系樹脂からなるシートを積層した化粧材を、特開平11−246830号公報に提案した。ところで、湿気硬化性ホットメルト接着剤としては、従来、初期の接着強度が効率良く発現でき、しかも湿気硬化反応を起こすことで3次元架橋し耐熱性を付与することができるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー系の湿気硬化性ホットメルト接着剤が一般的である。このような湿気硬化性ホットメルト接着剤を構成するイソシアネート成分としては、使用時に熱溶融する際に安全衛生上問題となるフリーモノマーイソシアネートがミスト等として発生することになるため、フリーモノマーイソシアネートのミスト発生量の少ないジイソシアネートを選択することが必須である。この観点から、芳香族系のジイシアネート、中でもメチレンジフェニルジイソシネート(MDI)を用いたウレタンプレポリマーからなる湿気硬化性ホットメルト接着剤として汎用されている。
【0005】しかし、ウレタンプレポリマーは、紫外線に晒された場合に黄変する傾向があり、特に、芳香族系のジイシアネートを用いたウレタンプレポリマーは、芳香環を有するために黄変性が大きいという問題があり、従来の湿気硬化性ホットメルト接着剤を用いた化粧材は、紫外線に晒される用途や透明性が要求される用途など黄変が問題視される用途には適用できないのが実情であった。そこで、黄変性を考慮すると、ウレタンプレポリマーのイソシアネート成分として、芳香環を有さない脂肪族系のジイソシアネートを用いることが考えられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)やイソホロンジイソシアネート(IPDI)などが知られている。しかし、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を用いると、フリーモノマーイソシアネートのミスト発生量が多く、安全衛生上の問題が起こり、一方、イソホロンジイソシアネート(IPDI)は、1分子中の2つのイソシアネート基の反応性が異なるため、反応操作が困難であり、硬化反応性に問題が生じることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、初期から層間密着性に優れかつ環境に影響を及ぼさず、しかも紫外線に晒された時の黄変性が極めて低い化粧材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定のポリオール化合物と特定のジイソシアネート化合物とを用いて得られたウレタンプレポリマーを含む湿気硬化性ホットメルト接着剤を用いて形成することにより、紫外線に晒された時の黄変性を低く抑えることができることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明にかかる化粧材は、オレフィン系樹脂からなる基材シート上に、接着剤層を介して、透明オレフィン系樹脂からなる表面シートが積層されてなる化粧材において、前記接着剤層が、ポリオール化合物とノルボルナンジイソシアネートとを反応させてなり末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含む湿気硬化性ホットメルト接着剤の硬化物からなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1〜図4は、本発明の実施態様の化粧材の断面構造の典型的な例を示す図である。本発明は、樹脂シートの積層に用いる接着剤に特徴を有するものであるが、以下に述べるような構造の化粧材に適用し得るものである。図1に示す構造は、基材シート1の上面側(表面側)に接着剤層2が形成され、該接着剤層2を介して透明な表面シート1'が積層されたものである。図2に示す構造は、基材シート1の上面側(表面側)に模様層3が積層され、該模様層3上に接着剤層2を介して表面シート1’が積層されたものである。
【0009】図3に示す構造は、基材シート1の上面側(表面側)に模様層3が積層され、該模様層3上に接着剤層2を介して表面シート1’が積層され、さらに表面シート1’の表面には凹凸模様4が形成され、かつ該凹凸模様4の凹部内に着色材5が充填されたものである。図4に示す構造は、基材シート1の上面側(表面側)に模様層3が積層され、該模様層3上に接着剤層2を介して表面シート1’が積層され、さらに表面シート1’の上に透明保護層6が積層され、基材シート1、模様層3、接着剤層2、表面シート1’、および透明保護層6には凹凸模様4が形成され、かつ表面シート1’の凹凸模様4の凹部内に着色材5が充填されたものである。
