| 【発明の名称】 |
ラッピングフィルム及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鳥取 高明 【住所又は居所】京都府京都市中京区富小路通六角上ル 朝倉町547番地 レフライト株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】切屑を接触面間から排出するのに良好な深度を有し、かつ任意に形成されたチップポケットを有するラッピングフィルムを提供する。
【解決手段】柔軟性、熱安定性に優れ、かつ絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材(2c)上に、砥粒と接着剤とからなる研磨材層(a)を厚さが均一になるように塗布し、基材(2c)と研磨材層(1)からなるラッピングフィルム(10)を形成した後、凹凸転写面を有する成形型(20)を使用して加熱加圧し、深絞り加工することによって、研磨面に凹凸を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材上に研磨材層を塗布したラッピングフィルムにおいて、柔軟性、熱安定性に優れ、かつ絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材(2c)上に、砥粒と接着剤とからなる研磨材層(1)を均一の厚さで塗布したラッピングフィルム(10)を、深絞り加工して、研磨面に凹凸を形成したことを特徴とするラッピングフィルム。 【請求項2】 柔軟性、熱安定性に優れ、かつ絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材(2c)上に、砥粒と接着剤とからなる研磨材層(a)を厚さが均一になるように塗布し、基材(2c)と研磨材層(1)からなるラッピングフィルム(10)を形成した後、凹凸転写面を有する成形型(20)を使用して加熱加圧し、深絞り加工することによって、研磨面に凹凸を形成することを特徴とするラッピングフィルムの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、研磨加工に用いられるラッピングフィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】最近のシリコンウエハやハードディスクをはじめとする電子あるいは光学部品の研磨加工に要求される精度は高く、そのためにラッピングフィルム10が用いられるようになった。代表的なラッピングフィルム10としては、ポリエステルフィルムからなる基材2上に各種砥粒1aを接着剤1bで塗布したものがある。ラッピングフィルム10は、フレキシビリティに富み、しかも曲面に対しても良くなじみ、かつガラスやプラスティックレンズの研磨加工や複雑な曲面研磨加工に対するフィット性が要求されている。また研磨加工で発生する切屑によって工作物の仕上り面を傷付けないようにするため、切屑を接触面間から排出するための適度なチップポケットaを研磨面に形成したラッピングフィルムが要求されている。 【0003】図9は従来技術によるラッピングフィルムを示すものであって、研磨面にチップポケットaを形成したものである。図9(a)は、研磨粒子凝集タイプ(ベナードセル型、亀甲型)のラッピングフィルムであり、ポリエステルフィルムなどからなる平板状の(表面に凹凸のない)基材2a上に、砥粒1aと接着剤1bからなる研磨材層1を塗布する際、前記研磨材層1に含有される砥粒が1μm以下では表面積や表面エネルギーによって凝集しやすくなることを利用し、この凝集によって基材2a上に塗布された研磨材層1に亀裂を発生させて研磨面にチップポケットaを形成するものである。図8(b)は、不織布あるいはテトロンタフタなどの表面に凹凸のある基材2b上に研磨材層1を塗布するものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、研磨粒子凝集タイプ(ベナードセル型、亀甲型)のラッピングフィルムでは、基材2a上に塗布した研磨材層1を亀裂させてチップポケットaを形成するためには、研磨材層1における接着剤濃度や砥粒密度、および研磨材層1の乾燥速度などのコントロールが困難で、かつ前記チップポケットaは所望の間隔で形成することができず、また基材上に塗布される研磨材層1の接着強度も弱いものとなっていた。 【0005】一方、不織布あるいはテトロンタフタからなる凹凸のある基材2b上に研磨材層1を塗布したラッピングフィルムでは、予め凹凸が形成されている基材2bに対して研磨材層1を塗布するため、研磨材層1が基材2bの凹部に流れ込み、研磨面には殆ど凹凸が形成されず(研磨面に形成された凹凸は極めて浅くなり)、そのため研磨面に切屑を接触面間から排出するのに適したチップポケットaを形成することができなかった。また研磨材層1が均一でないため、長時間使用した場合に研磨むらが発生するなどの虞があった。 