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【発明の名称】 コンタクトレンズの脱型、離型および水和のためにマイクロ波エネルギを使用する方法
【発明者】 【氏名】オリン・カルビン

【氏名】デイビッド・ボーウェン

【氏名】フィリップ・アール・アルブレクトン

【要約】 【課題】効率的なコンタクトレンズの脱型、離型および水和の方法を提供する。

【解決手段】一つ以上のマイクロ波加熱ステーションおよびマイクロ波処理ステーションでのコンタクトレンズの脱型、離型および水和のためにマイクロ波エネルギを使用する装置および方法を提供する。HEMAリングが付着した前方湾曲型部を、コンタクトレンズが付着した後方湾曲型部から取り外すことを促進するためにマイクロ波エネルギを使用する。後方湾曲型部からコンタクトレンズを離型することを促進するためにもマイクロ波エネルギを使用する。さらに、コンタクトレンズの水和を促進するためにマイクロ波エネルギを使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前方湾曲型部と底部湾曲型部と両者の間でモールディングされたコンタクトレンズを有するレンズ/型アセンブリからコンタクトレンズを取り外す方法であって、前記コンタクトレンズおよび前記レンズ/型アセンブリのうち脱型湾曲型の表面の前記コンタクトレンズに対する境界面がマイクロ波で加熱されるように、マイクロ波発生器で発生させられるマイクロ波放射に対して前記レンズ/型アセンブリを配置して、前記コンタクトレンズと前記脱型湾曲型の一方が他方よりも多くのマイクロ波を吸収するようにして、前記コンタクトレンズと前記脱型湾曲型の間にマイクロ波による熱勾配を設け、前記コンタクトレンズと前記脱型湾曲型の間の熱膨張差を設け、前記熱膨張差が前記コンタクトレンズと前記脱型湾曲型の間の付着を減少させることにより、脱型処理を促進することと、前記脱型湾曲型を保持装置に配置し、前記コンタクトレンズが付着した残りの付着湾曲型から前記脱型湾曲型から分離して脱型することとを備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】 付着湾曲型からコンタクトレンズを離型する方法であって、前記コンタクトレンズと前記付着湾曲型を一次包装のベース内の離型溶媒に密に接触し沈降させられた状態になるように配置することと、前記コンタクトレンズと前記離型溶媒が加熱されるように、前記コンタクトレンズと前記付着湾曲型を持つ前記一次包装および前記離型溶媒をマイクロ波発生器により発生させられるマイクロ波放射に対して配置して、前記付着湾曲型から前記コンタクトレンズを離型することとを備える方法。
【請求項3】 コンタクトレンズを水和する方法であって、一次包装のベースに前記コンタクトレンズを配置することと、前記コンタクトレンズを持つ前記一次包装のベースに一定量の洗浄抽出溶媒を投与することと、前記コンタクトレンズと前記洗浄抽出溶媒が加熱されるように、前記洗浄抽出溶媒と前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースをマイクロ波発生器により発生させられるマイクロ波放射に対して配置して、水和を促進することと、前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースから汚れた前記洗浄抽出溶媒を排出することと、前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースに清潔な洗浄抽出溶媒を与えることとを備える方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広くいえば、コンタクトレンズの脱型、離型および水和のためにマイクロ波エネルギを使用する装置および方法に関する。さらに具体的には、本発明は、コンタクトレンズの脱型、離型および水和のためにデザインされた一つ以上のマイクロ波加熱ステーションおよびマイクロ波処理ステーションでのマイクロ波エネルギの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロゲルソフトコンタクトレンズを製造する技術の状況は、自動的なモールディングシステムおよび組立てラインに発展してきている。組み立てラインでは、ヒドロゲルソフトコンタクトレンズの各々は、型の前半部分および後半部分の間にモノマーを挟み付けることによって形成される。このモノマーは重合されてレンズになり、型の前半部分および後半部分から離型され、さらに処理されて消費者の使用のために包装される。
