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【発明の名称】 タイヤの予備成形方法及びその装置
【発明者】 【氏名】吉川 元和
【住所又は居所】神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株式会社平塚製造所内

【氏名】宮本 一郎
【住所又は居所】神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株式会社平塚製造所内

【要約】 【課題】未加硫タイヤ内にブラダーを精度良く挿入でき、また予備成形された未加硫タイヤを変形させることなく加硫機の金型に精度良く挿入することが出来るタイヤの予備成形方法及びその装置を提供する。

【解決手段】予備成形装置10は、支持部材12の側面にガイド手段13及び移動手段14を介して一対の接近・離反可能な移動部材15a,15bが配設してある。移動部材15a,15bの相対向する面の同一軸線X−X上には、ブラダーユニット30が配設され、このブラダーユニット30は、シリンダー21a,21bを介して昇降可能な一対のビードリング22a,22bを設け、前記上部側のビードリング22aと同一軸線X−X上に、上下にブラダークランプリング23a,23bを備えたブラダー24をガイドロッド等のブラダー中心機構25を介して接近離反可能に構成してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 成形された未加硫タイヤの外周面を把持した状態で、該未加硫タイヤの中心にブラダーユニットを挿入し、このブラダーユニットのブラダー内に予備加熱流体を導入しながら一対のブラダークランプリングを引き寄せて未加硫タイヤ内にブラダーを収納した後、ブラダーの中心機構と同軸線上に設けた一対のビードリングを引き寄せて未加硫タイヤのビード部に係合させると共に、ブラダー内に予備加熱流体を更に導入させて予備成形を行い、この状態で、タイヤ加硫装置に搬送するタイヤの予備成形方法。
【請求項2】 前記ブラダーユニットの一対のブラダークランプリングと、一対のビードリングとを同時に引き寄せて未加硫タイヤのビード部に係合させ、これと同時にブラダー内に予備加熱流体を導入して予備成形を行う請求項1に記載のタイヤの予備成形方法。
【請求項3】 タイヤ加硫装置の外部に、鉛直または水平に支持部材を立設し、この支持部材にガイド手段及び移動手段を介して一対の接近・離反可能な移動部材を配設し、この移動部材の相対向する面の同一軸線上にブラダーユニットを配設し、このブラダーユニットは、シリンダーを介して移動可能な一対のビードリングを設け、前記上部側のビードリングと同一軸線上に、ブラダークランプリングを備えたブラダーをブラダー中心機構を介して接近離反可能に構成したことを特徴とするタイヤの予備成形装置。
【請求項4】 前記ブラダー中心機構は、一方のブラダークランプリングをロッドを介して引き寄せるシリンダーと、ブラダー内に予備加熱流体を導入する導入機構を備えた請求項3に記載のタイヤの予備成形装置。
【請求項5】 予備成形装置の近傍に、未加硫タイヤの予備加硫成形時に未加硫タイヤの外周面を着脱可能に把持する把持手段を設置した請求項3または4に記載のタイヤの予備成形装置。
【請求項6】 前記ブラダークランプリングまたはビードリングに、電熱ヒータを取付けた請求項3,4または5に記載のタイヤの予備成形装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、タイヤの予備成形方法及びその装置に係わり、更に詳しくは未加硫タイヤを加硫装置へ投入する前工程で、未加硫タイヤの外周面を把持した状態で未加硫タイヤの予備成形を行うタイヤの予備成形方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤの加硫装置では、例えば、図4に示すように、加硫装置1上で固定された下金型2上に未加硫タイヤ(生タイヤ)Wを設置した後、未加硫タイヤWとブラダー機構3のブラダー4とを組み立て、その後上金型5及び分割金型6を閉じ、未加硫タイヤWの上下ビード部Waにビードリング7を嵌合させる方法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、未加硫タイヤWに対するビードリング7の装着動作は上下非対称となり、芯ズレなどにより精度良く未加硫タイヤWとブラダー4とを組み立てることが出来ないと言う問題があり、またブラダー4の製造のバラツキによる伸び方の不均一により、更に組付け精度を悪化させていた。
【0004】また、未加硫タイヤWとブラダー4とを組み立てる際、未加硫タイヤWの内径部の数箇所を把持爪等の把持部材により把持しているため、ブラダー4と把持部材とが接触してブラダーが擦られる等の悪影響を及ぼすと言う問題があった。
【0005】また、ブラダーと未加硫タイヤとを加硫機の外部で組み立てる方法等も考えられるが、加硫機上においては上下非対称動作となって組み立て精度は良くない。
