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【発明の名称】 反射防止フィルム及び反射防止処理された物体
【発明者】 【氏名】伊藤 秀毅
【住所又は居所】東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティーディーケイ株式会社内

【要約】 【課題】均一厚みの反射防止層を転写により板材のように可撓性に乏しい物体表面に付与でき、可視光領域の光の反射防止効果に優れる転写用反射防止フィルムを提供する。

【解決手段】支持体1上に、互いに屈折率の異なる低屈折率層2aと高屈折率層2bとを含む反射防止層2を少なくとも有し、低屈折率層2aと高屈折率層2bとは支持体1上にこの順で塗布によって形成され、高屈折率層2bは、架橋可能な官能基を有する化合物で表面処理された金属酸化物の微粒子を含有し、支持体1は反射防止層2から剥離可能である転写用反射防止フィルム。反射防止層2を支持体1から対象物体上に転写し、反射防止処理を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に、1層又は2層以上からなる反射防止層と、反射防止層上の接着剤層とを有し、反射防止層を構成する層の内の少なくとも1層は、架橋可能な官能基を有する化合物で表面処理された金属酸化物の微粒子を含有し、前記接着剤は、前記反射防止層中に含浸され且つ前記架橋可能な官能基と架橋反応可能な成分を含み、前記支持体は架橋後に前記反射防止層から剥離可能である転写用反射防止フィルム。
【請求項2】 前記架橋可能な官能基を有する化合物の架橋可能な官能基は、不飽和二重結合、エポキシ基又は水酸基である、請求項1に記載の転写用反射防止フィルム。
【請求項3】 支持体上に、互いに屈折率の異なる低屈折率層と高屈折率層とを含む反射防止層を少なくとも有し、前記低屈折率層と高屈折率層とは、支持体上にこの順で塗布によって形成され、前記高屈折率層は、架橋可能な官能基を有する化合物で表面処理された金属酸化物の微粒子を含有し、前記支持体は前記反射防止層から剥離可能である転写用反射防止フィルム。
【請求項4】 前記架橋可能な官能基を有する化合物の架橋可能な官能基は、不飽和二重結合、エポキシ基又は水酸基である、請求項3に記載の転写用反射防止フィルム。
【請求項5】 前記反射防止層上に、紫外線硬化性モノマー成分を含む紫外線硬化性接着剤層及び/又は熱硬化性接着剤層を有し、前記接着剤が前記高屈折率層中に含浸され、接着剤中の紫外線硬化性モノマー成分及び/又は熱硬化性成分は、紫外線照射及び/又は加熱によって前記金属酸化物微粒子表面の前記架橋可能な官能基と架橋反応するものである、請求項3又は4に記載の転写用反射防止フィルム。
【請求項6】 前記接着剤は、前記高屈折率層中に含浸されると共に、さらに前記低屈折率層に達している、請求項5に記載の転写用反射防止フィルム。
【請求項7】 前記低屈折率層の物理的膜厚が0.5μm未満である、請求項3〜6のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防止フィルム。
【請求項8】 前記高屈折率層の物理的膜厚が2μm以下である、請求項3〜7のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防止フィルム。
【請求項9】 前記高屈折率層は、塗布された後、圧縮されて形成されたものである、請求項3〜8のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防止フィルム。
【請求項10】 前記高屈折率層に含有される金属酸化物微粒子は、導電性微粒子を含む、請求項3〜9のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防止フィルム。
【請求項11】 請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防止フィルムの反射防止層が、接着剤層を介して転写により表面に設けられている、反射防止処理された物体。
【請求項12】 物体が表示素子である、請求項11に記載の反射防止処理された物体。
【請求項13】 請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防止フィルムの反射防止層を支持体から、前記反射防止フィルムに設けられた紫外線硬化性接着剤層及び/又は対象物体上に予め設けられた紫外線硬化性接着剤層を介して、反射防止処理すべき前記対象物体上に転写し、その後、紫外線照射によって前記接着剤層を硬化させ、対象物体上に反射防止層を形成することを特徴とする、反射防止処理された物体を製造する方法。