【0010】本発明においては、図2〜図4に示すように、模様層3が積層されていることが好ましい。模様層3により、所望の外観を付与することができる。なお、模様層3と接着剤層2とは、上下が入れ違って、すなわち基材シート1の上面側にまず接着剤層2が積層され、その上に模様層3が積層されていてもよい。本発明においては、図2〜図4に示すように模様層3を積層して化粧する代わりに、着色層を積層して化粧したものであってもよく、あるいは、基材シート1とは別個の着色層を積層したものではなく、基材シート1そのものが着色されることにより表面側が着色されたものであってもよい。基材シート1を着色シートとしておくことにより、着色シート上に印刷する際に、色調が意図通りに、あるいは、原稿通りに印刷されているかの色調の判定が、しやすい利点がある。化粧材の分野では、従来から、ハイライト色で着色した着色シート上に、1〜3色の、所定の色相になるよう特別に調色した特色インキで印刷することが多いからである。基材シート1が着色シートである場合で、表面シート1’の裏側に印刷するときには、印刷後、基材シート1と重ねて眺めれば、色調の判定ができる。通常の印刷のように、3色ないし墨色を加えた4色の版で印刷する場合には、基材シート1上に印刷しても、表面シート1’の下面側に印刷してもよい。基材シート1を着色する場合には、多くの場合、着色剤に加えて、充填剤も添加されているが、基材1の成膜の際に、充填剤が押し出し口のスリット近傍に堆積し、支障を生じることがあるため、充填剤を含む層の両面を充填剤を含まない層で被覆するようにして共押し出しして成膜すると、充填剤の堆積による支障が発生せず、好ましい。この場合の基材シート1は、充填剤を含まない裏面層、充填剤と着色剤を含む中心層、および充填剤を含まない表面層の3つの層が順に積層されたものである。
【0011】本発明においては、図3および図4に示すように、凹凸模様4を形成してもよい。最表面に有する凹凸模様により、立体感と実体感のある化粧材とすることができる。また、着色材5を凹部に充填することも、立体感が増した化粧材とすることができるので、好ましい。例えば、基材シート1を白色の無地のシートとしておき、表面シート1’の表面に布目の凹凸模様4を付与すれば、布の柔らかな感じが生じ、落ちついた雰囲気を与え、かつ、表面シート1’により深みと光沢がもたらされる。凹凸模様4は、模様層3と併用すると、さらに複雑な印象を与え、例えば、木目の模様を持つ模様層3と、板の表面の細かい凹凸模様4を組み合わせると、印刷だけでは出ない、本物の木目の感じに近い立体感を生じさせることができる。さらに、模様層3および透明保護層6の積層、ならびに凹凸模様4の形成の3つの要素を組み合わせると、なお、一層、深みと本物らしさが増す。また、模様層2も着色層も積層せず、その代わりに最表面に凹凸模様4を設けることによって、化粧とすることもできる。凹凸模様4の凹部に着色材5を充填しなくてもよいが、充填すると、物理的な凹凸に加え、色相の違いにより、立体感が増大させることができる。
【0012】本発明においては、図4に示すように、化粧材の最上面に、透明保護層6を積層してもよい。また、透明保護層6は、凹凸模様4や模様層2や着色層を伴わず、単独で形成されていてもよい。本発明において、化粧材における化粧とは、上記のように、模様層2や着色層が積層されていることや、凹凸模様4の形成を指す。代表的な化粧は、印刷等による模様層2の積層であるが、模様層2を設けただけの化粧材は、ともすれば、平板な感じがしやすい。そこで、模様層2の上に透明な表面シート1’やさらに透明保護層6を積層すると、模様層2上に透明な層があるために、見た目の深みが増す。
【0013】以下に、基材シート1および表面シート1’、接着剤層2、模様層3、凹凸模様4、透明保護層6、および着色材5について説明する。前記基材シート1および表面シート1’は、ポリオレフィン系樹脂からなるシートである。また、表面シート1’は透明なポリオレフィン系樹脂からなるシートである。なお、基材シート1および表面シート1’の厚みは、それぞれ、20μm〜100μmであることが好ましい。さらに詳しくは、化粧材の用途に適したポリオレフィン系樹脂には、大別して、非エラストマーであるポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの2つのタイプがある。
【0014】前記非エラストマーであるポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、ポリエチレン(低密度または高密度)、ポリプロピレン(イソタクチック型、シンジオタクチック型、またはこれらの混合型)、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/ブテン共重合体等の高結晶質のものがある。一方、前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、次の(1)〜(8)のようなものがある。
(1)主原料がハードセグメントである高密度ポリエチレン、またはアイソタクチックポリプロピレン等からなり、さらに、ソフトセグメントとしてのエラストマーおよび、必要に応じて無機充填剤を添加したもの。ここで、エラストマーとしては、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等が挙げられる。さらに具体的には、ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/イソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム等が挙げられる。水素添加ジエンゴムは、上記のジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させてなるもので、ポリオレフィン系樹脂(本発明においては、高密度ポリエチレンまたはポリプロピレン)の結晶化を抑え、柔軟性を向上させたものである。オレフィンエラストマーとしては、2種類または3種類以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用され、ポリエンとしては、1,4−ヘキサジエン、環状ジエン、ノルボルネン等が使用される。好ましいオレフィン系共重合体ゴムとしては、例えばエチレン/プロピレン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分とする弾性共重合体が挙げられる。なお、これらのエラストマーは、必要に応じて有機過酸化物、硫黄等の架橋剤を用いて、適量架橋させてもよい。
