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【発明の名称】 装飾性発泡積層材
【発明者】 【氏名】小林 優

【要約】 【課題】深みがあり、興趣性に富む装飾性発泡積層材を提供する。

【解決手段】透明合成樹脂からなる表面層(A)と、透明又は半透明合成樹脂からなり装飾性を有する第1中間層(B)、合成樹脂からなり装飾性を有する第2中間層(C)、及び発泡合成樹脂からなる基材層(D)からなることを特徴とする装飾性発泡積層材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明合成樹脂からなる表面層(A)と、透明又は半透明合成樹脂からなり装飾性を有する第1中間層(B)、合成樹脂からなり装飾性を有する第2中間層(C)、及び発泡合成樹脂からなる基材層(D)からなることを特徴とする装飾性発泡積層材。
【請求項2】 第2中間層(C)が第1中間層(B)と基材層(D)との接着性を高める樹脂からなる請求項1記載の装飾性発泡積層材。
【請求項3】 第2中間層(C)が強化充填材を含有してなる請求項1又は2記載の装飾性発泡積層材。
【請求項4】 強化充填材がガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カルシウム繊維から選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の装飾性発泡積層材。
【請求項5】 基材層(D)がポリエステル樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の装飾性発泡積層材。
【請求項6】 表面層(A)がアクリル系樹脂、第1中間層(B)がアクリル系樹脂、第2中間層(C)がABS樹脂、発泡層(D)がポリエステル樹脂からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の装飾性発泡積層材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装飾性発泡積層材に関し、更に詳しくは、深みがあり、興趣性に富んだ装飾性を有し、耐衝撃性等の機械的強度や基材層樹脂の自由度に優れ、特に、建築物の内外装材、家具等として好適な装飾性発泡積層材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装飾性発泡積層材としては、例えば、特許第3020476号には、(a)低発泡熱可塑性合成樹脂からなる基材層、(b)透明または半透明である模様付き合成樹脂層を含む中間層、および(c)透明合成樹脂からなる表面層の少なくとも3層からなる加飾性多層共押出成形体が開示されている。また特許第2963083号には、熱可塑性樹脂を含有する透明な表層用樹脂、薄片状粉末および熱可塑性樹脂を含有する加飾・中層用樹脂組成物ならびに発泡剤を含有する内層用熱可塑性樹脂組成物をそれぞれ別々の押し出し機を用いて溶融状態で合流させ、サイジングダイ内へ共押し出しし、前記サイジングダイ内で低発泡一体成形をおこなうことを特徴とする、模様付き発泡成形体の製法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記両特許に記載の発泡積層材は表面層の下に1層の装飾性を有する中間層を配した構成からなるため、色や模様の装飾性の深みや興趣性に自ら限界がある。
【0004】そこで、深みや興趣性に富んだ装飾性を得ようとすると中間層の下の基材層を装飾する必要が生じ、その結果、基材層の色の自由度や樹脂の自由度が制限されることになり、例えば、基材層樹脂として安価な着色した再生樹脂を使用することが難しくなる。
【0005】また、例えば、中間層に含有される薄片状粉末等が少し粒径が大きくなると、表面層に凹凸となって現れたり、ピンホールとなって外観や美観を損なうという問題がある。更に、表面層に凹凸が現れたり、ピンホールが発生すると、外観を著しく損なうばかりでなく、ピンホールにより水分が透過したり貯留されるため、浴室や台所等の水回りの材料として不適当となる。
【0006】更に、上記の如き、表面層、装飾性中間層及び基材層からなる構成では耐衝撃性等の機械的強度に限界があり、その用途が制約されざるを得ず、一方、この問題を改善せんとして、中間層にガラス繊維等の補強材を含有させると表面層の外観が悪くなり、商品価値を著しく低下させる。
【0007】更に、また、装飾性中間層の樹脂が、表面層と基材層とに接着性の良好なものに限られ、樹脂の自由度が制限されるという問題もある。