【0003】典型的な従来のソフトコンタクトレンズの製造方法では、熱可塑性の射出成形された前方湾曲型(FC型)と後方つまり底部湾曲型(BC型)を大量に製造するために射出成形工程で射出成型機中に金属の中子が使用されている。FC型およびBC型の各々は、単一のソフトヒドロゲルコンタクトレンズをただ一度モールディングするのに使用される。この方法では、FC型にコンタクトレンズを形成するモノマーが投与され、BC型はFC型の上に注意深く戴置される。型の二つの半分部分は同時に圧縮され、余分なモノマーが型の光学表面の外側の空間に排出される。次にモノマーが重合されてレンズが形成される。この後レンズは型から離され、さらに最終的なソフトヒドロゲルコンタクトレンズ製品を得るために処理される。
【0004】図1は、典型的な従来技術の型アセンブリ8を示す図である。型アセンブリ8は前方湾曲型部10と後方湾曲型部12を有し、これらの間にはソフトコンタクトレンズ14がモールディングされる容積が画定されている。
【0005】前方湾曲型部10は中央の湾曲部を有しており、中央の湾曲部は光学的品質の凹面を有する。この光学的品質の凹面は、その周囲に円形の精巧な鋭い縁16を有する。鋭い縁16は、その後にモールディングされるソフトコンタクトレンズのための精巧で均一なプラスチックの丸みを持ったパーティングライン(分割縁)を形成するために望ましい。同様に、後方湾曲型部12は中央の湾曲部を有しており、中央の湾曲部は光学的品質の凸面を有する。
【0006】FC型とBC型は、要求される光学的性質を持つ最終的にモールディングされるレンズを形成することができ、射出成形が可能ないかなる熱可塑性材料からでも形成できる。現在のところ好ましい型枠の材料はポリスチレンおよびポリプロピレンである。FC型とBC型を射出成形するには、通常は、要求される形状を持つ射出金属ツール中子が加工されて、射出成型機内に取り付けられる。射出成型されたFC型とBC型は、射出金属ツール中子に忠実な形状であり、中子を反転した再生産可能な複製品である。その結果モールディングされたコンタクトレンズは、金属型中子に忠実な形状であり、再生産可能な複製品である。
【0007】FC型とBC型の間でコンタクトレンズをモールディングした後、FC型とBC型は分離しなければならない。通常は、FC型とBC型の分離の間に、型穴の周囲の余分なモールディング材料であるHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)リングがFC型に付着し、モールディングされたコンタクトレンズがBC型に付着する。FC型は付着を促進するようにデザインされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】HEMAリングが付着したFC型を、モールディングされたコンタクトレンズが付着したBC型から取り外すために、従来技術ではIR(赤外線)ランプを熱源として使用しているが、製品を脱型するためにIRランプの約20%未満のエネルギしか使用していない。これは、エネルギの無駄なだけでなく、このエネルギの全てをこの後費用のかかる水冷工程およびシステムで除去しなくてはならないという点で不利である。水冷工程およびシステムは、赤外線で与えられた熱のすべてを除去するために運転され、監視され、維持されなければならない。IR方法は、精確ではなく、脱型および型の開放の段階で多くのレンズが損傷を受けてしまう。
【0009】付着したコンタクトレンズをBC型から離すには、従来技術では、通常4分を超える浸漬時間で容器内に浸漬していた。これは、1分間未満しか要しない本発明に係る工程に比べて、4分間の浸漬時間の間に300%を超える半製品(WIP)を要することになり不利である。
【0010】離型されたコンタクトレンズを水和するには、従来技術では、最低でも20分間の浸漬時間を要する。これは、約6分間しか要しない本発明に係る工程に比べて、20分間の浸漬時間の間に200%を超える半製品(WIP)を要することになり不利である。
【0011】コンタクトレンズの離型および水和のためには、従来技術では、加熱された溶媒を配送するために、加熱された供給タンクと断熱された配管を使用する。これは、室温の溶媒を配送し、使用箇所で溶媒を急加熱する本発明に係る工程に比べて、不利である。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、コンタクトレンズの脱型、離型および水和のためにマイクロ波エネルギを使用する装置および方法を提供すること、さらに具体的には、一つ以上のマイクロ波加熱ステーションおよびマイクロ波処理ステーションでのコンタクトレンズの脱型、離型および水和のためのマイクロ波エネルギの使用を提供することを主な目的とする。
