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離型用積層フィルム - 特開2003−1777 | j-tokkyo
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【発明の名称】 離型用積層フィルム
【発明者】 【氏名】山内 英幸
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【氏名】河津 幸雄
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【氏名】鈴木 基之
【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内

【要約】 【課題】本発明は、離型フィルムとして使用後には、容易にフィルムに再生することができる積層フィルム、およびそれを用いた離型フィルムを提供することにある。

【解決手段】本発明のポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に、剥離可能な被覆層が形成されており、かつポリエステル基材フィルム及び/または被覆層に変性シリコーン、ワックスを添加していることを特徴とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に、該ポリエステル基材フィルムと剥離可能な被覆層が形成されている積層フィルムにおいて、該被覆層あるいは該ポリエステル基材フィルムの少なくとも一方に変性シリコーン及び/またはワックスを含有していることを特徴とする離型用積層フィルム。
【請求項2】該ポリエステル基材フィルムと被覆層の剥離力が0.5〜50g/cmであることを特徴とする請求項1に記載の離型用積層フィルム【請求項3】該被覆層がポリオレフィン系樹脂を含む層である請求項1に記載の離型用積層フィルム。
【請求項4】該被覆層がポリフェニレンサルファイド樹脂を含む層である請求項1に記載の離型用積層フィルム。
【請求項5】該被覆層がポリアミド系樹脂を含む層である請求項1に記載の離型用積層フィルム。
【請求項6】該被覆層がポリヒドロキシカルボン酸を主体とする樹脂を含む層である請求項1に記載の離型用積層フィルム。
【請求項7】該ポリエステル基材フィルムの厚さは、該被覆層の厚みの5倍以上である請求項1〜7に記載の離型用積層フィルム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型用積層フィルム、とりわけセラミックグリーンシート用離型フィルムとして好適な離型用積層フィルムに関するものであり、詳しくは使用済みの離型フィルムから高純度のポリエステルを容易に分離回収できる離型用積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリエステルフィルムの表面に硬化性シリコーン樹脂膜などの離型層を設けた離型フィルムは、セラミックコンデンサー、セラミック基板、ドライフィルムレジストなどの電子部品製造工程用フィルムとして、あるいは偏光板セパレータ、ラベル離型紙などの粘着離型紙として非常に多く用いられている。
【0003】とりわけポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とした離型フィルムは耐熱性、寸法安定性、平滑性、透明性、離型性に優れることから、精密電子部品用として非常に多くの量が用いられている。
【0004】例えば、セラミック積層コンデンサー製造工程用にグリーンシート成形用キャリアーフィルムとしてポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムが使用されている。
【0005】この離型フィルムは、該離型フィルム上に形成されたグリーンシートを剥離し、多層積層法によりセラミック積層体を作成した後は、離型フィルム上に残存したセラミックと共に廃棄されるのが通常である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、昨今の環境問題の高まりから、使用後の離型フィルムの再利用方法を構築することが求められている。
【0007】ところが、セラミックが残存する離型フィルムをそのまま回収して使用しようとした場合、例えば、使用後の離型フィルムを再溶融しフィルムを製膜しようとした場合は、溶融押出して異物等を取り除く濾過工程でセラミックによってフィルターが目詰まりを起こし、結果として高精度な濾過ができなくなる。
【0008】また、仮に濾過工程の問題が解決されても、硬化性シリコーン樹脂膜成分がポリエチレンテレフタレートに混入するため、溶融粘度の低下による機械物性の低下や製膜安定性の低下、表面粗大突起や粗大欠点の発生、着色、押出時の異臭の発生を抑制することが困難であり実用的なフィルムとして再生することができない。
【0009】そこで、使用後の離型フィルムから、残存するセラミック成分や硬化性シリコーン樹脂膜を何らかの方法で除去し、フィルムとして再生することが考えられるが、現在考えられているいずれの方法によっても非常に多くの労力、コストが避けられないため実用的でない。
【0010】また、他の用途、例えば杭やプランタなどの射出成形品、ブロー成型品などの比較的原料となる樹脂の純度が低くても適用可能な成形品として再生しようとした場合もフィルムの場合と同様に着色や強度の低下等の問題が発生するし、どうしても別の用途で再利用する場合には、廃棄される離型フィルムの量と再利用可能な用途での使用量にアンバランスが生じ、廃棄物問題の解消には至らないのが現状である。
【0011】したがって本発明の目的は、離型フィルムとして使用後には、容易にフィルムに再生することができる積層フィルムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の離型用積層フィルム及びそれも用いた離型フィルムは、ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に、該ポリエステル基材フィルムと剥離可能な被覆層が形成されている積層フィルムにおいて、該被覆層あるいは該ポリエステル基材フィルムの少なくともいずれか一方に変性シリコーン及び/またはワックスを含有していることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、使用後には容易にフィルムにも再生することができる離型フィルムを得るためには、ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に剥離可能な特定のポリマーからなる層を介在させておけば、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0014】本発明で用いられるポリエステル基材フィルムを構成するポリエステルとして好ましくは、ジカルボン酸成分とグリコール成分を主たる構成成分とするポリエステルが好ましく使用される。