【0008】本発明は、上記の如き従来の発泡積層材の問題点を改良し、深みがあり、興趣性に富み、機械的強度に優れ、樹脂選択の自由度が大きく、再生樹脂の使用も可能な装飾性発泡積層材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決せんとして鋭意研究の結果、装飾性層として、第1中間層と第2中間層とを設けることにより2つの層の装飾性の重合による深みがあり、興趣性に富んだ発泡積層材が得られるとともに、樹脂選択の自由度が増し、例えば、基材層として雑色の再生樹脂の使用も可能となり極めて経済的であること、また第2中間層(C)として、第1中間層(B)と基材層(D)との接着性の良好な樹脂あるいは相溶化剤入り樹脂を用いることにより、第1中間層(B)、基材層(D)の樹脂選択の自由度が高められ設計の自由度が増すこと、更には、第2中間層(B)に強化充填材を含有せしめることにより、表面層の外観を何ら損なうことなく耐衝撃性等の機械的強度が改善され、かかる機械的強度の要求される積層材としても広く利用可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】上記課題を達成するための本発明の請求項1は、透明合成樹脂からなる表面層(A)と、透明又は半透明合成樹脂からなり装飾性を有する第1中間層(B)、合成樹脂からなり装飾性を有する第2中間層(C)、及び発泡合成樹脂からなる基材層(D)からなることを特徴とする装飾性発泡積層材を内容とする。
【0011】本発明の請求項2は、第2中間層(C)が第1中間層(B)と基材層(D)との接着性を高める樹脂からなる請求項1記載の装飾性発泡積層材を内容とする。
【0012】本発明の請求項3は、第2中間層(C)が強化充填材を含有してなる請求項1又は2記載の装飾性発泡積層材を内容とする。
【0013】本発明の請求項4は、強化充填材がガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カルシウム繊維から選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の装飾性発泡積層材を内容とする。
【0014】本発明の請求項5は、基材層(D)がポリエステル樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の装飾性発泡積層材を内容とする。
【0015】本発明の請求項6は、表面層(A)がアクリル系樹脂、第1中間層(B)がアクリル系樹脂、第2中間層(C)がABS樹脂、発泡層(D)がポリエステル樹脂からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の装飾性発泡積層材を内容とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の表面層(A)に用いられる透明合成樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合(AS)樹脂、アクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(AAS)樹脂等のアクリル系樹脂、ポリスチレン(PS)系樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂等が挙げられるが、成形品の光沢、透明性、強度、耐候性、耐水性、耐薬品性、取り扱いの容易さなどから、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
【0017】表面層(A)の厚さは、通常、0.2〜1.0mm、好ましくは0.3〜0.8mmである。0.2mm未満では光沢、透明性、強度、耐候性、耐水性、耐薬品性等の表面層(A)の効果が十分に発揮されず、一方、1.0mmを越えても効果は変わらず、却って不経済となる。
【0018】本発明の装飾性を有する第1中間層(B)に用いられる透明又は半透明合成樹脂としては、PVC樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)樹脂、AS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、PMMA、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート共重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ニトリル樹脂等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。第1中間層(B)は、第2中間層(C)の装飾性と重ね合わされて深みのある、興趣に富んだ装飾性を発現させることができる。
