| 【発明の名称】 |
金属箔のスリット方法および金属箔のスリッター |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 正夫 【住所又は居所】埼玉県上尾市鎌倉橋656−2 三井金属鉱業株式会社銅箔事業本部銅箔事業部内
【氏名】本間 雅弘 【住所又は居所】埼玉県上尾市鎌倉橋656−2 三井金属鉱業株式会社銅箔事業本部銅箔事業部内
【氏名】高橋 直臣 【住所又は居所】埼玉県上尾市鎌倉橋656−2 三井金属鉱業株式会社銅箔事業本部銅箔事業部内
|
| 【要約】 |
【課題】銅箔などの金属箔をより容易かつ確実に切り粉の発生を抑制することが可能な金属箔のスリット方法および金属箔のスリッターを提供すること。
【解決手段】連続して送られる長尺の金属箔を、回転ローラ5に設けられた受け刃54と、円盤形状のスリット刃6との協働によって切断する際、スリット刃6の外周縁部に備わる刃付け部の少なくとも刃先6cに有機溶剤を塗布する。刃先6cに有機溶剤を塗布すると、金属箔の切断面におけるバリの発生や切り粉の発生が抑制される。また、有機溶剤によって、スリット刃6と金属箔とが接する位置における摩擦が低減されて金属箔の伸びが防止され、バリや切り粉の発生が防止される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 連続して送られる長尺の金属箔を、該金属箔を受ける回転ローラに設けられた受け刃と、回転可能に軸支持された円盤形状のスリット刃との協働によって切断する金属箔のスリット方法であって、スリット刃の外周縁部に備わる刃付け部の少なくとも刃先に有機溶剤を付着させた状態で金属箔を切断する金属箔のスリット方法。 【請求項2】 連続して送られる長尺の金属箔を受けるローラに設けられた受け刃と、該受け刃との協働によって金属箔をスリットする、回転可能に軸支持された円盤形状のスリット刃と、を備える金属箔のスリッターにおいて、スリット刃の外周縁部に備わる刃付け部の少なくとも刃先に有機溶剤を付着させる手段を有することを特徴とする金属箔のスリッター。 【請求項3】 有機溶剤を付着させる手段は、塗布することによって刃付け部の少なくとも刃先に有機溶剤を付着させるものである請求項2に記載の金属箔のスリッター。 【請求項4】 有機溶剤を塗布する手段は、スリット刃の刃付け部に接触される、有機溶剤を含んだ含浸体である請求項3に記載の金属箔のスリッター。 【請求項5】 スリット刃の刃付け部の少なくとも刃先に付着した金属粉を除去する拭き取り手段を有する請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の金属箔のスリッター。 【請求項6】 拭き取り手段は、スリット刃の刃付け部に押し当てられる、有機溶剤を含んだ含浸体である請求項5に記載の金属箔のスリッター。 【請求項7】 有機溶剤は、少なくとも難腐食性の有機溶剤である請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の金属箔のスリッター。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、2つの刃の協働によって金属箔をスリットする金属箔のスリット方法および金属箔のスリッターに関する。 【0002】 【従来の技術】金属箔、樹脂、紙等のシート状の製品、特に長尺のものは、通常、所定幅にスリットされ、ロール状に巻き取られた状態で市場に供給される。例えば、長尺の銅箔をスリットするスリッターとしては、連続して送られる長尺の銅箔を受けるローラに設けられた受け刃(下刃とも称する)と、この受け刃との協働によって銅箔をスリットする円盤形状のスリット刃(上刃とも称する)とを用いるものがある。両刃はいずれも回転可能に軸支持されている。スリッターでは、この両刃を銅箔の送り速度に合わせて回転させながら銅箔をスリットする。 【0003】ところで、金属箔等をスリットするときに、バリや切断屑(一般には「切り粉」とも称される。以下、このように称する。)が発生し、製品の表面に付着することがある。 【0004】例えば、銅箔は、プリント配線板の材料として用いられるものであるが、この銅箔製品の表面、特に基板との接着面に切り粉が付着していると、接着後に行われる回路形成のためのエッチング工程によって切り粉を除去できないことがある。除去されずに残った切り粉は、隣り合った回路を導通させてショートサーキットを形成し、プリント配線板が組み込まれた電子機器等の誤動作、動作不良の原因になる場合がある。