【請求項14】 請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の転写用反射防止フィルムの反射防止層を支持体から、前記反射防止フィルムに設けられた熱硬化性接着剤層及び/又は対象物体上に予め設けられた熱硬化性接着剤層を介して、反射防止処理すべき前記対象物体上に転写し、その後、加熱によって前記接着剤層を硬化させ、対象物体上に反射防止層を形成することを特徴とする、反射防止処理された物体を製造する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写用反射防止フィルム、転写により反射防止処理された物体及び転写により反射防止処理された物体を製造する方法に関する。本発明は、反射防止機能の他に帯電防止機能をも有する転写用反射防止フィルム、転写により反射防止処理及び帯電防止処理された物体、及び転写により反射防止処理及び帯電防止処理された物体を製造する方法に関する。
【0002】本発明において、対象となる物体には、均一厚みの塗布層を形成しにくい板材のような可撓性に乏しい物体ないしは支持体、ガラスやセラミックスのような物体等が含まれる。例えば、CRT、LCD、リアプロジェクター用スクリーン、エレクトロルミネッセンスディスプレーに代表される表示素子の表面は、反射防止処理が求められており、本発明における対象物体の具体例として挙げられる。
【0003】
【従来の技術】従来より、CRT表面等への反射防止処理は、スパッタリング、スピンコート等によって行われているが、これらは枚葉式で行われるため生産性に乏しい。このため、CRT表面等へ直接的に反射防止処理するのではなく、可撓性フィルムを支持体として用いて、ロールトゥロールで効率よく反射防止フィルムを連続生産し、反射防止フィルムを用いてCRT表面等への反射防止処理が行われるようになってきている。
【0004】特開平7−225302号公報には、反射防止フィルムを対象物表面にラミネートすることが開示されている。しかしながら、同号公報によれば、対象物表面には、反射防止フィルムの支持体フィルムが存在し、その支持体上に反射防止層が存在する。支持体フィルムの存在によって、表面の硬度低下、ヘイズの上昇、光線透過率の低下、表面被覆の全膜厚の増加といった弊害が生じる。これらの弊害は、CRTに代表される表示素子の表面においては、重要な問題である。また、光学的に優れた支持体フィルムを用いた場合には、ヘイズの上昇や光線透過率の低下の問題はないが、耐候性や強度の点で問題がある。
【0005】特開2000−338306号公報には、離型性を有するベースフィルム面上に、シロキサン系樹脂層と、その上の金属酸化物含有層と、さらにその上の接着層とを有する反射防止制電板用転写材が開示されている。同号公報によれば、金属酸化物含有層は金属酸化物微粒子とアクリル系樹脂を主成分とし、金属酸化物含有層の厚さは、ある一定以上の硬度を得るために0.5μmから10μmと厚い。このように厚い金属酸化物含有層では、層間の界面における可視光領域の反射光が光学的に干渉しても、可視光領域の光の反射防止効果は、例えば実施例に反射率1.5と示されているように弱い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような背景から、板材のように可撓性に乏しい物体に均一厚みの反射防止層を簡便に形成でき、可視光領域の光の反射防止効果に優れる転写用反射防止フィルムの開発が望まれる。
【0007】そこで、本発明の目的は、均一厚みの反射防止層を転写により板材のように可撓性に乏しい物体表面に付与でき、可視光領域の光の反射防止効果に優れる転写用反射防止フィルム、前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された物体、及び前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された物体を製造する方法を提供することにある。
【0008】特に、本発明の目的は、均一厚みの反射防止層を転写により表示素子表面に付与でき、可視光領域の光の反射防止効果に優れ、且つ転写後の高い硬度を有する転写用反射防止フィルム、前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された表示素子、及び前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された表示素子を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、1層又は2層以上からなる反射防止層と、反射防止層上の接着剤層とを有し、反射防止層を構成する層の内の少なくとも1層は、架橋可能な官能基を有する化合物で表面処理された金属酸化物の微粒子を含有し、前記接着剤は、前記反射防止層中に含浸され且つ前記架橋可能な官能基と架橋反応可能な成分を含み、前記支持体は架橋後に前記反射防止層から剥離可能である転写用反射防止フィルムである。本発明は、前記架橋可能な官能基を有する化合物の架橋可能な官能基は、不飽和二重結合、エポキシ基又は水酸基である、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0010】本発明は、支持体上に、互いに屈折率の異なる低屈折率層と高屈折率層とを含む反射防止層を少なくとも有し、前記低屈折率層と高屈折率層とは、支持体上にこの順で塗布によって形成され、前記高屈折率層は、架橋可能な官能基を有する化合物で表面処理された金属酸化物の微粒子を含有し、前記支持体は前記反射防止層から剥離可能である転写用反射防止フィルムである。