【0019】第1中間層(B)の装飾性は、無機、有機の粉末、金属粉末、染料、顔料等の着色料、木粉、熱硬化性樹脂粉末、有機、無機の繊維等を含有させることによりなされる。具体的には、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス球、ガラスフレーク、シラスバルーン、グラファイト等の無機粉末、アルミナ、銅等の金属粉末、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等)などの難溶融性合成樹脂粉末、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いられ、これらの種類や形状を組み合わせることにより、御影石や大理石調等様々な模様が発現され、装飾性を発現させることができる。
【0020】これらの粉末の粒径は、通常、0.05〜2.0mm、好ましくは0.15〜1.5mm程度のものが好ましい。0.05mm未満では装飾性に乏しく、一方、1.5mmを越えると表面層(A)に粉末凹凸が現れ外観を損なう場合がある。第1中間層(B)の厚さは、通常、0.2〜1.5mm程度、好ましくは0.3〜1.0mm程度である。0.2mm未満では装飾性に乏しく、一方、1.5mmを越えると、第2中間層(C)の装飾性と重合させ、深みのある、興趣に富んだものが得られにくい。
【0021】本発明の装飾性を有する第2中間層(C)に用いられる合成樹脂としては、上記第1中間層(B)に用いられる透明又は半透明の合成樹脂の他、不透明な合成樹脂、例えば、ゴム系を補強した合成樹脂、充填材入り合成樹脂等であってもよい。不透明な合成樹脂を用いる場合は、基材層(D)の樹脂の色が該不透明な樹脂層により隠蔽されて表面層(A)から視認されることがなく、従って、例えば、着色した樹脂成形品や廃材から再生した着色(雑色)樹脂であっても使用することができる。
【0022】また、中間第1層(B)と基材層(D)との接着性がないか不十分な場合は、これら両層との接着性の良好な樹脂を選択することにより、両層の樹脂の選択の自由度が広がり、設計がし易くなる。例えば、中間第1層(B)としてPMMA樹脂を用い、基材層(D)としてPET樹脂を用いる場合、PMMA樹脂とPET樹脂との接着性は不良であるが、PMMA樹脂とPET樹脂とに良好な接着性を有するABS樹脂を中間第2層(C)の樹脂として採用することにより、良好な積層体を得ることができる。
【0023】また、各種機能性を高めるための樹脂や添加剤、例えば、耐衝撃性等の機械的強度を高めるためのエラストマー、ゴム、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合(MBS)樹脂、ABS、塩素化ポリスチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合(EVA)樹脂等や、剛性を高めるためにガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等の強化充填材を含有させることもできる。樹脂との密着性を高めるために、強化充填材の表面をカップリング剤で処理することもできる。また、例えばガラス繊維を用いる場合、直径1〜20μm、長さ0.01〜5.0mm程度のものが好ましい。繊維長が長過ぎると押出成形性が悪くなり、一方、短か過ぎると強度の程度が不十分となる。
【0024】また、第2中間層(C)の装飾性は、第1中間層(B)と同様にしてなされるが、第1中間層(B)の介在により第2中間層(C)の粉末等の形状は表面層(A)に直接伝わることが遮断されるので、例えば粉末の場合は、第1中間層(B)に用いられる粉末よりも大粒径のものを用いることができ、その結果、第1中間層(B)の小粒径に由来する装飾性と重合して、一層深みのある、興趣に富んだ装飾性を発現させることが可能である。第2中間層(C)に用いられる粉末の粒径は、第1中間層(B)に用いられる粉末同等でもよいが、上記した如く、大き目のものを用いることにより、大小粒径の重なり合いによる深みのある興趣に富む装飾性が得られるので、好ましくは、1.0〜4.0mm、より好ましくは1.5〜3.0mm程度である。また、第2中間層(C)の厚さは、通常、1.0〜5mm、好ましくは1.5〜3.0mm程度である。1.0mm未満では装飾性に乏しく、一方、5mmを越えても効果は変わらず、却って不経済である。