【0015】(2)ハードセグメントがアイソタクチックポリプロピレン、ソフトセグメントがアタクチックポリプロピレンであるもので、好ましくは、後者の割合が5重量%未満のもの(特公平6−23278号公報記載)。
(3)エチレン/プロピレン/ブテンの共重合体で、ブテンとして、1−ブテン、2−ブテン、またはイソブチレンの3種の構造異性体のうちの1種を含むもの。次の(3a)〜(3c)が代表的である。
(3a)エチレン/プロピレン/ブテンの3元のランダム共重合体であり、モノマー中のプロピレンが、好ましくは90重量%であるもの(特開平9−111055号公報記載)。
(3b)プロピレン成分含有率が50重量%以上である、エチレン/プロピレン/ブテンの3元の共重合体からなる非晶質と、結晶質ポリプロピレンからなるもの(特開平5−77371号公報記載)。
(3c)プロピレンおよび/または1−ブテンの含有量が50重量%以上の低結晶質と、アイソタクチックポリプロピレン等の結晶性ポリオレフィンを含むものに、さらに、油ゲル化剤を0.5重量%添加したもの(特開平7−316358号公報記載)。
【0016】(4)ハードセグメントがポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリメチルペンテン等の結晶質であり、ソフトセグメントが部分架橋したエチレン/プロピレン非共役ジエン3元共重合体ゴム等のモノオレフィン共重合体ゴムであるもの(特公昭53−21021号公報記載)。
(5)ハードセグメントとしてのオレフィン系共重合体(結晶質)とソフトセグメントとしての未架橋モノオレフィン共重合体ゴムとを加熱しつつ剪断応力を加え、部分架橋させてあるもの(特公昭53−34210号公報記載)。
(6)過酸化物と混合・加熱すると分子量が減って流動性が増す過酸化物分解型オレフィン重合体、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン/エチレン共重合体、またはプロピレン/ブテン−1共重合体をハードセグメントとし、同様な操作で流動性が減る過酸化物架橋型モノオレフィン重合体、例えば、エチレン/プロピレン共重合体ゴム、エチレン/プロピレン/非共役ジエン3元共重合体ゴム等をソフトセグメントとし、さらには、同様な操作で架橋せず、流動性も変わらない過酸化物非架橋型炭化水素ゴム等を過酸化物の存在下で混合・加熱して得られるもの(特公昭56−15741号公報記載)。
【0017】(7)エチレン/スチレン/ブタジエン共重合体(特開平2−139232号公報記載)。
(8)水酸基またはカルボキシル基を有する上記(1)〜(7)のオレフィン系エラストマー。
前記ポリオレフィン系樹脂には、太陽光等の紫外線の悪影響を回避する目的で、紫外線吸収剤または光安定剤を配合することが好ましい。紫外線吸収剤や光安定剤がポリオレフィン系のモノマーと重合し得る場合にはそのままで、単独では重合し得ない場合には、アクリロイル基等の重合可能な官能基を導入したものを配合して共重合体を生成させ、得られた共重合体樹脂を主成分として前記基材シート1および表面シート1’を構成することがより好ましい。
【0018】前記紫外線吸収剤としては、例えば、次の(1)〜(5)のようなものが使用できる。
(1)ベンゾフェノン系;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸等。
(2)ベンゾトリアゾール系;2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−ドデシル−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等。
【0019】(3)アクリレート系;エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート等。
(4)サリシレート系;フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート等。
(5)オキザニリド系;2−エトキシ−2'−エチルオキザリックアシドビスアニリド、2−エトキシン−5−t−ブチル−2'−エチルオキザリックアシドビスアニリド等。
【0020】前記光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤(通称HALS)が使用できる。具体的には、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、[コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン]縮合物、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]}等が挙げられる。