本発明において、「低屈折率層」及び「高屈折率層」の屈折率は、これら両層の屈折率を比べた場合の相対的なものである。すなわち、高屈折率層は低屈折率層の屈折率よりも高い屈折率を有し、低屈折率層は高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を有する。前記低屈折率層と高屈折率層とは、支持体上に直接又は他の層を介してこの順で形成される。
【0011】本発明は、前記架橋可能な官能基を有する化合物の架橋可能な官能基は、不飽和二重結合、エポキシ基又は水酸基である、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0012】本発明は、前記反射防止層上に、紫外線硬化性モノマー成分を含む紫外線硬化性接着剤層及び/又は熱硬化性接着剤層を有し、前記接着剤が前記高屈折率層中に含浸され、接着剤中の紫外線硬化性モノマー成分及び/又は熱硬化性成分は、紫外線照射及び/又は加熱によって前記金属酸化物微粒子表面の前記架橋可能な官能基と架橋反応するものである、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0013】本発明は、前記接着剤は、前記高屈折率層中に含浸されると共に、さらに前記低屈折率層に達している、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0014】本発明は、前記低屈折率層の物理的膜厚が0.5μm未満である、前記の転写用反射防止フィルムである。本発明は、前記高屈折率層の物理的膜厚が2μm以下、好ましくは0.5μm未満である、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0015】本発明は、前記高屈折率層は、塗布された後、圧縮されて形成されたものである、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0016】本発明は、前記高屈折率層に含有される金属酸化物微粒子は、導電性微粒子を含む、前記の転写用反射防止フィルムである。
【0017】また、本発明は、前記の転写用反射防止フィルムの反射防止層が、接着剤層を介して転写により表面に設けられている、反射防止処理された物体である。本発明は、前記の転写用反射防止フィルムの反射防止層が、接着剤層を介して転写により表面に設けられている、反射防止処理された表示素子である。
【0018】さらに、本発明は、前記の転写用反射防止フィルムの反射防止層を支持体から、前記反射防止フィルムに設けられた紫外線硬化性接着剤層及び/又は対象物体上に予め設けられた紫外線硬化性接着剤層を介して、反射防止処理すべき前記対象物体上に転写し、その後、紫外線照射によって前記接着剤層を硬化させ、対象物体上に反射防止層を形成することを特徴とする、反射防止処理された物体を製造する方法である。
【0019】さらに、本発明は、前記の転写用反射防止フィルムの反射防止層を支持体から、前記反射防止フィルムに設けられた熱硬化性接着剤層及び/又は対象物体上に予め設けられた熱硬化性接着剤層を介して、反射防止処理すべき前記対象物体上に転写し、その後、加熱によって前記接着剤層を硬化させ、対象物体上に反射防止層を形成することを特徴とする、反射防止処理された物体を製造する方法。
【0020】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明を説明する。図1は、本発明の転写用反射防止フィルムの層構成例を示す断面図である。図2は、本発明の転写用反射防止フィルムの反射防止層が転写により表面に設けられている反射防止処理された物体の層構成例を示す断面図である。なお、上記の転写とは、支持体上の反射防止層を接着剤層を介して他の物体へ貼り付けることを意味する。
【0021】図1の本発明の転写用反射防止フィルムにおいて、支持体(1) 上に反射防止層(2) が設けられ、反射防止層(2) 上に紫外線硬化性接着剤層(3) 又は熱硬化性接着剤層(3) が設けられている。反射防止層(2) は、互いに屈折率の異なる支持体(1) 上の低屈折率層(2a)と低屈折率層(2a)上の高屈折率層(2b)とから構成されている。支持体(1) から対象物体表面へ反射防止層(2) を転写する際、支持体(1)は反射防止層(2) から剥離可能である。
【0022】屈折率が高いか低いかは、高屈折率層と低屈折率層の屈折率を比べた場合の相対的なものである。このような反射防止層(2) の層構成とすることによって、支持体(1) から対象物体表面へ反射防止層(2) が転写された場合、支持体(1) が剥離され、低屈折率層(2a)が対象物体表面の最も外側に位置し、反射防止効果が向上する。
