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【発明の名称】 切り屑処理機の内筒部材
【発明者】 【氏名】塚本 雅淑
【住所又は居所】千葉県成田市新泉13番地の2日立ツール株式会社成田工場内

【氏名】光井 ▲弘▼
【住所又は居所】東京都江東区東陽4丁目1番13号サンツールテック株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】切り屑等を略円盤状に固形化する横型プレス機において、前記プレス機の内筒の切り屑等がプレス・固形化される部分を超硬合金製としたことを特徴とする切り屑処理機の内筒部材。
【請求項2】請求項1記載の切り屑処理機の内筒部材において、該超硬合金製内筒部材の長さを該略円盤状の長さよりも長くしたことを特徴とする切り屑処理機の内筒部材。
【請求項3】請求項1又は2記載の切り屑処理機の内筒部材において、該超硬合金はCrを含有していることを特徴とする切り屑処理機の内筒部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高速・高送りの切削工具で大量に発生する切り屑や、研削・研磨等で発生するダライ粉を処理する装置に係わり、特に固液の分離・回収を行い、且つ、体積を縮小しハンドリングの容易な固形化を連続して行う処理機及びその部材に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の高速・高送り切削に伴い大量に発生する切り屑は、切り屑の形態も取り扱いがしやすい数巻きにカールされた形状となっているが、その反面、体積的には膨大なものとなる。特に、MC等の汎用機械では、被加工物及びベットから除去するため切削工具近傍に吸引装置を設けて、吸引することにより排出している例がある。しかし、この切り屑吸引等でも、吸引時に、例えば、ホース内をスムーズに移動させるため、カールされた切り屑形態が好ましく、吸引後は大きな切り屑処理のためのバケットが必要になっている。高送りな刃先交換式回転工具の例としては、特開2000−5921号公報に記載された工具が切削変動(断続)の少ない鋼切削において1刃当りの送り量fz=2mm/刃の条件で安定切削可能な事例が記載されている。切屑排出量は、エンドミルの場合は、軸方向切り込み量Ad、径方向切り込み量Rd、テーブル送り量Fとを掛けたものであり、更に、テーブル送り量Fは、1刃当たりの送り量fz、刃数Z、主軸回転数Nとを掛けた数値である。
【0003】また、研削・研磨では、切削加工ほど大量の研磨屑(以下、ダライ粉と称する。)は生じないが、研削液とダライ粉が混ざった状態で、タンク等の容器に貯蔵され、沈殿させ、下部に貯まったダライ粉を回収している。上記の例として、特開2000−140799号公報には、集塵機を用いて回収し、切り屑、粉塵をプレダストボックス内で圧縮し固形化する例がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように切削加工での切り屑、研削・研磨でのダライ粉を回収する際には、回収後の処理は圧縮・固形化されているが、この例では、粉塵やふわふわした切り屑等の例が記載されているのみで、一般的に用いられる構造用鋼、合金鋼等の調質材の加工硬化した切り屑は考慮されていない。また、湿式切削はドリル等の穴開け加工でも同様な切り屑が多量に発生し、水溶性切削液等の固液の分離も自然乾燥等で行われているのが現状である。
【0005】本願発明では、上述した従来の切り屑・ダライ粉の回収処理の欠点を解消するためになされたもので、切削、研削等の膨大な体積を有する切り屑をハンドリングのし易いサイズに固形化させ、保管時の省スペース、移動、廃棄時のコスト低減を計り、連続してプレス処理が行える長寿命な処理機及びその部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願発明は、切り屑等を収納するボックス下部に、横形プレス機を設置し、所定の切り屑量又は所定の時間毎に、上記収納ボックスに収納され、その下部に堆積した切り屑を、横形プレス機で加圧し、体積を縮小し、略円盤状に固形化を連続して行う処理機であり、前記プレス機の内筒の、略円盤状の切り屑等がプレス・固形化される部分を超硬合金製としたことを特徴とする切り屑処理機の内筒部材である。また、該内筒部材の長さは、固形化された略円盤状の長さよりも長くしたことを特徴とし、また、湿式の切り屑、研削・研磨のダライ粉を処理する場合には、該超硬合金はCrを含有させ、耐食性、耐腐食性を向上させた超硬合金を用いることを特徴とする切り屑処理機の内筒部材である。