【0025】本発明の基材層(D)に用いられる発泡合成樹脂としては、PVC樹脂、ABS樹脂、PS樹脂、HIPS樹脂、AS樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、PET樹脂等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。これらの中で、成形性、強靱性、経済性等の面からは、ABS樹脂、PVC樹脂、PS樹脂が好ましい。基材層(D)の発泡合成樹脂の発泡倍率は1.2〜4.0倍、好ましくは1.5〜3.5倍程度の所謂低発泡が好ましい。1.2倍未満では軽量性が不十分となり、一方、4.0倍を越えると強度が不十分となる。発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
【0026】基材層(D)の厚さは用途により一概には規定できないが、通常、3〜20mm程度の範囲で適宜決定すればよい。
【0027】本発明の表面層(A)、第1中間層(B)、第2中間層(C)、及び基材層(D)は、用いる樹脂に通常添加される添加剤、例えば滑剤、軟化剤、無機充填剤、着色剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、抗菌剤、防カビ剤等を適宜加えることができる。上記の如き、表面層(A)、第1中間層(B)、第2中間層(C)及び基材層(D)は、それぞれの樹脂組成物を予め押出機にてペレット化した後、4層共押出機により4層成形体とされる。本発明の装飾性発泡積層材は、第1中間層(B)の装飾性と第2中間層(C)の装飾性とが重なり合って相互に作用し合うことにより、深み及び興趣性に富み、内外装材等の建材、サニタリー、家具等の材料として広汎な分野において有用である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例に基づいて更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
【0029】実施例1、2、比較例1表1に示すように、表面層(A)、第1中間層(B)、第2中間層(C)及び基材層(D)の各合成樹脂組成物を4層共押出成形機により同時に押出し、4層からなる装飾性発泡積層材を成形した。結果を表1に示すが、実施例1の装飾性発泡積層材は表面層(A)の凹凸もなく、深みがあり、第1中間層(B)の装飾性と第2中間層(C)の装飾性とが重なりあり、極めて深みがあり、興趣に富んだ装飾性が発現されたのに対し、比較例1の積層材は表面層(A)に凹凸が見られ、装飾性は1層のみからなるため、深み、興趣性がともに劣るものであった。
【0030】
押出成形条件 表面層(A) :25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第1中間層(B):25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第2中間層(C):25mm一軸押出機(押出温度200℃)
基材層(D) :65mm一軸押出機(押出温度175℃)
【0031】
【表1】

【0032】実施例2、参考例1各層の樹脂組成物を表2に示すように変更し、また、押出成形条件を、下記の如く変更した以外は実施例1と同様にして、装飾性発泡積層材を得た。
【0033】
押出成形条件 表面層(A) :25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第1中間層(B):30mm一軸押出機(押出温度180℃)
第2中間層(C):25mm一軸押出機(押出温度200℃)
基材層(D) :65mm一軸押出機(押出温度175℃)
【0034】結果を表2に示すが、実施例2の装飾性発泡積層材は、表面層(A)の凹凸もなく、第1中間層(B)の装飾性と第2中間層(C)との装飾性とが重なりあい、極めて深みがあり、興趣に富んだ装飾性が実現されるとともに、第2中間層(C)がポリスチレン系エラストマーからなるため、耐衝撃性が大巾に改善されたのに対し、参考例1の積層材は装飾性の深みや興趣性については問題はないが、耐衝撃性に劣るものであった。
【0035】
【表2】

【0036】実施例3、参考例2各層の樹脂組成物を表3に示すように変更し、また、押出成形条件を、下記の如く変更した以外は実施例1と同様にして、装飾性発泡積層材を得た。
【0037】
押出成形条件 表面層(A) :25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第1中間層(B):25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第2中間層(C):30mm一軸押出機(押出温度205℃)
基材層(D) :65mm一軸押出機(押出温度175℃)
【0038】結果を表3に示すが、実施例3の装飾性発泡積層材は、表面層(A)の凹凸もなく、第1中間層(B)の装飾性と第2中間層(C)との装飾性とが重なりあい、極めて深みがあり、興趣に富んだ装飾性が実現されるとともに、第2中間層(C)がガラス繊維入りABSからなるため、曲げ弾性率、曲げ強さが大巾に改善されたのに対し、参考例2の積層材は装飾性の深みや興趣性については問題はないが、曲げ弾性率、曲げ強度に劣るものであった。
