| 【発明の名称】 |
樹脂部材の取付部構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】天谷 政宏 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富士重工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】1つの樹脂部材を取付部材に取り付ける段付きボルトによって2つの樹脂部材を取付部材に共締めして取り付ける樹脂部材の取付部構造を提供する。
【解決手段】ボルト挿通孔3が穿設された取付2を有する取付部材1と、端面12に円弧状の第1結合孔形成部13が切り欠き形成された第1結合部11を有する第1樹脂部材10と、端面25に円弧状の第2結合孔形成部26が切り欠き形成された第2結合24を有する第2樹脂部材20と、端面12と端面25との対面によって第1結合孔形成部13と第2結合孔形成部26によって形成される結合孔28内に段部31が嵌合すると共に頭部33が第1結合部11と第2結合部24に掛け渡されてねじ部32がナット4に螺合する段付きボルト30とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の樹脂部材をボルトによって取付部材に共締めして取り付ける樹脂部材の取付部構造において、ボルト挿通孔が穿設された取付部を有する取付部材と、上記取付部に重なる平板状で、かつ端面に第1結合孔形成部が切り欠き形成された第1結合部を有する第1樹脂部材と、上記取付部に重なる平板状で、かつ上記第1樹脂部材の端面と対面可能な端面に第2結合孔形成部が切り欠き形成された第2結合部を有する第2樹脂部材と、上記第1樹脂部材の端面と第2樹脂部材の端面との対面によって上記第1結合孔形成部と第2結合孔形成部によって形成される結合孔内に段部が嵌合すると共に頭部が上記第1結合部及び第2結合部に当接し、かつねじ部が上記ボルト挿通孔に挿入して取付部材に締結される段付きボルトと、を備えたことを特徴とする樹脂部材の取付部構造。 【請求項2】 複数の樹脂部材をボルトによって取付部材に共締めして取り付ける樹脂部材の取付部構造において、ボルト挿通孔が穿設された取付部を有する取付部材と、上記取付部に重なる平板状で、かつ端面に第1結合孔形成部が切り欠き形成された第1結合部を有する第1樹脂部材と、上記第1樹脂部材に重なる基部及び該基部からエンボス状に膨出して上記第1結合部が臨む開口部を形成すると共に上記取付部に重なる平板状でかつ上記第1樹脂部材の端面と対面可能な端面に第2結合孔形成部が切り欠き形成された第2結合部を有する第2樹脂部材と、上記第1樹脂部材の端面と第2樹脂部材の端面との対面によって上記第1結合孔形成部と第2結合孔形成部によって形成される結合孔内に段部が嵌合すると共に頭部が上記開口部から臨む上記第1結合部及び第2結合部に当接し、かつねじ部が上記ボルト挿通孔に挿入して取付部材に締結される段付きボルトと、を備えたことを特徴とする樹脂部材の取付部構造。 【請求項3】 上記第1樹脂部材または第2樹脂部材のいずれか一方の樹脂部材の端面に沿って該樹脂部材に形成された凹部と、他方の樹脂部材の端面に沿って該樹脂部材に突設されて上記凹部に嵌合する突状部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂部材の取付構造。 【請求項4】 上記第1樹脂部材及び第2樹脂部材に各々一体形成された互いに係合する係合手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂部材の取付部構造。 【請求項5】 上記係合手段は、上記第1樹脂部材の第1結合部の端面に沿って断面略L字状に形成された係合部と、上記第2樹脂部材の第2結合部の端面に沿って断面略L字状に形成されて上記係合部に係合可能な係合部とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の樹脂部材の取付部構造。 【請求項6】 上記係合手段は、第1樹脂部材の両側縁に各々形成した切欠き部と、該各々の切り欠き部に係合する第2樹脂部材に形成された一対のフックとを備えたことを特徴とする請求項4に記載の樹脂部材の取付部構造。 【請求項7】 互いに重なる上記第1樹脂部材または第2樹脂部材の基部の一方に形成された溝と、他方に突設されて先端が上記溝に係止するリブ状の係止部とを有する係合手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の樹脂部材の取付部構造。 