【0015】かかるジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸を用いることができ、芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸等を用いることができる。また、脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。
【0016】これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらにはヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
【0017】また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2′ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができる。中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールが好ましく用いられる。これらのグリコール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0018】また、本発明の効果を阻害しない範囲で、フィルムの成形性、取扱い性の向上を目的として、上記ポリエステルに、トリメリット酸、トリメシン酸、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多官能化合物やp−オキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸等を共重合してもよい。
【0019】本発明のポリエステルとしては、好ましくはポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレートとの共重合体、ブチレンテレフタレートとヘキサメチレンテレフタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートと1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体、エチレンテレフタレートとエチレン−2,6−ナフタレートとの共重合体およびこれらのブレンド物等を用いることができる。
【0020】本発明の剥離可能な被覆層を構成する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする樹脂等を用いることができる。
【0021】本発明のポリオレフィン系樹脂とは、ポリオレフィン及びポリオレフィン系共重合樹脂である。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。また、ポリオレフィン系共重合樹脂としては、ポリプロピレンを主成分とする重合体であることが接着性から好ましい。その中でも、プロピレンを主成分とした他のα−オレフィンとのランダム共重合体が透明性の点で好ましく使用できる。共重合するα−オレフィンモノマーとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等が挙げられ、エチレン、ブテン−1が特に好ましい。α−オレフィンモノマーの共重合量としては3〜15重量%の範囲が接着性の面から好ましく、エチレンモノマーの場合は2〜6重量%、ブテン−1モノマーの場合は3〜15重量%の範囲が好ましい。
【0022】具体的な実施態様としては、エチレン−プロピレン共重合体(EPC)、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体(EPBC)、プロピレン−ブテン−1共重合体(BPC)などが挙げられる。
【0023】また、上記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて少量の造核剤、熱安定剤、酸化防止剤などを添加せしめてもよい。例えば造核剤としては、ソルビトール系造核剤、有機リン酸エステル金属塩系造核剤などを0.5重量%以下、熱安定剤としては2,6−ジ−第3−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)などを0.5重量%以下、酸化防止剤としてはテトラキス−(メチレン−(3,5−ジ−第3−ブチル−4−ハイドロオキシ−ハイドロシンナメート))ブタン(Irganox 1010)などを0.5重量%以下で添加してもよい。
【0024】本発明のポリアミド系樹脂とは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンイソフタラミド、ポリメタキシレンアジパミド、ポリ(ヘキサメチレンイソフタラミド/テレフタラミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタラミド/モノメチルテレフタラミド)、ヘキサメチレンイソフタラミド/テレフタラミドとε−カプロラクタムとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタラミドとヘキサメチレンアジパミドとの共重合体などが挙げられる。もちろん、これらは単独で用いてもよいし、また、2成分以上を混合したものであってもよい。
【0025】本発明のポリヒドロキシカルボン酸を主体とする樹脂とは、L−乳酸、D−乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等の重合体、およびこれらの共重合体を挙げることができる。
【0026】これらのうち、特に乳酸ホモポリマー(ポリ乳酸)または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸等との共重合体、もしくはこれらの混合物であることがポリエステル基材フィルムとの剥離性や共押出・共延伸性の点で好ましい。
【0027】さらには、発明の効果を阻害しない範囲において、ジカルボン酸類やグリコールも使用することができる。乳酸成分とその他の成分との混合物は、ポリマー中の乳酸成分の含有率が50mol%以上となるように、種々の組合せで使用することが好ましい。