【0006】この発明はかかる従来の問題点に着目し、タイヤ加硫機の外部で未加硫タイヤとブラダー及びビードリングとをビードリングを基準として予め組み立てるので、未加硫タイヤ内にブラダーを精度良く挿入でき、また予備成形された未加硫タイヤを変形させることなく加硫機の金型に精度良く挿入することが出来るタイヤの予備成形方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達成するため、この発明のタイヤの予備成形方法は、成形された未加硫タイヤの外周面を把持した状態で、該未加硫タイヤの中心にブラダーユニットを挿入し、このブラダーユニットのブラダー内に予備加熱流体を導入しながら一対のブラダークランプリングを引き寄せて未加硫タイヤ内にブラダーを収納した後、ブラダーの中心機構と同軸線上に設けた一対のビードリングを引き寄せて未加硫タイヤのビード部に係合させると共に、ブラダー内に予備加熱流体を更に導入させて予備成形を行い、この状態で、タイヤ加硫装置に搬送することを要旨とするものである。
【0008】また、上記の予備成形方法において、ブラダーユニットの一対のブラダークランプリングと、一対のビードリングとを同時に引き寄せて未加硫タイヤのビード部に係合させ、これと同時にブラダー内に予備加熱流体を導入して予備成形を行うものである。
【0009】このように、タイヤ加硫機の外部で未加硫タイヤとブラダーユニットのブラダー及びビードリングとをビードリングを基準として予め組み立てるので、未加硫タイヤ内にブラダーを精度良く挿入でき、また予備成形された未加硫タイヤを変形させることなく加硫機の金型に精度良く挿入することが出来るのである。
【0010】また、未加硫タイヤを外掴み把持することにより、把持爪等とブラダーとが接触することがなく、ブラダーを精度良く未加硫タイヤ内に挿入でき、更に未加硫タイヤのビード部をビードリングに嵌合させるので、ブラダーの伸びに不均一な部分があっても精度に影響を与えることがなく、また未加硫タイヤのビード部にビードリングを嵌合させるので、低圧でも精度の良い組み立てを行うことが出来る。
【0011】また、この発明のタイヤの予備成形装置は、タイヤ加硫装置の外部に、鉛直または水平に支持部材を立設し、この支持部材にガイド手段及び移動手段を介して一対の接近・離反可能な移動部材を配設し、この移動部材の相対向する面の同一軸線上にブラダーユニットを配設し、このブラダーユニットは、シリンダーを介して移動可能な一対のビードリングを設け、前記上部側のビードリングと同一軸線上に、ブラダークランプリングを備えたブラダーをブラダー中心機構を介して接近離反可能に構成したことを要旨とするものである。
【0012】前記ブラダー中心機構は、一方のブラダークランプリングをロッドを介して引き寄せるシリンダーと、ブラダー内に予備加熱流体を導入する導入機構を備え、また予備成形装置の近傍には、未加硫タイヤの予備加硫成形時に未加硫タイヤの外周面を着脱可能に把持する把持手段を設置するものである。また前記ブラダークランプリングまたはビードリングに、電熱ヒータを取付けて構成する。
【0013】このように、タイヤ加硫装置の外部に、未加硫タイヤとブラダーユニットのブラダー及びビードリングとをビードリングを基準として予め組み立てるコンパクトで簡単な構成の予備成形装置を設置することで、成形された未加硫タイヤにビードリングを基準としてブラダー及びビードリングとを容易に組み立てることが出来、加硫装置の金型に対して未加硫タイヤ組み立て体を精度良く挿入でき、製品タイヤの精度を高めることが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【0015】なお、従来例と同一構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。
【0016】図1は、タイヤの予備成形方法を実施するためのタイヤ加硫装置の外部に設置された予備成形装置の正面図を示し、この予備成形装置10は、ベースプレート11上に支持部材12を鉛直に立設し、この支持部材12の側面には、ガイド手段13及び移動手段14を介して一対の接近・離反可能な移動部材15a,15bが配設してある。なお、予備成形装置10は、この実施形態では、鉛直向きに立設してあるが、水平に設置することも可能である。
【0017】前記ガイド手段13としては、支持部材12の側面に取付けたガイドレール16a,16bと、このガイドレール16a,16bにスライド可能に係合した移動部材15のスライドカイド17とにより構成され、また移動手段14としては、支持部材12の上下部に直交する向きで取付けられた支持プレート18a,18b上に正転または逆転可能な駆動モータ19がそれぞれ設置され、この駆動モータ19により回転するそれぞれの送りネジ20は、前記移動部材15a,15bの図示しないナット部材等に螺嵌されている。
【0018】従って、前記駆動モータ19が正転または逆転駆動すると、送りネジ20を介して移動部材15a,15bがガイド手段13が昇降すると共に、接近・離反するように構成されている。
