トップ :: B 処理操作 運輸 :: B32 積層体

【発明の名称】 緩衝封筒用素材とその製造方法
【発明者】 【氏名】川上 肇
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区千成通2丁目50番地 川上産業株式会社内

【氏名】岩坂 正基
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区千成通2丁目50番地 川上産業株式会社内

【要約】 【課題】プラスチック気泡シートとクラフト紙に貼り合わせてなる、緩衝封筒用の素材において、封筒製造過程における筒状体の形成を、プラスチックを噛み込むことなく、紙同士の、いわゆるラップ貼りまたは合掌貼りによって実施することが容易な素材を提供すること。

【解決手段】一対の圧着ロールの間に、気泡シートと、それよりも幅の広いクラフト紙(3)を連続的に供給し、両者の間に低融点のプラスチックフィルムを溶融状態で連続的に供給して、上記圧着ロールで積層する。気泡シートのキャップの頂部がクラフト紙の側に位置させ、かつ、気泡シートの一方の側縁とクラフト紙の一方の側縁とをほぼ合致させるか、または、プラスチック気泡シートの中心とクラフト紙の中心とをほぼ合致させて、クラフト紙の一側縁または両側縁に糊代を形成する
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プラスチックフィルムの真空成形により多数のキャップを形成したキャップフィルム(11)のキャップの底部にプラスチックの平坦なバックフィルム(12)を貼り合わせてなるプラスチック気泡シート(1)を、低融点のプラスチックフィルム(2)を介してクラフト紙(3)に貼り合わせてなる緩衝封筒用の素材において、キャップフィルム(11)のキャップの頂部がクラフト紙に貼りあわされ、バックフィルム(12)が封筒の内面となる側に位置すること、および、プラスチック気泡シート(1)の幅よりクラフト紙(3)の幅が一方または両方の側縁において広く、封筒形成のための糊代を備えていることを特徴とする緩衝封筒用素材。
【請求項2】 請求項1に記載した緩衝封筒用の素材を製造する方法であって、一対の圧着ロール(6A,6B)の間にプラスチック気泡シート(1)を連続的に供給するとともに、それよりも幅の広いクラフト紙(3)を連続的に供給し、プラスチック気泡シートとクラフト紙との間に低融点のプラスチックフィルム(2)を溶融状態で連続的に供給して、上記圧着ロールで積層することからなり、積層に当たり、プラスチック気泡シートのキャップの頂部がクラフト紙の側であり、バックフィルム(12)が封筒の内面となる側に位置するようプラスチック気泡シートを供給し、かつ、プラスチック気泡シートの一方の側縁とクラフト紙の一方の側縁とをほぼ合致させて、クラフト紙の他方の側縁に糊代を形成するか、または、プラスチック気泡シートの中心とクラフト紙の中心とをほぼ合致させて、クラフト紙の両方の側縁に糊代を形成することを特徴とする緩衝封筒用素材の製造方法。
【請求項3】 請求項1に記載した緩衝封筒用の素材を製造する装置であって、一対の圧着ロール(6A,6B)、それらの間にプラスチック気泡シート(1)を連続的に供給する手段、およびクラフト紙(3)を連続的に供給する手段を有し、プラスチック気泡シートとクラフト紙との間に低融点のプラスチックフィルム(2)を溶融状態で連続的に供給するT−ダイ(7)を備え、かつ、プラスチック気泡シートおよびクラフト紙の幅方向の供給位置を調整する手段を設けた緩衝封筒用素材の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラフト紙とプラスチック気泡シートとを材料とする緩衝封筒用の素材に関し、その製造方法および製造装置にも関する。本発明において、「クラフト紙」とは、中型ないし大型の封筒に使用する、比較的丈夫な紙を包括的に呼ぶ語である。「プラスチック気泡シート」(以下「気泡シート」と略称する)とは、通常ポリエチレンを材料とし、真空成形で成形された多数の突起を有するキャップフィルムと、平坦なバックフィルムとをキャップの底部で貼り合わせ、多数の密閉された空気質を形成したものを意味する。キャップの頂を連ねて、ライナーフィルムと呼ばれるもう1枚の平坦なフィルムを貼り合わせて、三層構成としたものも包含する。
【0002】
【従来の技術】クラフト紙の内側を、気泡シートで裏打ちした素材で製造した封筒が、一般に「緩衝封筒」と呼ばれ、薄く軽量であって壊れやすいものや、衝撃を与えてはならないものを輸送したり、保管したりするために使用されている。
【0003】この、緩衝封筒の素材とする積層体の製造は、通常、気泡シートの製造と同時に積層する「インライン」方式により行なわれている。インライン製造は、オフライン製造に比べたときに生産性がすぐれているためである。このインライン製造においては、キャップフィルムのキャップの底部に貼り合わせるバックフィルムを、クラフト紙との接着に利用する。そのままでは封筒の内側にキャップが出て、内容物の出し入れに妨げになるので、キャップの頂を連ねて、もう1枚の平坦な、ライナーフィルムと呼ばれるフィルムを貼り合わせた三層構成とするのが常である。
【0004】気泡シートは普通、ポリエチレンで製造されているから、封筒の製造に当たっては、気泡シートが内側になるようにしてヒートシールを行なえば、積層体の融着は可能である。というものの、キャップフィルム・バックフィルム・ライナーフィルムと3層のプラスチック層があると、いかに熱融着によりつぶしても、その断面は見苦しいものとなる。そこで、封筒を形成する筒状体の構成には、紙と紙の面を貼り合わせてこれを実現したい。つまり、図1に示したような「ラップ貼り」か、または図2に示したような「合掌貼り」か、いずれにせよ気泡シートを介在させない貼り合わせを行なうことが望ましい。
