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剛性に優れた金属積層板および前記積層板を用いて組み立てられた筐体 - 特開2003−1755 | j-tokkyo
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【発明の名称】 剛性に優れた金属積層板および前記積層板を用いて組み立てられた筐体
【発明者】 【氏名】佐藤 隆宏
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内

【氏名】前園 利樹
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内

【氏名】桑原 秀樹
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内

【氏名】難波江 元広
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内

【要約】 【課題】剛性が高く、筐体に組み立てたときに変形し難い金属積層板を提供する。

【解決手段】厚さの異なる2枚の金属板1、2の間に樹脂層3を挟み接合した金属積層板であって、金属板1、2の縦弾性係数が50kN/mm2 以上、金属板1、2と樹脂層3の剥離強度が500N/m以上の金属積層板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 厚さの異なる2枚の金属板の間に樹脂層を挟み接合した金属積層板であって、前記金属板の縦弾性係数が50kN/mm2 以上、前記金属板と樹脂層の剥離強度が500N/m以上であることを特徴とする剛性に優れた金属積層板。
【請求項2】請求項1記載の金属積層板を用いて組み立てられていることを特徴とする筐体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピューター、家電、自動車部品などに用いられる筐体に適した、剛性が高く、筐体に組み立てたとき変形し難い金属積層板、および前記金属積層板を用いて組み立てられた筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電や電子機器などには、小型化を目的に集積回路が多用されるようになり、それに伴って集積回路を冷却するファンの騒音が問題になっている。また自動車部品用筐体には騒音防止の他、エンジンによる振動を抑制することが求められている。このようなことから、家電や電子機器用筐体、自動車部品用筐体などには、騒音や振動を吸収する樹脂層を2枚の金属板間に挟み接合した金属積層板の使用が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の金属積層板は、同じ厚さの金属板と較べると剛性が低いため、筐体に組み立てたときに僅かな外力で大きく変形してしまうという問題があった。そこで、本発明者等は、金属積層板の剛性について検討し、金属積層板の剛性は樹脂層を挟む2枚の金属板の厚さ比、金属板と樹脂層の剥離強度などに強く依存することを知見し、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。本発明の目的は、剛性が高く、筐体に組み立てたときに変形し難い金属積層板および前記金属積層板を用いた筐体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、厚さの異なる2枚の金属板の間に樹脂層を挟み接合した金属積層板であって、前記金属板の縦弾性係数が50kN/mm2 以上、前記金属板と樹脂層の剥離強度が500N/m以上であることを特徴とする剛性に優れた金属積層板である。
【0005】請求項2記載の発明は、請求項1記載の金属積層板を用いて組み立てられていることを特徴とする筐体である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の金属積層板は、図1に示すように、厚い金属板1と薄い金属板2の間に樹脂層3を挟み接合したものである。本発明において、2枚の金属板1、2の厚さを異ならせる理由は、2枚の金属板1、2の合計厚さを同じとした場合、2枚の金属板の厚さが同じ場合より異なる方が金属積層板の剛性が大きくなるためである。金属板の厚さ(a、b、但しa>b)の比(a/b)が、3.0以上において剛性がより大きくなる。
【0007】本発明において、前記金属板には縦弾性係数が50kN/mm2 以上の任意の金属板が使用できる。前記金属板の縦弾性係数(ヤング率)を50kN/mm2以上、前記金属板と樹脂層との剥離強度を500N/m以上に規定する理由は、縦弾性係数が50kN/mm2 未満でもまた剥離強度が500N/m未満でも、金属積層板の剛性が低下し、金属積層板を家電や電子機器用筐体、自動車部品用筐体などに組み立てたとき、金属積層板が変形してしまうためである。金属板と樹脂層の剥離強度が低いと、金属積層板の剛性は、厚い金属板の剛性に近づき、剥離強度が高いと2枚の金属板の合計の剛性を上回るようになる。
【0008】本発明では、金属板に化成皮膜を設けて密着性や耐食性を高め、塗装皮膜を設けて成形性やハンドリング性を高め、または陽極酸化処理を施して意匠性や耐食性を高めることが推奨される。前記化成皮膜にCr、Ti、Zrなどの粉体を分散させておくと密着性や耐食性がより向上する。
【0009】本発明において、樹脂層には任意の有機樹脂が使用できるが、特にはポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、合成ゴム、天然ゴムなどが好適である。
【0010】本発明において、金属板と樹脂層との接合には任意の方法が適用できるが、ポリエステル、ポリオレフィンなどの樹脂フィルムを介在させて熱圧着する方法、ダイコート法などが推奨される。
【0011】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)厚さの異なる2枚の金属板間に1枚の樹脂板をポリエステルフィルムを介在させて挟み、3者を熱圧着して金属積層板を製造した。金属板にはJIS5182−O材、SUS304材または鋼材を用いた。樹脂層にはアクリル樹脂またはポリエステル樹脂を用いた。
【0012】(実施例2)金属板に、リン酸クロメート処理を施したJIS5182−O材を用いた他は、実施例1と同じ方法により金属積層板を製造した。
【0013】(実施例3)金属板に、リン酸クロメート処理と塗装処理をこの順に施したJIS5182−O材を用いた他は、実施例1と同じ方法により金属積層板を製造した。
【0014】(実施例4)厚さの異なる2枚の金属板間に1枚の樹脂板を接着剤を用いて接着して金属積層板を製造した。金属板には、Al板(JIS5182−O材)、リン酸クロメート処理を施したAl板およびリン酸クロメート処理と塗装処理をこの順に施したAl板を用いた。樹脂層にはアクリル樹脂を用いた。接着剤には接着強度の異なる種々の接着剤を用いた。
【0015】(比較例1)金属板に、Mg板を用いた他は、実施例1と同じ方法により金属積層板を製造した。
【0016】(比較例2)実施例2において、2枚の金属板の厚さを同じ(0.4mm)にした他は、実施例2と同じ方法により金属積層板を製造した。
【0017】(比較例3)厚さ0.82mmのアルミニウム合金板(JIS5182−O材)を製造した。
【0018】実施例1〜4および比較例1〜3で得られた各々の金属積層板またはアルミニウム合金板について、遮音性および剛性を調べた。遮音性は、前記各々の金属積層板を用いて筐体(300×400×30mm)を組み立て、筐体内でモーターを回転させてその回転音を筐体外部で測定した。80dB以下を合格とした。剛性は、図2に示すように、筐体4の天板5中央部分に重さ5kgfの下端が円錐状の円柱体6を載せ、そのときの天板5の撓み量h(mm)を測定した。撓み量hが1.6mm以下を合格とした。結果を表1に示す。表1には、金属板の種類、厚さ、表面処理状態、縦弾性係数、樹脂層の厚さ、金属板と樹脂板の剥離強度などを併記した。
【0019】
【表1】