【0013】本発明は、HEMAリングが付着したFC型(またはBC型)を、コンタクトレンズが付着したBC型(またはFC型)から取り外すことを促進するためにマイクロ波エネルギを使用する。そして、本発明は、BC型(またはFC型)からコンタクトレンズを離型することを促進するためにマイクロ波エネルギを使用する。さらに本発明は、コンタクトレンズの水和を促進するためにマイクロ波エネルギを使用する。本発明は、脱型については、(1)必要エネルギの削減をもたらす優れたエネルギの拘束および案内、(2)脱型装置の簡略化、(3)生産量の歩留まりの改善という3つの効果をもたらす。本発明は、離型については、(1)後方湾曲型部からレンズを離すのに要する時間の短縮、(2)室温の離型溶媒の投与という2つの効果をもたらす。本発明は、水和については、(1)特にDarocur 1173(登録商標)生産ラインのための抽出時間の短縮、(2)水和装置の簡略化、(3)一次包装の内部でのコンタクトレンズの水和をマイクロ波システムが可能にするという3つの効果をもたらす。
【0014】本発明は、重要要因である脱型、離型および水和装置の大幅な簡略化をもたらす。マイクロ波装置は、電源、マイクロ波発生器、マイクロ波導波路、および可能であればマイクロ波弁からなる。導波路はシート状の金属から形成することができるので低価格であり(費用はデザインによる)、マイクロ波の拘束および案内に関してはほぼ100%の効率で働き、腐食が進行しない。
【0015】マイクロ波の伝達は加熱すべき材料内の極性基による電磁界の結合に依存する。ヒドロキシル基はこの種の加熱の対象となる。溶媒と溶質の加熱は、レンズからの物質の拡散を大幅に上昇させる。ヒドロキシル基へのマイクロ波の伝達(標準のマイクロ波について)は非常に効率的であり、使用箇所に好適に配送される。従って、例えばDarocur 1173(登録商標)のようなヒドロキシルを含む分子は、マイクロ波の照射によってより早く抽出されるはずである。
【0016】離型は約1分間(3分間から5分間に比べて)、70℃、150ppmのTween-80(商品名)のDI(蒸留水)中に、従来のマイクロ波の炉でNIC硬化したアセンブリを使用することで達成され、所要の離型時間が少なくとも約75%減少した。水和時間は約67%減少した。
【0017】離型と水和処理の間にマイクロ波加熱を使用することにより、マイクロ波が使用箇所に熱を与えるので、加熱溶媒を貯蔵して輸送する必要性はなくなる。1mlの室温の包装溶媒が約3秒で沸騰した。
【0018】
【発明の実施の形態】脱型、離型および水和のためのマイクロ波エネルギの使用に関する本発明の前述の目的および効果は、添付図面に関連した本発明のいくつかの実施の形態に関する下記の詳細な説明を参照することにより当業者により容易に理解されるだろう。図中、同様の要素は全図面を通して同一の参照符号により示される。
【0019】図2は、図1を参照しながら上述した形式の前方湾曲型部と底部湾曲型部を有する、コンタクトレンズ/型アセンブリ8を示しており、ヒドロゲルソフトコンタクトレンズが内部でモールディングされた後の状態を示す。コンタクトレンズ/型アセンブリ8は、真空20によって後方(底部)湾曲型部12を保持する真空駆動式のコンベヤ装置22により支持されている。
【0020】レンズ/型アセンブリ8は、マイクロ波加熱・処理脱型ステーションに配置される。このステーションはマイクロ波発生器24、マイクロ波導波路26を備え、可能であればマイクロ波弁を備える。マイクロ波導波路26は、低コスト金属から形成されており、その費用はデザインによる。マイクロ波導波路26は、マイクロ波の拘束および案内に関してはほぼ100%の効率で働き、本発明の実施で使用される様々な離型溶媒、洗浄溶媒、およびDI溶媒によって腐食が進行しない。レンズ/型アセンブリ8は、コンタクトレンズおよびコンタクトレンズに対するレンズ/型アセンブリ8の前方湾曲型部10の表面の境界面が優先的にマイクロ波で加熱されるように、マイクロ波導波路26および加熱装置に対して配置されている。
【0021】脱型工程は、コンタクトレンズ材料と型材料の間の熱膨張の相違により促進および達成される。これは、コンタクトレンズと型の熱伝導率および熱伝導の相違、またはコンタクトレンズと型のマイクロ波吸収の相違により起こすことができる。後者の例として、一方の型は高い双極モーメントを持ちマイクロ波の照射で急に加熱するナイロンでよい。コンタクトレンズ材料またはこれに含まれる希釈剤は、所望の極性を持つように調節してもよい。
