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【発明の名称】 積層板の製造装置
【発明者】 【氏名】前原 光雄
【住所又は居所】愛知県豊橋市三弥町字元屋敷150 神鋼電機株式会社豊橋事業所内

【氏名】中野 克彦
【住所又は居所】愛知県豊橋市三弥町字元屋敷150 神鋼電機株式会社豊橋事業所内

【氏名】森 敏則
【住所又は居所】愛知県豊橋市三弥町字元屋敷150 神鋼電機株式会社豊橋事業所内

【要約】 【課題】積層工程に要する時間の短縮と平面積の縮小とを同時に実現する。

【解決手段】位置A、B間をそれぞれ往復する搬送テーブル11、12を設ける。位置Aにある搬送テーブル11に2連ホイスト32で裏銅箔41およびSUS(鏡面板)42を載置してから、搬送テーブル11、12の位置を入れ替え、3連ホイスト34を用いて位置Bで搬送テーブル11に表銅箔43を載置する。位置Bの搬送テーブル11で重ね合わされた積層物45は、ビルトアップ部19に移送されてプリプレグ44と重ね合わされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁性板状部材の両面に銅箔が貼り合わされた積層板の製造装置において、2つのテーブルと、2つの前記テーブルのそれぞれが第1の位置および第2の位置を交互に取るように2つの前記テーブルを駆動する駆動装置と、前記第1の位置にある前記テーブル上に第1の銅箔を配置するための第1の移送装置と、前記第1の位置にある前記テーブル上に配置された第1の銅箔上に鏡面板を配置するための第2の移送装置と、前記第2の位置にある前記テーブル上に配置された前記鏡面板上に第2の銅箔を配置するための第3の移送装置と、前記第2の位置にある前記テーブル上に配置された第1の銅箔、鏡面板および第2の銅箔の積層物を、この積層物と絶縁性板状部材になるプリプレグとの重ね合わせを行うための第3の位置に移動させる第4の移送装置と、前記第3の位置にある前記積層物上に前記プリプレグを配置するための第5の移送装置とを備えていることを特徴とする積層板の製造装置。
【請求項2】 前記第1の移送装置および前記第2の移送装置が2連ホイストによって構成されており、前記第3の移送装置、前記第4の移送装置および前記第5の移送装置が3連ホイストによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層板の製造装置。
【請求項3】 前記駆動装置は、環状ベルトと、前記環状ベルトを回転させるモータと、前記環状ベルトに支持されておりかつ前記テーブルの昇降装置を有する第1および第2のテーブル保持部とを備えており、前記第1のテーブル保持部と前記第2のテーブル保持部とが互いに対向する位置において前記環状ベルトに支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の積層板の製造装置。
【請求項4】 前記積層板がプリント基板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層板の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性板状部材の両面に銅箔が貼り合わされた積層板の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の需要拡大に伴って、樹脂板などの絶縁性板状部材の両面に銅箔が貼り合わされたプリント回路用基板の需要が急速に拡大している。通常、プリント基板は、紙やガラス繊維などの基体にフェノール樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂ワニスを含浸させた後に乾燥させてプリプレグとし、これを銅箔で挟み込んだものをステンレス板などの鏡面板(銅箔同士が過度に密着するのを防止するために用いられる)の間に配置してから多段の積層プレスによって加熱加圧成形することにより得られる。この成形によってプリプレグは硬化して絶縁性板状部材となる。また、鏡面板は、加熱加圧成形が行われた後、次なる加熱加圧成形を行うために回収される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなプリント基板の製造技術では、プリプレグと銅箔と鏡面板とを積層する工程に比較的長時間を要するため、プリント基板の製造に要する時間を全体として短縮することが難しい。そこで、上記積層工程に要する時間を短縮して効率よくプリント基板を製造することができるようにする技術が考えられている(特開平8−58053号公報)。この公報に記載されたプリント基板の製造装置について、図7を参照して説明する。