【0020】表1から明らかなように、実施例1〜4(本発明例)のNo.1〜11は、いずれも遮音性および剛性に優れた。特に、金属板の厚さの比(a/b)が3.0以上でかつ剥離強度が1000N/m以上のもの(No.1〜5、7、8、11)は剛性が高かった。これに対し、比較例のNo.12はMgの縦弾性係数が小さいため、No.13は2枚の金属板の厚さが同じため、いずれも剛性が劣り、No.14はアルミニウム合金板(単体)のため遮音性が劣った。本発明の金属積層板を用いて自動車部品用筐体を組み立てたが、金属積層板は変形し難く、筐体は形状が良好に保持された。また前記筐体を搭載した自動車を運転し、前記筐体の遮音性および制振性が確認された。また化成皮膜を設けた金属積層板(No.4、10)は密着性と耐食性が特に優れ、化成皮膜上に塗装を施した金属積層板(No.5〜8、11)は密着性、耐食性、成形性、ハンドリング性が特に優れた。
【0021】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の金属積層板は、樹脂層を挟む2枚の金属板の厚さが異なり、前記金属板の縦弾性係数が50kN/mm2 以上と高く、前記金属板と樹脂層の剥離強度が500N/m以上と高いため、剛性が高い。従って前記金属積層板を用いて組み立てた筐体は変形し難く、形状が良好に保持される。また遮音性や制振性にも優れる。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目6番1号
【出願日】 平成13年6月25日(2001.6.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−1755(P2003−1755A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−192039(P2001−192039)