したがって、銅箔、アルミニウム箔あるいは銅箔とアルミニウム箔とを積層させた複合箔の如き軟質金属の金属箔のスリットでは、切り粉の発生を抑制することが必要不可欠である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで、従来から切り粉の発生を防止するために、様々な点について改良がなされてきた。その中でも最も改良が重ねられている分野は、スリット刃のセッティングに関する分野である。これらの分野の改良を適用することで、確かに切り粉の発生量を減ずることはできるが、セッティングの最適化には、スリット対象、スリット刃の磨耗等のスリッター装置に関する条件や、温度や湿度などの環境条件などを考慮する必要があるため、結局、スリットを行うたびにセッティングの最適化を行う必要がある。 【0006】ところが、従来のスリッターにおけるスリット刃のセッティング等の主要な作業は、作業者の経験に基づいて行われている部分が大きい。したがって、以前に比べて切り粉の発生量は減少しているものの、依然として作業者の技能レベルによって仕上がる製品のスリット品質が大きく左右されるというのが実情である。特に、銅やアルミニウムなどの箔をスリットする場合は、スリットされた箔の切断面にバリが発生し、あるいは切り粉が発生しやすく、作業者の経験の多少によって切り粉などの発生量に差が生じやすい。 【0007】本発明は、以上のような背景の下になされたものであり、作業者の経験の多少に拘わらず、より容易かつ確実に切り粉の発生を抑制することが可能な金属箔のスリット方法および金属箔のスリッターを提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような課題を解決するため、本件発明者は、金属箔の中でも、スリットの際に比較的バリや切り粉が発生しやすい銅箔について、バリや切り粉の発生原因について検討した。その結果、銅は伸性に富む材料であり、スリット加工の際、切断面付近が伸びやすく、しかも伸び変形の量が大きいほどバリや切り粉が発生しやすいことが解った。そこで、スリット加工の際の銅の伸び変形を抑制してバリや切り粉の発生を防止する手段について検討した結果、本発明に想到した。 【0009】本発明の金属箔のスリット方法は、連続して送られる長尺の金属箔を、該金属箔を受ける回転ローラに設けられた受け刃と、回転可能に軸支持された円盤形状のスリット刃との協働によって切断する金属箔のスリット方法であって、スリット刃の外周縁部に備わる刃付け部の少なくとも刃先に有機溶剤を付着させた状態で金属箔を切断する金属箔のスリット方法である。 【0010】長尺の金属箔をスリットする場合は、通常、長尺の金属箔を連続して送り、この送り速度に合わせて、受け刃が設けられたローラ及び円盤形状のスリット刃を回転させながら金属箔をスリットする。このようにしてスリットする際に、スリット刃の外周縁部に備わる刃付け部の少なくとも刃先に、有機溶剤を供給して付着させておくと、金属箔の切断面におけるバリの発生や切り粉の発生が抑制される。有機溶剤によって、スリット刃と金属箔とが接する位置における摩擦が低減されて金属箔の伸びが防止され、その際のバリや切り粉の発生が防止されるからである。また、有機溶剤の揮発によってスリット加工時に発生した摩擦熱が金属箔および刃から速やかに放熱され、金属箔の加熱が防止されることも、バリや切り粉の発生を抑制すると考えられる。箔状の金属は酸化しやすく、また酸化すると脆くなるためバリや切り粉になりやすいが、加熱が防止されることで金属箔の酸化が抑制され、バリや切り粉の発生が抑制されるからである。 【0011】このように、本発明のスリット方法によれば、金属箔全般のスリットにおいて、バリや切り粉の発生を抑制できるが、先の説明から解るように、金属箔の中でも銅のように伸性に富む金属の箔や、アルミニウムのような酸化しやすい金属の箔をスリットする場合に、特にバリや切り粉の発生を抑制する効果が高い。 【0012】また、本発明の金属箔のスリッターは、連続して送られる長尺の金属箔を受けるローラに設けられた受け刃と、該受け刃との協働によって金属箔をスリットする、回転可能に軸支持された円盤形状のスリット刃と、を備える金属箔のスリッターにおいて、スリット刃の外周縁部に備わる刃付け部の少なくとも刃先に有機溶剤を付着させる手段を有することを特徴とするものである。 【0013】長尺の金属箔をスリットするスリッターでは、先に説明したように、通常長尺の金属箔を連続して送り、この送り速度に合わせて、受け刃が設けられたローラ及び円盤形状のスリット刃を回転させながら金属箔をスリットする。