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【発明の名称】 回転砥石の取付構造及び回転砥石の緩衝体
【発明者】 【氏名】辻 精三
【住所又は居所】大阪府貝塚市木積2062番地 ニューレジストン株式会社内

【氏名】藤井 健治郎
【住所又は居所】大阪府貝塚市木積2062番地 ニューレジストン株式会社内

【要約】 【課題】衝撃の緩和が可能になり、また、回転砥石自体に消音機能を付与しなくても消音効果が得られる回転砥石の取付構造及び回転砥石の緩衝体を提供すること。

【解決手段】回転駆動装置の出力軸を回転砥石2の取付孔に挿通し、出力軸に装着される固定側フランジ5と移動側フランジ6とで回転砥石の取付孔の周縁部を挟持することにより、出力軸に回転砥石を固定するように構成された回転砥石の取付構造において、回転砥石の取付孔の孔径を出力軸の軸径よりも大径にし、取付孔の内周部と出力軸との間に緩衝体41,42を介在させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転駆動装置の出力軸を回転砥石の取付孔に挿通し、前記出力軸に装着される固定側フランジと移動側フランジとで前記回転砥石の前記取付孔の周縁部を挟持することにより、前記出力軸に前記回転砥石を固定するように構成された回転砥石の取付構造において、前記回転砥石の前記取付孔の孔径を前記出力軸の軸径よりも大径にし、前記取付孔の内周部と前記出力軸との間に緩衝体を介在させたことを特徴とする回転砥石の取付構造。
【請求項2】 前記回転砥石と前記固定側若しくは移動側フランジの少なくとも一方との間に緩衝体を介在させたことを特徴とする請求項1に記載の回転砥石の取付構造。
【請求項3】 回転駆動装置の出力軸を回転砥石の取付孔に挿通し、前記出力軸に装着される固定側フランジと移動側フランジとで前記回転砥石の前記取付孔の周縁部を挟持することにより、前記出力軸に前記回転砥石を固定するように構成された回転砥石の取付構造において、前記固定側フランジと前記回転砥石との間に第1緩衝板を介在させると共に、前記移動側フランジと前記回転砥石との間に第2緩衝板を介在させ、前記第1及び第2の緩衝板の中央部に挿通孔を穿設して前記挿通孔に前記出力軸を挿通し、前記回転砥石の前記取付孔の孔径を前記出力軸の軸径よりも大径にし、前記第1若しくは第2の緩衝板の少なくとも一方に前記取付孔の内周部に内接する環状の緩衝突起部を形成し、前記緩衝突起部を前記回転駆動装置の出力軸と前記回転砥石の取付孔との間に介在させたことを特徴とする回転砥石の取付構造。
【請求項4】 回転駆動装置の出力軸が挿通される前記回転砥石の取付孔の内周部に内接し、且つ、環状に形成されたことを特徴とする回転砥石の緩衝体。
【請求項5】 前記出力軸に装着される前記固定側若しくは移動側フランジの少なくとも一方と前記回転砥石との間に介在する緩衝板を備えたことを特徴とする請求項4に記載の回転砥石の緩衝体。
【請求項6】 回転駆動装置の出力軸の固定側フランジと回転砥石との間に介在する第1緩衝板と、前記出力軸の移動側フランジと前記回転砥石との間に介在する第2緩衝板とを備え、前記第1及び第2の緩衝板の中央部には前記出力軸に挿通される挿通孔が設けられ、前記第1若しくは第2の緩衝板の少なくとも一方には前記回転砥石の中心に設けられた取付孔の内周部に内接する緩衝突起部を形成したことを特徴とする回転砥石の緩衝体。
【請求項7】 弾性材料にて形成されたことを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の回転砥石の緩衝体。
