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【発明の名称】 ポリプロピレン系樹脂発泡シート、それを用いた積層発泡シート、それらからの成形容器および前記発泡シートの製造方法
【発明者】 【氏名】伏見 達郎

【氏名】野間 智也

【要約】 【課題】成形性、2次加工性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡シート、該発泡シートにポリプロピレン系樹脂非発泡層を積層して得られるポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよびそれらのシートを加熱成形して得られる成形容器を提供する。

【解決手段】平均厚さが1〜5mm、厚さの最大値と最小値との差を平均厚さで除した値が0.20以下、独立気泡率が60%以上、密度が0.1〜0.5g/ccのポリプロピレン系樹脂発泡シートであって、単位面積あたりの気泡数が30個/mm2以上、かつシートの幅方向に見られる周期的な肉薄部の周期回数が30回/m以上であるポリプロピレン系樹脂発泡シート、前記発泡シートの少なくとも片面にポリプロピレン系樹脂非発泡層が積層されているポリプロピレン系樹脂積層発泡シート、前記発泡シートまたは積層発泡シートを加熱成形して得られる、側部厚さの最大値と最小値との差が0.5mm以下である成形容器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平均厚さが1〜5mm、厚さの最大値と最小値との差を平均厚さで除した値が0.20以下、独立気泡率が60%以上、密度が0.1〜0.5g/ccのポリプロピレン系樹脂発泡シートであって、単位面積あたりの気泡数が30個/mm2以上、かつシートの幅方向に見られる周期的な肉薄部の周期回数が30回/m以上であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡シート。
【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂発泡シートの基材樹脂が、原料ポリプロピレン系樹脂、イソプレンおよびラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート。
【請求項3】 請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面にポリプロピレン系樹脂非発泡層が積層されていることを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層発泡シート。
【請求項4】 請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートを加熱成形して得られる成形容器であり、側部厚さの最大値と最小値との差が0.5mm以下であることを特徴とする成形容器。
【請求項5】 請求項3記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを加熱成形して得られる成形容器であり、側部厚さの最大値と最小値との差が0.5mm以下であることを特徴とする成形容器。
【請求項6】 環状スリットをもつサーキュラーダイスを用いて、発泡シートを押し出してポリプロピレン系樹脂発泡シート製造する際に、サーキュラーダイスの環状スリットの内側の部分(内筒部)を支え、ポリプロピレン系樹脂の流路を分断する内筒部支持構造部のうち環状スリットの外側の部分(外筒部)と直接結合するものをサーキュラーダイスの円周方向に30箇所以上有するサーキュラーダイスを用いることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡シート、それを用いた積層発泡シート、それらからの成形容器および前記発泡シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】熱可塑性樹脂からなる発泡シートは、一般に軽量で、断熱性や外部応力への緩衝性が良好であり、また真空成形などの加熱2次成形により容易に成形体を得ることができるので、ポリスチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂を中心に、緩衝材や食品容器、断熱材、自動車用部材などの用途に幅広く利用されている。とくにポリスチレン系樹脂発泡シートは、成形性に優れることから、即席麺の容器などに広く使用されている。
【0003】一方、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの場合、基材樹脂の特性から、耐熱性、耐油性に優れ、加熱成形が容易であるため、電子レンジ調理用の容器として使用されている。
【0004】ポリプロピレン系樹脂押出発泡シートの製造においては、環状のスリットをもつサーキュラーダイスから樹脂を押し出して発泡シートを得る方法が一般的に行なわれている。しかし、サーキュラーダイスにおいては、環状のスリットの構造をもつため、スリットの内側(内筒部)を支持する構造にする必要がある。そのため、サーキュラーダイス内に流入した樹脂は、内筒を支持する構造により分断され、そののち樹脂が合一し、環状のスリットより押し出されるが、分断された樹脂は、遮られた流れの履歴が残ったまま押し出され、押し出された樹脂には、前記分断に起因する筋や厚みむらが生じる。