このようにしてスリットする際に、スリット刃の外周縁部に備わる刃付け部の少なくとも刃先、別言すれば切断時に金属箔に接する位置に有機溶剤を付着させると、スリット刃が回転し、有機溶剤が付着されたスリット刃によって金属箔が切断される。このような位置に切断前に予め有機溶剤を供給しておくと、スリット方法のところで説明したのと同様の理由で、金属箔の切断面におけるバリの発生や切り粉の発生が抑制される。金属箔の中でも銅のように伸性に富む金属の箔や、アルミニウムのような酸化しやすい金属の箔をスリットするスリッターに適用した場合に、バリや切り粉の発生を抑制するより高い効果が得られる点も同様である。 【0014】有機溶剤を刃付け部に付着させる手段としては、塗布、噴霧、浸漬など種々の手段があり、刃付け部に有機溶剤を付着させることができる手段であれば特に限定されるものではないが、その中でも、塗布することによって刃付け部の少なくとも刃先に有機溶剤を付着させるものが好ましい。切断時のスリット刃は回転しており、塗布する手段によれば、回転によって連続的に移動してくるスリット刃の刃付け部の表面、特にスリット刃の外周縁の刃先に、均等に有機溶剤を付着させて供給することができるからであり、また比較的簡単に塗布手段を設けることができるからである。 【0015】有機溶剤を塗布する手段は、スリット刃の刃付け部の表面に接触される、有機溶剤を含んだ含浸体が好ましい。含浸体とこれを支持する手段とによって簡単に構成でき、新規に製作するスリッターに設けるだけでなく、既存のスリッターにも容易に設置できるからである。なお、ヘラのように、その内部に有機溶剤を含浸しないものを用いて塗布してもよいが、有機溶剤を含浸できる素材からなるものを用いて塗布した方が刃付け部の表面により均等に有機溶剤を塗布できるからである。有機溶剤を含浸させた含浸体としては、例えば有機溶剤を付着させる量が安定している、有機溶剤を含浸したフェルトが好ましい。 【0016】そして、スリッタ刃に接触させた状態の含浸体に有機溶剤を供給する供給管や滴下する手段などを設けて、含浸体をスリッタ刃に接触させたまま有機溶剤を供給できれば、より均等に有機溶剤を付着させることができ、より好ましい。なお、スリット刃に直接含浸体等を接触させることができないような場合は、噴霧によって供給するのが好ましく、フェルトなどの含浸体や噴霧手段が不要であるという点では、スリット刃の刃付け部を直接有機溶剤槽に浸漬させて付着させるのが好ましい。 【0017】また、有機溶剤を付着させた状態で金属箔を切断する方法を検討する中で、スリット刃、特にスリット刃の刃先など切断時に金属箔に接する部分に付着した切り粉などの金属粉を予め除去しておくことで、切断時の切り粉の発生を抑制できることを見出した。そして、検討の結果、スリット刃の刃付け部の少なくとも刃先に付着した金属粉を除去する拭き取り手段を設けると金属粉を除去でき、バリや切り粉の発生を抑制できることが見出された。 【0018】回転する状態で用いられる円盤形状のスリット刃は、一回転する毎に金属箔に接して該金属箔を切断するものである。したがって、スリット刃の刃付け部の刃先など、切断時に金属箔に接する部分に接触させることができる位置に拭き取り手段を設けておけば、スリット刃の刃付け部は、金属箔切断後、次の切断までの間に必ず一度金属粉を拭き取られるのである。この拭き取り手段を設けておけば、切断時にわずかに切り粉が発生し、それが刃先など切断時に金属箔に接する部分についたとしても、切り粉は次の切断までに拭き取られる。したがって、刃付け部の状態を常に好適な状態に維持することができ、バリや切り粉の発生が抑制されると考えられる。 【0019】なお、拭き取り手段として用いられる含浸体拭き取り手段としては、スリット刃の刃付け部の表面に押し当てた状態で用いられる、有機溶剤を含んだ含浸体が好ましい。有機溶剤を含んだ含浸体で拭き取ればより確実に金属粉が除去され、バリや切り粉の発生を抑制する効果がより高いことが見出されたからである。なお、拭き取り手段として用いられる含浸体として、塗布手段と同様、例えば有機溶剤を含浸したフェルトが好ましい。 【0020】ところで、拭き取り手段を刃付け部に押し当てて金属粉を拭き取ると、同時に有機溶剤がスリット刃の刃付け部の刃先など切断時に金属箔に接する部分に塗布される。したがって、拭き取り手段によって切断時に必要十分な量の有機溶剤を塗布することによって、有機溶剤を塗布する手段を別途設けることなく、切断時のバリや切り粉の発生を抑制することができる。