【0023】図1においては、反射防止層(2) が低屈折率層(2a)と高屈折率層(2b)とから構成されている例を示した。本発明には、反射防止層(2) が低屈折率層(2a)と高屈折率層(2b)との間に、低屈折率層(2a)の屈折率よりは高く、且つ高屈折率層(2b)の屈折率よりは低い屈折率を有する中屈折率層を有する場合も含まれる。
【0024】支持体(1) として、特に限定されることなく、可撓性樹脂フィルムが好適である。樹脂フィルムは軽量であり、取扱いも容易である。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム(JSR(株)製、アートンなど)等が挙げられる。樹脂フィルムの他に、支持体として、布、紙等を用いることもできる。
【0025】低屈折率層(2a)の屈折率は、例えば、1.35以上1.6未満である。低屈折率層(2a)の物理的な膜厚は、好ましくは0.05μm以上0.5μm未満、更に好ましくは0.07μm以上0.2μm以下である。
【0026】低屈折率層(2a)は、例えば、樹脂を主成分とするハードコート層であることが好ましい。支持体(1) から対象物体表面へ反射防止層(2) が転写された場合、このハードコート層が対象物体表面の最も外側に位置し、反射防止効果と共に耐傷性効果が得られる。
【0027】シリコーン樹脂を用いて形成されたハードコート層(例えば鉛筆硬度4Hより大きく、好ましくは5H以上に硬い)は、PETのような樹脂フィルムとは密着性が低く、支持体(1) とハードコート層とを容易に剥離することができる。本発明においては、支持体(1) 表面を剥離剤で処理すると、ハードコート層との密着性が低くなりすぎ、その上に高屈折率層(2b)を塗布する工程においてハードコート層がはがれるなどの不具合が生じる場合がある。
【0028】そこで本発明では支持体(1) 表面にコロナ処理を施す等して、密着性を上げることが好ましい。又、コロナ処理の代わりに、易接着剤を塗布するなどしても良い。例えば、後述のように低屈折率層(2a)上に高屈折率層(2b)を塗布により設ける工程において、高屈折率層(2b)を形成するための塗布液中にバインダー樹脂を含まないか、含むとしても少量の場合は、支持体(1) の表面にコロナ処理を施すことが好ましい。一方、前記塗布液中にバインダー樹脂が多い場合は、支持体(1) 表面と低屈折率層(2a)の間の密着性が強くなる傾向にあるため、コロナ処理は施さなくても良い。上記のような傾向が発生する理由は、高屈折率層のバインダー樹脂がハードコート層を貫通して支持体まで達し、バインダー樹脂と支持体が密着することで、ハードコート層と支持体の密着性を上げているからであると思われる。以上のような易接着剤による処理又はコロナ処理等をされた場合には、それらの処理をされた形態を含めて支持体(1) とする。
【0029】ハードコート層は、ハードコート剤を必要に応じて溶剤に溶解した液を支持体上に塗布、乾燥して、硬化させることにより形成することができる。ハードコート剤としては、特に制限されることなく、公知の各種ハードコート剤を用いることができる。例えば、シリコーン系、アクリル系、メラミン系等の熱硬化型ハードコート剤を用いることができる。これらの中でも、シリコーン系ハードコート剤は、高い硬度が得られる点で優れている。
【0030】また、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル系等のラジカル重合性ハードコート剤、エポキシ系、ビニルエーテル系等のカチオン重合性ハードコート剤等の紫外線硬化型ハードコート剤を用いてもよい。紫外線硬化型ハードコート剤は、硬化反応性等の製造性の点から好ましい。これらの中でも、硬化反応性、表面硬度を考慮すると、アクリル系のラジカル重合性ハードコート剤が望ましい。
【0031】ハードコート剤の塗布は、グラビア、リバースロール等のロールコーター、メイヤーバー、スリットダイコーター等公知の方法で行うとよい。塗布後、適切な温度範囲で乾燥し、その後、硬化させる。熱硬化型ハードコート剤の場合には、適切な熱を与えて、例えばシリコーン系ハードコート剤の場合には60〜120℃程度に、1分間〜48時間加熱して硬化させる。紫外線硬化型ハードコート剤の場合には、紫外線照射を行い、硬化させる。紫外線照射は、キセノンランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等のランプを用いて、紫外線を200〜2000mJ/cm2 程度照射するとよい。
【0032】ハードコート層には、紫外線吸収剤が含有されていてもよい。紫外線吸収剤としては、公知の各種紫外線吸収剤を用いるとよい。例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。ハードコート層には、さらに必要に応じて、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種公知の添加剤を含ませてもよい。紫外線吸収剤や各種添加剤は、ハードコート剤中に添加して塗布すればよい。