【0005】一方、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの成形容器においては、容器の側部などの成形時のシート延伸が大きい部位が薄くなりやすい。これは、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの場合、2次発泡時の厚さの増加が低いためである。
【0006】前記2次発泡とは、成形時の加熱により気泡内のガスの膨張および基材樹脂の溶融化により気泡が膨張し、その結果、発泡し、厚さが増加する現象である。2次発泡時の厚さの増加が少ない場合、つまり加熱成形時の厚さの増加が少ない場合、延伸が大きい部位の厚さを確保しにくい。
【0007】特開平5−338055号公報には、発泡シートの幅方向の最大厚さと最小厚さの比を規定し、厚みむらの少ない成形体が得られる発泡シートが開示されている。
【0008】しかし、加熱成形前の発泡シートに厚さの薄い部位(肉薄部)がある場合、成形時の延伸によって厚さの薄い部位がさらに薄くなる(肉薄化する)場合がある。これは、肉薄部に延伸時の応力が集中するためであり、成形延伸が大きい容器側部に顕著に現れる。とくに発泡シートの肉薄部の数が少ない場合、容器側部内に入る肉薄部の数が少なくなる。このように容器側部内にある肉薄部の数が少ない場合、成形延伸による肉薄部に集中する応力が大きくなる。この結果、延伸成形の肉薄化が極端に進み、極端に厚さが薄い箇所をもつ成形容器となる問題がある。またこのような肉薄部が生じないように成形を行なうのは困難である。
【0009】また、特開平6−906号公報には、ポリプロピレン系樹脂発泡シートはポリスチレン系樹脂に比べて気泡が粗いが、このことによる欠点を改善するために、ポリプロピレン系樹脂を積層することにより、外観などに優れたポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを得る方法が開示されている。
【0010】しかし、気泡が粗いポリプロピレン系樹脂発泡シートにポリプロピレン系樹脂フィルムを熱ラミネーションによって積層すると、得られた積層発泡シートの成形加熱時にフィルム層が剥がれたり、膨れたりする問題が生じやすい。これは発泡シートの気泡が粗い場合(単位面積あたりの気泡数が少ない場合)、表面の気泡の凹凸が大きく、凹部分に空気が入った状態でフィルムが積層され、成形加熱時に空気が膨張し、フィルムが膨れるためである。
【0011】以上のように、従来の技術では、厚みむらが少ない成形体が得られ、また成形性が良好な積層発泡シートが得られる良好な成形性と2次加工性(フィルムの積層)をもつポリプロピレン系樹脂発泡シートを得ることは困難である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形性、2次加工性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡シートおよび該発泡シートを加熱成形して得られる成形体を提供すること、さらに詳しくは、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの性状および厚さ特性を特定の範囲にすることにより、成形性に優れ、積層シートを得るのに好適なポリプロピレン系樹脂発泡シートおよび該発泡シートを成形して得られる厚みむらの少ない成形容器を提供することを目的とする。また、成形性に優れたポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよび該積層発泡シートを加熱成形して得られるポリプロピレン系樹脂積層発泡成形容器を提供することを目的とする。
【0013】本発明者らは、前記従来技術の問題を解決し、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造時に用いるサーキュラーダイスの構造を特定のものとし、得られる発泡シートの周期的な肉薄部の回数を特定の回数にするとともに、発泡シートの性状を規定することにより、成形性が良好で、かつ2次加工性が良好な発泡シートが得られることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0014】すなわち、本発明は、平均厚さが1〜5mm、厚さの最大値と最小値との差を平均厚さで除した値が0.20以下、独立気泡率が60%以上、密度が0.1〜0.5g/ccのポリプロピレン系樹脂発泡シートであって、単位面積あたりの気泡数が30個/mm2以上、かつシートの幅方向に見られる周期的な肉薄部の周期回数が30回/m以上であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項1)、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの基材樹脂が、原料ポリプロピレン系樹脂、イソプレンおよびラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン系樹脂である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡シート(請求項2)、請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面にポリプロピレン系樹脂非発泡層が積層されていることを特徴とするポリプロピレン系樹脂積層発泡シート(請求項3)、請求項1または2記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートを加熱成形して得られる成形容器であり、側部厚さの最大値と最小値との差が0.5mm以下であることを特徴とする成形容器(