【0004】図7に示すように、この装置100は、それぞれが2つの位置A、Bの間で往復運動を行う2台の搬送テーブル101、102(図7は、搬送テーブル101が位置Aにあり、搬送テーブル102が位置Bにある状態を示している)を有している。位置Aにある搬送テーブル101、102には、銅箔(光沢のある面が上面となるように配置された銅箔。以下「表銅箔」という)の配置部104から1枚の表銅箔が供給される。この表銅箔は搬送テーブル101、102に載せられた状態で位置Aから位置Bへと移動する。また、位置Bに隣接した位置には、銅箔(光沢のある面が下面となるように配置された銅箔。以下「裏銅箔」という)と鏡面板(以下、「SUS」という)とを重ね合わせるための重ね合わせ部105が設けられている。重ね合わせ部105には、SUSの配置部108および裏銅箔の配置部106からSUSおよび裏銅箔がそれぞれこの順番で供給される。重ね合わせ部105で重ね合わされたSUSおよび裏銅箔は、位置Bにある搬送テーブル101、102上に配置された表銅箔上に配置させられる。これによって、位置Bには、下から表銅箔、SUSおよび裏銅箔が積み重なった積層物が形成される。この積層物は、ビルトアップ部109へと搬送される。ビルトアップ部109に配置された積層物上には、プリプレグの配置部110からプリプレグが供給される。このような作業が繰り返し行われることによって、ビルトアップ部109には、プリプレグを銅箔で挟み込んだものがSUSを介して積層される。
【0005】上記公報のプリント基板の製造装置100は、2つの位置A、Bの間で往復運動を行う2台の搬送テーブル101、102を有しているために、積層物の重ね合わせ工程が合理化されて積層工程に要する時間の短縮が可能となっている。しかしながら、上記公報のプリント基板の製造装置100は、2つの位置A、Bの間で往復運動を行う2台の搬送テーブル101、102を有しているために、装置全体としての平面積が大きくなってしまうという問題がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、積層工程に要する時間の短縮が可能であると共に、平面積が比較的小さい積層板の製造装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の積層板の製造装置は、絶縁性板状部材の両面に銅箔が貼り合わされた積層板の製造装置において、2つのテーブルと、2つの前記テーブルのそれぞれが第1の位置および第2の位置を交互に取るように2つの前記テーブルを駆動する駆動装置と、前記第1の位置にある前記テーブル上に第1の銅箔を配置するための第1の移送装置と、前記第1の位置にある前記テーブル上に配置された第1の銅箔上に鏡面板を配置するための第2の移送装置と、前記第2の位置にある前記テーブル上に配置された前記鏡面板上に第2の銅箔を配置するための第3の移送装置と、前記第2の位置にある前記テーブル上に配置された第1の銅箔、鏡面板および第2の銅箔の積層物を、この積層物と絶縁性板状部材になるプリプレグとの重ね合わせを行うための第3の位置に移動させる第4の移送装置と、前記第3の位置にある前記積層物上に前記プリプレグを配置するための第5の移送装置とを備えていることを特徴としている。
【0008】請求項1によると、2つのテーブルのそれぞれが第1の位置および第2の位置を交互に取るように駆動装置によって駆動され、第1の位置において鏡面板と第1の銅箔とが重ね合わされたテーブルが第2の位置へと移動する。従って、第1の位置での鏡面板と第1の銅箔との重ね合わせと、この重ね合わされたもの上への第2の位置での第2の銅箔の重ね合わせとを独立して同時進行で行うことが可能となって積層物の重ね合わせ工程が合理化されるため、積層物の積層工程に要する時間が比較的短いものとなる。