【0028】本発明におけるポリエステルやポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする樹脂等には、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、顔料、可塑剤、末端封鎖剤、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合することができる。さらには、目的に応じて易滑性を付与することもできる。
【0029】また、易滑性を付与する方法としては、特に制限はされないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク、アルミナ、ジルコニア、スピネル、湿式あるいは乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸系ポリマ類、ポリスチレン等を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、界面活性剤を塗布する方法等を採用することができる。かかる粒子の配合量としては、ポリマー100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量部である。また、配合する粒子の平均径としては、0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.1〜2μmである。このような粒子は、種類、平均径の異なる複数の併用であってもよい。
【0030】ここでポリエステル基材フィルムに含まれる粒子量を被覆層に含まれる粒子量より多くすることが剥離性と積層フィルムのハンドリング性を両立しやすい点で好ましい。
【0031】本発明の剥離可能な被覆層にコロナ表面処理を施し、樹脂層表面の濡れ張力を35mN/m以上に上げることは、接着性、帯電防止性及び滑剤のブリードアウト性を向上させるため好ましく採用することができる。この時のコロナ放電処理時の雰囲気ガスとしては、酸素、空気、炭酸ガス、あるいは窒素/炭酸ガスの混合系などが好ましい。
【0032】本発明の積層フィルムは、ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に、剥離可能な被覆層が形成されていることが肝要である。
【0033】剥離可能とは、該被覆層を該ポリエステル基材フィルムから物理的に脱離できることをいう。ポリエステル基材フィルムと被覆層が剥離可能となるためには、両者間の剥離力が50g/cm以下であることが望ましい。好ましくは0.5〜50g/cm、より好ましくは0.5〜30g/cm、更に好ましくは0.5〜10g/cmであることが望ましい。この範囲であれば、剥離の際、被覆層フィルムの損傷を最小限にとどめることができる。剥離力が0.5g/cm未満だと、積層状態でセラミックスラリーを塗布するなどの加工工程で剥離してしまうトラブルが発生することがあるので、0.5g/cm以上であることがより好ましい。
【0034】本発明の積層フィルムの剥離力を本発明の範囲内にするには、ポリエステル基材フィルム層及び/または被覆層に下記組成の変性シリコーンやワックスを添加することにより達成できる。添加する変性シリコーン及びワックスは、どちらか1種のみ用いてもよく、2種を併用してもよい。この時の変性シリコーンの添加量は、0.01〜1重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲である。この範囲内であると本発明の剥離力を達成しやすい。また、ワックスの添加量は、0.1〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜0.9重量%、特に好ましくは0.3〜0.8重量%である。
【0035】本発明におけるポリエステル基材フィルム及び/または被覆層に変性シリコーンやワックスを添加含有する方法としては、鋭意検討の結果、変性シリコーンやワックスの分散性を向上させ安定した性能を発現させる点から、下記(1)〜(3)の様な重合工程で添加する方法が好ましい。(1)ポリエステル重合時または被覆層原料重合時に変性シリコーンまたはワックスを添加する方法。(2)変性シリコーンまたはワックスを多量に添加したマスターペレットを重合によって製造し、変性シリコンまたはワックスを含有しないポリエステルや被覆層原料とを所定量混合し、混練する方法。(3)ポリエステルや被覆層原料に変性シリコーン及びワックスを多量にドライブレンドして溶融押出によりチップ化してマスター原料とし、変性シリコーンまたはワックスを含有しないポリエステルや被覆層原料とを所定量混合し、混練する方法。
【0036】本発明において変性シリコーンとは、アミノ基、カルボキシル基、ポリオキシアルキレン基のうち、少なくとも1つの基を導入した変性シリコーンオイルである。アミノ基、カルボキシル基あるいはポリオキシアルキレン基は、いかなる形でオルガノシロキサン連鎖の中に結合されていてもよいが、具体例を挙げれば、次のような化学構造のものがある。

但しMe:メチル基R1:炭素数0〜20の炭化水素基R2:水素または炭素数1〜20の炭化水素基x :1〜50の整数y :2〜50の整数n :1〜5の整数もちろん、オルガノシロキサン連鎖の中のすべてのモノマ単位がこのような変性を受けている必要はなく、変性を受けているモノマ単位と、変性を受けていない通常のシロキサン単位(ジメチルシロキサン単位など)との共重合体でもよい。変性を受けているモノマ単位の比率を一般に変性率と称するが、本発明で用いる変性シリコーンオイルの変性率は、0.3〜99%の範囲にあるものが好ましく、45〜99%の範囲のものがより好ましい。また、上記した各種変性シリコーンオイルの中で、本発明に最も適しているものは、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルであり、特にポリオキシプロピレン変性のものが望ましい。なお、本発明に適した変性シリコーンオイルの粘度は、25℃で測定される値で40〜40000センチストークスの範囲が好ましく、100〜10000センチストークスの範囲のものがより好ましい。このような変性シリコーンオイルを通常のジメチルシロキサンあるいはジフェニルポリシロキサンなどと混合して用いてもよいが、その場合には、全量に占める変性シリコーンオイルの量比を50%以上にしておくことが望ましい。
【0037】ポリエステル基材フィルムと被覆層を剥離可能に積層する方法は特に問われるものではないが、粘着剤や接着剤などは用いず、該ポリエステル基材フィルムと該被覆層が直接隣接して剥離界面を形成していることが好ましい。