請求項4)、請求項3記載のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートを加熱成形して得られる成形容器であり、側部厚さの最大値と最小値との差が0.5mm以下であることを特徴とする成形容器(請求項5)、および環状スリットをもつサーキュラーダイスを用いて、発泡シートを押し出してポリプロピレン系樹脂発泡シートを製造する際に、サーキュラーダイスの環状スリットの内側の部分(内筒部)を支え、ポリプロピレン系樹脂の流路を分断する内筒部支持構造部のうち環状スリットの外側の部分(外筒部)と直接結合するものをサーキュラーダイスの円周方向に30箇所以上有するサーキュラーダイスを用いることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法(請求項6)に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、平均厚さが1〜5mm、さらには1〜3mmである。平均厚さが薄すぎると断熱性、剛性、緩衝性に劣り、厚すぎると成形性に劣る。
【0016】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、厚さの最大値と最小値との差を平均厚さで除した値が0.2以下である。厚さの最大値と最小値との差を平均厚さで除した値が大きすぎると、該発泡シートを加熱成形して得られる成形体の厚みむらが大きく、良好な成形体が得られない場合がある。
【0017】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚さは、以下のようにして測定することができる。
【0018】すなわち、発泡シートの幅方向に10mm間隔で測定点を設ける。各測定点における発泡シートの厚さを厚みゲージ(たとえばテクロック(teclock)社製厚みゲージ)によって測定する。各測定点の相加平均を算出し、発泡シートの平均厚さとする。また、最大値および最小値を、厚さの最大値および最小値とする。
【0019】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの独立気泡率は、60%以上、さらには70%以上である。独立気泡率が小さすぎる場合には、加熱成形して得られる成形容器の剛性に劣る場合がある。
【0020】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの密度は、0.1〜0.5g/cc、さらには0.13〜0.3g/ccである。密度が小さすぎる場合には、剛性に劣り、大きすぎる場合には、断熱性に劣る。
【0021】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートのセル数は、30個/mm2以上、さらには50個/mm2以上である。前記セル数が少なすぎる場合、フィルムを積層して得られる積層発泡シートの成形加熱時にフィルムの膨れが発生し、良好な成形体が得られにくくなる。
【0022】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの気泡数は、以下のようにして測定することができる。
【0023】すなわち、発泡シートを幅方向に切断し、幅方向の50mm間隔に測定部を設ける。各測定部の断面における厚さ方向の気泡数:S1(個)と幅方向に5mmの間にある幅方向の気泡数:S2(個/5mm)を測定する。つぎに、各測定部を押出方向に切断し、断面の押出方向に5mmの間にある気泡数:S3(個/5mm)を測定する。測定後、各測定部における気泡数:S0(S0=S1×S2×S3/25(個/mm2))を求め、すべての測定部におけるセル数:S0の相加平均を求め、気泡数とする。
【0024】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、所望の気泡構造を得る目的で、たとえば押出発泡したのちに空気の吹き付けなどにより冷却を促進したり、マンドレルへの引き取り時に延伸してもよい。
【0025】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、シートの幅方向に見られる周期的な肉薄部の周期回数が30回/m以上、さらには40回/m以上である。上限は肉薄部に起因するダイスの支持構造の加工の困難さの点から、80回/m程度である。前記肉薄部の周期回数が少なすぎる場合には、加熱成形して得られる成形体に厚みむらが生じやすくなる。
【0026】前記周期的な肉薄部について説明する。
【0027】発泡シートの幅方向(押出方向とは直行する方向)に10mm間隔で測定点を設け、厚さを測定する。このとき、任意の測定点とそれと隣り合う測定点において、該測定点がそれと隣り合う2つの測定点よりも厚さが薄い部分を肉薄部という。このような肉薄部がシートの幅方向に周期的に存在する状態を周期的な肉薄部が存在するという。厚さの測定結果より、肉薄部の個数を数え、シートの幅によって除することにより、周期的な肉薄部の周期回数を求めることができる。
【0028】本発明における周期的な肉薄部は、サーキュラーダイスにおける内筒部を支持し、樹脂の流路を分断する構造部のうちの外筒部と直接結合するものの数を調整することによって調整することができる。
【0029】前記サーキュラーダイスの内筒部を支持し、樹脂の流路を分断する構造部のうち外筒部と直接結合するものの数とは、樹脂流路を形成するサーキュラーダイスの内筒部を保持するために、外筒部と直接結合する内筒部支持構造部の周方向の数のことであり、外筒部と直接結合しないものは含まない。なお、分断された樹脂流路の流れ方向に垂直な方向の断面形状にはとくに限定はない。この分断箇所を増やすことにより、周期的な肉薄部の周期回数を増やすことができる。