【0009】また、第1の位置にあるテーブル上で第1の銅箔と鏡面板とが重ね合わされるので、予め第1の銅箔と鏡面板とを重ねておく場所が不要になり、その場所の分だけ平面積を小さくすることが可能となる。さらに、第1の位置にあるテーブル上で第1の銅箔と鏡面板とが重ね合わせるようにしたので、第1の銅箔と鏡面板とを別の場所で重ねてテーブル上に配置する場合に必要となる第1の銅箔と鏡面板とが重ね合わせられたものを移送する機構が不要になり、装置構成を簡略化することが可能となる。
【0010】請求項2の積層板の製造装置は、前記第1の移送装置および前記第2の移送装置が2連ホイストによって構成されており、前記第3の移送装置、前記第4の移送装置および前記第5の移送装置が3連ホイストによって構成されていることを特徴としている。
【0011】請求項2によると、2連および3連ホイストを用いることにより、第1の銅箔、鏡面板、第2の銅箔およびこれらの積層物を迅速かつ正確に搬送することが可能となる。
【0012】請求項3の積層板の製造装置は、前記駆動装置が、環状ベルトと、前記環状ベルトを回転させるモータと、前記環状ベルトに支持されておりかつ前記テーブルの昇降装置を有する第1および第2のテーブル保持部とを備えており、前記第1のテーブル保持部と前記第2のテーブル保持部とが互いに対向する位置において前記環状ベルトに支持されていることを特徴としている。
【0013】請求項3によると、上側および下側でそれぞれテーブル保持部を支持した環状ベルトに沿ってテーブルを安定して移動させることができ、テーブル上での銅箔などのずれが起こりにくい。
【0014】また、請求項4の積層板の製造装置は、前記積層板がプリント基板であることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】図1は、本実施の形態によるプリント基板の製造装置1の模式図である。図1に示すように、この装置1は、以下に説明するように、それぞれが2つの位置A、B(高さを含む)の間でシャトルコンベア式に往復運動を行う2台の搬送テーブル11、12(図1は、搬送テーブル11が位置Aにあり、搬送テーブル12が位置Bにある状態を示している)を有している。
【0017】図2に示すように、2台の搬送テーブル11、12は、それぞれテーブル保持ユニット21、22に保持されている。各テーブル保持ユニット21、22の下方には、上下2段になって水平に延在するように両端がローラ25、26に架け渡された環状ベルト24が配置されている。テーブル保持ユニット21は、その下端部において環状ベルト24の下段側に支持されており、テーブル保持ユニット22は、その下端部において環状ベルト24の上段側であってテーブル保持ユニット21と対向する位置に支持されている。ローラ25はモータ27によって回転駆動される。ローラ25が回転すると環状ベルト24も同じ方向に回転し、これに伴ってテーブル保持ユニット21、22は互いに近づくように或いは互いに離れるように移動する。
【0018】各テーブル保持ユニット21、22の上端部には、上下方向に伸縮可能な3本の昇降ロッド28a、28b、28c(各ロッドは、図示しない昇降シリンダによって支持されている)が設けられている。また、各搬送テーブル11、12には、一対のクランプシリンダ30a、30bが取り付けられている。クランプシリンダ30a、30bは、ほぼL字型のクランプロッド29a、29bをそれぞれ支持しており、搬送中においてテーブル11、12上に載置された銅箔などを固定するためにクランプロッド29a、29bを上下に駆動する。
【0019】このように、本実施の形態によるプリント基板の製造装置1では、テーブル保持ユニット21、22と環状ベルト24とモータ27とによって搬送テーブル11、12が水平方向に移動可能となっており、さらに、昇降ロッド28a、28b、28cによって搬送テーブル11、12が上下方向に移動可能となっている。従って、搬送テーブル11、12どうしが互いに衝突しないように水平方向の移動と上下方向の移動とを制御することにより、各搬送テーブル11、12に、位置Aと位置Bとの間を行き来させることができるようになっている。