【請求項8】 前記弾性材料はウレタン系材料であることを特徴とする請求項8に記載の回転砥石の緩衝体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削や研磨に用いられ、特に鋳物やコンクリートを切断する切断砥石等の回転砥石を、回転駆動装置の出力軸に取り付けるための取付構造及び回転砥石の緩衝体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回転砥石を例えば手持回転駆動装置に装着して切断作業や研磨作業を行う場合には、騒音が発生し、また、作業者に衝撃が伝わることにより、作業者の作業負担が大きくなるという問題がある。
【0003】そこで、振動を抑えて騒音を低減するために、特開平10―128672公報には3枚の鋼板の厚みを異ならせるなどして騒音を抑制する切断砥石が提案され、また、特開2000−153405公報にはスリットを設けて騒音を小さくするソーブレードが提案されている。
【0004】しかし、これらは、いずれも消音が目的であって衝撃の緩和を目的とするものではなく、また、消音を目的とするものであっても、回転砥石の強度が低下したり、回転砥石の製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであって、衝撃の緩和が可能になり、また、回転砥石自体に消音機能を付与しなくても消音効果が得られる回転砥石の取付構造及び回転砥石の緩衝体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の回転砥石の取付構造は、回転駆動装置の出力軸を回転砥石の取付孔に挿通し、前記出力軸に装着される固定側フランジと移動側フランジとで前記回転砥石の前記取付孔の周縁部を挟持することにより、前記出力軸に前記回転砥石を固定するように構成された回転砥石の取付構造において、前記回転砥石の前記取付孔の孔径を前記出力軸の軸径よりも大径にし、前記取付孔の内周部と前記出力軸との間に緩衝体を介在させたことを特徴とするものである。
【0007】前記回転砥石と前記固定側若しくは移動側フランジの少なくとも一方との間に緩衝体を介在させるのが好ましい。
【0008】また、本発明の回転砥石の取付構造は、回転駆動装置の出力軸を回転砥石の取付孔に挿通し、前記出力軸に装着される固定側フランジと移動側フランジとで前記回転砥石の前記取付孔の周縁部を挟持することにより、前記出力軸に前記回転砥石を固定するように構成された回転砥石の取付構造において、前記固定側フランジと前記回転砥石との間に第1緩衝板を介在させると共に、前記移動側フランジと前記回転砥石との間に第2緩衝板を介在させ、前記第1及び第2の緩衝板の中央部に挿通孔を穿設して前記挿通孔に前記出力軸を挿通し、前記回転砥石の前記取付孔の孔径を前記出力軸の軸径よりも大径にし、前記第1若しくは第2の緩衝板の少なくとも一方に前記取付孔の内周部に内接する環状の緩衝突起部を形成し、前記緩衝突起部を前記回転駆動装置の出力軸と前記回転砥石の取付孔との間に介在させたことを特徴とするものである。
【0009】本発明の回転砥石の緩衝体は、回転駆動装置の出力軸が挿通される前記回転砥石の取付孔の内周部に内接し、且つ、環状に形成されたことを特徴とする。
【0010】前記出力軸に装着される前記固定側若しくは移動側フランジの少なくとも一方と前記回転砥石との間に介在する緩衝板を備えるのが好ましい。
【0011】また、本発明の回転砥石の緩衝体は、回転駆動装置の出力軸の固定側フランジと回転砥石との間に介在する第1緩衝板と、前記出力軸の移動側フランジと前記回転砥石との間に介在する第2緩衝板とを備え、前記第1及び第2の緩衝板の中央部には前記出力軸に挿通される挿通孔が設けられ、前記第1若しくは第2の緩衝板の少なくとも一方には前記回転砥石の中心に設けられた取付孔の内周部に内接する緩衝突起部を形成したことを特徴とするものである。
【0012】緩衝体は、弾性材料により形成されるのが好ましく、特に、弾性材料としてウレタン系材料を用いれば緩衝効果は大である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態を添付図面に基づき説明する。