【0022】前方湾曲型部10と底部湾曲型部12と両者の間でモールディングされたコンタクトレンズ14を有する型アセンブリ8からコンタクトレンズを外す工程は、コンタクトレンズと、コンタクトレンズから分離される方の湾曲した前方または底部湾曲型部の間に熱勾配を設けることにより促進される。ここに図示されているように、一緒に付着した底部湾曲型部12とコンタクトレンズ14から前方湾曲型部10をまず分離つまり脱型するように、型アセンブリ8はデザインされている。あるいは、一緒に付着した前方湾曲型部10とコンタクトレンズ14から後方湾曲型部12をまず分離するように型アセンブリ8はデザインされている。
【0023】本出願では、脱型/分離工程の後でコンタクトレンズが付着した方の湾曲した型部分は「付着湾曲型」と呼び、付着湾曲型およびコンタクトレンズから脱型および分離される他の湾曲した型部分は「脱型湾曲型」と呼ぶ。マイクロ波加熱は、コンタクトレンズと脱型湾曲型の間に熱膨張差を発生し、この熱膨張差はコンタクトレンズと脱型湾曲型の間の付着を弱める。
【0024】典型的には、分離された脱型湾曲型は、余分なHEMAリングに付着し、HEMAリングを保持するように設計されている。これによりコンタクトレンズからHEMAリングが除去され、コンタクトレンズは他方の付着湾曲型に付着して取り残される。
【0025】コンタクトレンズと脱型つまり分離される湾曲型の間の熱勾配は、コンタクトレンズまたは脱型湾曲型の一方を他方よりもマイクロ波をより吸収するように設計することにより、マイクロ波で設けることができる。材料のマイクロ波を吸収する能力は、他の要因の中でも、例えば水のような双極分子を持ちマイクロ波により振動されて加熱される物質に依存して異なる。湾曲型は通常はポリスチレンから形成されてよい。ポリスチレンは双極材料ではなく、ほとんどマイクロ波を吸収せずマイクロ波では加熱されない。従って、モールディングされるコンタクトレンズは、双極分子を持つ材料から形成することができる。これによりポリスチレンの湾曲型がマイクロ波により加熱されずに、コンタクトレンズがマイクロ波で加熱され、コンタクトレンズと脱型湾曲型との間の好ましい熱勾配が設けられる。代替的な実施の形態では、湾曲型は、マイクロ波により加熱される例えばナイロン材料、アクリル材料またはポリエステル材料のような双極分子を持つ材料から形成される。
【0026】図2は、コンベヤ装置22が、硬化したレンズ/型アセンブリ8をマイクロ波発生器24の上方のある位置に配置した状態を示す図である。この位置では、前方湾曲型部10が、前方湾曲型部とコンタクトレンズの保持装置28で定位置に保持および固定されており、コンタクトレンズ14、より具体的には、コンタクトレンズと前方湾曲レンズ面の境界をマイクロ波30により優先的に加熱することができ、前方湾曲型部とモールディングされるコンタクトレンズの付着を緩めることができる。次に、前方湾曲型部10が保持装置28で拘束されている間に、アセンブリコンベヤ装置22と後方湾曲型部12は退避されて、垂直に上昇させられる。これにより、後方湾曲型部12および付着したソフトコンタクトレンズ14は、前方湾曲型部10から分離し、余分なHEMAリングは前方湾曲型部10に付着したまま残される。前方湾曲型部10はこの付着を促進するようにデザインされている。
【0027】図3は、硬化したレンズと後方湾曲型部12が前方湾曲型部10から脱型および分離され、余分なHEMAリングが前方湾曲型部10に付着して残された工程段階および状態を示す図である。次に前方湾曲型部10は、例えば前方湾曲型部の真空搬送装置によりこの脱型ステーションすなわち分離ステーションから除去される。
【0028】本発明の方法の段階は、異なる処理ステーションで行ってもよい。例えば、脱型処理は脱型ステーションで行い、コンタクトレンズを付着している残りの湾曲型部から解放すなわち分離する離型処理は他の離型ステーションで行い、離型されたコンタクトレンズを水和する水和処理は他の水和ステーションで行ってもよい。あるいは、上記処理の一つ以上を共通のステーションで行ってもよい。一般的には異なる処理段階は異なるマイクロ波加熱時間量を要し、マイクロ波エネルギの異なる波長を使用することもあるので、異なる処理段階は異なる処理ステーションで行うのが好ましいと考えられる。さらに、これらの異なる処理ステーションは、各処理段階でマイクロ波照射の強度および期間を制御する能力を持つ。