【0021】前記紫外線吸収剤または前記光安定剤の配合割合は、それぞれ、添加する対象の層の全樹脂分に対し、0.1〜2重量%の範囲であるのが好ましい。0.1重量%未満では添加効果が乏しく、2重量%を超えても、効果の向上が見られない。なお、紫外線吸収剤と光安定剤は、それぞれを単独で使用した場合でも効果はあるが、併用した方が相乗的に効果が向上するため、併用する事が望ましい。また、前記紫外線吸収剤と前記光安定剤は、単に混合しただけでは、使用中のブリードが避けがたいために、前記ヒンダードアミン系の光安定剤に代えて、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の(メタ)アクリロイルオキシ基を持つ化合物、もしくは4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のクロトノイルオキシ基を持つ化合物をグラフト共重合させた樹脂を使用して、ブリードを防止することがより好ましい。
【0022】前記基材シート1および/または表面シート1’には、それぞれ他の層と接触する側の面に、あらかじめ接着性ポリオレフィン系樹脂層を積層しておくことが、他層との接着性を向上させるうえで好ましい。ここで、接着性ポリオレフィン系樹脂層とは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、もしくはこれらと他のα−オレフィンや酢酸ビニル等との共重合体である広義のポリオレフィン類に、マレイン酸、アクリル酸、フマル酸のうちの1種(好ましくはマレイン酸)を、10-4〜10重量%、好ましくは10-3〜5重量%の範囲でグラフト共重合させてなる樹脂の層である。このような接着性ポリオレフィン系樹脂層の積層は、ポリオレフィン系樹脂層を押し出す際に同時に1つのTダイから押し出す溶融押し出し法によるか、いずれか一方の樹脂層を成膜した後に、他方の樹脂層をエクストルージョンコーティングにより積層する方法によるとよい。
【0023】本発明においては、必要に応じ、基材シート1や表面シート1’に対する接着性を向上させる目的で、基材シート1および/または表面シート1’の片面または両面に、コロナ放電処理を施したり、プライマー層を形成したり、さらに他の層を積層するための接着剤層を形成する等してもよい。プライマー層を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等が使用できるほか、アルキルチタネート系やエチレンイミン系の化合物も使用できる。これらの樹脂や化合物は、単独もしくは混合して塗料組成物やインキ組成物とし、適宜な塗布手段または印刷手段を用いてプライマー層とする。
【0024】表面シート1’の裏面、すなわち化粧材の最下面には、化粧材を他の基板や物品に貼ることを想定し、一般的な接着剤と接着しやすくなることを目的とした裏面プライマー層が積層してあってもよい。また、表面シート1’の下面には、予め、接着性樹脂層を積層しておき、接着力を増すようにしてもよい。この場合、表面シート1’の製造時に共押し出しにより成膜する方法が好ましく、あるいは、一旦成膜した表面シート1’の片面に、接着性樹脂を溶融押し出しして直ちに積層するやり方によってもよい。前記接着剤層2は、以下の湿気硬化性ホットメルト接着剤の硬化物で形成される。
【0025】前記湿気硬化性ホットメルト接着剤は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含むものであり、該ウレタンプレポリマーは、ジイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるものである。以下、該ウレタンプレポリマーについて詳しく説明する。本発明においては、前記ジイソシアネート化合物が、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)であることが重要である。ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)とは、下記式(1)で示す構造を有するものであり、具体的には、2,5―ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび/または2,6―ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタンのことである。
【0026】
【化1】

【0027】ジイソシアネート化合物としてこのようなノルボルナンジイソシアネート(NBDI)を用いることにより、紫外線に晒された時の黄変を抑制することができると同時に、良好な湿気硬化性を発揮し、しかも溶融時のフリーモノマーイソシアネートのミスト発生量を安全衛生上問題のない許容量の範囲に抑えることができるのである。本発明においては、前記ポリオール化合物が、数平均分子量が2000〜5000である1,6−ヘキサングリコールとセバチン酸とのコポリエステルポリオール樹脂30〜60重量%と、数平均分子量が2000〜5000である1,6−ヘキサングリコールとアジピン酸とのコポリエステルポリオール樹脂30〜60重量%と、飽和ポリエステル樹脂5〜10重量%とからなることが好ましい。このようなポリオール化合物を用いることにより、得られるウレタンプレポリマーは、加熱時に溶融し冷却時に固化すると同時に、結晶性を有し、良好なホットメルト性を発現するものとなる。