【0039】
【表3】

【0040】実施例4〜6、比較例2各層の樹脂組成物を表4に示すように変更し、また押出成形条件を下記の如く変更した以外は実施例1と同様にして、装飾性発泡積層材を得た。
【0041】
押出成形条件 表面層(A) :25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第1中間層(B):25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第2中間層(C):25mm一軸押出機(押出温度180℃)
基材層(D) :65mm一軸押出機(押出温度175℃)
【0042】結果を表4に示すが、実施例4〜6の装飾性発泡積層材は、いずれも表面層(A)の凹凸もなく、第1中間層(B)の装飾性と第2中間層(C)との装飾性とが重なりあい、極めて深みがあり、興趣に富んだ装飾性が実現されるとともに、第2中間層(C)の着色剤により基材層(D)の着色が隠蔽されるため、再生ABS(雑色)を使用しても装飾性は何ら損なわれず所望の装飾性が実現された。従って、安価な再生樹脂が使用できる等、基材層樹脂の自由度が増加し、コストの低減が図れるのに対し、比較例2の積層材は基材層の色の影響を受け、所期の深みや興趣性に富む装飾性を実現することはできなかった。
【0043】
【表4】

【0044】実施例7、比較例3各層の樹脂組成物を表5に示すように変更し、また、押出成形条件を下記の如く変更した以外は実施例1と同様にして、装飾性発泡積層材を得た。
【0045】
押出成形条件 表面層(A) :25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第1中間層(B):25mm一軸押出機(押出温度200℃)
第2中間層(C):25mm一軸押出機(押出温度180℃)
基材層(D) :65mm一軸押出機(押出温度185℃)
【0046】結果を表5に示すが、実施例5の装飾性発泡積層材は、表面層(A)の凹凸もなく、第1中間層(B)の装飾性と第2中間層(C)との装飾性とが重なりあい、極めて深みがあり、興趣に富んだ装飾性が実現されるとともに、第2中間層(C)のABSが存在するため、表面層(PMMA)、第1中間層(PMMA)と基材層(PET)との接着が十分であったのに対し、比較例3の積層材は装飾性の深みや興趣性に欠けるとともに、第2中間層(C)のABSが存在しないため、表面層(PMMA)、第1中間層(PMMA)と基材層(PET)との接着ができず、積層材は得られなかった。
【0047】
【表5】

【0048】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明の装飾性発泡積層材は、下記の如き数多くの特徴及び利点を有する。
(1)装飾性が第1中間層(B)と第2中間層(C)とにより発現されるため、両層の装飾性が重なりあって、深みがあり、興趣に富む模様や造形等の装飾性が得られる。
【0049】(2)第2中間層(C)に、例えば、比較的粒径の大きい粉末を含有させても表面層(A)に凹凸が現れることがなく、従って、外観を損なうことなく、第1中間層(B)と相作用して大小粒径の組み合わせによる興趣に富む模様や造形が発現される。
【0050】(3)第2中間層(C)に、耐衝撃性や剛性を高める強化充填剤を含有させることにより、これらの機械的強度を向上させることができ、装飾性発泡積層材の適用性が一層拡大される。
【0051】(4)第2中間層(C)が存在することにより、該中間層(C)の装飾性と第1中間層(B)の装飾性とにより基材層(D)の色が隠蔽される。従って、基材層樹脂の選択の自由度が高められ、例えば、廃プラスチックを再生した樹脂や着色成形体からの安価な再生樹脂を用いることができ、コストダウンが図れるばかりでなく、省資源や環境保全にも奉仕する。
【0052】(5)第2中間層(C)の樹脂に、第1中間層(B)の樹脂と基材層(D)の樹脂に対して接着性の良好なものを用いることにより、第1中間層(B)及び基材層(D)の樹脂の選択の自由度が高められ、その結果、設計の自由度が高められる。
【出願人】 【識別番号】000111535
【氏名又は名称】ハッポー化学工業株式会社
【出願日】 平成13年6月27日(2001.6.27)
【代理人】 【識別番号】100076820
【弁理士】
【氏名又は名称】伊丹 健次
【公開番号】 特開2003−1742(P2003−1742A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−194230(P2001−194230)