【0029】各マイクロ波加熱ステーションでは、マイクロ波弁を使用するなどにより、マイクロ波発生器の寿命を最大にするために絶え間なくオンに維持されると好ましい。あるいは、マイクロ波加熱ステーションが、例えば型アセンブリまたは型部品または一次包装の搬送の期間の間、または投与または液体交換の期間の間にマイクロ波加熱を必要としない場合には、マイクロ波は次の加熱工程を行うように再照射されてもよい。
【0030】さらに、本発明の方法は、連続的または半連続的な生産ラインで実行してもよいし、単一の型アセンブリまたはコンタクトレンズについて実行してもよいし、複数の型アセンブリまたはコンタクトレンズのアレイを保持するパレット内に位置した複数の型アセンブリまたはコンタクトレンズについて実行してもよいし、例えば数百のような小さなロットの型アセンブリまたはコンタクトレンズについて実行してもよい。
【0031】図4は、例えば一次包装真空搬送装置によって、一次包装のベース32が離型ステーションに配置された工程段階を示す図である。一次包装32には、好ましくは環境温度すなわち室温の計量された量の離型溶媒36が投与管34を通じて投与される。一次包装32および離型溶媒36はマイクロ波導波路38の上方に配置され、離型溶媒36がマイクロ波40で加熱されるようになっている。マイクロ波システムの他の利点は、マイクロ波システムによって一次包装32で水和を行うことができるということである。
【0032】図5は、ソフトコンタクトレンズ14が一次包装32内の加熱された離型溶媒36に密に接触し、全体的に浸漬および沈降させられた状態になるように、コンベヤ装置42がコンタクトレンズ14と後方湾曲型部12を下降させて配置した工程段階および状態を示す図である。離型溶媒36はマイクロ波により加熱され、できるだけコンタクトレンズもマイクロ波により加熱される。コンタクトレンズがマイクロ波により加熱され、底部湾曲型部12が加熱されない場合には、両者の間に熱勾配が設けられて、底部湾曲型部12からコンタクトレンズ14が離れるのが促進される。この後、図6に示すように、底部湾曲型部12を離型ステーションから除去することができる。
【0033】図6は、十分なマイクロ波エネルギを伝達して底部湾曲型部12からコンタクトレンズ14を離すことを完了した工程段階および状態を示す図である。また図6は、コンベヤ装置42が一次包装32から後方湾曲型部12を上昇させて、一次包装32内の離型溶媒36に浸漬されたレンズ14を残した状態を示す。
【0034】図7は、マイクロ波加熱処理を継続し、一次包装32内でレンズ14と離型溶媒36を連続的にマイクロ波加熱することにより連続的なレンズ水和を促進した状態を示す図である。ここでは、レンズは一次包装32内に配置され、汚れた離型溶媒36内に沈降されている。
【0035】図8は、一次包装32の上方に特別な蒸留して得た水(DI)を除去・気化するノズル44を配置した工程段階を示す図である。液状の洗浄抽出溶媒46がチェック弁48を通じて気化室50に流入する。気化室50では、与えられたマイクロ波40によって液状の洗浄抽出溶媒46が気化し、その底部から気化溶媒を一次包装32に流出させる圧力を発生する。また、抽出通路54には真空52が与えられており、汚れた離型・洗浄抽出溶媒は、高圧および高速の洗浄抽出溶媒蒸気によってレンズおよび一次包装32から移動されて排出されるとともに、清潔な洗浄抽出溶媒46がレンズおよび一次包装32に与えられ、マイクロ波による連続的な追加の加熱がさらなる水和を促進する。
【0036】図9は、レンズからの不適切な物質および分子の受動拡散を行う十分な時間放置された後に、液化した洗浄抽出溶媒46にレンズ14が全体的に沈降された結果のシステムを示す図である。このレンズ水和処理は、マイクロ波40による加熱を継続することで促進される。このマイクロ波加熱システムは、マイクロ波による継続的な加熱によりレンズの水和をさらに増大させるために、洗浄抽出溶媒46の標準沸点よりも洗浄抽出溶媒46の温度を上げる能力を有する。
【0037】図10はさらなる処理段階を示す図である。この段階では、DI除去ノズル56が一次包装32およびレンズ14の上方に配置され、圧縮空気58がDI除去ノズル56内の中央通路60を通じて進入し、現在では汚れてしまった洗浄抽出溶媒46を、真空64が与えられたDI除去ノズル56内の排出通路62によって移動させる。
【0038】図11はさらなる処理段階を示す図である。この段階では、計量された分量の新鮮なDI洗浄抽出溶媒68を投与管66が一次包装32およびコンタクトレンズ14に搬送する。