また反対に、有機溶剤を塗布する手段はスリット刃の刃付け部の刃先など金属箔と接する部分に接触する状態で用いられるものである。したがって、塗布手段によって金属粉を拭き取ることによって、拭き取り手段を別途設けることなく、金属粉を除去して切断時のバリや切り粉の発生を抑制することができる。つまり、有機溶剤を塗布する手段と、拭き取り手段をそれぞれ設ける構成と、両手段を兼ねる手段を1つ設ける構成とが考えられる。 【0021】また、有機溶剤としては、スリット刃やスリット対象が金属であることから、金属の腐食を促すものでなく、防止する難腐食性の有機溶剤が好ましい。なお、有機溶剤は、これまでの記載から解るように、難腐食性で、切断時の刃と銅箔との間の摩擦を低減できるものが好ましいが、例えば、トルオール(特にトルエン)、キシロール(キシレン)、イソプロピルアルコール、エチルアルコールなどのアルコール、カルボニル化合物(特にMEK(メチルエチルケトン)などのケトン)、プロピルエーテルなどのエーテルを挙げることができる。そして、検討の結果これらの中でも沸点が75℃〜150℃のものがより好ましい。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を図面と共に説明する。 【0023】図1及び図2に示されるスリッター1は、連続電解法などの方法によって連続的に製造された長尺の銅箔Cを連続して所定幅に切断するスリッターであり、切断前の銅箔Cが巻かれている巻ロールを支持する巻出し機構2と、巻出し機構2から繰出された銅箔Cを切断する刃を備えた切断機構3と、切断された銅箔Cを巻き取る巻取り機構4a、4bと、切り取った部分(耳)を巻き取る巻取り機構4cとを備える。また、スリッター1は、巻出し機構2から繰出された銅箔Cを所定の経路に沿って送るためのローラや、銅箔Cに適当なテンションを付与するためのテンションローラなどのローラ11を備えている。 【0024】長尺の銅箔Cは、巻出し機構2に搬入された巻ロールから繰出された後、テンションローラなどのローラ11によって所定の経路に沿って送られ、切断機構3に送り込まれて所定の幅に切断される。所定幅に切断された銅箔Cおよび切り取られた耳は、それぞれの巻取り機構4a,4b,4cに送られて巻き取られる。なお、ここで説明した、巻出し機構2から巻取り機構4に銅箔Cを送る機構は従来のスリッターで用いられているものであり、詳細な説明は省略する。 【0025】切断機構3は、図3に示されるように、繰出し側から巻取り側に連続的に送られる長尺の銅箔Cを受ける回転ローラ5と、銅箔Cの切断に用いられる円盤形状のスリット刃6とを有しており、切断機構3は、回転ローラ5に取り付けられた後述の受け刃54と、スリット刃6との協働によって長尺の銅箔Cを連続的に切断する。そして、本実施形態の切断機構3は、スリット刃6の刃付け部6bの表面に揮発性の有機溶剤を付着させる塗布器具7(図2では省略)を有している。 【0026】回転ローラ5は、図3に示されるように、長手方向に延びる円筒形状のローラ本体51と、該ローラ本体51の外周に着脱可能に取り付けられた筒体52とを有しており、筒体52の回転軸方向両外側には、筒体52の位置決めを行うリング53と、リング53の外側に配置された受け刃54とが取り付けられている。受け刃54とリング53との間には、環状の溝部Eが形成されている。 【0027】スリット刃6は、いわゆるロータリカッターであり、回転ローラ5の長手方向に対して平行に延びるシャフト8に固定されている。また、スリット刃6は、刃身6aの外周縁部に刃付け部6bを有しており、図4に示されるように、この刃付け部6bの刃先6cをローラ5の溝部Eに入り込ませた状態で銅箔Cを切断する。なお、スリット刃6の固定位置はシャフト8に沿って移動可能である。このシャフト8は、回転ローラ5に対して接近離隔移動自在に設置されている。したがって、スリット刃6をシャフトに沿って移動させると、スリット刃6の受け刃54からの離間距離G(図4参照)が調節される。また、シャフト8の回転ローラ5に対する位置を調節すると、スリット刃6の溝部Eへの進入距離Dが調節される。なお、図4では塗布器具7の図示を省略した。 【0028】塗布器具7は、図5に示されるように、フェルト71と、該フェルト71を保持するホルダ72と、該ホルダを支持するアーム73とを有しており、このうちのフェルト71に揮発性の有機溶剤が含浸される。アーム73は、スリッター1のフレームに取り付けられた取付用の金具(図示せず)によってスリッター1に取り付けられている。