トップ :: B 処理操作 運輸 :: B32 積層体

【発明の名称】 合成樹脂製補強シート
【発明者】 【氏名】丸山 幹男
【住所又は居所】富山県黒部市沓掛2000番地 ダイヤテックス株式会社黒部工場内

【氏名】二法田 勝
【住所又は居所】富山県黒部市沓掛2000番地 ダイヤテックス株式会社黒部工場内

【要約】 【課題】柔軟で抗張力が極めて高く、また、透明性の優れた補強シートとすることが可能で、耐久性に優れた合成樹脂製補強シートの提供。

【解決手段】熱可塑性樹脂のフィルム状体に、超高分子量ポリエチレン糸が少なくとも一方向に複数本間隔をおいて平行して添着されてなる合成樹脂製補強シートであり、超高分子量ポリエチレン糸がマルチフィラメントであること、スパン糸であること、超高分子量ポリエチレン糸の両面に熱可塑性樹脂のフィルム状体が積層されてなること、熱可塑性樹脂のフィルム状体が、ポリオレフィンからなること、熱可塑性樹脂のフィルム状体が線状低密度ポリエチレンからなること、超高分子量ポリエチレン糸に加えて一軸延伸された合成樹脂製線条体が添着されてなること、超高分子量ポリエチレン糸が縦方向に、合成樹脂製線条体が横方向にそれぞれ複数本平行して添着されてなることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】熱可塑性樹脂のフィルム状体に、超高分子量ポリエチレン糸が少なくとも一方向に複数本間隔をおいて平行して添着されてなることを特徴とする合成樹脂製補強シート。
【請求項2】超高分子量ポリエチレン糸がマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製補強シート。
【請求項3】超高分子量ポリエチレン糸がスパン糸であることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製補強シート。
【請求項4】超高分子量ポリエチレン糸の両面に熱可塑性樹脂のフィルム状体が積層されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂製補強シート。
【請求項5】熱可塑性樹脂のフィルム状体が、ポリオレフィンからなることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の合成樹脂製補強シート。
【請求項6】熱可塑性樹脂のフィルム状体が線状低密度ポリエチレンからなることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の合成樹脂製補強シート。
【請求項7】超高分子量ポリエチレン糸に加えて一軸延伸された合成樹脂製線条体が添着されてなることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の合成樹脂製補強シート。
【請求項8】超高分子量ポリエチレン糸が縦方向に、合成樹脂製線条体が横方向にそれぞれ複数本平行して添着されてなることを特徴とする請求項7に記載の合成樹脂製補強シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製補強シートに関し、さらに詳しくは、抗張力に優れ、耐久性に優れた合成樹脂製補強シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、あるいは、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂は、安価で透明性、耐候性に優れていることからシート状体として、機器のカバー、包装袋、収穫物等の野外設置場の覆い、野外作業場の覆い、作物栽培圃場等の覆いとして広い分野で使用されるに到っている。
【0003】特に近年、農業分野においては、農業用ハウスが普及し、作物を管理栽培することが広まっており、また、収穫物等の野外設置場の覆い、野外作業場の覆い等シートを屋外に張設することが多くなっているが、野外にシートを張設する場合、大きな風圧を受けることになり、それに対処するためには極めて強力なシートが必要となる。
【0004】また、立ち入り危険場所の表示、埋設物の表示、工事現場の仕切りとして帯状体が使用されているが、かかる表示は信頼性が重要で、破損事故のない抗張力の極めて高い帯状体、あるいは、シート状体が必要とされ、重量物の包装においても、荷崩れ等の事故を防止するためには引張り強度の高いシートが必要となる。
【0005】更に、農業用覆い、包装シートにおいては、透明性がよく、日光の透過、内部の観察が容易であることも必要とされる。
【0006】このような事情から、抗張力が極めて高く信頼性に優れ、また、透明性のよいシートを得ることのできる技術の開発が強く要請されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、柔軟で抗張力が極めて高く、また、透明性の優れた補強シートとすることが可能で、耐久性に優れた合成樹脂製補強シートを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を達成するために鋭意検討をした結果なされたもので、熱可塑性樹脂のフィルム状体に、超高分子量ポリエチレン糸が少なくとも一方向に複数本間隔をおいて平行して添着されてなる合成樹脂製補強シートを提供するものである。