【0039】図12は、図10の処理段階と類似したさらなる処理段階を示す図である。この段階では、水和時間の後、現在では汚れてしまったDI洗浄抽出溶媒68を圧縮空気58によって移動させて排出する。DI除去ノズル56が一次包装32およびレンズ14の上方に配置され、圧縮空気58がDI除去ノズル56内の中央通路60を通じて進入し、現在では汚れてしまったDI洗浄抽出溶媒68を、真空64が与えられたDI除去ノズル56内の排出通路62によって移動させる。
【0040】図13は、図11の処理段階と類似したさらなる処理段階を示す図である。この段階では、計量された分量の新鮮なDI洗浄抽出溶媒70を投与管66が一次包装32およびコンタクトレンズ14に投与する。コンタクトレンズ14は現状では包装カバーおよびシールが適用される準備が完了した状態である。レンズと溶媒を内部に持つ一次包装32は、マイクロ波加熱ステーションから、包装を完了して製品を処理する処理ステーションに移動させられる。
【0041】以上、コンタクトレンズの脱型、離型および水和のためにマイクロ波エネルギを使用する本発明のいくつかの実施の形態および変更形態を説明したが、本発明の開示および記載は当業者に多くの代替デザインを示唆することは明らかである。
【0042】この発明の具体的な実施態様は次の通りである。
(1)前記脱型湾曲型は前方湾曲型部であり、前記コンタクトレンズと前記前方湾曲型部の間に熱勾配を設け、前記前方湾曲型部を付着湾曲型および前記コンタクトレンズから取り外しおよび分離する、請求項1に記載の方法。
(2)前記コンタクトレンズは双極分子を持つ材料からモールディングされることによりマイクロ波によって加熱され、前記脱型湾曲型部は双極分子を有しておらずマイクロ波によって加熱されないことにより、前記コンタクトレンズと前記脱型湾曲型の間にマイクロ波による熱勾配を設ける、請求項1に記載の方法。
(3)前記脱型湾曲型部はポリスチレンから形成されている、実施態様(2)に記載の方法。
(4)前記マイクロ波発生器により発生させられたマイクロ波放射をマイクロ波導波路によって前記レンズ/型アセンブリに案内することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
(5)前記コンタクトレンズを付着湾曲型から離型させる処理をさらに備えており、前記離型させる処理は、前記コンタクトレンズと前記付着湾曲型を一次包装のベース内の離型溶媒に密に接触し沈降させられた状態になるように配置することと、前記コンタクトレンズと前記離型溶媒が加熱されるように、前記コンタクトレンズと前記付着湾曲型を持つ前記一次包装および前記離型溶媒をマイクロ波発生器により発生させられるマイクロ波放射に対して配置して、前記付着湾曲型から前記コンタクトレンズを離型することを有する、請求項1に記載の方法。
【0043】(6)前記一次包装のベースには環境温度の一定量の離型溶媒が投与され、前記離型溶媒がマイクロ波で加熱されるように前記一次包装のベースと前記離型溶媒が前記マイクロ波導波路に対して配置される、実施態様(5)に記載の方法。
(7)前記離型溶媒と前記コンタクトレンズはマイクロ波で加熱されるように双極分子を持つ物質であり、前記付着湾曲型はマイクロ波で加熱されないように双極分子を持たない物質であことにより、前記コンタクトレンズと前記付着湾曲型の間に熱勾配を設けて、前記コンタクトレンズの前記付着湾曲型からの離型を促進する、実施態様(5)に記載の方法。
(8)前記マイクロ波発生器により発生させられたマイクロ波放射をマイクロ波導波路によって、前記コンタクトレンズと前記付着湾曲型を持つ前記一次包装および前記離型溶媒に案内することをさらに備える、実施態様(5)に記載の方法。
(9)離型された前記コンタクトレンズを水和する処理をさらに備えており、前記水和する処理は、前記一次包装のベースから前記離型溶媒を排出することと、前記コンタクトレンズを持つ前記一次包装のベースに一定量の洗浄抽出溶媒を投与することと、前記コンタクトレンズと前記洗浄抽出溶媒が加熱されるように、前記洗浄抽出溶媒と前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースをマイクロ波発生器により発生させられるマイクロ波放射に対して配置して、水和を促進することと、前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースから汚れた前記洗浄抽出溶媒を排出することと、前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースに清潔な洗浄抽出溶媒を与えることとを有する、実施態様(5)に記載の方法。
(10)汚れた前記洗浄抽出溶媒を排出する工程と、清潔な洗浄抽出溶媒を与える工程を、マイクロ波による継続的な追加の加熱と一緒に数回繰り返し、さらなる水和を促進する、実施態様(9)に記載の方法。