【請求項8】 上記第1樹脂部材に重なる第2樹脂部材の基部の縁部に折曲形成されたフランジと、上記第1樹脂部材に形成されて上記フランジの先端が係止する溝と有する係合手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の樹脂部材の取付部構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂部材の取付構造に関し、特に2種類の樹脂部材を取付部材に段付きボルトによって共締めして取り付ける樹脂部材の取付部構造に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、車体の車体パネル等の取付部材に2種類のトリム等の第1樹脂部材と第2樹脂部材の一部を重ねて取り付ける際には、一般に第1樹脂部材と第2樹脂部材を重ねて共に取付部材に結合する段付きボルトと、第1樹脂部材或いは第2樹脂部材の一方のみを取付部材に結合する段付きボルトは異なる種類のものが使用される。 【0003】即ち、図16に断面図を示すように取付部材101に第1樹脂部材104及び第2樹脂部材107を重ねて取り付ける結合部構造は、取付部材101にボルト挿通孔102を穿設すると共に裏面にナット103を溶接結合する一方、ボルト挿通孔102より大径の結合孔106が穿設された第1樹脂部材104の結合部105を重ね、更に結合孔106と同径の結合孔109が穿設された第2樹脂部材107の結合部108を重ねる。そして、結合孔106及び109内に嵌合し、かつ結合部105と108を重ねた厚さと略同一の長さを有する段部110aを有し、かつ段部110aより大径の頭部110bを有する段付きボルト110を、結合孔106及び109側から挿入してボルト挿通孔102を貫通してナット103に締結することによって、取付部材101に第1樹脂部材104及び第2樹脂部材107が共締めされて結合される。 【0004】一方、第1樹脂部材104或いは第2樹脂部材107の一方、例えば第2樹脂部材107のみを取り付ける結合部構造は、図17に断面図を示すように取付部材101にボルト挿通孔102を穿設すると共に裏面にナット103を溶接結合し、かつボルト挿通孔102より大径の結合孔109が穿設された第2樹脂部材107の結合部107を重ねる。そして、結合孔109内に嵌合し、かつ結合部108の厚さと略同一の長さを有する段部111a及び段部111aより大径の頭部111bを有する段付きボルト111を、結合孔109側から挿入してボルト挿通孔102を貫通してナット103に締結することによって、取付部材101に第2樹脂部材107が結合される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記第1樹脂部材104及び第2樹脂部材107を重ねて取り付ける結合部構造によると、第1樹脂部材104の結合部105の厚さと第2樹脂部材107の結合部108の厚さを合計した厚さと略同一の長さの段部110aを有する段付きボルト110を使用することによって、クリープの発生が防止されて第1樹脂部材104及び第2樹脂部材107の安定した取付状態が維持される。また、同様に第2樹脂部材107のみを取り付ける結合部構造においても、第2樹脂部材107の結合部108の厚さと略同一の長さの段部111aを有する段付きボルト111を使用することによってクリープの発生が防止されて安定した取付状態が維持される。 【0006】しかし、第1樹脂部材104と第2樹脂部材107を重ねて取り付ける取付部構造に使用される段付きボルト110と、第1樹脂部材104或いは第2樹脂部材109の一方を取り付ける取付部構造に使用される段付きボルト111の種類が異なることから、2種類の段付きボルト110及び111を適宜選択して使用しなければならず、作業が煩雑になり作業効率の低下を招くと共に誤取付の発生の一因となる。 【0007】また、異なる2種類の段付きボルト110及び111を要することから、部品の種類の増加を招き、部品管理が複雑になり製造コストの増加の要因となる。 【0008】従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、1つの樹脂部材を取付部材に取り付けるための段付きボルトによって2つの樹脂部材を取付部材に共締めして取り付けることが可能な樹脂部材の取付部構造を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求項1による樹脂部材の取付部構造は、複数の樹脂部材をボルトによって取付部材に共締めして取り付ける樹脂部材の取付部構造において、ボルト挿通孔が穿設された取付部を有する取付部材と、上記取付部に重なる平板状で、かつ端面に第1結合孔形成部が切り欠き形成された第1結合部を有する第1樹脂部材と、上記取付部に重なる平板状で、かつ上記第1樹脂部材の端面と対面可能な端面に第2結合孔形成部が切り欠き形成された第2結合部を有する第2樹脂部材と、上記第1樹脂部材の端面と第2樹脂部材の端面との対面によって上記第1結合孔形成部と第2結合孔形成部によって形成される結合孔内に段部が嵌合すると共に頭部が上記第1結合部及び第2結合部に当接し、かつねじ部が上記ボルト挿通孔に挿入して取付部材に締結される段付きボルトとを備えたことを特徴とする。 