| 【発明の名称】 |
高速研削加工用砥石フランジおよびそのフランジを使った加工方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】庄司 克雄
【氏名】山崎 繁一
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| 【要約】 |
【課題】高速研削加工および高速切断加工に使用する砥石用のフランジで、砥石の遠心破壊を防止することができ、しかもフランジのコストを低減できるフランジおよびそのフランジを使った加工方法を提供する。
【解決手段】フランジの素材をチタン合金とする。特に、引張強度400MPa以上、ヤング率100〜120MPa、密度4〜5g/cm3の機械的特性を有するチタン合金とするのが好ましい。また、その使用方法として、前記のフランジを用いて装置に取り付け、高速研削加工または高速研削切断加工を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 砥石周速度が120m/sec以上の研削条件下で用いられる砥石を固定するためのフランジであって、チタン合金を素材とすることを特徴とする高速研削加工用砥石フランジ。 【請求項2】 引張強度400MPa以上、ヤング率100〜120MPa、密度4〜5g/cm3の機械的特性を有するチタン合金を素材とする請求項1記載の高速研削加工用砥石フランジ。 【請求項3】 前記チタン合金の組成は、Ti−6Al−4VまたはTi−6Al−6V−2Snである請求項1または2記載の高速研削加工用砥石フランジ。 【請求項4】 基台がチタン合金からなる砥石を請求項1〜3のいずれかに記載のフランジを用いて装置に取り付け、高速研削加工または高速研削切断加工を行う方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、高速研削加工に用いる砥石を装置に取り付けて固定するためのフランジに関するものであり、特に、高速研削切断用砥石に用いるフランジに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、研削や切断に用いられる砥石を研削装置あるいは切断装置の主軸に取り付け保持するためにフランジが用いられる。このフランジは、砥石側面を両側から挟むようにして主軸に取り付けられるのが一般的である。フランジの素材としては、一般的には鋼や鋳鉄、軽量化が必要な場合はアルミニウム合金などが用いられ、特殊なものとして、純チタン、マグネシウム合金などが使用されることがある。軽量なフランジは、砥石回転時のモータへの負荷などを軽減するために使用される。フランジを使用するのは、切断精度を確保することが目的であり、砥石が軸方向に歪みを生じないように保持することにより、切断精度が確保できる。また、高精度加工を達成するために、素材は高強度であることが重要であり、さらに比強度(引張強度/密度)が高いことが重要視される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】砥石を使用する際、その周速度が高速になると、基台の材料として引張強度が高く、かつ密度が小さい、つまり比強度の高い素材が求められる。例えば、鋼のような材料のフランジでは密度が大きく重いため、高周速度で回転させるのはあまり適当でない。また、高周速度で使用する砥石は、回転中に遠心力により外径が伸び、遠心破壊する恐れがある。そのため、回転中の外径の伸びをいかに小さくするかが、遠心破壊強度を高め、安全性を高めるための課題となる。この解決方法として、本出願人が提案した特開2001−105328号公報に記載される高速研削用超砥粒砥石がある。この砥石は、高周速度で使用するための砥石であり、基台の素材としてチタン合金を採用したものである。 【0004】一方、前述のように上記の砥石を研削あるいは切断装置に取り付けて保持するためにフランジを使用するが、砥石の基台と同様の理由によりフランジの素材にも砥石の基台と同等以上の比強度を有する素材が求められる。また、上記のようなフランジを用いたタイプの砥石は、砥石の外径の伸びを抑えるために、砥石とそれを保持するフランジとの接触面における摩擦力を利用し、遠心力がかかっても基台が伸びにくいようにして、遠心破壊を防止することが考えられる。したがって、フランジの素材は、比強度や比ヤング率(ヤング率/密度)が砥石基台より高く、かつ、ヤング率が高いものが望ましい。 【0005】比強度が高い材料としては、C−FRPがある。この素材は、密度が低く軽量であるが、ヤング率が低く、さらには非常にコストが高くなるという問題がある。比ヤング率が高い材料としては、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタンなどがある。しかしながら、これらの材料は、軽量ではあるが比強度が小さいために遠心破壊強度が小さく、高速回転には不向きである。その上、アルミニウム合金とマグネシウム合金は、ヤング率が小さく、砥石の外径の伸びを抑えるには不十分である。本発明は以上のような問題を解決するものであり、高速研削切断加工を行う時に、砥石の基台の伸びを抑えることができ、遠心破壊強度の高いフランジを提供するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の高速研削加工用砥石フランジの第1の特徴は、砥石周速度が120m/sec以上の研削条件下で用いられる砥石を固定するためのフランジであって、その素材をチタン合金としたことである。純度の高いチタンは引張強度が高くないが、チタン合金は引張強度の高いものが存在する。しかもチタン合金のヤング率と密度は、純チタンと同等である。そのため、フランジの素材をチタン合金とすることは、高速研削切断用砥石を保持する上で極めて有効である。 【0007】第2の特徴は、引張強度400MPa以上、ヤング率100〜120MPa、密度4〜5g/cm3の機械的特性を有するチタン合金としたことである。このような物性のチタン合金とすることでより遠心破壊に対して強くなる。当該チタン合金の組成は、Ti−6Al−4Vか、Ti−6AL−6V−2Snとするのが良いが、それと同等以上の引張強度を有するもので、かつ、前記のヤング率や密度と同等であれば差し支えない。 