| 【発明の名称】 |
端面研磨用回転工具 |
| 【発明者】 |
【氏名】野村 治樹 【住所又は居所】京都府宇治市大久保町上ノ山22の1 三和研磨工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】工作物端面と嵌まり合う嵌合溝をもった端面研磨用工具において、その嵌合溝内に発生する切粉を円滑に排出して当該切粉の滞留に起因する砥石の目詰まりを有効に抑止する。
【解決手段】外周面に工作物端面との嵌合溝21をもつ端面研磨用工具14において、その嵌合溝21の表面に溝底部から外端に至る排出溝26を形成するとともに、嵌合溝21の底部から研磨液を噴出させるための噴液用通路24を設ける。そして、嵌合溝21内で発生した切粉が前記噴液用通路24から噴出する研磨液とともに排出溝26を通じて嵌合溝21の外部に排出されるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸の周囲に装着され、回転駆動されながら工作物の端面に押し当てられ、その端面に沿って移動することにより当該工作物の端面を研磨する端面研磨用回転工具において、その外周面に前記工作物の端面に対応する形状の嵌合溝が全周にわたって形成され、当該外周面において少なくとも前記嵌合溝を含む部分が研磨用砥粒を含んだ砥石で構成されるとともに、前記回転軸を通じて供給される研磨液を前記嵌合溝の底部から径方向外側へ噴出させるための噴液用通路と、前記嵌合溝の表面に形成され、前記噴液用通路から噴出した研磨液を研磨加工中に発生した切粉とともに当該嵌合溝の外側へ排出するための複数の排出溝とを有することを特徴とする端面研磨用回転工具。 【請求項2】 請求項1記載の端面研磨用回転工具において、前記嵌合溝は断面略円弧状に凹んだ形状を有することを特徴とする端面研磨用回転工具。 【請求項3】 請求項1または2記載の端面研磨用回転工具において、当該回転工具は、その嵌合溝の底部を境界として工具軸方向に分割された半割部品を相互合体させることにより形成されるものであり、各半割部品が互いに接合される面に前記噴液用通路を構成する径方向の噴液用溝が形成されていることを特徴とする端面研磨用回転工具。 【請求項4】 請求項3記載の端面研磨用回転工具において、両半割部品が互いに同一の形状を有することを特徴とする端面研磨用回転工具。 【請求項5】 請求項3または4記載の端面研磨用回転工具において、前記噴液用溝が周方向に並ぶ複数の位置に形成されるとともに、各半割部品の内周面に前記各噴液用溝同士を周方向に連通させる周溝が形成されていることを特徴とする端面研磨用回転工具。 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載の端面研磨用回転工具において、前記各排出溝に対応して当該排出溝と連なるように前記各噴液用溝が形成されていることを特徴とする端面研磨用回転工具。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の端面研磨用回転工具において、前記排出溝の少なくとも一部は回転工具の軸方向に対して当該工具の周方向に傾斜していることを特徴とする端面研磨用回転工具。 【請求項8】 請求項7記載の端面研磨用回転工具において、回転工具の軸方向に対して当該工具の周方向に傾斜する排出溝の少なくとも一部は、前記嵌合溝の底部から外端に向かうに従って回転工具の回転方向下流側に変位する向きに傾斜していることを特徴とする端面研磨用回転工具。 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の端面研磨用回転工具と、この端面研磨用回転工具が周囲に装着される回転軸と、この回転軸を回転駆動する回転駆動手段とを備え,前記回転軸には前記端面研磨用回転工具の噴液用通路に研磨液を供給するための給液通路が設けられていることを特徴とする端面研磨装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、端面研磨用回転工具の目詰まり抑止技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、例えば石材からなるテーブルや洗面台、キッチントップ等の端面を研磨加工するための工具として、例えば図5に示すような工具が知られている。 