【0009】また、本発明は、超高分子量ポリエチレン糸がマルチフィラメントである上記の合成樹脂製補強シート、超高分子量ポリエチレン糸がスパン糸である上記の合成樹脂製補強シート、超高分子量ポリエチレン糸の両面に熱可塑性樹脂のフィルム状体が積層されてなる上記の合成樹脂製補強シート、及び、熱可塑性樹脂のフィルム状体がポリオレフィンからなる上記の合成樹脂製補強シートを提供するものである。
【0010】さらに、本発明は、熱可塑性樹脂のフィルム状体が線状低密度ポリエチレンからなる上記の合成樹脂製補強シート、超高分子量ポリエチレン糸に加えて一軸延伸された合成樹脂製ヤーンが添着されてなる上記の合成樹脂製補強シート、及び、超高分子量ポリエチレン糸が縦方向に、合成樹脂製ヤーンが横方向にそれぞれ複数本平行して添着されてなる上記の合成樹脂製補強シートを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、包装資材、工場の仕切り、農業ハウス、屋外作業場等の日除け、雨除け用天幕等として使用される合成樹脂製補強シートに関するもので、本発明合成樹脂製補強シート1は、図1に示すように、熱可塑性樹脂のフィルム状体2に、超高分子量ポリエチレン糸3、3が複数本平行して添着される。
【0012】フィルム状体2を形成する熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルアミド等を使用することができる。
【0013】また、熱可塑性樹脂には、必要に応じて各種の添加材を配合することができ、例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;光安定剤、紫外線吸収剤等の耐候剤、ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系等の塩素補足剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;ヒドラジン系、アミンアシド系等の金属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;有機充填剤;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等を添加することができる。
【0014】これら成分は必要に応じて適宜配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、一軸又は二軸の押出機等の通常の混合又は混練機にて混合或いは溶融混練された後フィルム状に成形される。成形方法としては、Tダイによる押出し成形法、あるいは、インフレーション成形法を採用することができる。
【0015】フィルム状体2は押出し成形されたフィルムをそのまま用いてもよく、また、二軸延伸して用いることもでき、二軸延伸したときは、透明性、あるいは、引張り強度を向上することができる。
【0016】フィルム状体2は熱可塑性樹脂の単層体であってもよく、また、基層となる熱可塑性樹脂の片面又は両面に融点の低い熱可塑性樹脂からなる表層を積層することによって接着層を形成した積層体として用いることができる。
【0017】融点の低い熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルアミド等を使用することができ、基層となる熱可塑性樹脂との関係でより融点が低いものが選択される。
【0018】フィルム状体2の厚みは目的に応じて任意に選択し得るが、一般的には、20μm〜500μm、好ましくは、30μm〜200μm程度である。
【0019】超高分子量ポリエチレン糸は、分子量が100万以上を有するもので、好ましくは、200万〜300万のポリエチレンが用いられる。このような超高分子量ポリエチレンは、水素のような活性点移動剤の添加を減少または無くし、助触媒としてはアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムアルコキシド等の活性点移動効果の小さいものを選択することによって得ることができる。
【0020】超高分子量ポリエチレン糸はモノフィラ、扁平なリボン状のヤーンであってもよいが、柔軟性、耐久性、抗張力性の面からマルチフィラメント、あるいは、スパン糸とすることが望ましい。
【0021】超高分子量ポリエチレンをマルチフィラメントあるいはスパン糸に成形する方法としては、超高分子量ポリエチレンをトルエン、キシレン等の溶媒に溶解して溶液としてこれを紡糸した後、溶媒を蒸発除去することによって行なうことができる。
【0022】マルチフィラメントあるいはスパン糸を形成する繊維としては、100〜10000デシテックス、好ましくは200〜2000デシテックスが望ましく、また、使用される単糸3としては、1〜100デシテックス、好ましくは1〜20デシテックス程度が望ましい。
【0023】超高分子量ポリエチレン糸3は、熱可塑性樹脂のフィルム状体の少なくとも一方向に平行して複数本添着される。超高分子量ポリエチレン糸は単独で縦、又は横、あるいは縦横に使用することができるが、合成樹脂製の一軸延伸線条体4と併用することが望ましい。
【0024】超高分子量ポリエチレン糸3と併用される合成樹脂製の一軸延伸線条体4としては、延伸効果の大きい結晶性の熱可塑性樹脂が好ましく、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルアミド等を用いることができる。