【0006】そこで、この発明は、切屑を接触面間から排出するのに良好なチップポケットaを研磨面に任意に形成したラッピングフィルムを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、この発明は、柔軟性、熱安定性に優れ、かつ絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材上に、砥粒と接着剤とからなる研磨材層を厚さが均一になるように塗布し、基材と研磨材層からなるラッピングフィルムを形成した後、転写凹凸転写面を有する成形型を使用して加熱加圧し、深絞り加工することによって、研磨面に凹凸を形成するものであって、深絞り加工によって研磨面に任意の凹凸を形成したラッピングフィルムを提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下にこの発明の好適な実施例を図面を参照にして説明する。 【0009】図1は、柔軟性、強度、熱安定性、溶媒耐性などの物理的特性の優れた基材2上に各種砥粒1aを接着剤1bからなる研磨材層1を形成したラッピングフィルムを示すものである。なお研磨材層1を均一の厚さに形成するため、表面に凹凸が形成されていない基材2を使用している。 【0010】研磨材層1は各種砥粒1aと接着剤1bとから構成され、基材2上に均一にコーティングして形成される。砥粒1a材質としては、ダイヤモンド,酸化クロム,酸化鉄,酸化アルミナ,炭化珪素などが用いられ、接着剤1bとしてはアクリル系,エポキシ系,ウレタン系などのものが用いられる。またダイヤモンド砥粒(粒度#200 〜#10,000)を高強度・耐熱性樹脂であるポリイミド樹脂からなる接着剤1bと混練したものをローラーコート法により基材上にコーティングした場合、十分なフレキシビリティを有し、砥粒保持力がきわめて高く、大きな研磨負荷にも十分に耐えることができる。 【0011】この実施例では、基材として、柔軟性、強度、熱安定性、溶媒耐性など優れた物理的特性を有し、かつ絞り加工が可能な共重合ポリエステルフィルムを使用する。 【0012】従来技術で使用していたポリエステルフィルムからなる基材2aは、柔軟性、強度、熱安定性、溶媒耐性など優れた物理的特性を有するものの、原料であるポリエチレンテレフタレートポリマーをフィルム状の基材2aとして成形する際、変形にともなう分子配向の増大によりポリマーが結晶化を起こし、そのため、それ以上の成形が困難となる。つまり、ポリエステルフィルムからなる基板2aは、深絞り加工などの成形加工ができない。一方、この発明では、柔軟性、熱安定性に優れ、かつ絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる基材2cを使用する。この共重合ポリエステルフィルムは、共重合などのポリマー変性によって、成形の際の変形にともなうポリマー結晶化が抑制され、そのため、優れた成形性を保ち、折り曲げ加工や絞り加工が可能である。なお共重合ポリエステルとしては、共重合ポリエチレンテレフタレートが代表例として挙げられ、この共重合成分は酸成分でもアルコール成分でも良い。 【0013】この実施例では、上述の共重合ポリエステルフィルムとして、帝人デュポンフィルム株式会社製のテフレックス(商品名)を使用した。この共重合ポリエステルフィルムは、平均粒径2.5μm以下の滑材を含有し、融点が210〜245℃の共重合ポリエステルからなり、ポリエチレンフィルムと同様に柔軟性、強度、熱安定性、溶媒耐性などの優れた物理的特性を有し、かつ折り曲げ加工や絞り加工が可能である。 【0014】そして、上述の共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材2c上に研磨材層1を均一に塗布して形成されたラッピングフィルム10を深絞り加工することによって、ラッピングフィルムの研磨面に凹凸を形成する。なお深絞り加工するためには、基材2c上に塗布される研磨材層1を構成する接着剤1bとして、熱可塑性の接着剤1bが好適である。 【0015】図2に示すように、この実施例では、絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材2c上に、砥粒1aと接着剤1bからなる研磨材層1を均一の厚さで塗布し、基材2cと研磨材層1とからなるラッピングフィルム10を形成した後、このラッピングフィルム10を、成形型20を使用して加熱加圧することによって深絞り加工して研磨面に凹凸を形成したラッピングフィルムを製造する。まず、共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材2c上に、厚さ10〜40μmの研磨材層1を均一に形成し、研磨面に凹凸のないラッピングフィルム10を形成する。共重合ポリエステルフィルムからなる基材2cに予め凹凸を形成しておくと、凹部に研磨剤層1が流れ込んで、均一の厚さの研磨材層1が形成できない。次に、表面に凹凸のない基材2cと、この基材上に形成した均一の厚さの研磨材層1とからなるラッピングフィルムを深絞り加工して、研磨面に凹凸を形成する。