【0030】図1に、幅方向にシート厚さを測定した結果の一例を示す。図1より、幅方向にシート厚さが周期的に変化していることがわかる。厚さの谷からつぎの谷までが肉薄部の1周期である。
【0031】図2に、サーキュラーダイスにおける内筒部支持構造部の一例を示す。図2中の1が内筒部、2が環状スリット、3が樹脂流れ方向、4が樹脂流路、6が外筒部7と直接結合する樹脂流路分断部(12カ所)である。
【0032】なお、図2中の樹脂流路分断部の数と幅方向のシート厚さの肉薄部の数とは、ほぼ一致するが、ダイス内において樹脂の偏流が生じ、肉薄部が重なることがあるためか、樹脂流路分断部の数と幅方向のシート厚さの肉薄部の数との間に1〜2の差異が使用じることがある。
【0033】図3に図2中のA−A断面を示す。図3中の5が内筒支持構造部であり、6で外筒部7と直接結合している。
【0034】図3において、樹脂流路4が内側と外側の2重になり、樹脂流路分断部も2重になっているが、下記の理由から、外側の樹脂流路分断部6が肉薄部の原因となる。
【0035】すなわち、ダイスから押し出され、発泡した筒状のシートの内側は、冷却筒と接し、平滑にされ、平準化されるが、外側は平滑にされず、平準化されない。それゆえ、肉薄部の形成に関与する樹脂流路分断部は、外側の樹脂流路分断部6となるため、樹脂の流路を分断するする構造部のうち外筒部7と直接結合するものの数を30箇所以上有するサーキュラーダイスを用いると規定している。
【0036】なお、ダイスから押し出された樹脂は、通常幅方向に約1000mmに延伸されるため、前記外筒部7と直接結合する数は、発泡シート幅約1mmあたりの数になる。
【0037】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造に用いられる基材樹脂のポリプロピレン系樹脂としては、線状のポリプロピレン系樹脂(以下、このポリプロピレン系樹脂のことを「原料ポリプロピレン系樹脂」ということもある)に電子線を照射して長鎖分岐を導入したもの(たとえばサンアロマー社製のHMS−PP)や、原料ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂が、発泡性に優れるという点から好ましい。とくに原料ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂が、製造が容易である点から好ましい。
【0038】前記原料ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンとほかの単量体とのブロック共重合体、またはプロピレンとほかの単量体とのランダム共重合体などの結晶性の重合体などがあげられる。剛性が高く、安価であるという点から、前記プロピレン単独重合体が好ましく、剛性および耐衝撃性がともに高いという点から、前記プロピレンとほかの単量体とのブロック共重合体が好ましい。前記原料ポリプロピレン系樹脂がプロピレンとほかの単量体とのブロック共重合体またはプロピレンとほかの単量体とのランダム共重合体である場合、ポリプロピレン系樹脂の特徴である高結晶性、高い剛性および良好な耐薬品性を保持する点から、含有されるプロピレン単量体成分が全体の75重量%(以下、%という)以上、さらには90%以上であるのが好ましい。
【0039】前記プロピレンと共重合し得るほかの単量体としては、たとえばエチレン、α−オレフィン、環状オレフィン、ジエン系単量体、ビニル単量体などからなる単量体があげられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、安価であるなどの点から、エチレンまたはα−オレフィンのうちのブテン−1が好ましい。
【0040】前記原料ポリプロピレン系樹脂の分子量(重量平均分子量)は、工業的に入手しやすいという点から、5万〜200万であるのが好ましく、安価であるという点から、10万〜100万であるのが好ましい。
【0041】前記原料ポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて、他の樹脂またはゴムを本発明の効果を損わない範囲で添加してもよい。原料ポリプロピレン系樹脂に対する前記他の樹脂またはゴムの添加量は、前記他の樹脂またはゴムの種類により異なるが、前述のように本発明の効果を損わない範囲にあればよく、通常、25%程度以下である。
【0042】前記改質ポリプロピレン系樹脂は、原料ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体とこのイソプレン単量体と共重合可能な他のビニル単量体とラジカル重合開始剤とを溶融混練することにより製造されていてもよい。
【0043】前記イソプレン単量体とこれと共重合可能な他のビニル単量体とを併用する場合、イソプレン単量体と共重合可能な他のビニル単量体の使用量が、イソプレン単量体100重量部(以下、部という)に対して、100部以下、さらには75部以下であるのが好ましい。イソプレン単量体と共重合可能な他のビニル単量体の使用量が多すぎると、得られる改質ポリプロピレン系樹脂の粘度が低下し、発泡性が低下する場合がある。