【0038】剥離可能な被覆層をポリエステル基材フィルム上に形成しておくことにより、該積層フィルム表面上に、セラミックグリーンシートの成形や硬化型シリコーン被膜形成などの、いかなる表面処理、表面加工がなされた後においても、機械的な操作で容易にポリエステル基材フィルムと剥離可能な被覆層の界面で剥離することができるために、高純度のポリエステルのみを含むポリエステル基材フィルム部分のみを容易に分離回収することが可能となり、このようにして回収されたポリエステルは、ポリエステル基材フィルム自身にも再生可能な程度に純度を高めることができる。
【0039】特に、積層セラミックコンデンサーなどの積層セラミック部品を製造する工程で用いられるキャリアーフィルムとして用いる場合には、被覆層上に直接セラミックグリーンシートを形成しておき、該ポリエステル基材フィルムと該被覆層の界面で剥離して、被覆層付きセラミックグリーンシートを得ることが出来る。
【0040】この、被覆層付きセラミックグリーンシートは被覆層付きのままでもセラミック焼成処理工程で、被覆層は有機物であるため分解気化させることができるので、従来の積層セラミック部品の製造工程に全く付加工程を付け加えることなくポリエステル基材フィルム部分のみを分離回収できるようになるばかりでなく、従来必須とされたポリエステル基材フィルム上へのシリコーン硬化膜の形成すら不要とすることができる。
【0041】また、セラミックの焼成処理など500℃以上の高温処理が行われない用途、あるいは焼成処理が行われる場合でもシリコーン硬化膜の特性が必要な場合においては、従来の離型フィルムと同様に剥離可能な被覆層面に硬化性シリコーン樹脂膜を形成することもできる。
【0042】この場合は、使用済の離型フィルムからポリエステルのみを分離しようとする際にポリエステルの不純物となっていた種々の表面残差、たとえばセラミック成分や硬化性シリコーン樹脂膜、表面加工残差等は、剥離可能な被覆層ごと剥離除去することによって容易に、かつ完全にポリエステル基材フィルムから除去出来るようになる。
【0043】本発明のポリエステル基材フィルムの厚さは、該被覆層との剥離のし易さから、該被覆層の厚みの好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上である。
【0044】本発明のポリエステル基材フィルムの厚さは特に限定されないが、後の加工工程時のハンドリング性から5〜100μmが好ましい。
【0045】本発明の剥離可能な被覆層からなる層の厚さは、セラミック焼成処理工程時の分解気化のし易さから好ましくは0.01〜5μmであり、より好ましくは0.01〜3μm、更に好ましくは0.01〜1μmである。
【0046】以下、本発明の積層フィルム及び離型フィルムの製造方法の一例について説明する。
【0047】ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に剥離可能な被覆層を積層する方法は特に限定されないが、例えば■ポリエステル原料と被覆層原料を2台の押出機に投入し、溶融して口金から共押出して、そのまま巻き取ったり、または延伸する方法、■単膜で作製したポリエステル基材フィルムに被覆層原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法、■ポリエステル基材フィルムと被覆層をそれぞれ別々に単膜作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法等が挙げられる。
【0048】本発明の効果を得る特に好ましい製造方法は、■の方法である。■の方法について詳しく説明する。
【0049】例えば、上記の剥離可能な被覆層を構成する樹脂(ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする樹脂等)を十分乾燥したもの(ポリオレフィン系樹脂は乾燥しない)と十分に乾燥した上記ポリエステル原料を2台以上の押出機、2層以上のマニホールド、合流ブロックを用いて樹脂の融点以上の温度で、剥離可能な被覆層が最表層になるように積層し、スリット状口金からシート状に溶融押出し、静電印加などの方式によりキャスティングドラムに密着させ冷却固化せしめて未延伸フィルムを得る。変性シリコーン及びワックス(カルナウバワックス)の添加は、ポリエステル原料、及び/または、被覆層原料に変性シリコーン及びワックス(カルナウバワックス)を前記重合法やドライブレンド法による方法により、これらを予め多量に添加したマスター原料を作成して、これらマスター原料を上記押出機に変性シリコーン及びワックス(カルナウバワックス)を添加していないポリエステル原料及び被覆層原料と共に押出機に投入する。
【0050】この未延伸の積層フィルムをそのまま離型フィルムとして用いてもよいがフィルムの平面性や易滑性などの特性面や生産性から、二軸延伸を行うのが好ましい。二軸延伸する方法は如何なる方法であってもよく、インフレーション同時二軸延伸法、ステンター式同時二軸延伸法、ステンター式逐次二軸延伸法等の方法を挙げることができる。ここで同時二軸延伸法とは、リニアモーター式、パンタグラフ式、スクリュウ式等の同時二軸延伸機により、フィルムの両端をクリップで把持しながら長手方向、横方向の延伸を同時に延伸することであり、逐次二軸延伸法とは、周速差のある複数の加熱ロール群からなる通常のロール延伸機で長手方向に延伸し、続いてテンターでフィルムの両端を把持しながら横方向に延伸する方式である。逐次二軸延伸法では、長手方向の延伸と横方向の延伸を前記と逆に行ってもよく、また、長手方向の延伸、幅方向の延伸を複数回数組み合わせてもよい。ここでポリオレフィン系樹脂を被覆層に使用してロール法あるいはテンター法で延伸する場合に、被覆層のポリオレフィン系樹脂層がロールやテンタークリップに粘着する場合には、予め該ポリオレフィン系樹脂層をポリエステル等で被覆しておく方法がある。
【0051】上記延伸法の中で特に好ましい延伸方式は、逐次二軸延伸方式であり、上記未延伸積層フィルムを逐次二軸延伸する場合、長手方向の延伸は、通常用いられるロールを用いて行われるが、予熱、延伸ロールは、セラミック、フッ素樹脂、シリコンなどの非粘着性の材質のロールを用いることが、フィルム表面の平滑性が良好となるので好ましい。
【0052】延伸温度は、ポリエステル基材フィルムを構成する樹脂の熱特性を基本にして適宜選択される。
【0053】たとえば、ポリエステル基材フィルムを構成する樹脂がポリエチレンテレフタレートである場合には、60℃〜160℃の範囲で延伸が可能であり、この範囲の中から被覆層を構成する樹脂の熱特性を鑑みて選択できる。