【0005】それを実現するには、図3または図4にみるような、糊代(5;5A,5B)が正確な寸法で確保された積層体を製造しなければならない。図3は、図1のラップ貼りをするための素材であり、図4は、図2の合掌貼りをするための素材である。しかし、このような気泡シートとクラフト紙とのオフセット関係を精密にコントロールすることは、オンライン方式の緩衝封筒用の素材製造技術においては困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記のような問題を解決し、糊代が正確にコントロールされた幅であり、紙の部分だけで、上記2種の貼り合わせが可能な筒状体を作ることができる、緩衝封筒用の素材を提供することにある。そのような素材を製造する方法、および製造装置を提供することもまた、本発明の目的に含まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本発明の緩衝封筒用素材は、図3および図4に内側の面を示し、図5に共通の断面を示すように、プラスチックフィルムの真空成形により多数のキャップを形成したキャップフィルム(11)のキャップの底部にプラスチックの平坦なバックフィルム(12)を貼り合わせてなるプラスチック気泡シート(1)を、低融点のプラスチックフィルム(2)を介してクラフト紙(3)に貼り合わせてなる緩衝封筒用の素材(4)において、キャップフィルム(11)のキャップの頂部がクラフト紙に貼りあわされ、バックフィルム(12)が封筒の内面となる側に位置すること、および、プラスチック気泡シート(1)の幅よりクラフト紙(3)の幅が一方または両方の側縁において広く、封筒形成のための糊代を備えていることを特徴とする。
【0008】図3は、プラスチック気泡シート(1)の幅よりクラフト紙(3)の幅が、一方の側縁だけが広く、一側に糊代(5)があって、前記ラップ貼りに使用する素材であり、図4は、両方の側縁において広く、両側に糊代(5A,5B)があって、前記合掌貼りに使用する素材である。
【0009】
【発明の実施形態】上記の緩衝封筒用の素材(4)を製造する本発明の方法は、図6に示すように、一対の圧着ロール(6A,6B)の間にプラスチック気泡シート(1)を連続的に供給するとともに、それよりも幅の広いクラフト紙(3)を連続的に供給し、プラスチック気泡シートとクラフト紙との間に低融点のプラスチックフィルム(2)を溶融状態で連続的に供給して、上記圧着ロールで積層することからなり、積層に当たり、図5に見るように、プラスチック気泡シートのキャップの頂部がクラフト紙の側であり、バックフィルム(12)が封筒の内面となる側に位置するようプラスチック気泡シートを供給し、かつ、図3または図4に示したように、プラスチック気泡シートの一方の側縁とクラフト紙の一方の側縁とをほぼ合致させて、クラフト紙の一側縁に糊代(5)を形成するか、または、プラスチック気泡シートの中心とクラフト紙の中心とをほぼ合致させて、クラフト紙の両方の側縁に糊代(5A,5B)を形成することを特徴とする。
【0010】上記の緩衝封筒用の素材を製造する本発明の装置は、図6に見るように、一対の圧着ロール(6A,6B)、それらの間にプラスチック気泡シート(1)を連続的に供給する手段、およびクラフト紙(3)を連続的に供給する手段を有し、プラスチック気泡シートとクラフト紙との間に低融点のプラスチックフィルム(2)を溶融状態で連続的に供給するT−ダイ(7)を備え、かつ、プラスチック気泡シートおよびクラフト紙の、幅方向の供給位置を調整する手段(図示してない)を設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】本発明の緩衝封筒用素材は、まず、クラフト紙の幅を一方または両方の側縁においてプラスチック気泡シートの幅より広くして形成した糊代を備えており、その幅が正確にコントロールできるから、ラップ貼りをするにせよ合掌貼りをするにせよ、緩衝封筒の製造が容易であって、外観が美麗な封筒を提供することができる。
【0012】つぎに、本発明の緩衝封筒用素材の層構成をみると、キャップフィルムのキャップの頂部がクラフト紙に貼りあわされ、バックフィルムが封筒の内面となる側に位置することがひとつの特徴であり、これによって、封筒の内面がより平滑であるという利点を有する。逆の構成、すなわちキャップの底部がクラフト紙に貼り合わされ、キャップの頂部に貼ったライナーフィルムが封筒の内面になっている場合は、ライナーフィルムの平面性がバックフィルムのそれより劣るので、凹凸があって内容物の出し入れにとり、場合によっては好ましくないことがある。本発明の素材を用いて製造した緩衝封筒は、そのような心配がなく使いやすい。
【0013】オンライン生産とオフライン生産とは、原理的には前者の方が生産性が高いといえるが、クラフト紙、低融点プラスチックおよびキャップフィルムを積層したのち、キャップの頂にライナーフィルムを貼るとなると、設備は複雑な構造になる。本発明の製造方法は、常用されている二層構成の気泡シートを材料のひとつとして使用すればよく、緩衝封筒用の素材を製造する工程も装置も簡単であるから、オフライン生産とはいえ、操業が容易であり、設備が単純である(言い換えれば設備費が低い)ことを総合的に考慮すれば、工業的実施においてはオンライン生産に比べて不利はなく、むしろ有利である。
【出願人】 【識別番号】000199979
【氏名又は名称】川上産業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区千成通2丁目50番地
【出願日】 平成13年6月25日(2001.6.25)
【代理人】 【識別番号】100070161
【弁理士】
【氏名又は名称】須賀 総夫
【公開番号】 特開2003−1734(P2003−1734A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−191695(P2001−191695)