【0010】請求項1の発明によると、第1樹脂部材の第1結合部部及び第2樹脂部材の第2結合部が共に、取付部材の取付部とボルトの頭部によって挟持されて第1樹脂部材及び第2樹脂部材が取付部材に取り付けられ、かつ段付きボルトを使用することによって、第1結合部及び第2結合部に及ぼす過剰の圧縮力が回避されて、該部のクリープの発生が防止されて安定した取付状態が維持できる。この段付きボルトの段部の長さが第1結合部及び第2結合部の各厚さに相応することから、第1樹脂部材または第2樹脂部材の一方のみを取付部材に取り付ける際にも使用することができる。 【0011】従って、単一種類の段付きボルトによって、第1樹脂部材及び第2樹脂部材を共締めして取付部材に取り付けることも、また第1樹脂部材或いは第2樹脂部材の一方のみを取付部材に取り付けることも可能になり、作業の簡素化が得られ、作業効率の向上を招くと共に誤取付の発生を未然に防止することができる。また、単一種類のボルトによることから、部品の種類の削減が図られ、部品管理の簡素化が得られ、製造コストの低減が期待できる。 【0012】請求項2に記載の発明は、複数の樹脂部材をボルトによって取付部材に共締めして取り付ける樹脂部材の取付部構造において、ボルト挿通孔が穿設された取付部を有する取付部材と、上記取付部に重なる平板状で、かつ端面に第1結合孔形成部が切り欠き形成された第1結合部を有する第1樹脂部材と、上記第1樹脂部材に重なる基部及び該基部からエンボス状に膨出して上記第1結合部が臨む開口部を形成すると共に上記取付部に重なる平板状でかつ上記第1樹脂部材の端面と対面可能な端面に第2結合孔形成部が切り欠き形成された第2結合部を有する第2樹脂部材と、上記第1樹脂部材の端面と第2樹脂部材の端面との対面によって上記第1結合孔形成部と第2結合孔形成部によって形成される結合孔内に段部が嵌合すると共に頭部が上記開口部から臨む上記第1結合部及び第2結合部に当接し、かつねじ部が上記ボルト挿通孔に挿入して取付部材に締結される段付きボルトとを備えたことを特徴とする。 【0013】請求項2の発明は、第1樹脂部材と第2樹脂部材を重ねて取付部材に段付きボルトによって締結する取付部構造であって、第1樹脂部材の第1結合部及び第2樹脂部材の第2結合部が取付部材の取付部とボルトの頭部によって挟持されて第1樹脂部材及び第2樹脂部材が取付部材に取り付けられ、かつ第1結合部及び第2結合部に及ぼす過剰の圧縮力が回避されて第1樹脂部材及び第2樹脂部材を安定した取付状態に維持できる。この段付きボルトの段部の長さが第1結合部及び第2結合部の厚さに相応することから、第1樹脂部材または第2樹脂部材の一方のみを取付部材に取り付ける際にも使用することができる。 【0014】従って、単一種類の段付きボルトによって、第1樹脂部材及び第2樹脂部材を共締めして取付部材に取り付けることも、また第1樹脂部材或いは第2樹脂部材の一方のみを取付部材に取り付けることも可能になり、作業の簡素化が得られると共に誤取付の発生を未然に防止することができる。 【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1または2の樹脂部材の取付構造において、上記第1樹脂部材または第2樹脂部材のいずれか一方の樹脂部材の端面に沿って該樹脂部材に形成された凹部と、他方の樹脂部材の端面に沿って該樹脂部材に突設されて上記凹部に嵌合する突状部を備えたことを特徴とする。 【0016】請求項3の発明によると、第1結合部の端面と第2結合部の端面との間に生じる隙間が凹部に嵌合する突状部によって隠蔽されて取付部材が露見することなく、外観美が確保でき意匠的効果が得られる。 【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1または2の樹脂部材の取付部構造において、上記第1樹脂部材及び第2樹脂部材に各々一体形成された互いに係合する係合手段を備えたことを特徴とする。 【0018】請求項4の発明によると、第1樹脂部材及び第2樹脂部材に各々一体形成された互いに係合する係合手段を備えることから、結合手段によって第1樹脂部材と第2樹脂部材が互いに荷重伝達可能に連結されて第1結合部と第2結合部が互いに離反する方向に対抗する剛性が確保でき、第1結合部と第2結合部が離反することなく段付きボルトによる第1樹脂部材及び第2樹脂部材の取付部材への取り付けがより確実になる。