この深絞り加工において、凹凸転写面21aを有する成形上型(ドラム型)20Aと、この凹凸転写面21aと対応するように設けた凹凸転写面21bを有する成形下型(ドラム型)20Bとからなる成形型20を使用し、研磨面に凹凸のないラッピングフィルム10を成形上型20Aと成形下型20Bで挟み込み、加熱温度120〜130℃、加圧力20kg/cmにて、1秒間加熱加圧することで、研磨面に深度5〜20μmの凹部を形成した。なおこの実施例ではドラム型の成形上型20Aと成形下型Bを使用したが、その限りではなく、平板型のプレス型のものを使用してもよい。なお図2に示す成形型20は、反時計回りに回転する成形上型20Aと時計回りに回転する成形下型20Bでラッピングフィルム10を挟み込んで加熱加圧して、研磨面に凹凸を形成したラッピングフィルム10を製造する。 【0016】図3は、表面に凹凸のないラッピングフィルムと、深絞り加工によって研磨面に凹凸が形成されたラッピングフィルムの断面及び研磨面表面を示すものである。図3(a)は、共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材2c上に、砥粒1aと接着剤1bとからなる研磨材層1を均一に塗布したラッピングフィルム10を示すものである。このラッピングフィルムの研磨面には凹凸がなく、チップポケットとなる凹部が形成されていない。図3(b)及び(c)は、図3(a)に示す表面に凹凸のないラッピングフィルムを深絞り加工することによって研磨面に凹凸を形成するものである。図3(b)は、深絞り加工によって研磨面に凹凸を形成し、ランダムな凹部aを形成したラッピングフィルム10を示すものである。なお図3(b)に示す研磨面に凹凸のあるラッピングフィルムは、図2に示す成形型20のように、凹凸転写面21aを有する成形上型20Aと凹凸転写面21bを有する成形下型20Bを使用し、成形上型20Aにランダムに形成した凹凸転写面21aと、それに対応して成形下型20Bに形成した凹凸転写面21bによって、図3(a)のラッピングフィルムを型押しし(断面形状で湾曲させ)、研磨面にランダムな凹凸(凹部a)を形成するものである。従って図3(b)に示すラッピングフィルムは、基材2c上の研磨材層1が均一の厚さであり、しかも凹凸のある研磨面を有する。図3(c)は、深絞り加工によって研磨面に凹凸を形成し、クロスパターン状の凹部aが形成されたラッピングフィルム10を示すものである。なおこの実施例は、クロスパターン状の凹凸転写面21aを有する成形上型21と、凹凸を有さない平坦な転写面の成形下型20Bとからなる成形型20を使用して型押し(図示せず)、研磨面にクロスパターン状の凹部aが形成されたラッピングフィルムを形成するものである。従って図3(c)に示すラッピングフィルムは、基材2c上の研磨材層1が均一の厚さであり、しかも凹凸のある研磨面を有する。 【0017】つまりこの発明では、絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材2cを使用し、この基材2c上に均一の厚みの研磨材層1を設けたラッピグフィルム10について、成形型20を使用して加熱加圧し、深絞り加工することによって、ラッピングフィルムの研磨面に任意の凹凸を形成するものである。 【0018】次に、深絞り加工によって研磨面に凹凸を形成したラッピングフィルムによる研磨特性について、図4乃至図8に説明する。 【0019】図4は、ラッピングフィルムによる研磨特性を検査するための平面研磨装置の概略図を示すものである。図4に示す装置では、工作物30を研磨するラッピングフィルム10が、供給スプール11からプラテン13を経て巻取スプール12によって回収され、さらにこれらを構成するフレーム自体がスピンドル15によって回転するように構成されている。なおプラテン13上のラッピングフィルム10の研磨面に工作物30を一定の圧力で押し付けるとともに、振動を付与し、さらに上部から加工液を供給しながら研磨加工を行うように構成されている。つまり超仕上げの原理を応用した研磨方法である。なお上部から加工液14を供給しながら研磨加工することによって、研磨における潤滑性の向上、研磨時の研磨熱の発生の低減、切屑の洗浄性の向上を図っている。 【0020】まず第1研磨実験において、共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材2c上に、均一の厚さの研磨材層1を設けた、研磨面に凹凸のないラッピングフィルム(図3(a))と、深絞り加工によって溝状の凹部aがランダムに形成されたラッピングフィルム(図3(b))と、深絞り加工によって溝状の凹部aがクロスパターン状に形成されたラッピングフィルム(図3(c))とによって、それぞれ工作物30を研磨加工し、それぞれのラッピングフィルムが仕上面粗さに及ぼす影響を検討した。なお研磨条件は表1に示すとおりである。硬脆材料であるガラスBK7からなる工作物30を、砥粒1bとしてGC♯1000を用いた研磨材層1をコーティングしたラッピングフィルム10で研磨した。 【0021】 【表1】