【0054】たとえば被覆層がポリオレフィン系樹脂の場合は60〜160℃、好ましくは70〜140℃、被覆層がポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂の場合」は70〜140℃、好ましくは70〜120℃、被覆層がポリヒドロキシカルボン酸を主体とした樹脂の場合は50〜120℃、好ましくは60〜100℃で1〜7倍延伸する方法を用いる。なお、延伸は1段でも、2段以上の段階延伸でもかまわない。延伸倍率がこの範囲を外れると、延伸むらや破れ等が発生し良好な特性のフィルムが得られない。
【0055】幅方向の延伸は、公知のテンターを用いて、長手方向と同様の温度範囲から選ばれ、その倍率は2〜8倍延伸することが好ましい。延伸温度、延伸倍率がこの範囲より外れると延伸むらや破れ等が発生し良好な特性のフィルムが得られない。
【0056】また、一旦、二軸延伸したフィルムを少なくとも一方向に延伸しても良い。
【0057】次に、この延伸フィルムを熱処理する。熱処理条件としては、定長下で延伸温度〜ポリエステル樹脂の融点−20℃の範囲で0.5〜30秒間行う。
【0058】本発明の積層フィルムには必要に応じて剥離可能な被覆層に硬化性シリコーンを塗布することができる。
【0059】本発明に用いるシリコーン硬化性樹脂の具体例を挙げると、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、KNS−305、KNS−3000、X−62−1256、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721等が挙げられる。
【0060】本発明において、積層フィルムに硬化性シリコーン樹脂を形成する方法として、バーコート、リバースロールコート、グラビアコート、ロッドコート、エアドクターコート、ドクターブレードコート等、従来より公知の塗工方式を用いることができる。硬化性シリコーン樹脂が形成される厚みは、0.01〜5μmが好ましい。0.01μm未満になると、安全性に欠け、均一な塗膜を得難くなる傾向があり、一方、5μmを超えると、実用面で問題が生じる。
【0061】[特性の評価方法]
1.積層フィルムの剥離力まず厚さ0.5mmの表面の平滑なアルミ板を用意し、積層フィルムの被覆層面をこのアルミ板に両面粘着テープを用いて貼り合わせる。
【0062】これからポリエステル基材フィルムを被覆層との界面で剥離して180度方向に連続的に200mm/minの速度で剥離する時のポリエステル基材フィルムにかかる張力を張力計で測定する。このとき積層フィルムの幅をW(cm)、張力をT(g)とした時剥離力(g/cm)=T/Wの式で求めた。
2.被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステル基材フィルムの剥離性2層積層フィルムの被覆層に下記組成のセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0063】次に、ポリエステル基材フィルムと被覆層付きセラミックグリーンシートの界面で剥離して、その時の状態を目視により、次の2段階に評価した。
被覆層付きセラミックグリーンシートが容易に剥離できた・・・○ポリエステル基材フィルムと被覆層の密着力が強く、セラミックグリーンシートが変形またはヒビが入った。・・・× 《セラミックスラリー組成》
セラミック粉体(チタン酸バリウム) 100部結合剤(ポリビニルブチラール樹脂) 5部可塑剤(フタル酸ジオクチル) 1部トルエン/MEK混合溶媒(1:1の配合比率) 10部【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例で使用した硬化性シリコーン樹脂組成及びセラミックスラリー組成は、以下の通りである。
【0065】
《硬化性シリコーン樹脂組成》
硬化性シリコーン樹脂(信越化学製:KS−779H) 100部硬化剤(信越化学製:CAT−PL−8) 1部MEK・トルエン系 2000部 《セラミックスラリー組成》
セラミック粉体(チタン酸バリウム) 100部結合剤(ポリビニルブチラール樹脂) 5部可塑剤(フタル酸ジオクチル) 1部トルエン/MEK混合溶媒(1:1の配合比率) 10部実施例1(変性シリコーンの添加)EPC原料に変性シリコーンをドライブレンド法により添加した。添加量は、0.15重量%(変性率80%、25℃での粘度1800センチストークス)とした。
(積層フィルムの製造)固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートバージン原料(以下、v−PET)のペレットを180℃で3時間真空乾燥し押出機1に、また未乾燥のエチレン(5.5重量%)−プロピレン(94.5重量%)共重合体(以下、EPC)を押出機2にそれぞれ供給して加熱溶融し、平均濾過精度10μmの不織布型焼結フィルターで濾過しつつ3層のマニホールドを通過させた後にT型口金から押し出し、直径600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ約900μmのPET/EPC/PETの3層の未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に供給して予熱し、温度90℃の周速の異なるロール間で長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、熱風温度95℃で加熱しつつ幅方向に3.5倍延伸し、さらにテンター内で220℃で熱処理して、厚さ77μm(v−PET38μm/EPC1μm/v−PET38μm)の2軸延伸3層積層フィルムを作製した。
【0066】続いてこの3層の積層フィルムの一方のPET層を剥離して、v−PET38μm/EPC1μmの2層からなる本発明の積層フィルム1を得た。
【0067】こうして得られた2層積層フィルムのポリエステル基材フィルム(v−PET層)と被覆層(EPC層)との剥離力は0.5g/cmであった。
(離型フィルムとしての使用)得られた積層フィルム1の、被覆層(EPC層)面に上記組成からなるセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0068】次に、PET層とEPC層ともその界面で剥離して、被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステル基材フィルムに分離した。被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステル基材フィルムの剥離性は良好であった。