【0007】先ず、切り屑処理機の内筒部材を超硬合金製としてのは、切り屑等がプレスされる際及びプレス後に排出される際に、内筒側に食い付き、噛み込み等々が生じるため、少なくとも固形化に係わる略円盤状の部分よりも長く超硬合金製とした。超硬合金を用いることにより、切り屑の鋭利な部分や加工硬化した部分等でプレス成型される際にも、上記のような食い付き、噛み込みが減少し、更に、排出される際の同様な現象も軽減され、寿命が大幅に向上する。超硬合金製内筒部材の長さを内筒全体に延ばしても良いが、コスト上高くなるので、略円盤状よりも長い程度、具体的には1.1倍以上の長さで良い。次に、超硬合金製の内筒は、機械工具用の超硬合金でも十分な性能を有するが、特に、湿式切削の切り屑、研削のダライ粉を処理する場合には、切削油に含有される塩素等の影響による腐食を防止するため、Crを含有する超硬合金とし、耐食性、耐腐食性を改良した超硬合金を用いると良い。更には、内筒部材の製作に当たっては、超硬合金製、鋼製の繋ぎ部分は、面一でも良いが、繋ぎ部の超硬合金側に凹部を設けることにより、切り屑等の断片、小片等の食い込み、噛み込み等を減少させることができる。以下、本発明を図面を用い具体的に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】図1、図2は切り屑を横型プレス機でプレスする切り屑処理機の概略を示す。図1、2より、上部に設けられた切り屑等を収納するボックス1の下部2に、横形プレス機3が設置されている。収納ボックスの下部より落下した切り屑は、横型プレス機のシリンダー4内に堆積し貯まる。横型プレス機3は、シリンダー4の略中間の上部に前記収納ボックスと連結されるための開口部5を備えている。また、そのゲート6は板状物で遮蔽され、シリンダー4のゲート側の内筒7は、超硬合金、JIS K40相当で製作され、焼き嵌めにより固定され、他方には、押し金型(図示せず)を備え、油圧等のプレス機械と接続されている。更に、超硬合金製の内筒部材の長さは80mmで設け、内筒の超硬合金と鋼製の繋ぎ部分には、図3に示すように、超硬合金側に凹部8を設けた。凹部8は、長さ1〜5mm、角度10〜20度で設ける。
【0009】次に、上記実施例を用いて、切り屑の固形化を連続的に行い、その性能を確認した。用いた工具は従来技術に記載した高送り刃先交換式工具で、低合金鋼を荒加工し、螺旋状に数巻きカールした切り屑を用いた。この工具の特徴は、切り屑排出量が大きく、大量の切り屑が生じるので、連続的な切り屑処理が要求されるためである。尚、比較のため、内筒全体が鋼製(SKD61)からなるものも試験した。
【0010】1回目のプレスにおいて、本発明例では、ゲート6から押し金型迄の距離を約300mmとし、そのスペースに堆積した切り屑をプレスして、50〜70mm程度にまでプレスした後、ケート6を開け、押し金型により、外部に排出した。従って、固形化により、切り屑形態にも影響されるが、概ね体積は1/18〜1/36に減少することが出来る。次に、内筒部材の表面を観察すると、プレスする際の食い付きや、排出する際のつながった噛み込みが見られず、正常な状態であったが、従来例では、特にゲートよりの内筒部にプレスする際に食い付いた切り屑が、排出する際にそのまま擦過していった痕跡が多数見受けられた。
【0011】次に、連続して切り屑処理を実施し、その状態を観察した。本発明例では100回の繰り返し使用でも正常であり、従来例では、繰り返す毎に痕跡数が増加し、排出する際の圧力が増加していった。更に、試験を継続し、本発明例では1000回、5000回、1万回と延ばしたが、正常な切り屑処理を行うことが出来た。従来例は、600回を経過した頃から噛み込み等が増加し、内筒の表面、特に略円盤状の高さよりもゲート側で、痕跡が多数見られ、それらの傷等がプレス機で略円盤状の固形物を排出する際に、プレスした際の油圧をかけても押し出すことが出来なくなったので、寿命と判断した。
【0012】
【発明の効果】上記説明したとおり、本発明を適用することにより、膨大な体積を有する切り屑をハンドリングのし易いサイズに固形化させ、体積を1/18〜1/36に減少することができ、保管の省スペース、移動、廃棄時のコスト低減を計ることが出来、超硬合金製の内筒を長期に渡り使用することができる。更には、湿式の切削や研削のダライ粉では、固形化により、固液の分離が出来、保管時の省スペース、移動、廃棄時のコスト低減を計ることが出来る。
【出願人】 【識別番号】000233066
【氏名又は名称】日立ツール株式会社
【住所又は居所】東京都江東区東陽4丁目1番13号
【出願日】 平成14年4月9日(2002.4.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−305592(P2003−305592A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−106836(P2002−106836)