【0028】前記ジイソシアネート化合物と前記ポリオール化合物との割合は、ポリオール化合物の有する全水酸基(−OH)に対するジイソシアネート化合物の有する全イソシアネート基(−NCO)の当量比(−NCO/−OH)が1.5〜2.5(モル比)となるような範囲が好ましい。当量比(−NCO/−OH)が1.5(モル比)未満であると、鎖延長反応による増粘やゲル化を引き起こしやすくなり、一方、2.5(モル比)を超えると、残存するジイソシアネートモノマー量が多くなり、有害なミストの発生につながる恐れがある。本発明における前記ウレタンプレポリマーは、前記ポリオール化合物と前記ジイソシアネート化合物とを原料として得られるものであれば特に制限されるものではなく、前記ポリオール化合物と前記ジイソシアネート化合物とを反応させる際の反応方法については従来公知の方法を採用することができる。また、反応条件等についても特に制限はなく、適宜設定すればよい。
【0029】前記湿気硬化性ホットメルト接着剤に占める前記ウレタンプレポリマーの含有量は、50重量%以上であることが好ましい。ウレタンプレポリマーの含有量が50重量%未満であると、硬化反応性や硬化物の耐熱性が低下する可能性がある。前記湿気硬化性ホットメルト接着剤は、前記ウレタンプレポリマーとともに、硬化触媒をさらに含有してなることが、湿気硬化性の点から好ましい。硬化触媒としては、有機金属系触媒が好ましく、3級アミン系触媒は使用できない。3級アミン系触媒による硬化物は紫外線によって黄変するからである。前記有機金属系触媒としては、例えば、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マーカブチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫マーカブチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート等が挙げられる。これら硬化触媒は1種のみであっても2種以上であってもよい。硬化触媒の含有量は、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して1重量部以下とすることが好ましい。
【0030】前記湿気硬化性ホットメルト接着剤は、前記ウレタンプレポリマーとともに、紫外線吸収剤をさらに含有してなることが、さらに効果的に黄変を抑制できるの点から好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系誘導体等が挙げられる。これら紫外線吸収剤は1種のみであっても2種以上であってもよい。紫外線吸収剤の含有量は、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して1重量部以下とすることが好ましい。さらに、前記湿気硬化性ホットメルト接着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の各種添加剤を配合することもできる。添加剤としては、例えば、充填剤、着色剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、等が挙げられる。なお、これら添加剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。
【0031】前記湿気硬化性ホットメルト接着剤は、100〜120℃における溶融粘度が20000mP・s以下であるのがよい。好ましくは5000〜20000mP・sである。溶融粘度が上記範囲より高いと、アプリケーターによる塗工適性が悪くなる傾向がある。前記湿気硬化性ホットメルト接着剤は、軟化点が60〜80℃であるのがよい。軟化点が上記範囲より高いと、溶融速度が低下して、取り扱いにくくなり、一方、軟化点が上記範囲より低いと、気温によってはコールドフロー等を起こし、ベタ付き等を発生しやすくなる。
【0032】前記接着剤は、イソシアネート濃度値が1.0〜2.5%であるのがよい。イソシアネート濃度値が上記範囲より高いと、硬化物の発泡等を伴う恐れがあり、一方、上記範囲より低いと、反応性の低下により未硬化物が生じたり、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。前記湿気硬化性ホットメルト接着剤の塗布は、通常、ロールコーティング、グラビアロールコーティングによって行ない、塗布量は固形分換算で2〜20g/m2 程度とするのが好ましい。また、ラミネートは通常のドライラミネータまたはエクストルージョンコーターを使用して行なえばよい。
【0033】前記模様層3は本発明の化粧材に、外観意匠的な価値を与えるためのものであり、通常、インキを用いる印刷法により形成するとよい。模様層3の絵柄模様は任意のものでよく、用途に合わせて選択すればよいが、例えば、木目、石目、布目、砂目、タイル貼模様、煉瓦積模様、皮絞模様、幾何学模様、文字、記号、全面ベタ等が挙げられる。印刷法としては、グラビア印刷法が適しているが、これ以外の手法によってもよい。電子写真法やインキジェット等は、化粧材分野ではあまり利用実績がないが、原則的には模様層3の形成手段として使用可能である。