【0044】前記溶融混練されるイソプレン単量体(イソプレン単量体とこれと共重合可能な他のビニル単量体とを併用する場合はこれらの合計量、以下同様)の使用量は、原料ポリプロピレン系樹脂100部に対して、0.1〜20部、さらには0.3〜10部であるのが好ましい。前記イソプレン単量体の使用量が前記範囲よりも少ない場合、改質ポリプロピレン系樹脂の発泡性が低下する場合がある。一方、前記範囲をこえる場合、ポリプロピレン系樹脂の特徴である耐熱性や剛性などを損う場合がある。
【0045】前記ラジカル重合開始剤としては、一般にラジカル重合開始剤として使用される過酸化物などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】前記過酸化物の好ましい例としては、たとえばケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルなどの有機過酸化物があげられる。これらは1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちでは、水素引き抜き能が高いもの、たとえばジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステルなどが好ましい。
【0047】前記ラジカル重合開始剤の使用量は、改質ポリプロピレン系樹脂の発泡性が良好で、かつ経済的になる点から、原料ポリプロピレン系樹脂100部に対して、0.1〜10部、さらには0.2〜5部であるのが好ましい。
【0048】前記原料ポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、架橋剤、連鎖移動剤、造核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損わない範囲で添加してもよい。
【0049】前記原料ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体、ラジカル重合開始剤およびそのほか添加される材料の混合や溶融混練の順序および方法にはとくに限定はなく、たとえば原料ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体、ラジカル重合開始剤および必要に応じて添加されるそのほかの添加材料を混合したのち溶融混練してもよいし、原料ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤および必要に応じて添加されるそのほかの添加材料を溶融混練したのちにイソプレン単量体を溶融混練してもよいし、前記手法により改質ポリプロピレン系樹脂を得たのちに、必要に応じて添加される添加剤や他の樹脂と溶融混練してもよいし、さらに原料ポリプロピレン系樹脂の一部を改質してマスターバッチとしたのち、残余の原料ポリプロピレン系樹脂と溶融混練してもよい。また、各々の材料を充分均一に混合するために、前記溶融混練を複数回繰返してもよい。
【0050】溶融混練時の加熱温度は、樹脂の種類などにより異なるが、通常、130〜280℃であるのが、原料ポリプロピレン系樹脂が充分に溶融し、かつ熱分解せず、充分な発泡性を得ることができるという点から好ましい。また、溶融混練の時間(ラジカル重合開始剤およびイソプレン単量体を混合してからの時間)は、一般に30秒間〜60分間である。
【0051】前記溶融混練の装置としては、たとえばコニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機などの混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置などの横型攪拌機、ダブルヘリカルリボン攪拌機などの縦型攪拌機などの高分子材料を適宜の温度に加熱することができ、適宜の剪断応力を与えながら混練し得る装置があげられる。これらのうちでは、とくに単軸または2軸押出機が生産性の点から好ましい。
【0052】前述のようにして、本発明に好ましく使用される改質ポリプロピレン系樹脂を得ることができる。
【0053】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、押出機内でポリプロピレン系樹脂と発泡剤とを溶融混練後、押出機内において発泡温度に調節し、環状のスリットを有する特定のサーキュラーダイスを用い、そのダイスのスリットから大気圧中に押し出して円筒状の発泡体を得、ついで得られた円筒状発泡体を引き取りながら、冷却筒(マンドレル)による成形加工によって、延伸・冷却後、切り開いて、シート状にする方法によって容易に製造される。また、ポリプロピレン系樹脂の製造と連続して押出発泡を行なってもよい。
【0054】前記特定のサーキュラーダイスとは、前述のごとく、サーキュラーダイスの環状スリットの内側の部分(内筒部)を支え、ポリプロピレン系樹脂の流路を分断する外筒部と直接結合した内筒部支持構造部を30箇所以上、さらには40箇所以上、通常80箇所以下もつサーキュラーダイスのことである。このようなサーキュラーダイスの環状スリットから樹脂を押し出し、発泡体、ついで発泡シートを製造するため、本発明の発泡シートのごとき、たとえば成形容器に加熱成形した場合に、側部厚さの最大値と最小値との差が0.5mm以下というような高品質の成形容器を製造することができる。
【0055】前記発泡剤としては、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、無機ガス、水などがあげられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】前記発泡剤の添加量(混練量)は、発泡剤の種類および目標とする発泡倍率により異なるが、ポリプロピレン系樹脂100部に対して、0.5〜10部であるのが、密度が0.1〜0.5g/ccの断熱性、剛性が良好な発泡シートを得ることができる点から好ましい。