また、第1樹脂部材及び第2樹脂部材と一体に係合手段を形成することによって、部品点数の増加が抑制でき、かつ取り付け作業の複雑化を招くことはない。 【0019】請求項5に記載の発明は、請求項4の樹脂部材の取付部構造において、上記係合手段は、上記第1樹脂部材の第1結合部の端面に沿って断面略L字状に形成された係合部と、上記第2樹脂部材の第2結合部の端面に沿って断面略L字状に形成されて上記係合部に係合可能な係合部とを備えたことを特徴とする。 【0020】請求項5の発明は、請求項4に記載の係合手段の具体的な構成であって、第1結合部の端面に沿って断面略L字状に形成された係合部と、第2結合部の端面に沿って断面略L字状に形成された係合部を係合させる簡単な構成によって、上記請求項4の作用及び効果を達成することができる。 【0021】請求項6に記載の発明は、請求項4の樹脂部材の取付部構造において、上記係合手段は、第1樹脂部材の両側縁に各々形成した切欠き部と、該各々の切り欠き部に係合する第2樹脂部材に形成された一対のフックとを備えたことを特徴とする。 【0022】請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の係合手段の具体的な構成であって、第1樹脂部材の両側縁に各々形成した切欠き部と、第2樹脂部材に形成された一対のフックを係合することによって、上記請求項4の作用及び効果を達成することができる。 【0023】請求項7に記載の発明は、請求項2の樹脂部材の取付部構造において、互いに重なる上記第1樹脂部材または第2樹脂部材の基部の一方に形成された溝と、他方に突設されて先端が上記溝に係止するリブ状の係止部とを有する係合手段を備えたことを特徴とする。 【0024】請求項7の発明によると、リブ状の係止部の先端を溝に係止する結合手段によって第1樹脂部材と第2樹脂部材が互いに荷重伝達可能に連結されて第1結合部と第2結合部が離反する方向に対抗する剛性が確保でき、第1結合部と第2結合部が離反することなく第1樹脂部材及び第2樹脂部材の取付部材への取付剛性がより確実に確保される。 【0025】請求項8に記載の発明は、請求項2の樹脂部材の取付部構造において、上記第1樹脂部材に重なる第2樹脂部材の基部の縁部に折曲形成されたフランジと、上記第1樹脂部材に形成されて上記フランジの先端が係止する溝と有する係合手段を備えたことを特徴とする。 【0026】請求項8の発明によると、フランジを溝に係止する結合手段によって第1樹脂部材と第2樹脂部材が互いに荷重伝達可能に連結されて互いの結合部と離反する方向に対抗する剛性が確保でき、第1結合部と第2結合部が離反することなく段付きボルトによる第1樹脂部材及び第2樹脂部材の取付部材への取り付け剛性が確保できる。 【0027】 【発明の実施の形態】本発明の樹脂部材の取付部構造の実施の形態を図を参照して説明する。 【0028】(第1実施の形態)第1実施の形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1は、例えば、車体の車体パネル等の取付部材1に2種類のトリム等の第1樹脂部材10と第2樹脂部材20の一部を重ねて段付きボルト30によって共締めして取り付けた取付部構造の概要を示す正面図であり、図2は図1のI−I線断面図、図3は要部斜視図、図4は要部分解斜視図、図5は同じく分解斜視図である。 【0029】取付部材1に形成された取付部2には、ボルト挿通孔3が穿設され、かつ裏面にボルト挿通孔3と同軸上にナット4が溶接結合されている。 【0030】第1樹脂部材10の端部に第1結合部11が形成されている。第1結合部11は、取付部材1の取付部2に重なる平板状で厚さ寸法がaであって、端面12がボルト挿通孔3の中心軸線Lを通る平坦面状で、更に中心軸線Lを軸心としてボルト挿通孔3の半径より大きな半径を有する円弧状の第1結合孔形成部13が切欠き形成されている。 【0031】第2樹脂部材20は、第1樹脂部材10に重なる平板状の基部21から取付部材1側に膨出形成されたエンボス状の取付部部分22を有している。取付部部分22は基部21から取付部材1側に移行するに従って滑らかに縮径される略円錐テーパ状の周面部23と、周面部23の先端に突出して連続形成されて周面部23の略半分を覆うと共に取付部材1の取付部2に重なりかつ第1樹脂部材10の第1結合部11と略同一の厚さ寸法aで半円状に形成された第2結合部24を有している。 【0032】第2結合部24は中心軸線Lを通る平坦面で第1樹脂部材10の端面12と対面する端面25を有すると共に、中心軸線Lを軸心として第1樹脂部材10の第1結合孔形成部13と同半径を有する円孔状の第2結合孔形成部26が切欠き形成されている。