【0008】また、本発明の高速研削加工用砥石フランジの使用方法の特徴は、基台がチタン合金からなる砥石を前述のフランジを用いて装置に取り付け、高速研削加工または高速研削切断加工を行うことである。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、実施例の項で詳しく説明する。 【0010】 【実施例】図1に、本発明のフランジを砥石に取り付けた状態を示す。 (実施例1)外径250mm、穴径25.4mm、超砥粒層の厚み1mm、基台の厚み0.8mm、基台の材質はSKDの砥石を用意し、外径220mm、厚み10mm、材質がTi−6Al−6V−2Snのフランジを図1のように組み、砥石の周速度を400m/sで回転させたときの砥石の基台に発生する半径方向の応力を解析し、実際に前述の条件で高速回転させて砥石およびフランジの状態を確認した。 【0011】(実施例2)外径250mm、穴径25.4mm、超砥粒層の厚み1mm、基台の厚み0.8mm、基台の材質はTi−6Al−6V−2Snの砥石を用意し、外径220mm、厚み10mm、材質がTi−6Al−6V−2Snのフランジを図1のように組み、砥石の周速度を400m/sで回転させたときの砥石の基台に発生する半径方向の応力を解析し、実際に前述の条件で高速回転させて砥石およびフランジの状態を確認した。 【0012】(比較例1)外径250mm、穴径25.4mm、超砥粒層の厚み1mm、基台の厚み0.8mm、基台の材質はSKDの砥石を用意し、外径220mm、厚み10mm、材質がC−FRPのフランジを図1のように組み、砥石の周速度を400m/sで回転させたときの砥石の基台に発生する半径方向の応力を解析し、実際に前述の条件で高速回転させて砥石およびフランジの状態を確認した。 【0013】(比較例2)外径250mm、穴径25.4mm、超砥粒層の厚み1mm、基台の厚み0.8mm、基台の材質はTi−6Al−6V−2Snの砥石を用意し、外径220mm、厚み10mm、材質がC−FRPのフランジを図1のように組み、砥石の周速度を400m/sで回転させたときの砥石の基台に発生する半径方向の応力を解析し、実際に前述の条件で高速回転させて砥石およびフランジの状態を確認した。 【0014】(解析試験)表1に各材料の機械的性質を示す。 【0015】 【表1】
【0016】解析した結果を図2に示す。前述の条件で砥石を高速回転させたときの基台にかかる半径方向応力の最大値を縦軸に示す。この結果より、実施例1と比較例1の比較、実施例2と比較例2の比較をすると、基台の材質がSKD、チタン合金のいずれの場合も、フランジをC−FRPとするよりチタン合金とするほうが、基台に発生する応力を低減できることがわかった。チタン合金は、C−FRPより比ヤング率が小さいにもかかわらず、基台の応力を低減する効果が高くなっている。この理由として、C−FRPよりもチタン合金の方がヤング率が高いことが考えられる。基台とフランジを固定するためにボルトによって固定している。そのため、砥石を高速回転させて基台が外周方向に伸びる力がかかった時に、フランジにはボルトおよび基台との摩擦力を介して外周方向に伸ばそうとする力がかかる。しかし、チタン合金のフランジはヤング率が高いので変形量が小さくなり、基台が伸びようとする力を抑えることができ、基台が遠心破壊するのを防止できる。 【0017】上記の各実施例および各比較例の条件において、それぞれの基台の引張強度に対する基台に発生する応力の大きさを図3に示す。縦軸は、基台に発生する応力と引張強度との比率を表しており、この数値が高いほど基台は遠心破壊しやすいことを表す。この結果より、実施例1と比較例1の比較、実施例2と比較例2の比較をすると、基台の材質がSKD、チタン合金のいずれの場合もフランジをC−FRPとするより、チタン合金とするほうが、基台が遠心破壊しにくくなることがわかる。基台が遠心破壊するかどうかは、基台に発生する応力と引張強度との比率が1を超えるかどうかが目安になる。 【0018】(破壊試験)次に、上記各実施例および各比較例について、実際に高速回転させて基台が永久歪みを発生するかどうかの試験を行った。図1に示すように、2枚のフランジで砥石を挟み込むように固定し、砥石周速度200m/sec、250m/sec、300m/sec、350m/sec、400m/sec、450m/secにて各10分間連続で回転させ、フランジを取り除いた時の基台の歪み量を測定した。その測定結果を表2に示す。 【0019】 【表2】
【0020】実施例1と比較例1を比較して、基台がSKDの場合、チタン合金のフランジを使用したものであれば、300m/secでも歪みが発生せず、高速回転させることが可能になる。また、実施例2と比較例2を比較して、基台がチタン合金の場合、チタン合金のフランジを使用すればC−FRPのフランジと比較して、450m/secでも歪みが発生せず、高速研削切断加工により適していることがわかった。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように、高速研削切断加工用の砥石フランジとして、チタン合金を素材とするフランジにすることで、砥石の外径の伸びを抑えることができ、砥石の破壊を防止することができる。また、基台がチタン合金からなる砥石を上記のフランジと組み合わせて使用することにより、砥石の外径の伸びを抑えることができ、砥石の遠心破壊を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220103 【氏名又は名称】株式会社アライドマテリアル
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| 【出願日】 |
平成13年8月31日(2001.8.31) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−71727(P2003−71727A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月12日(2003.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−263419(P2001−263419) |
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