【0057】また、得られる発泡シートの気泡径を適宜の大きさにコントロールするために、必要に応じて、重炭酸ソーダ−クエン酸またはタルクなどの造核剤を併用してもよい。必要に応じて用いられる前記造核剤の添加量は、通常、ポリプロピレン系樹脂100部に対して0.01〜3部であるのが好ましい。
【0058】さらに、前記発泡シートを製造する際に、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を損わない範囲で、熱可塑性樹脂を併用してもよい。
【0059】このようにして得られた本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、一般に加熱成形することにより、たとえば弁当用容器、パスタ用容器、惣菜用容器、即席麺用容器などの食品を充填することを目的とする成形品に成形され、電子レンジによる調理、再加熱などの用途に好適に使用され得る。
【0060】前記加熱成形の例としては、たとえばプラグ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・トリバースドロー成形、エアスリップ成形、スナップバック成形、リバースドロー成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形などの方法があげられる。
【0061】前記成形品が成形容器の場合、容器側部の厚さの最大値と最小値の差を0.5mm以下、さらには0.3mm以下にすることができる。前記容器側部の厚さの最大値と最小値の差が大きすぎる場合には、成形容器の外観および剛性が劣るものになりやすい。
【0062】前述のごとく、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、そのまま加熱成形に供してもよいが、さらに剛性、外観、成形性の改良のために、ポリプロピレン系樹脂非発泡層を積層させてもよい。
【0063】前記ポリプロピレン系樹脂非発泡層の基材樹脂として用いられるポリプロピレン系樹脂としては、前記ポリプロピレン系樹脂を用いることができる。そのなかでも、従来から用いられている一般のポリプロピレン系樹脂が、コスト・加工性の点から好ましい。
【0064】前記従来から用いられている一般のポリプロピレン系樹脂としては、たとえばプロピレン単独重合体、プロピレンとほかの単量体(たとえばエチレン、ブテン1など)とのブロック共重合体、ランダム共重合体などの結晶性の重合体があげられる。これらは1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0065】前記ポリプロピレン系樹脂非発泡層の厚さとしては、たとえば10〜120μm、さらには15〜80μmであるのが、熱ラミネーションによる積層が容易である点から好ましい。
【0066】前記ポリプロピレン系樹脂非発泡層には、必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、架橋剤、連鎖移動剤、造核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を添加してもよい。
【0067】前記ポリプロピレン系樹脂非発泡層の製造方法にはとくに限定はないが、一般に使用されているCPP(無延伸ポリプロピレンフィルム)やOPP(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)を使用することができる。これらのポリプロピレン系樹脂フィルムは、本発明の効果を損わない範囲において2層または3層以上の積層フィルムであってもよい。
【0068】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートにポリプロピレン系樹脂非発泡層を積層したポリプロピレン系樹脂積層発泡シートには、さらに印刷がされていてもよい。
【0069】前記印刷は、印刷インク用樹脂、溶剤、顔料を混合したものを主成分とする印刷インクによって行なわれる。
【0070】前記印刷インクには、必要に応じて、アンカーコート剤、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、分散剤などを添加してもよい。ただし、前記印刷は、本発明の目的が達成できるものであればよく、前記のものに限定されない。
【0071】前記印刷インク用樹脂としては、たとえば塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合物、ゴムの塩素化物、ポリプロピレン(PP)の塩素化物、アクリル酸およびその誘導体の重合物、ダイマー酸とポリアミンとの縮合物、ポリエステルまたはポリエーテルとジイソシアネートとの重合物、セルソース硝酸エステル化合物などがあげられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。とくにポリプロピレン系樹脂との接着性の点から、塩素化ポリプロピレンが好ましい。
【0072】前記印刷は、グラビア印刷などの公知の方法によって行なわれる。印刷の模様などにはとくに限定はなく、印刷がポリプロピレン系樹脂非発泡層とポリプロピレン系樹脂発泡シートの間に配置されることにより、光沢をもち、意匠性に優れた発泡積層シートが得られ、さらに発泡積層体が得られる。