【0020】図1に示すように、位置Aの両隣には、裏銅箔の配置部16およびSUSの配置部18が設けられている。配置部16、18には、隣接した裏銅箔またはSUSの積層部(図示せず)から1枚の裏銅箔またはSUSがそれぞれ供給される。図3に示すように、配置部16、位置Aおよび配置部18の上方には、2連ホイスト32が配置されている。2連ホイスト32は、銅箔またはSUSを着脱可能に保持することができる2つのホイスト32a、32bを有している。2連ホイスト32は、2つのホイスト32a、32bがそれぞれ配置部16および位置Aの上方にある左端位置と、2つのホイスト32a、32bがそれぞれ位置Aおよび配置部18の上方にある右端位置との間を往復することができる。
【0021】従って、2連ホイスト32が右端位置にあるときに、ホイスト32aに保持されていた裏銅箔を位置Aで解放し同時にホイスト32bで配置部18にあるSUSを保持し、2連ホイスト32が左端位置にあるときに、ホイスト32aで配置部16にある裏銅箔を保持し同時にホイスト32bに保持されていたSUSを位置Aで解放するという動作を繰り返しつつ、位置Aにある搬送テーブル11または12上に1枚の裏銅箔と1枚のSUSとが重ね合わせられるごとにモータ27を駆動して位置Aにある搬送テーブル11、12を入れ替えることで、下から裏銅箔およびSUSが重ね合わせられた裏銅箔−SUSの対を搬送テーブル11、12上に載置して、順次、位置Bへと送り込むことができる。
【0022】一方、位置Bの両隣には、表銅箔の配置部14およびビルトアップ部19が設けられている。ビルトアップ部19に対して位置Bの反対側には、プリプレグの配置部20が設けられている。配置部14、20には、隣接した表銅箔またはプリプレグの積層部(図示せず)から1枚の表銅箔またはプリプレグがそれぞれ供給される。図4に示すように、配置部14、位置B、ビルトアップ部19および配置部20の上方には、3連ホイスト34が配置されている。3連ホイスト34は、銅箔やSUS、これらの積層物(下から裏銅箔、SUSおよび表銅箔が積み重ねられたもの。以下、本実施の形態において同様)、プリプレグを着脱可能に保持することができる3つのホイスト34a、34b、34cを有している。3連ホイスト34は、3つのホイスト34a、34b、34cがそれぞれ配置部14、位置Bおよびビルトアップ部19の上方にある左端位置と、3つのホイスト34a、34b、34cが位置B、ビルトアップ部19および配置部20の上方にある右端位置との間を往復することができる。
【0023】従って、3連ホイスト34が右端位置にあるときに、ホイスト34aに保持されていた表銅箔を位置Bで解放(これによって、位置Bにある搬送テーブル11または12上に積層物が形成される)し同時にホイスト34bに保持されていた積層物をビルトアップ部19で解放しかつホイスト34cで配置部20にあるプリプレグを保持し、3連ホイスト34が左端位置にあるときに、ホイスト34aで配置部14にある表銅箔を保持し同時にホイスト34bで位置Bにある積層物を保持しかつホイスト34cに保持されていたプリプレグをビルトアップ部19で解放(これによって、ビルトアップ部19で積層物とプリプレグとが重ね合わされる)するという動作を、位置A、B間での搬送テーブル11、12の往復運動と同期させて繰り返すことで、ビルトアップ部19において積層物とプリプレグとを重畳させることができる。
【0024】ビルトアップ部19に形成された積層物とプリプレグとの重畳物(別の言い方をすると、プリプレグを2枚の銅箔で挟み込んだものがSUSを介して積層された重畳物)は、ある程度まとまって所定の高さまで重畳された後に別途用意された移送装置によってビルトアップ部19から取り除かれてプレスに供される。プレスが行われた後、重畳物からはSUSが取り除かれ、プリプレグを2枚の銅箔で挟み込んだものは製品としてさらなる処理工程に供される。
【0025】次に、本実施の形態のプリント基板の製造装置1によって重畳物を製造する工程について、図5を参照しつつ順を追って説明する。