【0034】印刷する位置は、模様層3の保護の観点から、基材シート1の上面側か、または表面シート1’の下面側のいずれかが好ましい。表面シート1’の下面側に印刷する場合には、左右の区別のある絵柄模様は、左右を逆に作成した、いわゆる逆版を用いて印刷するのがよい。表面シート1’の上面側や透明保護層6の上面側に印刷することもあり得ないことではないが、長期間使用する化粧材であれば、基材シート1と表面シート1’との間が適切である。凹凸感を表現するために、凹部であるかのように見せたい部分を艶消し効果のあるインキで印刷する場合には、透明保護層6の上面側に印刷することもある。
【0035】印刷法で模様層3を形成する際には、基材シート1または表面シート1’との接着性を考慮する必要がある。模様層3の印刷に用いるインキは、バインダー等からなるビヒクルと、顔料や染料等の着色剤と、必要に応じて各種添加剤とからなる。バインダーとしては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、等が好ましいが、密着性を考慮すると、塩素化ポリプロピレン系、アクリルウレタン系,ビニル重合体系の樹脂を用いることが好ましく、架橋可能な部分を含む樹脂の1液型、架橋剤を使用時に添加する2液型として用いることが好ましい。着色剤としては、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタンイエロー等の無機顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、ベリレンレッド、アニリンブラック等の有機顔料(もしくは染料)、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔粉等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、貝殻等の鱗片状箔粉等の真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。なお、模様層3をインキで形成する場合には、インキに含まれる顔料や染料等の着色剤が接着性においてマイナスに働く傾向があるので、模様層3の表面に、模様層3を形成するのに用いるインキのバインダーと同じバインダーを含み、着色剤を含まない無色のレジューサー(エキステンダー、メジュウム等とも呼ばれる。)を塗布して、透明樹脂層を形成しておくと、模様層3に対する接着性が改善され、好ましい。
【0036】前記透明保護層6は、熱可塑性樹脂の塗料による塗装によってもよいが、表面の保護の目的からは、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂組成物の塗料によって塗装し、透明保護層5を積層形成するのがよい。具体的には、アクリルウレタン系樹脂組成物や、紫外線または電子線の照射により硬化する電離放射線硬化性の樹脂組成物を用い、それぞれに応じて硬化の手段を施すことによって形成する。透明保護層6には、表面の耐擦傷性を向上させる目的で耐摩耗剤を、表面の艶を調整する目的で艶消し剤等を含ませてもよい。耐磨耗剤の例としては、アルミナ、シリカ、または炭酸カルシウム等が、艶消し剤の例としては、シリカ、または炭酸カルシウム、シラスバルーン、樹脂ビーズ等が挙げられる。
【0037】前記凹凸模様4は、例えば、実物を模してつくる化粧材の場合には、木目、布目、石目等の表面形状を型取りし、通常は、その型を原型として、修正したり、つなぎ合わせて面積を大きくする等して、工業生産に適したロール型を製造し、該ロール型により凹凸模様付けを行なえばよい。ロール型は通常、金属製で、使用時には、対象となるシートを予め加熱して軟化させておき、所定の圧力をかけてロール型表面の凹凸模様をシートに転移させる。また、表面に塗装を施す際には、賦型フィルムというものがよく使われる。賦型フィルムを使用する場合でも、化粧材表面にもたらされる凹凸模様自体は、ロール型を使用する場合と変わらない。紙やプラスチックフィルム等に比較的硬い材料で凹凸模様を形成しておき、塗装した塗料面に重ねたまま、塗料を硬化させ、賦型フィルムを剥離することにより、賦型フィルム上の凹凸模様を転移させることができる。
【0038】このほか、従来から、凹凸模様を付与する方法は種々知られており、表面の塗料の硬化の度合いを変化させて樹脂を流動させ、凹凸模様を形成する方法や、塗料を弾く区域を形成しておいて塗料が弾かれたことによる凹部を形成させる方法、塗料の一部を未硬化にしておき、未硬化部を剥離除去するか、溶剤等が溶解除去する方法、凹部であるように見せたい部分を艶消しまたは/および暗色で形成し、凸部であるように見せたい部分を艶有りまたは/および明色で形成して、視覚的に凹凸模様があるかのように見せる方法、等があり、本発明の化粧材にはいずれの方式も適用可能である。