【0003】図示の回転工具90は、工作物の端面80の形状(図例では略半円状)に対応する形状の嵌合溝92を外周面に有し、当該嵌合溝92を含む工具外周面が研磨用の砥石94によって構成されている。そして、この回転工具90を回転軸96の先端に取付けて当該回転軸96と一体に高速回転させ、前記嵌合溝92を工作物端面80と嵌合しながら当該端面80上に沿って移動させる(すなわち加工送りする)ことにより、当該端面80を効率良く研磨することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記のように工作物端面80と嵌まり合う嵌合溝92をもった工具では、その嵌合溝(特に嵌合溝底部)92と工作物端面80との隙間に切粉が閉じ込められ易く、これに起因して砥石94の目詰まりが生じ易いという欠点がある。このようにして目詰まりが生じた砥石は、ドレス用工具を用いた目立て作業(ドレッシング)によって再生することが可能であるが、このようなドレス作業は面倒であり、かかる作業を頻繁に行うことは加工効率向上の著しい妨げとなる。 【0005】なお、従来の研磨方法では、図示のようにノズル82から研磨加工部位に向けて研磨液を吹き付けることにより砥石92の焼き付き防止を図るようにしているが、このような工具外部からの研磨液の吹き付けのみでは、前記目詰まりを有効に抑止することはできない。 【0006】本発明は、このような事情に鑑み、嵌合溝をもった端面研磨用工具において、その砥石の目詰まりを有効に抑止することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための手段として、本発明は、回転軸の周囲に装着され、回転駆動されながら工作物の端面に押し当てられ、その端面に沿って移動することにより当該工作物の端面を研磨する端面研磨用回転工具において、その外周面に前記工作物の端面に対応する形状の嵌合溝が全周にわたって形成され、当該外周面において少なくとも前記嵌合溝を含む部分が研磨用砥粒を含んだ砥石で構成されるとともに、前記回転軸を通じて供給される研磨液を前記嵌合溝の底部から径方向外側へ噴出させるための噴液用通路と、前記嵌合溝の表面に形成され、前記噴液用通路から噴出した研磨液を研磨加工中に発生した切粉とともに当該嵌合溝の外側へ排出するための複数の排出溝とを有するものである。 【0008】この構成によれば、工具嵌合溝に工作物端面が嵌まり込んだ状態での加工中、両者の隙間に切粉が発生しても、この切粉は、噴液用通路を通じて前記嵌合溝の底部から噴出する研磨液とともに、工具外周面の排出溝を通じて嵌合溝の外へ排出される。このようにして切粉が嵌合溝内から研磨液とともに洗い流されることにより、当該切粉の滞留に起因する砥石の目詰まりが有効に抑止される。従って、ドレス作業を不要にし、もしくはドレス作業の頻度を低減させることが可能である。また、噴液用通路から研磨液を噴出しない場合に比べ、排出溝の本数や幅を少なくしながら(すなわち排出溝の総面積を小さく抑えながら)有効な目詰まりの抑止ができ、その分、加工に有効な砥石部分の面積を増やして加工効率を高めることができる。 【0009】このような噴液用通路と排出溝との組み合わせによる目詰まり抑止効果は、前記嵌合溝内に切粉が閉じ込められ易い構造、例えば当該嵌合溝が断面略円弧状に凹んだ構造において、特に顕著となる。 【0010】前記回転工具は、全体が一体的に形成されたものでもよいが、その嵌合溝の底部を境界として工具軸方向に分割された半割部品を相互合体させることにより形成されるようにすれば、成形が容易になる。そして、各半割部品が互いに接合される面に前記噴液用通路を構成する径方向の噴液用溝を形成するだけで、噴液用通路を容易に確保することができる。 【0011】前記半割部品は、互いに異なる形状のものでもよいが、これら半割部品を互いに同一の形状を有する構成とすることにより、工具の量産性も飛躍的に高まる。 