【0026】まず、図5(a)に示すように、2連ホイスト32が右端位置にあるときに、ホイスト32aに保持されていた裏銅箔41を解放して位置Aの搬送テーブル11上に配置し、ホイスト32bで配置部18にあるSUS42を保持する。このとき、3連ホイスト34は右端位置にあり、ホイスト34aに保持されていた表銅箔43を解放して位置Bの搬送テーブル12上に配置し(これにより搬送テーブル12上に積層物が形成される)、ホイスト34bに保持されていた積層物を解放してビルトアップ部19上に配置し、かつ、ホイスト34cで配置部20にあるプリプレグ44を保持する。
【0027】それから、図5(b)に示すように、2連ホイスト32および3連ホイスト34をそれぞれ左端位置に移動させる。そして、ホイスト32aで配置部16にあある裏銅箔41を保持し、ホイスト32bの保持されていたSUS42を解放して位置Aの搬送テーブル11にある裏銅箔41上に配置する。また、ホイスト34aで配置部14にある表銅箔43を保持し、ホイスト34bで位置Bの搬送テーブル12にある積層物45を保持し、かつ、ホイスト34cに保持されていたプリプレグ44を解放してビルトアップ部19の積層物45上に配置する。
【0028】さらに、図5(c)に示すように、2連ホイスト32および3連ホイスト34をそれぞれ左端位置に維持したまま、モータ27を駆動して搬送テーブル11、12の位置を入れ替える。すると、下から裏銅箔41およびSUS42が順に載置された搬送テーブル11が位置Bへと移動し、何も載置されていない搬送テーブル12が位置Aへと移動する。この状態から再び図5(a)で説明したような操作が繰り返して行われる。このようにして、ビルトアップ部19には、積層物45とプリプレグ44との重畳物が形成されていく。
【0029】以上説明したように、本実施の形態のプリント基板の製造装置1によると、2つの搬送テーブル11、12のそれぞれが位置A、Bを交互に取るように環状ベルト24などによって駆動され、位置AにおいてSUSと裏銅箔とが重ね合わされた搬送テーブル11、12が位置Bへと移動する。従って、位置AでのSUSと裏銅箔との重ね合わせと、この重ね合わされたもの上への位置Bでの表銅箔の重ね合わせとを独立して同時進行で行うことが可能となって積層物の重ね合わせ工程が合理化されるため、積層物の積層工程に要する時間が比較的短いものとなる。
【0030】また、位置Aにある搬送テーブル11または12上で裏銅箔とSUSとが重ね合わされるので、予め裏銅箔とSUSとを重ねておく場所が不要になり、その場所の分だけ装置1の平面積が小さいものとなる。すなわち、図7に示すように、特開平8−58053号公報の装置は、4つの配置部104、106、108、110、2つの搬送テーブル101、102、重ね合わせ部105およびビルトアップ部109で合計8つの集積箇所を必要とするが、本実施の形態によるプリント基板の製造装置1は、図1からも明らかなように、4つの配置部14、16、18、20、2つの搬送テーブル11、12およびビルトアップ部19の合計7つの集積箇所を必要とするに過ぎない。また、本実施の形態では、位置Aにある搬送テーブル11または12上で裏銅箔とSUSとが重ね合わせるようにしたので、銅箔とSUSとを別の場所で重ねて搬送テーブル上に配置する場合に必要となる裏銅箔とSUSとが重ね合わせられたものを搬送テーブル11、12上に移送する機構が不要になり、プリント基板の製造装置1の構成が簡略化される。
【0031】さらに、本実施の形態によるプリント基板の製造装置1は、配置部16から位置Aへの裏銅箔の移送および配置部18からのSUSの移送を2連ホイスト32によって行っているために、裏銅箔およびSUSを迅速かつ正確に搬送することが可能となっている。同様に、配置部14から位置Bへの表銅箔の移送、位置Bからビルトアップ部19への積層物の移送および配置部20からビルトアップ部19へのプリプレグの移送を3連ホイスト34によって行っているために、表銅箔、積層物およびプリプレグを迅速かつ正確に搬送することが可能となっている。
【0032】加えるに、本実施の形態によるプリント基板の製造装置1は、搬送テーブル11、12を環状ベルト24などを用いていわゆるシャトルコンベア式に駆動するようにしているので、上側および下側でそれぞれテーブル保持ユニット21、22を支持した環状ベルト24に沿って搬送テーブル11、12を安定して移動させることができ、搬送テーブル11、12上での裏銅箔などのずれが起こりにくいという利点もある。