【0019】前記移動部材15a,15bの相対向する面の同一軸線X−X上には、ブラダーユニット30が配設され、このブラダーユニット30は、シリンダー21a,21bを介して移動可能な一対のビードリング22a,22bを設け、前記上部側のビードリング22aと同一軸線X−X上に、上下にブラダークランプリング23a,23bを備えたブラダー24をガイドロッド等のブラダー中心機構25を介して接近離反可能に構成してある。また上下のブラダークランプリング23a,23bと一対のビードリング22a,22bとには、図示しない電熱ヒータを設けてある。
【0020】前記ブラダー中心機構25は、一方のブラダークランプリング23bをロッド25aを介して引き寄せるシリンダー26と、ブラダー24内に予備加熱流体Qを導入する導入機構27とを備えており、この導入機構27は、装置外部に設置された予備加熱流体Qに接続されるようになっている。
【0021】また、前記予備成形装置10の近傍には、未加硫タイヤWの予備加硫成形時に未加硫タイヤWの外周面を着脱可能に把持するリング状の開閉可能な把持手段28が設置してあり、この把持手段28は、第2段成形機との間を未加硫タイヤWを把持した状態で往復移動するものである。
【0022】このように、タイヤ加硫装置の外部に、未加硫タイヤWとブラダー24及びビードリング22a,22bとをビードリング22a,22bを基準として予め組み立てる簡単な構成から成り、従って成形された未加硫タイヤWにビードリング22a,22bを基準としてブラダー24及びビードリング22a,22bとを容易に組み立てることが出来、従来の加硫装置1の金型2,5,6に対して未加硫タイヤ組み立て体を精度良く挿入できるものである。
【0023】次に、タイヤの予備成形方法について説明する。
【0024】図2(a)〜(d)は、この発明の予備成形方法の第1実施形態を示す工程図である。
【0025】この第1実施形態の予備成形方法は、図2(a)に示すように、成形された未加硫タイヤWの外周面を開閉可能な把持手段28で把持した状態で、該未加硫タイヤWの中心にブラダーユニット30のブラダー24を挿入し、このブラダー24内に予備加熱流体Qを導入しながら一対のブラダークランプリング23a,23bをシリンダー26を介してを引き寄せる(図2(b)参照)。
【0026】そして、図2(c)に示すように、未加硫タイヤW内にブラダー24を収納した後、ブラダー24のブラダー中心機構25と同軸線X−X上に設けた一対のビードリング22a,22bを移動部材15a,15bを介してガイド手段13及び移動手段14により引き寄せて未加硫タイヤWのビード部Waに係合させると共に、ブラダー24内に予備加熱流体Qを更に導入させて予備成形を行うのである(図2(d)参照)。
【0027】その後、上記のような状態を保持させた状態で、未加硫タイヤWとブラダーユニット30との組み立て体をタイヤ加硫装置に搬送する。
【0028】次に、図3(a)〜(c)は、この発明の予備成形方法の第2実施形態を示す工程図である。
【0029】なお、以下の説明において、上記第1実施形態と同様な説明は同一符号を付して説明する。
【0030】この第2実施形態の予備成形方法は、第1実施形態の一対のブラダークランプリング23a,23bと一対のビードリング22a,22bとを、シリンダー26と、移動部材15a,15bのガイド手段13,移動手段14とを同時に駆動させることにより引き寄せて未加硫タイヤWのビード部Waに係合させると共に、ブラダー24内に予備加熱流体Qを更に導入させて予備成形を行うのである。これにより、工程の短縮化を図ることが出来る。
【0031】なお、その他の工程は、上記第1実施形態と同様なので、説明は省略する。
【0032】
【発明の効果】この発明は、上記のように構成したので、以下のような優れた効果を奏するものである。
(a).タイヤ加硫機の外部で未加硫タイヤとブラダーユニットのブラダー及びビードリングとをビードリングを基準として予め組み立てるので、未加硫タイヤ内にブラダーを精度良く挿入できる。
(b).予備成形された未加硫タイヤを変形させることなく加硫機の金型に精度良く挿入することが出来る。
(c).未加硫タイヤを外掴み把持することにより、把持爪等とブラダーとが接触することがなく、ブラダーを精度良く未加硫タイヤ内に挿入できる。
(d).未加硫タイヤのビード部をビードリングに嵌合させるので、ブラダーの伸びに不均一な部分があっても精度に影響を与えることがない。
(e).未加硫タイヤのビード部にビードリングを嵌合させるので、低圧でも精度の良い組み立てを行うことが出来る。
(f).加硫装置の金型に対して未加硫タイヤ組み立て体を精度良く挿入でき、製品タイヤの精度を高めることが出来る。
【出願人】 【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
【住所又は居所】東京都港区新橋5丁目36番11号
【出願日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2003−326525(P2003−326525A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−135693(P2002−135693)