【0014】本発明の回転砥石の取付構造は、手持グラインダー(回転駆動装置の一例)の出力軸1を回転砥石2の取付孔3に挿通し、出力軸1の固定側フランジと移動側フランジとで回転砥石2の取付孔3の周縁部を挟持し、手持グラインダーの出力軸1及びフランジと回転砥石2との間に緩衝体4を介在させて構成されている。
【0015】前記フランジは固定側フランジ5及び移動側フランジ6からなり、固定側フランジ5は出力軸1の根元側に固定され、移動側フランジ6は中央部に形成されたねじ孔7を出力軸1のねじ部8に螺着することにより出力軸1に着脱自在に取り付けられている。
【0016】固定側フランジ5は内環部51と外環部52を備え、内環部51と外環部52との間には凹部53が形成され、内環部51は外環部52よりも足長に形成されている。また、移動側フランジ6は、内環部61及び外環部62を備え、内環部61と外環部62との間には凹部63が形成され、内環部61は外環部62よりも足長に形成され、図3のように厚みの大きい回転砥石2を挟持するときは内環部61の足部61aを固定側フランジ5側に向けて出力軸1のねじ部8に螺着し、図6のように厚みの小さい回転砥石2を挟持するときは内環部61の足部61aを反対側に向けて出力軸1のねじ部8に螺着する。なお、手持グラインダーの出力軸1は、エアー駆動又は電気駆動によって回転する。
【0017】回転砥石2は、円盤状に形成され、中央部には取付孔3が形成され、この取付孔3の孔径は従来の回転砥石の取付孔よりも大きくなるように設定され、手持グラインダーの出力軸1及び後述する緩衝突起部43の装着が可能になっている。
【0018】緩衝体4は、第1緩衝板41及び第2緩衝板42を備え、第1及び第2の緩衝板41,42の中央部には挿通孔41A,42Aが穿設され、第2緩衝板42の挿通孔42Aの周縁部には環状の緩衝突起部43が形成されている。第1緩衝板41及び緩衝突起部43を有する第2緩衝板42はウレタン系熱可塑性エラストマー等のゴム弾性材料にて円盤状に形成されている。
【0019】手持グラインダーの出力軸1に回転砥石2を取り付ける場合には、図2及び図3に示すように、第1緩衝板41の挿通孔41A、回転砥石2の取付孔3及び第2緩衝板42の挿通孔42Aを出力軸1にそれぞれ挿通し、第2緩衝板42の緩衝突起部43を回転砥石2の取付孔3に圧入し、移動側フランジ6のねじ孔7を出力軸1のねじ部8に螺着し、これにより固定側フランジ5と移動側フランジ6とで回転砥石2の取付孔3の周縁部を挟持して出力軸1に回転砥石2が固定される。
【0020】また、固定側フランジ5と回転砥石2との間には第1緩衝板41が介在し、移動側フランジ6と回転砥石2との間には第2緩衝板42が介在し、出力軸1と回転砥石2の取付孔3の内周部との間には第2緩衝板42の緩衝突起部43が介在する。
【0021】また、図3に示すように、第1緩衝板41の挿通孔41Aの孔縁部は固定側フランジ5の外環部51の外周面と接触し、第2緩衝板42の挿通孔42Aの孔縁部は可動側フランジ6の外環部61の外周面と接触し、第2緩衝板42の挿通孔42Aの孔縁部及び緩衝突起部43の内周縁部と出力軸1との間には隙間9が形成される。
【0022】したがって、回転砥石2を使用する場合には、被加工体の反発などの衝撃力は緩衝突起部43の圧縮変形と第1及び第2の緩衝板41,42の圧縮変形によって緩和される。また、隙間9が存在することにより第2緩衝板42の緩衝突起部43が隙間9内に撓むことができるので、緩衝突起部43の撓み変形によっても衝撃が緩和され、緩衝体の圧縮変形のみによる場合に較べて、緩衝機能が向上する。また、振動も緩和されるので、消音効果も得られる。
【0023】図4及び図5は、第2の実施の形態を示し、移動側フランジ6と較べて外径の大きい固定側フランジ5が装着された出力軸1への回転砥石2の取付構造及び緩衝体4を示している。
【0024】固定側フランジ5は、移動側フランジ6の外径と同寸法の外径を有するフランジ本体5Aの外周縁から円錐部5Bを延設し、円錐部5Bの外縁部から裾部5Cを延設して構成されている。