【0073】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡積層シートの製造方法としては、押出ラミネーション法、熱ラミネーション法、接着剤を介して非発泡層を積層する方法があげられる。とくに、発泡シートにポリプロピレン系樹脂からなるフィルムを重ねて繰り出し、温度調整された熱ロールにより挟むと同時に圧着する熱ラミネーションが容易に積層できる点から好ましい。
【0074】本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートは、プラグ成形や真空成形、圧空成形などの加熱成形性に優れるため、厚みむらの少ない、外観美麗な成形体を得ることができる。
【0075】前記加熱成形の例としては、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの場合と同様、すなわちプラグ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・トリバースドロー成形、エアスリップ成形、スナップバック成形、リバースドロー成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形などの方法があげられる。
【0076】本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートも、加熱成形することにより、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの場合と同様の成形品に成形され、同様の用途に好適に使用され得る。前記成形品が成形容器の場合、容器側部の厚さの最大値と最小値の差を0.5mm以下、さらには0.3mm以下にすることができることも、また、その場合の効果も同様である。
【0077】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0078】先に、以下で用いる評価方法について説明する。
【0079】(発泡シートの密度)JIS−K6767に準じ測定した。
【0080】(発泡シートの独立気泡率)ASTM D2856に記載の方法に準じエアピクノメータにより測定した。
【0081】(発泡シートの厚さおよび肉薄部の周期)前述の方法により測定した。
【0082】(発泡シートの気泡数)前述の方法により測定した。
【0083】(積層発泡シートの接着性)得られた発泡積層シートを540×540mm角に切り出し、内寸500×500mmの枠に固定し、雰囲気温度200℃に温度調節した加熱炉に30秒挿入したのち取り出した。得られた加熱後の発泡積層シートのフィルム層を観察し、以下の基準にしたがって評価した。
○:フィルム層の膨れが認められない。
×:フィルム層の膨れが認められる。
【0084】(発泡シートおよび積層発泡シートの成形体)得られた発泡シートまたは積層発泡シートを640×640mm角に切り出し、内寸600×600mmの枠に固定したのち、雰囲気温度200℃に温度調節した加熱炉に導き30秒間加熱した。加熱直後、60℃に温度調節した金型にて成形し、成形容器(口径150mm×底径120mm×深さ20mm)を得た。その際、金型は前記形状を成形する金型を2×2個配列した金型を用い、一度に4個の成形体を得た。得られた4個の成形体について、容器側部厚さの最大値と最小値を測定した。測定は、得られた容器から容器側部を切り出し、容器側部中央部(容器の口部と底部の中間点)を容器周方向に5mm間隔で厚みゲージを用いて測定し、各容器の測定値の最大値と最小値の差を算出し、以下の基準によって評価した。
◎:すべての成形体において側部の最大厚さと最小厚さの差が0.3mm以下である。
○:すべての成形体において側部の最大厚さと最小厚さの差が0.5mm以下である。
△:成形体の側部の最大厚さと最小厚さの差が0.5mm以上のものが、4個の内、1〜2個認められる。
×:成形体の側部の最大厚さと最小厚さの差が0.5mm以上のものが、4個の内、3〜4個認められる。
【0085】実施例1プロピレン単独重合体(グランドポリマー社製 J103)100部、ラジカル重合開始剤( t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート)0.3部をリボンブレンダーで攪拌混合した配合物を計量フィーダで二軸押出機に供給し、液添ポンプを用いて押出機途中からイソプレン0.5部を供給し、前記二軸押出機中で溶融混練し、溶融押出することにより、改質ポリプロピレン系樹脂のペレットを得た。
【0086】前記二軸押出機は、同方向二軸タイプであり、スクリュー径が44mmφであり、最大スクリュー有効長(L/D)が38であった。この二軸押出機のシリンダー部の設定温度を、イソプレン単量体圧入までは180℃、イソプレン圧入以降は200℃とし、スクリュー回転速度を150rpmに設定した。
【0087】前記改質ポリプロピレン系樹脂100部、ブレンドオイル0.05部、気泡核形成剤(永和工業(株)製セルボンSC/K)0.5部を、リボンブレンダーで撹拌混合した配合物を90−125mmφタンデム型押出機に供給し、200℃に設定した第1段押出機(90mmφ)中にて溶融させたのち、発泡剤としてイソブタンを前記改質ポリプロピレン系樹脂100部に対し1.6部圧入混合し、165℃(ダイスの樹脂流入部に設置した温度センサーによって測定)に設定した第2段押出機(125mmφ)中で冷却し、サーキュラーダイ(120mmφ)より大気圧下に吐出し、外径320mm、本体長さ800mmの冷却筒にて成形しながら4.6m/minで引き取りつつ延伸・冷却し、円筒型発泡体を得、これをカッターで切り開くことにより1000mm幅の発泡シートを得た。その際用いたサーキュラーダイスは樹脂流路を分断する内筒部支持構造部のうち外筒部と直接結合するものの数が36箇所のものを用いた。