【0025】また、合成樹脂には、必要に応じて各種の添加材を配合することができ、例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;光安定剤、紫外線吸収剤等の耐候剤、ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系等の塩素補足剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;ヒドラジン系、アミンアシド系等の金属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;有機充填剤;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等を添加することができる。
【0026】一軸延伸線条体4の断面形状は丸型、長円形等任意であるが、一般的には扁平なリボン状とされる。また、シートの柔軟性、取扱い性の観点から、リボン状一軸延伸線状体の縦方向に切り溝を形成した、いわゆる、スプリットヤーンが望ましい。
【0027】一軸延伸線条体4は、図2(A)に示すように、熱可塑性樹脂の単層体であってもよいが、図2(B)に示すように、基層5となる熱可塑性樹脂の片面又は両面に融点の低い熱可塑性樹脂からなる表層6、6を積層した積層体とすることができる。また、図2(C)に示すように、シースコア構造とすることも可能である。一軸延伸線状体の繊度は、100〜10000デシテックス、好ましくは500〜2000デシテックス程度が望ましい。
【0028】融点の低い熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルアミド等を使用することができ、基層となる熱可塑性樹脂との関係でより融点が低いものが選択される。
【0029】一軸延伸線条体4の成形は、押出しダイを用いてノズルから線状に押出し、これを延伸して成形することができるが、一般には、フイルム状に押出して、延伸する前に、又は延伸後にスリットすることによって得ることが望ましい。
【0030】基層5と表層6をフイルム状で積層するときは、基層5となる樹脂熱可塑性樹脂と表層6となる熱可塑性樹脂を共押出しによって行うことができ、また、基層5となる熱可塑性樹脂のフィルムと表層6となる熱可塑性樹脂のフィルムとを、熱ロール、熱板を用いて貼張り合わせるドライラミネーション、サーマルラミネーション、あるいは、基層5となる樹脂熱可塑性樹脂のフィルム上に表層6となる熱可塑性樹脂を押出成形する押出ラミネーション法によって行うことができる。
【0031】合成樹脂製の一軸延伸線条体4は、超高分子量ポリエチレン糸3の間に同方向に並列してこれをフィルム状体2に添着することができ、また、超高分子量ポリエチレン糸3を経糸として、合成樹脂製の一軸延伸線条体4を緯糸として添着することも可能である。
【0032】超高分子量ポリエチレン糸3を経糸として、合成樹脂製の一軸延伸線条体4を緯糸として添着する場合、図3(A)に示すように、平織、綾織等の織布として用いることができる。また、超高分子量ポリエチレン糸3を融点の低い熱可塑性樹脂からなる表層6、6を積層した一軸延伸線条体4と共に用いるときは、図3(B)に示すように、超高分子量ポリエチレン糸3を縦方向に引き並べ、それに直交する方向に一軸延伸線条体4を並設し、その交差点を接合することによって布状体として用いることができる。交点の接着はホットメルト型接着剤を用いて行なうことができ、また、熱ロールで圧着することによって行なうことができる。
【0033】超高分子量ポリエチレン糸3は、シート1の透明性を重視するときは間隔を広げて配設される。超高分子量ポリエチレン糸3の間隔は任意であるが、0.5〜50mm、好ましくは1.0〜20mm程度が適当である。
【0034】得られた布状体2の片面あるいは両面に熱可塑性樹脂のフィルム状体4が積層される。
【0035】超高分子量ポリエチレン糸3の布状体にフィルム状体2を積層する方法としては、Tダイから押出された溶融樹脂フィルムを布状体上に供給して圧着する押出しラミ方式、成形冷却されたフィルムを熱ロール、熱板等で再加熱して布状体上に供給して圧着するサーマルラミ方式を採用することができる。また、押圧する際、加熱されたロールを用いるときは冷却されたフィルムを直接供給してドライラミ方式によって積層することも可能である。
【0036】本発明合成樹脂補強シート1は、機器のカバー、包装袋、収穫物等の野外設置場の覆い、野外作業場の覆い、作物栽培圃場等の覆いとして広い分野で使用することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明は、かかる構成からなるから、機械的強度、寸法精度に優れると共に透明性の優れた補強シートを得ることができる。また、超高分子量ポリエチレン糸3は真珠光沢を有し装飾性にもすぐれたシートとなる。
【出願人】 【識別番号】390019264
【氏名又は名称】ダイヤテックス株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区内神田2丁目8番4号
【出願日】 平成13年6月20日(2001.6.20)
【代理人】 【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一 (外1名)
【公開番号】 特開2003−1732(P2003−1732A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−187194(P2001−187194)