【0033】高屈折率層(2b)の屈折率は、例えば、1.6以上2.5以下である。高屈折率層(2b)の物理的な膜厚は、2μm以下であり、好ましくは0.05μm以上0.5μm未満、更に好ましくは0.06μm以上0.2μm以下である。
【0034】高屈折率層(2b)は、架橋可能な官能基を有する化合物で表面処理された金属酸化物の微粒子を含有する。金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の高屈折率を有する微粒子や、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)等の高屈折率を有する導電性微粒子が挙げられる。これら微粒子の平均粒径は10〜30nmであることが好ましい。又、これらの材料を複数用いて屈折率を調整しても良い。
【0035】前記架橋可能な官能基を有する化合物の架橋可能な官能基は、特に限定されることなく、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などの不飽和二重結合、エポキシ基又は水酸基である。
【0036】ビニル基、(メタ)アクリル基などの不飽和二重結合を有する化合物としては、例えば、このような不飽和二重結合を有するシランカップリング剤が挙げられる。より具体的には、例えば、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジ−β−メトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−β−メトキシエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0037】このようなシランカップリング剤による金属酸化物微粒子の表面処理は、例えば、メタノール等のアルコール中、室温で両者を攪拌して行うことができる。シランカップリング剤のアルコキシ基が加水分解し、金属酸化物微粒子表面の水酸残基とSiとの結合が形成されると考えられる。
【0038】また、(メタ)アクリル基などの不飽和二重結合を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸やそのエステル化合物が挙げられる。より具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】このような(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリレートによる金属酸化物微粒子の表面処理は、例えば、メタノール等のアルコール中、室温で両者を攪拌して行うことができる。金属酸化物表面の水酸残基に(メタ)アクリロイル基が導入されると考えられる。また、金属酸化物微粒子に(メタ)アクリル酸クロライドなどの酸ハロゲン化物を作用させても、金属酸化物表面に(メタ)アクリロイル基が導入されると考えられる。
【0040】金属酸化物微粒子が表面処理され、微粒子表面に架橋可能な官能基が存在すると、接着剤層(3) に紫外線硬化性接着剤を用いた場合には、高屈折率層(2b)中に含浸してくる紫外線硬化性接着剤に含まれる主として紫外線硬化性モノマー成分が、紫外線照射によって前記架橋可能な官能基と架橋反応を起こす。また、接着剤層(3) に熱硬化性接着剤を用いた場合には、高屈折率層(2b)中に含浸してくる熱硬化性接着剤成分が、加熱によって前記架橋可能な官能基と架橋反応を起こす。
【0041】架橋可能な官能基が、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などの不飽和二重結合であれば、紫外線硬化性アクリル系接着剤に含まれるアクリル系モノマー成分が前記不飽和二重結合とラジカル反応により架橋する。
【0042】架橋可能な官能基がエポキシ基であれば、紫外線硬化性エポキシ系接着剤成分とカチオン重合により結合する。架橋可能な官能基が水酸基であれば、イソシアネート系接着剤のイソシアネート成分と熱硬化反応によるウレタン結合により架橋する。また、シリコーン系接着剤のシラノール基と熱硬化反応によるシロキサン結合により架橋する。
【0043】高屈折率層(2b)は、表面処理された金属酸化物微粒子を有機溶剤などの溶剤に分散した液を、低屈折率層(2a)上に塗布し、乾燥することにより設ける。この際、バインダー樹脂を用いても良いが、用いない方が好ましい。バインダー樹脂を用いる場合には、バインダー樹脂の量は少量であることが好ましい。表面処理された金属酸化物微粒子の表面がバインダー樹脂により覆われてしまう程に大量にバインダー樹脂を用いると、高屈折率層(2b)中に含浸してくる接着剤成分と前記微粒子表面の架橋可能な官能基との架橋反応が起こりにくくなるため好ましくない。
【0044】また、塗布、乾燥後、高屈折率層(2b)を圧縮することも好ましい。例えば、金属酸化物微粒子としてATO等の導電性微粒子を用いた場合に、圧縮することにより、高屈折率層(2b)の導電性が向上される。圧縮は、ロールプレス機を用いて行うことができる。