【0022】図5は、3種のラッピングフィルム(図3(a)(b)(c))おける、工作物30の仕上面粗さRyの時間推移(研磨時間0秒から60秒)を、それぞれ比較したものである。工作物30の仕上面粗さRyは、表面粗さ測定器((株)ミツトヨSURFTEST−701)を用いて測定を行った。なお図5において仕上面粗さRyの値が低いほど、研磨効果が高いことを表す。図5に示すグラフの結果から、研磨面に凹凸のないラッピングフィルム使用する場合よりも、研磨面にランダムに凹凸を設けたラッピングフィルムや、クロスパターン状に凹凸を設けたラッピングフィルムを使用した場合の方が、短時間に研磨効果が向上しており、また60秒後の仕上面粗さRyの値も小さく、高い研磨効果が認められる。つまり、凹凸のないラッピングフィルムに比べて、研磨面にランダムに凹凸を設けたラッピングフィルムや、クロスパターン状に凹凸を設けたラッピングフィルムでは、研磨面の凹凸(つまり溝状の凹部a)がチップポケットとして作用し、削屑の排出効果を高め、さらに加工液の滞留によって研磨点における加工液の作用が発揮され、研磨効果が向上する。 【0023】次に、凹凸の大きさ(溝状の凹部aの長さ)の異なるラッピングフィルムによる研磨特性について検討した。(第2研磨実験) 【0024】図6(a)は、共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材2c上に、均一の厚さの研磨材層1を設けたラッピングフィルムの研磨面表面を示すものである。つまり図6(a)に示すラッピングフィルムの研磨面には凹凸が形成されておらず、チップポケットとなる凹部aがない。図6(b)及び(c)は、図6(a)に示すラッピングフィルムを深絞り加工することによって、研磨面に凹凸を形成したものである。なお、深絞り加工については、上述したものと同様に成形型20を使用して加熱加圧によって行った。従って図6(b)及び(c)に示すラッピングフィルムは、基材2c上の研磨材層1が均一の厚さであり、しかも凹凸のある研磨面を有する。図6(b)は、深絞り加工によって研磨面に小さな凹凸を形成したラッピングフィルムの研磨面表面を示すものである。なお図6(b)に示す、研磨面に小さな凹凸のあるラッピングフィルムでは、溝状の凹部aの長さが0.3〜0.8程度で1.0mm/divを超えないものである。図6(c)は、深絞り加工によって研磨面に大きな凹凸を形成したラッピングフィルムの研磨面表面を示すものである。なお図6(c)に示す、研磨面に大きな凹凸のあるラッピングフィルムでは、溝状の凹部aの長さが0.3〜0.8程度で1.0mm/divを超えるものである。 【0025】第2研磨実験は、研磨面に凹凸のないラッピングフィルム(図6(a))と、研磨面に小さな凹凸を形成したラッピングフィルム(図6(b))と、研磨面に大きな凹凸を形成したラッピングフィルム(図6(c))とによって、それぞれ工作物30を研磨加工し、それぞれのラッピングフィルムが仕上面粗さに及ぼす影響を検討するものである。なお研磨条件は表2に示すとおりである。耐食性、耐久性、意匠性、耐熱性、低温特性などで炭素鋼材より優れた特性を備えるステンレス鋼SUS304からなる工作物30を、砥粒1bとしてGC♯1000を用いた研磨材層1をコーティングしたラッピングフィルム10で研磨した。 【0026】 【表2】
【0027】図7は、凹部aの大きさの異なる3種のラッピングフィルムについて、工作物30の仕上面粗さRyの時間推移を比較したものである。工作物30の仕上面粗さRyは、表面粗さ測定器((株)ミツトヨSURFTEST−701)を用いて測定を行った。なお図7は、仕上面粗さRyの値が低いほど、研磨効果が高いことを表す。図7に示すグラフの結果から、研磨面に凹凸のないラッピングフィルム使用する場合よりも、研磨面に小さな凹凸を設けたラッピングフィルムや、大きな凹凸を設けたラッピングフィルムを使用した場合のほうが、短時間に研磨効果が向上しており、高い研磨効果が認められる。 【0028】図8は、工作物30の表面プロフィールを示すものである。図8(a)は研磨作業前の工作物の表面プロフィールであり、図8(b)は研磨面に凹凸のないラッピングフィルム(図6(a))で30秒研磨した後の表面プロフィールであり、図8(c)は研磨面に小さな凹凸を形成したラッピングフィルム(図6(b))で30秒研磨した後の表面プロフィールであり、図8(d)は研磨面に大きな凹凸を形成したラッピングフィルム(図6(c))で30秒研磨した後の表面プロフィールである。 【0029】ラッピングフィルムで工作物30を研磨することによって、工作物の表面プロフィールのバラツキが小さくなり、何れのラッピングフィルムにおいても研磨による効果が認められる。しかしながら図8(b)に示すように、研磨面に凹凸のないラッピングフィルムでは、残留した切屑によって工作物の表面に傷付けてしまう。