【0025】第1緩衝板41は、第2緩衝板42の外径と同寸法の外径を有する緩衝板本体41Bの外周縁から薄肉の外周部41Cを延設して構成されている。
【0026】第2緩衝板42の挿通孔42Aの孔縁部には緩衝突起部43が形成されている。
【0027】そして、図5に示すように、固定側フランジ5と移動側フランジ6とで回転砥石2の取付孔3の周縁部を挟持したときには、固定側フランジ5と回転砥石2との間に第1緩衝板41が介在し、移動側フランジ6と回転砥石2との間に第2緩衝板42が介在し、固定側フランジ5のフランジ本体5Aが緩衝板本体41Aに圧接し、固定側フランジ5の裾部5Cが第1緩衝板41の外周部に圧接し、第2緩衝板42の挿通孔42Aの孔縁部及び緩衝突起部43の内周縁部と出力軸1との間には隙間9が形成される。
【0028】以上の実施の形態によれば、固定側フランジ5と回転砥石2との間に第1緩衝板41を介在させると共に、移動側フランジ6と回転砥石2との間に第2緩衝板42を介在させたので、出力軸8への衝撃力が回転砥石2とフランジ5,6との間に介在する第1及び第2の緩衝板41,42によっても緩和でき、二重の衝撃緩和作用によって、作業者の負担が更に軽減される。
【0029】また、切断方向が変わるなどして固定側フランジ5や移動側フランジ6に大きな衝撃力が伝わる場合でも、上述の二重の衝撃緩和作用によって衝撃力の分散緩和が図れ、様々な切断状況にも安定した衝撃緩和効果が得られる。
【0030】図6は第3の実施の形態を示し、固定側フランジ5と回転砥石2の取付孔3との間にのみリング状の緩衝体4を介在させることによって、衝撃力を緩和している。
【0031】図7は第4の実施の形態を示している。緩衝体4は、板状の緩衝本体4Bの中心に挿通孔4Aを設け、この挿通孔4Aの孔縁に緩衝突起部4Cを突設して構成されている。そして、固定側フランジ5と移動側フランジ6とで回転砥石2の取付孔3の周縁部を挟持したときには、固定側フランジ5と回転砥石2との間に緩衝本体4Bが介在し、緩衝体4の緩衝突起部4Cの内周縁部と出力軸1との間には隙間9が形成される。この実施の形態によっても衝撃力を効果的に緩和できる。
【0032】なお、緩衝突起部43を、第1及び第2の両緩衝板41,42にそれぞれ形成しても良い。
【0033】図8はその他の実施の形態を示している。同図(a)は第1及び第2の両緩衝板41,42に緩衝突起部43,44を形成し、緩衝突起部43,44の先端を傾斜させて構成される緩衝体4を示し、可動側フランジ6を締め付けたときには、同図の2点鎖線で示すように緩衝突起部43,44が撓んで出力軸1と回転砥石2の取付孔3との間の隙間を埋め、回転砥石2の取り付け状態を安定させる。同図(b)は断面U状に形成して第1及び第2の両緩衝板を一体化した緩衝体4を示し、回転砥石2の取付孔3に取り付けるときには緩衝体4を弾性変形させて取付孔3の孔縁に嵌め込むことができ、緩衝体4の取り付け作業を容易にしている。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、出力軸と回転砥石の取付孔の内周面との間に緩衝体を介在させたので、切断などの際に発生する衝撃力が出力軸に伝わるのを前記緩衝体によって緩和することができ、また、消音効果も得られて作業者の負担を軽減できる。
【出願人】 【識別番号】000111258
【氏名又は名称】ニューレジストン株式会社
【住所又は居所】大阪府貝塚市木積2062番地
【出願日】 平成13年8月31日(2001.8.31)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
【公開番号】 特開2003−71726(P2003−71726A)
【公開日】 平成15年3月12日(2003.3.12)
【出願番号】 特願2001−265015(P2001−265015)