【0045】本発明の転写用反射防止フィルムにおいて、図1に示すように、反射防止層(2) 上に紫外線硬化性接着剤層(3) 又は熱硬化性接着剤層(3) が塗布形成されていることが好ましい。また、剥離フィルム上に紫外線硬化性接着剤層(3) 又は熱硬化性接着剤層(3) を塗布形成し、これを接着剤層(3) が反射防止層(2) に接するようにラミネートしてもよい。接着剤層を形成しておくことによって、この接着剤層を介して、対象物体上に反射防止層(2) を転写することが容易になる。本発明において、反射防止フィルムに紫外線硬化性接着剤層又は熱硬化性接着剤層が形成されていない場合には、転写対象物体上に予め紫外線硬化性接着剤層又は熱硬化性接着剤層を設けておけばよい。もちろん、反射防止フィルムに接着剤層(3) を形成しておき、さらに転写対象物体上にも接着剤層を設けておくことも好ましい。
【0046】本発明において、反射防止フィルムの接着剤層(3) や転写対象物体上に予め設けておく接着剤層には、紫外線硬化性モノマー成分を含む紫外線硬化性接着剤及び/又は熱硬化性接着剤層を用いる。反射防止フィルムの反射防止層(2) と転写対象物体の表面の双方に対して親和性があり、両者を強力に接着できる接着剤であれば、特に限定されることなく、公知の種々の接着剤を用いることができる。例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、イソシアネート系接着剤、シリコーン系接着剤等が挙げられる。これらのうち、紫外線硬化性接着剤は硬化反応性、硬度、コストの面で好ましい。接着剤層(3) の厚みは1〜100μm、好ましくは5〜20μmである。
【0047】反射防止フィルムの接着剤層(3) に用いる接着剤としては、接着剤溶液を塗布し乾燥しただけでタック感のある接着剤層が得られ、転写対象物体上に貼り付けた後に接着剤層を紫外線硬化することによって非常に硬い硬化層が得られるような接着剤が好ましい。転写対象物体上に貼り付けた後の接着剤層の軟化や劣化は好ましくない。
【0048】そこで、このような性質を満たす接着剤についても本発明者らは検討し、本発明の反射防止フィルムの接着剤層に用いる接着剤として、次の紫外線硬化性アクリル系接着剤組成物が好適であることを見出した。
1.ガラス転移温度Tgが30℃以上のアクリル系樹脂成分(P)と、硬化性アクリル系モノマー成分(M)とを、重量比率P/M=8/2〜2/8で含む接着剤組成物。
2.前記アクリル系樹脂成分(P)が常温で固体であり、硬化性アクリル系モノマー成分(M)が常温で液体である、前記1の接着剤組成物。
3.さらに、光重合開始剤を含む、前記1又は2の接着剤組成物。
【0049】アクリル系成分としては、例えばアクリル樹脂103Bや1BR−305(大成化工(株)製)が挙げられる。硬化性アクリル系モノマー成分としては、例えば、KAYARAD GPO-303 、KAYARAD TMPTA 、KAYARAD THE-330 (いずれも日本化薬(株)製)等の3官能以上のアクリル系モノマーが挙げられる。光重合開始剤としては、種々のものを用いることができ、例えば、 KAYACURE DETX-S(日本化薬(株)製)が挙げられる。また、硬化性アクリル系モノマー成分と光重合開始剤成分を含むものとして、SD−318(大日本インキ化学工業製)が挙げられる。
【0050】転写用反射防止フィルムが高屈折率層(2b)上に紫外線硬化性接着剤層(3) を有すると、紫外線硬化性接着剤に含まれる主として紫外線硬化性モノマー成分が高屈折率層(2b)中に含浸される。そして、前述したように、含浸された紫外線硬化性モノマー成分が、紫外線照射によって、金属酸化物微粒子の表面に存在する架橋可能な官能基と反応し結合する。その結果、高屈折率層(2b)において、この結合が架橋点として作用し架橋密度が増すため、紫外線照射後の高屈折率層(2b)の硬度が高くなると共に、高屈折率層(2b)と接着剤層(3) との密着性も向上する。本発明においては、高屈折率層(2b)の形成において用いる金属酸化物微粒子の分散液が、少ないバインダー樹脂量であっても、あるいはバインダー樹脂が存在しない場合であっても、このように、高屈折率層(2b)の高い硬度、高屈折率層(2b)と接着剤層(3) との高い密着性が得られる。
【0051】さらに、前記接着剤が、高屈折率層(2b)中に含浸されると共に、低屈折率層(2a)にまで達していると、高屈折率層(2b)と低屈折率層(2a)との密着性も向上し、転写後の接着剤層及び反射防止層の全体の硬度、密着性が向上する。この効果は、高屈折率層(2b)がバインダー樹脂を含まない場合、その膜厚が2μm以下であれば得られる。また、前記のようにバインダー樹脂を含む場合は、その膜厚が0.5μm未満と薄い場合に得られやすく、高屈折率層(2b)の膜厚が0.2μm以下の場合には、より大きくなる。
【0052】転写硬化後の接着剤層(3) の屈折率は、転写対象物体の屈折率に近いことが好ましい。両者の屈折率の差が大きいと、両者間の界面で新たに反射光が生じることがある。