【0044】(11)マイクロ波発生器により発生させられたマイクロ波放射をマイクロ波導波路により、前記洗浄抽出溶媒と前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースに案内する、実施態様(9)に記載の方法。
(12)前記一次包装のベースには環境温度の一定量の離型溶媒が投与され、前記離型溶媒がマイクロ波で加熱されるように前記一次包装のベースと前記離型溶媒が前記マイクロ波導波路に対して配置される、請求項2に記載の方法。
(13)前記離型溶媒と前記コンタクトレンズはマイクロ波で加熱されるように双極分子を持つ物質であり、前記付着湾曲型はマイクロ波で加熱されないように双極分子を持たない物質であことにより、前記コンタクトレンズと前記付着湾曲型の間に熱勾配を設けて、前記コンタクトレンズの前記付着湾曲型からの離型を促進する、請求項2に記載の方法。
(14)前記マイクロ波発生器により発生させられたマイクロ波放射をマイクロ波導波路によって、前記コンタクトレンズと前記付着湾曲型を持つ前記一次包装および前記離型溶媒に案内することをさらに備える、請求項2に記載の方法。
(15)離型された前記コンタクトレンズを水和する処理をさらに備えており、前記水和する処理は、前記一次包装のベースから前記離型溶媒を排出することと、前記コンタクトレンズを持つ前記一次包装のベースに一定量の洗浄抽出溶媒を投与することと、前記コンタクトレンズと前記洗浄抽出溶媒が加熱されるように、前記洗浄抽出溶媒と前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースをマイクロ波発生器により発生させられるマイクロ波放射に対して配置して、水和を促進することと、前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースから汚れた前記洗浄抽出溶媒を排出することと、前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースに清潔な洗浄抽出溶媒を与えることとを有する、請求項2に記載の方法。
【0045】(16)汚れた前記洗浄抽出溶媒を排出する工程と、清潔な洗浄抽出溶媒を与える工程を、マイクロ波による継続的な追加の加熱と一緒に数回繰り返し、さらなる水和を促進する、実施態様(15)に記載の方法。
(17)マイクロ波発生器により発生させられたマイクロ波放射をマイクロ波導波路により、前記洗浄抽出溶媒と前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースに案内する、実施態様(15)に記載の方法。
(18)汚れた前記洗浄抽出溶媒を排出する工程と、清潔な洗浄抽出溶媒を与える工程を、マイクロ波による継続的な追加の加熱と一緒に数回繰り返し、さらなる水和を促進する、請求項3に記載の方法。
(19)マイクロ波発生器により発生させられたマイクロ波放射をマイクロ波導波路により、前記洗浄抽出溶媒と前記コンタクトレンズを内部に持つ前記一次包装のベースに案内する、請求項3に記載の方法。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、脱型については、(1)必要エネルギの削減をもたらす優れたエネルギの拘束および案内、(2)脱型装置の簡略化、(3)生産量の歩留まりの改善という3つの効果をもたらす。本発明は、離型については、(1)後方湾曲型部からレンズを離すのに要する時間の短縮、(2)室温の離型溶媒の投与という2つの効果をもたらす。本発明は、水和については、(1)特にDarocur 1173(登録商標)生産ラインのための抽出時間の短縮、(2)水和装置の簡略化、(3)一次包装の内部でのコンタクトレンズの水和をマイクロ波システムが可能にするという3つの効果をもたらす。
【出願人】 【識別番号】500092561
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway−Suite 100, Jacksonville, Florida 32256, U.S.A.
【出願日】 平成15年3月3日(2003.3.3)
【代理人】 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開2003−326540(P2003−326540A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2003−56094(P2003−56094)