周面部23の先端と第2結合部24の端面25との間に開口部27が形成される。 【0033】そして、取付部材1の取付部2上に第1樹脂部材10の第1結合部11を重ね、かつ第2樹脂部材20の取付部分22に形成された第2結合部24を重ねると共に第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20の各端面12と25を対面させて当接することによって、図1乃至図3に示すように第1結合孔形成部13と第2結合孔形成部26によって円筒状の結合孔28が形成されると共に、上記開口部27から第1結合孔形成部13を含む第1結合部11が臨んでいる。 【0034】段付きボルト30は、結合孔28内に嵌合し、かつ 第1結合部11及び第2結合部24と略同一の厚さ寸法aと略同一の長さを有する段部31と、ボルト挿通孔3に挿通してナット4に螺合可能なねじ部32と、結合孔28より大径でかつ周面部23の内径より小径の頭部33が一体に形成されている。 【0035】このように構成された取付部材1、第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20は、取付部材1の取付部2上に、ボルト挿通孔3の中心軸線Lと第1結合孔形成部13の軸心を同軸上に位置させて第1樹脂部材10の第1結合部11を重ね、かつ第2樹脂部材20の第2結合部24を取付部材1の取付部2上に重ねると共に端面12と25を当接させることによって第1結合孔形成部13と第2結合孔形成部26による円筒状の結合孔28が形成される。この結合孔28から段付きボルト30のねじ部32を挿入し、ボルト挿通孔3を貫通して結合孔28に段部31を嵌合させると共にナット4に締め付けて締結する。 【0036】このように締結された状態は、図1及び図2に示すように、第1樹脂部材10の第1結合部11及び第2樹脂部材20の第2結合部24に段付きボルト30の頭部33が掛け渡されて当接し、かつ取付部材1の取付部2と段付きボルト30の頭部33によって挟持されて第1結合部11及び第2結合部24が取付部材1に共締めされた状態で取り付けられる。また、第1結合部11の厚さa及び第2結合部24の厚さaと略同一の長さの段部31を有する段付きボルト30を使用することによって、第1結合部11及び第2結合部24に及ぼす取付部材1と段付きボルト30の頭部33による過剰の圧縮力が回避されて、該部のクリープの発生が防止されて第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20の安定した取付状態が維持される。 【0037】また、第1樹脂部材10或いは第2樹脂部材20の一方、例えば第1樹脂部材10のみを取り付ける結合部構造は、図6に断面図を示すように取付部材1の取付部6にボルト挿通孔7穿設すると共に裏面にナット4を溶接結合し、かつ厚さ寸法がaの結合部16にボルト30の段部31が嵌合する結合孔17が穿設された第1樹脂部材10を重ねる。そして、段付きボルト30を結合孔17側から挿入し、ボルト挿通孔7を貫通してナット4に締め付けると共に結合孔17に段部31を嵌合させて締結する。 【0038】このように締結された第1樹脂部材10の結合部16は、取付部材1の取付部6と段付きボルト30の頭部33によって挟持されて第1樹脂部材10が取付部材1に取り付けられ、かつ第1樹脂部材10の結合部16の厚さaと略同一の長さの段部31を有するボルト30を使用することによって、第1樹脂部材10の取付部16に及ぼす取付部材1と段付きボルト30の頭部33による過剰の圧縮力が回避されて、該部のクリープの発生が防止されて第1樹脂部材10が安定した取付状態で維持される。 【0039】従って、単一種類の段付きボルト30によって、重なる第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20を取付部材1に共締めして取り付けることが可能で、かつ第1樹脂部材10或いは第2樹脂部材20の一方のみを取付部材1に取り付けることが可能になり、作業の簡素化が得られ、作業効率の向上を招くと共に誤取付の発生を未然に防止することができる。また、単一種類の段付きボルト30によることから、部品の種類の削減が図られ、部品管理の簡素化が得られ、製造コストの低減が期待できる。 【0040】(第2実施の形態)図7及び図8を参照して本発明の第2実施に形態を説明する。図7は上記図1に対応する正面図、図8は図7のII−II線断面図であり、図7及び図8において図1乃至図6と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。 