【0053】さらに接着剤層には、顔料、色素等を分散あるいは溶解して添加してもよい。顔料としてはシリカ等の公知の耐すり傷性の材料や彩色のための無機材料から選択すればよい。
【0054】反射防止フィルムの接着剤層(3) を設けた場合には、接着剤層上に剥離フィルムを付与し、使用時まで接着剤層面を保護してもよい。
【0055】本発明は、上述の転写用反射防止フィルムの反射防止層(2) が、接着剤層を介して転写により表面に設けられている反射防止処理された物体にも関する。本発明の反射防止処理された物体の層構成例を図2に示す。
【0056】図2は、対象物体(4) 表面に接着剤層(3C)を介して反射防止層(2) が付与された層構成例を示す断面図である。この接着剤層(3C)は、硬化されたものであり、転写用反射防止フィルムの紫外線硬化性接着剤層(3) 及び/又は対象物体(4) 上に予め形成された紫外線硬化性接着剤層に由来する。
【0057】対象となる物体(4) には、特に限定されることなく、種々のものが含まれる。例えば、均一厚みの塗布層を形成しにくい板材のような可撓性に乏しい物体ないしは支持体、ガラスやセラミックスのような物体等が含まれる。例えば、CRT表面は、反射防止、ハードコート等の処理が求められており、CRTは本発明における対象物体の具体例として挙げられる。
【0058】本発明の反射防止処理された物体を得るには、上述の転写用反射防止フィルムの反射防止層(2) を支持体(1) から対象物体(4) 上に転写する。すなわち、反射防止フィルムを対象物体面に、支持体(1) が外側となるように反射防止フィルムの紫外線硬化性接着剤層(3) (設けられている場合)及び/又は対象物体上の紫外線硬化性接着剤層を介して、貼り付ける。その後、紫外線を照射して接着剤層を硬化させる。反射防止フィルムの支持体(1) を剥離する。露光光線としては、紫外線が有効である。露光時間は、用いた紫外線硬化性接着剤組成物の感光特性や、光線の種類により、適宜選択される。
【0059】図3は、図2に示したのと同様の本発明の反射防止処理された物体における反射光の干渉について説明するための図である。図3において、反射防止層(2) が転写された対象物体(4) 表面上には、反射防止層(2) を含んで3面以上の界面、すなわち、空気と低屈折率層(2a)との界面(界面Iとする)、低屈折率層(2a)と高屈折率層(2b)との界面(界面IIとする)、高屈折率層(2b)と接着剤層(3C)との界面(界面III とする)が形成される。入射光(Li)はこれらのいずれの界面(I、II、III )においても反射し、反射光(LrI 、LrII、LrIII )が生じる。本発明においては、これら反射光が可視光領域で互いに干渉し打ち消し合う。その結果、優れた反射防止効果が得られる。
【0060】反射防止層(2) を構成する低屈折率層(2a)と高屈折率層(2b)のいずれの層も、その物理的膜厚dを0.5μm未満とすることにより、太陽光や照明器具等の光の可視光領域380〜780nmの反射光(波長λ)が光学的に干渉して光の反射強度が低下することにより、可視光領域の光の反射防止効果が得られる。特に、反射光強度の最も低い波長が可視光領域にあることが求められる。この時の膜厚dは、d=kλ/(4×n)(但しkは1又は3)の式に、波長λとして、380〜780nmとn=1.35〜2.5を当てはめることにより求められる。また、低屈折率層(2a)の膜厚のみを0.5μm未満とし、高屈折率層(2b)の膜厚が0.5μmを超える場合は、反射光の光学的干渉が低屈折率層に起因するもののみとなるため、反射防止効果が少なくなるが、反射防止(低減)フィルムとしての使用は可能である。
【0061】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0062】[実施例1]図1に示すように、支持体(1) 上に低屈折率層(2a)、高屈折率層(2b)及び紫外線硬化性接着剤層(3) をこの順で有する転写用反射防止フィルムを作製した。
【0063】(低屈折率層の形成)シリコーン系ハードコート液KP−854(信越化学工業(株)製)100重量部にエタノール400重量部を加え、低屈折率層塗布液とした。この塗布液を75μm厚のPETフィルム(1) 上に塗布、乾燥し、100℃、2時間で硬化させ、0.09μm厚の低屈折率層(2a)を形成した。
【0064】(高屈折率層の形成)平均一次粒径が約10nmのアンチモンドープ酸化錫(ATO)超微粒子をビニル基を含むシランカップリング剤で表面処理したエタノール分散液(触媒化成(株)製、固形分濃度20重量%)90重量部と、平均一次粒径が約10nmの酸化チタン超微粒子をビニル基を含むシランカップリング剤で表面処理したエタノール分散液(触媒化成(株)製、固形分濃度15重量%)40重量部との混合液に、エタノール350重量部を加え、高屈折率層塗布液とした。得られた塗布液を前記低屈折率層(2a)上に塗布、乾燥し、0.09μm厚の高屈折率層(2b)を形成した。この支持体(1) 上に低屈折率層(2a)及び高屈折率層(2b)が積層されたフィルムを、ダイヤモンドライクカーボンで表面被覆された一対の金属ロール間に挟み、線圧1666N/cmの圧力、5m/分の送り速度で圧縮した。