【0039】前記凹凸模様4の凹部には、着色材5を充填すると、凹凸の高低差に加え、色相差が生じるために、立体感を増大させることができる。例えば、凸部を有するロールの凸部頂上付近に着色剤を塗布しておき、凹凸模様形成と同時に着色する方法が適用可能であるが、一旦凹凸模様を形成した後に、塗料を塗布しつつ、スキージーのようなものでかきとることにより、凹部にのみ着色材を充填し、平坦部の着色材を除去する方法(いわゆるワイピング塗装法)も適用が可能である。ただし、凹凸模様の凹部に着色材5を充填すると、その部分では着色材5が最表面に出るため、物理的・化学的性質の要求度合いによっては、着色材5を、例えばポリオールを主剤とし多価イソシアネートを架橋剤とする2液硬化型ウレタン樹脂等の硬化タイプのもので構成することを考慮する必要も生じるので、用途に応じて素材を選択するとよい。2液硬化型ウレタン樹脂を構成するポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が、多価イソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂肪族(もしくは脂環式)イソシアネート等が用いられる。
【0040】本発明の化粧材は、種々の被着体に積層して使用することができる。被着体としては、各種素材の立体形状物品、平板、曲面板等の板材、シート(或いはフィルム)等の各種形状の物品が対象となる。立体形状物品、板材或いはシート(フィルム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、木材合板、パーチックルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質繊維板等の木質材、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン樹脂、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂、専ら板材、或いは立体形状物品として用いられる素材としては、硝子、陶磁器、等のセラミックス、ALC(発泡軽量コンクリート)等のセメント、硅酸カルシウム、石膏等の非セメント窯業系材料、専らシート(或いはフィルム)として用いられる素材としては、上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、硝子、合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等がある。
【0041】これら各種被着体への積層方法としては、例えば1)接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、2)特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報等に記載される様に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型のゲートから熔融樹脂を射出充填して後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネート方法、3)特公昭56−45768号公報、特公昭60−58014号公報等に記載される様に、成形品の表面に化粧シートを間に接着剤層を介して対向ないしは載置し、成形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを成形品表面に積層する、所謂真空プレス積層方法、4)特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載される様に、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆく、所謂ラッピング加工方法、5)実公大15−31122号公報、特開昭48−47972号公報等に記載される様に、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ箱体又は柱状体を成形する所謂、Vカット又はUカット加工方法、等がある。
【0042】本発明の化粧材は各種被着体に積層し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いる。例えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓枠、扉、手摺等の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車輛内装、航空機内装、船舶内装、窓硝子の化粧等である。
【0043】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例および比較例について説明するが、本発明は該実施例により何ら制限されるものではない。なお、製造例において得られたホットメルト接着剤の特性については、以下の方法にて測定、評価した。
[溶融粘度] サーモセル粘度計(ブルックフィールド社製)にて120℃および100℃における溶融粘度を測定した。
[軟化点] Ring and Ball法にて測定を行った。
【0044】[イソシアネート濃度値] JIS−K−7301に準じ、脱水トルエンにホットメルト接着剤組成物を溶解させ、過剰のジ−n−ブチルアミン溶液を加えて反応させた後、未反応のジ−n−ブチルアミンを塩酸標準液で逆滴定することにより求めた。