【0033】次に、上述した実施の形態の変形例について、図6を参照して説明する。本変形例は、シャトルコンベアの構造を変更したものである。
【0034】本変形例では、図6に示すように、搬送テーブル12は、一対のレール51a、51b上を摺動可能なように環状ベルト52の上段側に取り付けられた支持ユニット53上に固定されている。環状ベルト52はその両端において一対のローラ(図6にはローラ54のみを示す)に架け渡されている。ローラ54はモータ55によって回転駆動される。ローラ54が回転すると環状ベルト52も同じ方向に回転し、これに伴って搬送テーブル12はレール51a、51b上を摺動する。
【0035】一方、搬送テーブル11は、レール51a、51bの内側に配置された一対のレール57a、57b上を摺動可能なように環状ベルト58の上段側に取り付けられた支持ユニット59上に、複数の昇降ロッド60を介して取り付けられている。昇降ロッド60は、図示しない昇降シリンダによって上下方向に伸縮可能となっている。環状ベルト58はその両端において一対のローラ(図6にはローラ61のみを示す)に架け渡されている。ローラ61はモータ62によって回転駆動される。ローラ62が回転すると環状ベルト58も同じ方向に回転し、これに伴って搬送テーブル11はレール57a、57b上を摺動する。なお、各搬送テーブル11、12には、ほぼL字型のクランプロッド29a、29bをそれぞれ支持した一対のクランプシリンダ30a、30bが取り付けられている。
【0036】このように、本変形例では、2つのモータ55、62を駆動することで2つの搬送テーブル11、12が水平方向に移動可能となっており、さらに、昇降ロッド60によって搬送テーブル11が上下方向に移動可能となっている。従って、搬送テーブル11、12どうしが互いに衝突しないように水平方向の移動と上下方向の移動とを制御することにより、各搬送テーブル11、12に、位置Aと位置Bとの間を行き来させることができるようになっている。
【0037】以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、搬送テーブルの駆動装置は上述のようなシャトルコンベア式のものに限らず、様々な公知の機構を用いることができる。また、上述の実施の形態では2連および3連のホイストを用いたが、必ずしもこのような連なったホイストを用いる必要はない。また、鏡面板としては、SUS以外のものを用いてもよい。また、銅箔の表裏はプリプレグとの密着性を考慮して決定したものに過ぎず、銅箔の表裏は逆になっていてもよい。また、本発明は、プリント基板以外の積層板を製造する場合にも使用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1によると、積層物の積層工程に要する時間が比較的短いものとしつつ、平面積を小さくすることが可能となる。さらに、第1の位置にあるテーブル上で第1の銅箔と鏡面板とが重ね合わせるようにしたので、第1の銅箔と鏡面板とを別の場所で重ねてテーブル上に配置する場合に必要となる第1の銅箔と鏡面板とが重ね合わせられたものを移送する機構が不要になり、装置構成を簡略化することが可能となる。
【0039】請求項2によると、2連および3連ホイストを用いることにより、第1の銅箔、鏡面板、第2の銅箔およびこれらの積層物を迅速かつ正確に搬送することが可能となる。
【0040】請求項3によると、上側および下側でそれぞれテーブル保持部を支持した環状ベルトに沿ってテーブルを安定して移動させることができ、テーブル上での銅箔などのずれが起こりにくい。
【出願人】 【識別番号】000002059
【氏名又は名称】神鋼電機株式会社
【住所又は居所】東京都江東区東陽七丁目2番14号
【出願日】 平成13年6月20日(2001.6.20)
【代理人】 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之 (外1名)
【公開番号】 特開2003−1751(P2003−1751A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−187079(P2001−187079)