【0041】図7及び図8に示すように第2樹脂部材20に形成される第2結合部24の端面25に沿って裏面側に断面略L字状の凹部41を切り欠き形成する一方、第1樹脂部材10に形成された第1結合部11の端面12に沿って凹部41に重合して嵌合する突状部42を突設する。 【0042】このように構成することによって、第1実施の形態に加え、第1樹脂部材10に形成される第1結合部11の端面12と第2樹脂部材20に形成される第2結合部24の端面25との間に生じる隙間が隠蔽されて取付部材10が露見することなく、外観美が確保でき意匠的効果が得られる。 【0043】なお、凹部41は切り欠き形成された断面L字状に限らず、端面25に沿って切り欠き形成された面取り状の傾斜面によって形成し、突状部42をこの傾斜面に嵌合する斜面を有する突状に形成することもできる。また、凹部41を第1樹脂部材10の端面12に沿って形成し、突状部42を第2樹脂部材20の端面25に沿って形成することもできる。 【0044】(第3実施の形態)図9及び図10を参照して本発明の第3実施に形態を説明する。図9は上記図1に対応する正面図、図10は図9のIII−III線断面図であり、図9及び図10において図1乃至図6と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。 【0045】第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20が互いに係合する係合手段を有する。この係合手段は、図9及び図10に示すように、互いに第1樹脂部材10の第1結合部11の端面12及び第2樹脂部材20の第2結合部24の端面25に沿って互いに重なり、かつ互いに係合する断面略L字状の係合部43及び44を各々第1結合部11及び第2結合部24に一体形成することによって構成される。 【0046】互いに係合部43と係合部44を係合することによって、第1実施の形態及び第2実施の形態に加え、第1樹脂部材10と第2樹脂部材20が互いに荷重伝達可能に連結されて互いの第1結合部11と第2結合部24が互いに離反する方向に対抗する剛性が確保できる。従って、第1結合部11と第2結合部24の離反が防止できて段付きボルト30による第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20の取付部材1への取付が確実なる。 【0047】また、第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20と一体に係合部43、44を形成することによって、部品点数の増加が抑制でき、かつ取り付け作業の複雑化を招くことはない。 【0048】(第4実施の形態)図11を参照して本発明の第4実施に形態を説明する。図11は上記図1に対応する正面図であり、図11において図1乃至図6と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。 【0049】図11に示すように第1樹脂部材10の両側に切欠き部45を形成し、第2樹脂部材20の裏面に切欠き部45に係合するフック46を突設形成する係合手段を有する。 【0050】このように係合手段を形成することによって、互いに切欠き部45とフック46が係合され、第1実施の形態に加え、第1樹脂部材10と第2樹脂部材20が互いに荷重伝達可能に連結されて互いの第1取付部11と第2取付部24が離反する方向に対抗する剛性が確保できる結果、第1結合部11と第2結合部24の離反が防止できて段付きボルト30による第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20の取付部材1への取付が確実なる。 【0051】また、第1樹脂部材10と第2樹脂部材20の端面12及び25の延在方向の相対移動も規制される。従って、ボルト30による第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20の取付部材1への取付剛性がより確実に確保される。更に、第1樹脂部材10と第2樹脂部材20の相対位置決め機能を有することから、ボルト30による取り付け作業が容易になる。 【0052】(第5実施の形態)図12及び図13を参照して本発明の第5実施に形態を説明する。図12は上記図1に対応する正面図、図13は図12のIV−IV線断面図であり、図12及び図13において図1乃至図6と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。 