(回収性の評価)剥離したポリエステルフィルムを細かく粉砕したのち、180℃で3時間真空乾燥しペレタイザによって回収ポリエチレンテレフタレート(以下、r−PET)のペレットを作成した。
【0069】v−PETペレットに代えて、r−PETを用いたこと以外、上述した積層フィルム1と同様の方法で、積層フィルムを製膜したところ、v−PETペレットを用いたときと同様にして、積層フィルムを得ることができた。
【0070】実施例2(変性シリコーンの添加)PPS原料に変性シリコーンをドライブレンド法により添加した。添加量は、0.15重量%(変性率80%、25℃での粘度1800センチストークス)とした。
(積層フィルムの製造)固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートバージン原料(以下、v−PET)のペレットを180℃で3時間真空乾燥し押出機1に、また180℃で3時間真空乾燥したポリフェニレンサルファイドペレット(以下、PPS)を押出機2にそれぞれ供給して加熱溶融し、平均濾過精度10μmの不織布型焼結フィルターで濾過しつつ2層のマニホールドを通過させた後にT型口金から押し出し、直径600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ約460μmのPET/PPSの2層の未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に供給して予熱し、温度95℃の周速の異なるロール間で長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、熱風温度95℃で加熱しつつ幅方向に3.5倍延伸し、さらにテンター内で230℃で熱処理して、厚さ38.7μm(v−PET38μm/PPS0.7μm)の2軸延伸2層積層フィルムを作製した。
【0071】こうして得られた2層積層フィルムのポリエステル基材フィルム(v−PET層)と被覆層(PPS層)との剥離力は0.7g/cmであった。
(離型フィルムとしての使用)得られた積層フィルム1の、被覆層(PPS層)面に上記組成からなる硬化性シリコーン樹脂膜を形成した。
【0072】その樹脂膜面に上記組成のセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0073】この時、セラミックグリーンシート面にセロハンテープを貼り付けて、セラミックグリーンシートの接着力を確認したところ、セラミックグリーンシートはセロハンテープによる剥離により硬化性シリコーン樹脂膜から容易に剥離することができた。
(回収性の評価)セラミックグリーンシートを除去した硬化性シリコーン樹脂層/PPS層/PET層の積層フィルムを巻出機にセットし、PET層とPPS層の界面で剥離してきっかけをつくり、続いて2軸の巻取機でPET層と硬化性シリコーン層/PPS層を別々に巻き取った。
【0074】剥離したPET層を細かく粉砕したのち、180℃で3時間真空乾燥しペレタイザによって回収ポリエチレンテレフタレート(以下、r−PET)のペレットを作成した。
【0075】v−PETペレットに代えて、r−PETを用いたこと以外、上述した積層フィルム1と同様の方法で、積層フィルムを製膜したところ、v−PETペレットを用いたときと同様にして、積層フィルムを得ることができた。
【0076】実施例3(変性シリコーンの添加)ナイロン6原料に変性シリコーンをドライブレンド法により添加した。添加量は、0.15重量%(変性率80%、25℃での粘度1800センチストークス)とした。
(積層フィルムの製造)固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートバージン原料(以下、v−PET)のペレットを180℃で3時間真空乾燥し押出機1に、また150℃で3時間真空乾燥したナイロン6(以下、N6)を押出機2にそれぞれ供給して加熱溶融し、平均濾過精度10μmの不織布型焼結フィルターで濾過しつつ2層のマニホールドを通過させた後にT型口金から押し出し、直径600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ約460μmのPET/N6の2層の未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に供給して予熱し、温度90℃の周速の異なるロール間で長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、熱風温度95℃で加熱しつつ幅方向に3.5倍延伸し、さらにテンター内で230℃で熱処理して、厚さ40μm(v−PET層38μm/N6層2μm)の2軸延伸2層積層フィルムを作製した。
【0077】こうして得られた2層積層フィルムのポリエステル基材フィルム(v−PET層)と被覆層(N6層)との剥離力は0.3g/cmであった。
(離型フィルムとしての使用)得られた積層フィルム1の、被覆層(N6層)面に硬化性シリコーン樹脂膜を形成した。
【0078】その樹脂膜面に上記組成のセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0079】この時、セラミックグリーンシート面にセロハンテープを貼り付けて、セラミックグリーンシートの接着力を確認したところ、セラミックグリーンシートはセロハンテープによる剥離により硬化性シリコーン樹脂層から容易に剥離することができた。
(回収性の評価)セラミックグリーンシートを除去した硬化性シリコーン樹脂層/N6層/PET層の積層フィルムを巻出機にセットし、PET層とN6層の界面で剥離してきっかけをつくり、続いて2軸の巻出機でPET層と硬化性シリコーン層/N6層を別々に巻き取った。
【0080】剥離したPET層を細かく粉砕したのち、180℃で3時間真空乾燥しペレタイザによって回収ポリエチレンテレフタレート(以下、r−PET)のペレットを作成した。
【0081】v−PETペレットに代えて、r−PETを用いたこと以外、上述した積層フィルム1と同様の方法で、積層フィルムを製膜したところ、v−PETペレットを用いたときと同様にして、積層フィルムを得ることができた。
【0082】硬化性シリコーン層/N6層は、回収できないので廃棄したが、廃棄物量は、離型フィルム1000mあたり約2.4kgで済んだ。
実施例4(変性シリコーンの添加)PLA原料に変性シリコーンをドライブレンド法により添加した。添加量は、0.15重量%(変性率80%、25℃での粘度1800センチストークス)とした。