【0088】つぎに、発泡シートを速度12m/minで繰り出し、200℃に温調した熱ロールに厚さ25μmの無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを重ねて供給し、フィルムを積層したのち30℃に温調したロールで、冷却し、巻き取り、積層発泡シートを得た。
【0089】得られた発泡シートの特性を表1に示す。
【0090】また、得られた発泡シートおよび積層発泡シートの成形体および積層発泡シートの接着性を評価した。結果を表2に示す。
【0091】実施例2用いたサーキュラーダイスの樹脂流路を分断する内筒部支持構造部のうち外筒部と直接結合するものの数を45箇所にした以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。ついで、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
【0092】得られた発泡シートの特性を表1に示す。
【0093】また、得られた発泡シートおよび積層発泡シートの成形体および積層発泡シートの接着性を評価した。結果を表2に示す。
【0094】比較例1用いたサーキュラーダイスの樹脂流路を分断する内筒部支持構造部のうち外筒部と直接結合するものの数を12箇所にした以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。ついで、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
【0095】得られた発泡シートの特性を表1に示す。
【0096】また、得られた発泡シートおよび積層発泡シートの成形体および積層発泡シートの接着性を評価した。結果を表2に示す。
【0097】比較例2気泡核形成剤の添加量を0.3部、用いたサーキュラーダイスの樹脂流路を分断する内筒部支持構造部のうち外筒部と直接結合するものの数を12箇所にした以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。ついで、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
【0098】得られた発泡シートの特性を表1に示す。
【0099】また、得られた発泡シートおよび積層発泡シートの成形体および積層発泡シートの接着性を評価した。結果を表2に示す。
【0100】比較例3気泡核形成剤の添加量を0.3部にした以外は実施例1と同様にして発泡シートを得た。ついで、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
【0101】得られた発泡シートの特性を表1に示す。
【0102】また、得られた発泡シートおよび積層発泡シートの成形体および積層発泡シートの接着性を評価した。結果を表2に示す。
【0103】
【表1】

【0104】
【表2】

【0105】表1および表2の結果から、発泡シートの気泡数および肉薄部の周期回数を30個/mm2以上、30回/m以上にすることにより、厚みむらの少ない成形体を得ることができることがわかる。また、同様にフィルム層を積層した積層発泡シートにおいても、成形加熱時のフィルムの膨れがない成形性が良好な積層発泡シートを得ることができることがわかる。
【0106】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、肉薄部の周期回数を30回/m以上にすることにより、加熱成形した際に厚みむらが少ない良好な成形体を得ることができる。また、同時に、気泡数を30個/mm2以上にすることにより、フィルムを積層して得られる積層発泡シートにおいても、成形加熱時のフィルムの膨れがない成形性の良好なポリプロピレン系樹脂積層発泡シートが得られる。
【0107】また、本発明のポリプロピレン系樹脂積層発泡シートの場合、発泡シートと同種の樹脂であるポリプロピレン系樹脂を積層することより、リサイクル性に優れると同時に、外観に優れたものである。
【0108】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートおよびポリプロピレン系樹脂積層発泡シートは、基材樹脂をポリプロピレン系樹脂とすることより、耐熱性・耐油性に優れるものであり、また、発泡層を設けることにより、断熱性・軽量性に優れるものである。
【0109】以上のことから、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、成形性、2次加工性に優れ、該発泡シートを用いることにより成形性の良好なポリプロピレン系樹脂積層発泡シートが得られる。そして、それらのシートを加熱成形して得られる成形容器は、外観が美麗で、耐熱性・耐油性・軽量性・断熱性・成形性に優れることより、電子レンジを用いて調理したり、再加熱する電子レンジ加熱用食品容器に好適に用いることができる。
【出願人】 【識別番号】000000941
【氏名又は名称】鐘淵化学工業株式会社
【出願日】 平成14年4月22日(2002.4.22)
【代理人】 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外3名)
【公開番号】 特開2003−311807(P2003−311807A)
【公開日】 平成15年11月6日(2003.11.6)
【出願番号】 特願2002−119339(P2002−119339)