これに対して図8(c)及び(d)に示す、深絞り加工によって研磨面に凹凸を形成したラッピングフィルムでは、残留屑によって工作物の表面を傷付けることなく、精度の高い仕上げ面を形成することができる。 【0030】つまり、凹凸のないラッピングフィルムでは研磨面に削屑が残留し、この残留屑によって工作物の表面を傷付けてしまうのに対して、研磨面に小さな凹凸を設けたラッピングフィルムや、大きな凹凸を設けたラッピングフィルムでは、研磨面の凹凸形状がチップポケットaを形成し、削屑の排出効果を高め、さらに加工液の滞留によって研磨点における加工液の作用が発揮され、研磨効果が向上する。 【0031】なお深絞り加工で、研磨面に凹凸を形成したラッピングフィルムにおいては、研磨面積を狭くしないように、溝幅の狭い凹部aを形成することが好ましい。また深絞り加工で、研磨面に凹凸を形成したラッピングフィルムにおいては、縦進行(走行)方向に対して斜め方向に溝状の凹部aを形成することが好ましく、加工液による切屑の排出の効果及び凹部aへの加工液の滞留が期待できる。 【0032】すなわち、基板2上に均一の厚で研磨材層1が形成され、かつ深絞り加工によって研磨面に任意の凹凸が形成されたラッピングフィルムでは、凹部aがチップポケットとして作用する。そして上記チップポケット(凹部a)によって、切屑を効果的に集積し排出することができ、精密な研磨が可能となる。また加工液を滞留させ、加工液の作用による研磨効果の向上を図ることができる。一方、基材に研磨材層が均一に形成されたラッピングフィルムで、研磨面に凹凸がなく、チップポケットaを有さないものは、切屑が接触面間から排出されにくく、作業面上に目づまりを起こした。 【0033】この実施例は、絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる基材2c上に研磨材層1を均一に塗布した後、任意の凹凸面を有する成形型20を使用して加熱加圧(深絞り加工)することで、ラッピングフィルムの研磨面に凹凸を形成し、ラッピングフィルムの研磨面に任意のチップポケットaを形成するものである。従って、チップポケットaを容易に形成することができ、さらにその形状の自由度が広がる。つまり研磨粒子凝集タイプ(ベナードセル型、亀甲型)のラッピングフィルムのように、研磨面にチップポケットaを形成するために、基材2a上に塗布される研磨材層1における接着剤濃度や砥粒密度、研磨材層1の乾燥速度などの厳密なコントロールを行なって研磨材層1を亀裂させる必要はなく、また不織布あるいはテトロンタフタなどの予め表面に凹凸のある基材2bに研磨材層1を塗布したラッピングフィルムのように、研磨材層1を形成する際に凹部に研磨材層が流れ込んで研磨面には凹部が殆ど形成されないといった不具合や、研磨材層1の厚さが不均一になるといった不具合もない。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によるラッピングフィルムは、柔軟性、熱安定性に優れ、かつ絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムからなる表面に凹凸のない基材上に、砥粒と接着剤とからなる研磨材層が均一の厚さで塗布されて形成されたラッピングフィルムが深絞り加工され、ラッピングフィルム研磨面に凹凸を形成したものであり、研磨面の凹凸の配列を利用して研磨による切屑を凹部に効果的に集積でき、精密な研磨が可能となる。また基材として柔軟性、熱安定性に優れ、絞り加工が可能である共重合ポリエステルフィルムを使用し、この基材と研磨材層からなる平板状のラッピングフィルムを深絞り加工によって研磨面にチップポケット(凹部)を形成するものであるので、研磨面へのチップポケット(凹部)の形成が容易で、かつ切屑を接触面間から排出するのに良好な深度を有し、かつ所望の間隔で形成されたチップポケットを有するラッピングフィルムを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000115979 【氏名又は名称】レフライト株式会社 【住所又は居所】京都府京都市中京区富小路通六角上ル朝倉町547番地
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| 【出願日】 |
平成13年9月10日(2001.9.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078824 【弁理士】 【氏名又は名称】増田 竹夫
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| 【公開番号】 |
特開2003−80465(P2003−80465A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−274096(P2001−274096) |
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