(製造例1)セパラブルフラスコに、分子の両末端に2個の1級水酸基を有する1,6−ヘキサングリコールとセバチン酸とのコポリエステル樹脂(数平均分子量3500)50重量部、分子の両末端に2個の1級水酸基を有する1,6−ヘキサングリコールとアジピン酸とのコポリエステル樹脂(数平均分子量3500)40重量部、および飽和ポリエステル樹脂(東亞合成化学(株)製「PES−120L」)10重量部を仕込み、110℃に加熱して溶解させた。引き続き、同温度で減圧下(1.01×105Pa)にて約3時間脱水を行い、系中の水分を除去した。次いで、系内を窒素ガス置換し、常圧に戻した後、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)を、上記樹脂の有する全水酸基(−OH)に対するイソシアネート基(−NCO)の当量比が−NCO/−OH(モル比)=2.0となるように添加した。その後、95〜100℃で2時間反応させて、ウレタンプレポリマーを得た。
【0045】次いで、硬化触媒としてジブチル錫ジラウレートを得られたウレタンプレポリマー(上記反応生成物全量)に対して0.05重量%添加、混合し、この混合物を減圧下(1.01×105Pa)にて脱泡して、湿気硬化性ホットメルト接着剤を得た。得られた接着剤の物性を測定したところ、120℃における溶融粘度は5000mPas、100℃における溶融粘度は9800mPas、軟化点は74℃、イソシアネート濃度値は2.00%であった。
(製造例2)製造例1において硬化触媒であるジブチル錫ジラウレートを添加しないこと以外は製造例1と同様にして、湿気硬化性ホットメルト接着剤を得た。
【0046】得られた接着剤の物性を測定したところ、120℃における溶融粘度は5000mPas、100℃における溶融粘度が9800mPas、軟化点が74℃、イソシアネート濃度値が2.00%であった。
<実施例1および2>基材シートとして、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメント100重量部、スチレン−ブタジエンゴムからなるソフトセグメント100重量部、無機充填剤(炭酸カルシウム粉末)30重量部、チタン白、弁柄および黄鉛からなる顔料10重量部を配合したものを溶融混練した後押し出してなる、厚み80μmのポリオレフィン系樹脂シートを準備し、両面にコロナ放電処理を施した。
【0047】次に、この基材シートに、アクリルウレタン系樹脂とヘキサメチレンジイソシアネートとをアクリルウレタン系樹脂:ヘキサメチレンジイソシアネート=10:1(重量比)で混合したバインダー樹脂にチタン白、弁柄および黄鉛を添加した隠蔽性着色ベタ用インキを用いて、グラビア印刷により隠蔽性着色ベタ層を形成し、次いで、上記バインダー樹脂に顔料として弁柄とカーボンブラックとを添加した絵柄印刷用インキを用い、グラビア印刷により木目柄の絵柄印刷層を形成し、印刷シートを得た。一方、表面シートとして、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメント60重量部と、アタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメント40重量部との混合物に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.2重量%を添加したものを溶融混練した後押し出してなる、厚み80μmのポリオレフィン系樹脂シートを準備し、両面にコロナ放電処理を施した。
【0048】次に、上記印刷シートの印刷面に、ロールコート法により、実施例1においては製造例1で得られた接着剤を、実施例2においては製造例2で得られた接着剤を、それぞれ、3g/m2 塗布し、該塗布面の上に上記表面シートを重ね、ニップローラ間で加圧してラミネートした。その後、40℃で3日間養生して、化粧材を得た。接着剤(1)および(2)のいずれを用いた場合も得られた化粧材のラミネート部分の剥離強度は、ラミネートから72時間経過後で2.5kgf/25mm幅であり、優れた層間密着性を有するものであった。また、接着剤(1)および(2)のいずれを用いた場合も得られた化粧材は、ラミネート直後から72時間紫外線に晒した際にも目視により変色は認められず、黄変性も非常に低いものであった。さらに、得られた化粧材は、耐候性および耐熱性についても良好であり、問題はなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、初期から層間密着性に優れかつ環境に影響を及ぼさず、しかも紫外線に晒された時の黄変性が極めて低い化粧材を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
【出願日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【代理人】 【識別番号】100073461
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 武彦
【公開番号】 特開2003−103728(P2003−103728A)
【公開日】 平成15年4月9日(2003.4.9)
【出願番号】 特願2001−301579(P2001−301579)