したがって、フレームへの金具の固定位置を銅箔Cの幅方向に移動させたり、金具によってアーム73を保持する際の保持位置を調節したり、アーム73の向きを調節したりすることによってフェルト71のスリット刃6に対する位置を調節して、フェルト71をスリット刃6の刃先6c(図4参照)に接触させて有機溶剤を塗布することができる。なお、フェルト71は柔軟な素材であるので、フェルト71をスリット刃6に横から押し当てることによって、スリット刃6の刃先6cに有機溶剤を塗布することができる。また、図6に示されるように、スリット刃6の側面ではなく刃先6cに直接フェルト71aを押し当てて、刃先6cに有機溶剤を塗布してもよい。なお、図3、図5及び図6では、説明の都合上、アーム73の金具側の部分を省略した。 【0029】このようなスリッター1で銅箔Cを所定幅に切断する場合は、まずスリット幅に応じた筒体52、リング53及び受け刃54をローラ本体51に取り付ける。そしてスリット刃6の位置を調節して、刃付け部6bの溝部E内への進入距離Dおよび受け刃54との隙間距離Gを調節する。その後、銅箔Cを繰出し側から巻取り側に送って、スリット刃6と受け刃54との協働により、長尺の銅箔Cを所定幅に連続的に切断する。また、同時に、フェルト71に有機溶剤を含浸させて、該フェルト71をスリッタ刃6の刃付け部6bに押し当てる。なお、フェルト71への有機溶剤の供給は、例えば作業者がスポイドを用いて行うことができる。 【0030】実施例:実施形態のスリッター1について、厚さが35μmの長尺の銅箔(表面処理前銅箔)Cに対するスリット試験を行って、切り粉の発生量を測定した。この実施例では、受け刃54として、外径が150mmのものを用いた。この受け刃54はダイス鋼(SKD−11)製であり、そのエッジ54aの角度は90°であった。またスリット刃6として、直径が200mm、刃付け部6bの刃先角θ1が45°、刃付け部6bが高速度鋼製であるものを用いた。 【0031】刃のセッティング条件は、隙間距離Gが0.2mm、侵入距離Dが0.1mmであった。また、スリット刃6の受け刃側の側面と銅箔Cとのなす角度は90°であり、受け刃とは反対側の側面と銅箔Cとのなす角度は45°であった。そして、銅箔の送り速度は80m/分、切断時に銅箔にかけられたテンションは23kg/mであった。 【0032】比較例:有機溶剤をスリット刃6の刃付け部6bに塗布することなく銅箔Cをスリットした。これ以外の条件は上述した実施例のスリッターと同じであった。 【0033】切り粉の測定:実施例のスリッターおよび比較例のスリッターについて、各スリッターで安定した状態でスリットされてロール状に巻き取られた長さ1000m分の銅箔Cの切り粉の数を測定した。具体的には、ロール状に巻き取られた銅箔Cのロールの切断端面に粘着テープを貼付けて剥がし、剥がしたテープを100倍の光学顕微鏡で観察し、視野(2mm×2mm)中に存在する約10μm以上の大きさの切り粉の数をカウントする。切り粉の大きさは、顕微鏡レンズ内の寸法測定用ゲージで判断する。なお、粘着テープは同一の物を用いることで相対評価できるようにした。測定結果を表1に示す。 【0034】 【表1】
【0035】次の表1に示される結果から解るように、実施例のスリッターによれば、比較例のスリッターを用いた場合と比較して、切り粉の数が著しく減少することが解った。 【0036】 【発明の効果】以上の説明から解るように、本発明のスリッターを用いれば、切り粉の発生をより容易に抑制できる金属箔のスリッターを提供することができる。したがって、作業者の技能レベルに拘わらず、高いスリット品質が安定して得られる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006183 【氏名又は名称】三井金属鉱業株式会社 【住所又は居所】東京都品川区大崎1丁目11番1号
|
| 【出願日】 |
平成13年9月27日(2001.9.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111774 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 大輔
|
| 【公開番号】 |
特開2003−94382(P2003−94382A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月3日(2003.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−297634(P2001−297634) |
|