(積層フィルムの製造)固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートバージン原料(以下、v−PET)のペレットを180℃で3時間真空乾燥し押出機1に、また120℃で3時間真空乾燥したポリヒドロキシカルボン酸を主成分とする樹脂ペレット(以下、PLA)を押出機2にそれぞれ供給して加熱溶融し、平均濾過精度10μmの不織布型焼結フィルターで濾過しつつ2層のマニホールドを通過させた後にT型口金から押し出し、直径600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ約440μmのPET/PLAの2層の未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に供給して予熱し、温度87℃の周速の異なるロール間で長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、熱風温度90℃で加熱しつつ幅方向に3.3倍延伸し、さらにテンター内で230℃で熱処理して、厚さ40μm(v−PET38μm/PLA2μm)の2軸延伸2層積層フィルムを作製した。
【0083】こうして得られた2層積層フィルムのポリエステルフィルム(v−PET層)と被覆層(PLA層)との剥離力は0.5g/cmであった。
(離型フィルムとしての使用)得られた積層フィルム1の、被覆層(PLA層)面に上記組成からなるセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0084】次に、PET層とPLA層とその界面で剥離して、被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステルフィルムに分離した。被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステル基材フィルムの剥離性はいずれの場合も良好であった。
(回収性の評価)剥離したポリエステルフィルムを細かく粉砕したのち、180℃で3時間真空乾燥しペレタイザによって回収ポリエチレンテレフタレート(以下、r−PET)のペレットを作成した。
【0085】v−PETペレットに代えて、r−PETを用いたこと以外、上述した積層フィルム1と同様の方法で、積層フィルムを製膜したところ、v−PETペレットを用いたときと同様にして、積層フィルムを得ることができた。
【0086】実施例5(カルナウバワックスの添加)PLA原料にカルナウバワックスをドライブレンド法により添加した。添加量は、0.5重量%とした。
(積層フィルムの製造)固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートバージン原料(以下、v−PET)のペレットを180℃で3時間真空乾燥し押出機1に、また120℃で3時間真空乾燥したポリヒドロキシカルボン酸を主成分とする樹脂ペレット(以下、PLA)を押出機2にそれぞれ供給して加熱溶融し、平均濾過精度10μmの不織布型焼結フィルターで濾過しつつ2層のマニホールドを通過させた後にT型口金から押し出し、直径600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ約440μmのPET/PLAの2層の未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に供給して予熱し、温度87℃の周速の異なるロール間で長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、熱風温度90℃で加熱しつつ幅方向に3.3倍延伸し、さらにテンター内で230℃で熱処理して、厚さ40μm(v−PET38μm/PLA2μm)の2軸延伸2層積層フィルムを作製した。
【0087】こうして得られた2層積層フィルムのポリエステルフィルム(v−PET層)と被覆層(PLA層)との剥離力は0.4g/cmであった。
(離型フィルムとしての使用)得られた積層フィルム1の、被覆層(PLA層)面に上記組成からなるセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0088】次に、PET層とPLA層とその界面で剥離して、被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステルフィルムに分離した。被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステル基材フィルムの剥離性はいずれの場合も良好であった。
(回収性の評価)剥離したポリエステルフィルムを細かく粉砕したのち、180℃で3時間真空乾燥しペレタイザによって回収ポリエチレンテレフタレート(以下、r−PET)のペレットを作成した。
【0089】v−PETペレットに代えて、r−PETを用いたこと以外、上述した積層フィルム1と同様の方法で、積層フィルムを製膜したところ、v−PETペレットを用いたときと同様にして、積層フィルムを得ることができた。
【0090】実施例6(変性シリコーン+カルナウバワックスの添加)PLA原料に変性シリコーン及びカルナウバワックスをドライブレンド法により添加した。添加量は、変性シリコーンが0.15重量%(変性率80%、25℃での粘度1800センチストーク)、カルナウバワックスが、0.5重量%とした。
(積層フィルムの製造)固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートバージン原料(以下、v−PET)のペレットを180℃で3時間真空乾燥し押出機1に、また120℃で3時間真空乾燥したポリヒドロキシカルボン酸を主成分とする樹脂ペレット(以下、PLA)を押出機2にそれぞれ供給して加熱溶融し、平均濾過精度10μmの不織布型焼結フィルターで濾過しつつ2層のマニホールドを通過させた後にT型口金から押し出し、直径600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ約440μmのPET/PLAの2層の未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に供給して予熱し、温度87℃の周速の異なるロール間で長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、熱風温度90℃で加熱しつつ幅方向に3.3倍延伸し、さらにテンター内で230℃で熱処理して、厚さ40μm(v−PET38μm/PLA2μm)の2軸延伸2層積層フィルムを作製した。