【0053】図12及び図13に示すように第2樹脂部材20の基部21に周面部23に沿って第1樹脂部材10に向かって先端47aが周面部23から次第に離反して突出するリブ状の係止部47を突設する一方、第1樹脂部材10に係止部47の先端47aが係止する溝48による係合手段を形成する。 【0054】互いに係止部47の先端47aが溝48に係合することによって、第1実施の形態及に加え、第1樹脂部材10と第2樹脂部材20が互いに荷重伝達可能に連結されて互いの第1結合部11と第2結合部24が離反する方向に対抗する剛性が確保でる。従って、第1結合部11と第2結合部24の離反が防止できて段付きボルト30による第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20の取付部材1への取付剛性がより確実に確保される。 【0055】(第6実施の形態)図14及び図15を参照して本発明の第6実施に形態を説明する。図14は上記図1に対応する正面図、図15は図14のV−V線断面図であり、図14及び図15において図1乃至図6と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。 【0056】図14及び図15に示すように第2樹脂部材20の周面部23の先端に沿って第1樹脂部材10の第1結合部11に当接し、かつ端面15から離反する側に折曲形成されたフランジ49を設ける一方、第1樹脂部材10にフランジ49の先端49aが係止する溝50aを有する係合部50を突設して係合手段を形成する。 【0057】即ち基部21の縁部に形成したフランジ49の先端49aが係合部50に係合することによって、第1実施の形態及に加え、第1樹脂部材10と第2樹脂部材20が互いに荷重伝達可能に連結されて互いの結合部11と24が離反する方向に対抗する剛性が確保できる。従って、第1結合部11と第2結合部24の離反が防止できて、段付きボルト30による第1樹脂部材10及び第2樹脂部材20の取付部材1への取付剛性がより確保される。また、第1樹脂部材10の第1結合部11及び第2樹脂部材20の周面部23が各々係合部50及びフランジ49の形成によって剛性が向上する。 【0058】なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記各実施の形態では取付部材2の裏面にボルト挿通孔3と対応してナット4を溶接結合したが、取付部材2の厚さが十分に確保できる場合には、ボルト挿通孔3に段付きボルト30のねじ部32が螺合するねじ孔を形成することもできる。また、上記第2実施の形態或いは第3実施の形態と第4実施の形態乃至第6実施の形態を適宜併設することも、また、第4実施の形態乃至第6実施の形態を適宜併設して更に第1樹脂部材10と第2樹脂部材20との結合剛性を向上させることもできる。 【0059】 【発明の効果】以上説明した樹脂部材の取付部構造の発明によると、2つの樹脂部材の各結合部が取付部材の取付部と段付きボルトの頭部によって挟持されて両樹脂部材が取付部材に取り付けられ、かつ段付きボルトを使用することによって、両樹脂部材の各結合部に及ぼす過剰の圧縮力が回避されて、該部のクリープの発生が防止されて両樹脂部材の安定した取付状態が維持される。この段付きボルトの段部の長さが各樹脂部材の取付部の厚さに相応することから、単一の第1樹脂部材のみを取付部材に取り付ける際にも使用することができる。従って、単一種類の段付きボルトによって、2つ樹脂部材を共締めして取付部材に取り付けるこのも、また単一樹脂部材のみを取付部材に取り付けることが可能になり、作業の簡素化が得られ、作業効率の向上を招くと共に誤取付の発生を未然に防止することができる。また、単一種類の段付きボルトによることから、部品の種類の削減が図られ、部品管理の簡素化が得られ、製造コストの低減が期待できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目7番2号
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| 【出願日】 |
平成13年12月19日(2001.12.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100354 【弁理士】 【氏名又は名称】江藤 聡明
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| 【公開番号】 |
特開2003−181938(P2003−181938A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−386541(P2001−386541) |
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