【0065】(接着剤層の形成)紫外線硬化型ハードコート剤(主成分:アクリル系モノマー)UVHC−1101(GE東芝シリコーン(株)製)100重量部に、アクリル系樹脂1BR−305(大成化工(株)製、固形分濃度39.5重量%)71重量部と、メチルエチルケトン(MEK)245重量部とを加えて、接着剤層塗布液とした。この塗布液を前記高屈折率層(2b)上に塗布、乾燥して、10μm厚の接着剤層(3) を形成した。接着剤層を指で触ったところ、タック感があった。以上のようにして転写用反射防止フィルムを得た。
【0066】(ガラス板への反射防止層の付与)まず、対象ガラス板の両面の表面処理を行った。シランカップリング剤KBM503(信越化学工業(株)製)100重量部に、酢酸(1N)0.9重量部、水21重量部を加え加水分解した。加水分解されたシランカップリング剤液1重量部にエタノール100重量部を加え、表面処理液とした。この表面処理液を綿棒を用いてガラス板上に塗布し、乾燥した。ガラス板を110℃の雰囲気に5分間おいて、シランカップリング剤とガラスとを反応させた。その後、ガラス板上の余剰のシランカップリング剤をエタノールを含ませた布で拭き取った。次に、得られた反射防止フィルムを接着剤層(3) が表面処理されたガラス板(4) に接するようにラミネーターにて貼り付けた。紫外線を照射して接着剤層(3)を硬化させた(3C)。支持体PETフィルム(1) を剥がした。接着剤層(3C)は非常に強固であった。このようにして、図2に示すように、ガラス板(4) 上に接着剤層(3) を介して、反射防止層(2:2a,2b) が付与された。ガラス板の他方の面についても同様に反射防止層を付与した。
【0067】[比較例1]高屈折率層の形成を以下に示すように行った以外は、実施例1と同様にして転写用反射防止フィルムを作製した。
【0068】(高屈折率層の形成)平均粒径が約30nmのアンチモンドープ酸化錫(ATO)超微粒子のエタノール分散液(固形分濃度15重量%)75重量部と、平均粒径が約30nmの酸化チタン超微粒子のエタノール分散液(固形分濃度15重量%)25重量部との混合液に、エタノール115重量部を加え、高屈折率層塗布液とした。得られた塗布液を前記低屈折率層(2a)上に塗布、乾燥し、0.09μm厚の高屈折率層(2b)を形成した。以降、実施例1と同様の操作を行った。
【0069】実施例1及び比較例1で得られた各サンプルについて以下の評価を行った。
(反射防止効果の評価)分光光度計V−570(日本分光製)に積分球(日本分光製)を組み合わせて、550nmの波長の反射光と550nmの波長の透過光を測定した。
(鉛筆硬度の測定)JIS−K5400に準じて測定した。
(表面電気抵抗値の測定)超高電気抵抗測定器(ULTRA HIGH RESISTANCE METER) R8340(アドバンテスト製)に、自作の端子を取付け、1/2インチ四方の抵抗値を測定した。
【0070】測定結果を表1に示す。表1より、実施例1及び比較例1において、550nmの波長において高い透過率と低い反射率を示し、反射防止機能については両者共に優れていた。また、実施例1及び比較例1において、帯電防止機能を満足する表面電気抵抗値(108 Ω/□)が得られた。硬度については、実施例1では比較例1に比べ、鉛筆硬度で1単位高い硬度が得られた。
【0071】
【表1】

【0072】
【発明の効果】本発明によれば、均一厚みの反射防止層を転写により板材のように可撓性に乏しい物体表面に付与でき、可視光領域の光の反射防止効果に優れる転写用反射防止フィルム、前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された物体、及び前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された物体を製造する方法が提供される。
【0073】特に、本発明によれば、均一厚みの反射防止層を転写により表示素子表面に付与でき、可視光領域の光の反射防止効果に優れる転写用反射防止フィルム、前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された表示素子、及び前記転写用反射防止フィルムを用いて反射防止処理された表示素子を製造する方法が提供される。
【0074】
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋1丁目13番1号
【出願日】 平成13年6月27日(2001.6.27)
【代理人】 【識別番号】100100561
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 正広
【公開番号】 特開2003−1744(P2003−1744A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−194003(P2001−194003)