【0091】こうして得られた2層積層フィルムのポリエステルフィルム(v−PET層)と被覆層(PLA層)との剥離力は0.3g/cmであった。
(離型フィルムとしての使用)得られた積層フィルム1の、被覆層(PLA層)面に上記組成からなるセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0092】次に、PET層とPLA層とその界面で剥離して、被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステルフィルムに分離した。被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステル基材フィルムの剥離性はいずれの場合も良好であった。
(回収性の評価)剥離したポリエステルフィルムを細かく粉砕したのち、180℃で3時間真空乾燥しペレタイザによって回収ポリエチレンテレフタレート(以下、r−PET)のペレットを作成した。
【0093】v−PETペレットに代えて、r−PETを用いたこと以外、上述した積層フィルム1と同様の方法で、積層フィルムを製膜したところ、v−PETペレットを用いたときと同様にして、積層フィルムを得ることができた。
【0094】比較例1(フィルムの製造)固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートバージン原料(以下、PET)のペレットを180℃で3時間真空乾燥し1台の押出機に供給し、平均濾過精度10μmの不織布型焼結フィルターで濾過しつつマニホールドを通過させた後にT型口金から押し出し、直径600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ約440μmのPETの未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に供給して予熱し、温度95℃の周速の異なるロール間で長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、熱風温度95℃で加熱しつつ幅方向に3.3倍延伸し、さらにテンター内で230℃で熱処理して、厚さ40μmの2軸延伸フィルムを作製した。
(離型フィルムとしての使用)得られたPETフィルムの片面に上記組成からなる硬化性シリコーン樹脂膜を形成した。
【0095】その樹脂膜面に上記組成のセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0096】この時、セラミックグリーンシート面にセロハンテープを貼り付けて、セラミックグリーンシートの接着力を確認したところ、セラミックグリーンシートはセロハンテープによる剥離によりPET層から容易に剥離することができた。
(回収性の評価)硬化性シリコーン樹脂膜が形成されたままのPETフィルムを細かく粉砕したのち、180℃で3時間真空乾燥しペレタイザによって回収PETのペレットを作成した。
【0097】PETペレットに代えて、回収PETを用いたこと以外、上述したPETフィルムと同様の方法で、製膜したところ、溶融状態で濾過装置で目詰まりが発生し、未延伸フィルムの作製もできなかった。更にT型口金より吐出した少量の溶融ポリマーは黄色く着色していた。その結果、廃棄物量は離型フィルム1000mあたり約60kgとなった。
【0098】比較例2(フィルムの製造)固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートバージン原料(以下、PET)のペレットを180℃で3時間真空乾燥し1台の押出機に供給し、平均濾過精度10μmの不織布型焼結フィルターで濾過しつつマニホールドを通過させた後にT型口金から押し出し、直径600mmの冷却ドラム上にキャストして厚さ約440μmのPETの未延伸フィルムを作製した。得られた未延伸フィルムを加熱ロール群に供給して予熱し、温度95℃の周速の異なるロール間で長さ方向に3.3倍延伸した後、一旦室温まで冷却した。続いて、該延伸フィルムをテンター式延伸機に導き、熱風温度95℃で加熱しつつ幅方向に3.3倍延伸し、さらにテンター内で230℃で熱処理して、厚さ40μmの2軸延伸フィルムを作製した。
(離型フィルムとしての使用)得られたPETフィルムの片面に上記組成のセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0099】この時、セラミックグリーンシート面にセロハンテープを貼り付けて、セラミックグリーンシートの接着力を確認したところ、セラミックグリーンシートが部分的に破断してPET層から剥離できなかった。
(回収性の評価)セラミックグリーンシートが剥離できなかったので回収性の評価を断念した。
【0100】比較例3実施例4において、被覆層に変性シリコーンやカルナウバワックスを添加せずに同様にして、厚さ38.5μm(v−PET38μm/PLA0.5μm)の2軸延伸2層積層フィルムを作製した。
【0101】こうして得られた2層積層フィルムのポリエステル基材フィルム(v−PET層)と被覆層(PLA層)との剥離力は70g/cmであった。
(離型フィルムとしての使用)得られた積層フィルム1の、被覆層(PLA層)面に上記組成からなるセラミックスラリーを塗布し、乾燥して厚さ10μmのセラミックグリーンシートを形成した。
【0102】次に、被覆層付きセラミックグリーンシートとポリエステル基材フィルムの剥離したところ、部分的に剥離は出来たもののセラミックグリーンシートに多数の亀裂が入っていた。
【0103】
【表1】

【0104】
【発明の効果】ポリエステル基材フィルムの少なくとも片面に剥離可能な被覆層を形成された積層フィルムにおいて、該ポリエステル基材フィルム及び/または被覆層に変性シリコーン、ワックスを添加することにより、該積層フィルム表面上に、セラミックグリーンシートの成形や硬化性シリコーン被膜形成などの、いかなる表面処理、表面加工がなされた後においても、機械的な操作で容易にポリエステル基材フィルムと被覆層の界面で剥離することが出来るために、高純度のポリエステルのみを含むポリエステル基材フィルム部分のみを容易に分離回収することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
【出願日】 平成13年6月27日(2001.6.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−1777(P2003−1777A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−194160(P2001−194160)