【0012】また、周方向に並ぶ複数の位置に前記噴液用溝を形成することにより、嵌合溝内への研磨液の供給をより均一化することができ、さらにこの場合、各半割部品の内周面に前記各噴液用溝同士を周方向に連通させる周溝を形成することにより、各噴液用溝への研磨液の分配も均等化することができる。 【0013】この噴液用溝と排出溝との位置関係は特に問わないが、前記各排出溝に対応して当該排出溝と連なるように前記各噴液用溝が形成されている構成とすれば、製造が容易になるとともに、噴液用溝から排出溝への研磨液の流れをより円滑にすることができる。 【0014】前記排出溝は、嵌合溝の底部から当該溝の外端へ向けて円滑に切粉を排出できる形状であればよく、例えば工具の軸方向と平行に延びるものでもよい。ただし、この場合、前記排出溝が形成されている部分と形成されていない部分とが交互に加工面に接触することにより振動やびびりが生じ易くなる。これに対し、当該排出溝の少なくとも一部を回転工具の軸方向に対して周方向に傾斜させる、すなわち、工具の軸方向位置によって排出溝の位置が周方向に変化するようにすれば、当該排出溝の存在に起因する振動やびびりを有効に抑止できる。 【0015】特に、その傾斜する排出溝の少なくとも一部は、前記嵌合溝の底部から外端に向かうに従って回転工具の回転方向下流側に変位する向きに傾斜している構成とすることにより、工具回転による遠心力を利用して切粉及び研磨液をより円滑に排出することが可能になる。 【0016】また本発明は、前記端面研磨用回転工具と、この端面研磨用回転工具が周囲に装着される回転軸と、この回転軸を回転駆動する回転駆動手段とを備え,前記回転軸には前記端面研磨用回転工具の噴液用通路に研磨液を供給するための給液通路が設けられている端面研磨装置である。この装置によれば、研磨加工中すなわち工具回転中であっても、前記回転軸に設けられた給液通路を通じて回転工具の噴液用通路内に研磨液が支障なく供給される。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。 【0018】図1に示す端面研磨装置は、装置本体10を備え、この装置本体10から回転軸12が突設されており、この回転軸12が前記装置本体10に内蔵されたモータ(回転駆動手段)により高速で回転駆動されるようになっている。そして、この回転軸12の周囲に端面研磨用回転工具14が着脱可能に装着されるようになっている。 【0019】この端面研磨用回転工具14は、筒状の工具本体18を有し、この工具本体18はゴム等の弾性体によって所定形状に形成されている。この工具本体18の径方向内側には、合成樹脂や金属といった比較的剛性の高い材料で形成されたスリーブ20が設けられ、このスリーブ20はその内側に前記回転軸12が挿通可能な内径を有している。 【0020】前記工具本体18の外周面には、工作物端面と嵌まり合う形状の嵌合溝21が全周にわたって形成され、当該外周面において前記嵌合溝21が形成されている部分が砥石22によって構成されている。 【0021】この実施の形態では、端部が断面略半円状(略円弧状)に形成された工作物Wの当該端面Sを研磨対象としており、これに対応して前記嵌合溝21は略半円状に凹んだ形状に形成されている。この嵌合溝21の表面部分を構成する砥石22は、多数の砥粒を結合剤によって相互結合したものであり、具体的には次のようなものが挙げられる。 【0022】砥粒…ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN)、炭化ケイ素(SiC),あるいはこれらの混合体。 【0023】結合剤…各種合成樹脂(フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、これらの混合物等)。 【0024】この砥石22の材質は、加工物の材質その他の加工条件に応じて適宜選定すればよい。例えば石材の研磨については、ダイヤモンド砥粒をフェノール樹脂またはエポキシ樹脂で結合したレジノイドボンドダイヤモンド砥石が好適である。 【0025】また、砥石22の成形法も、その材質に応じて好ましいものを選定すればよく、例えば結合剤にフェノール樹脂を用いる場合には、加熱及び加圧を伴う圧縮成形(プレス成形)が好適であり、エポキシ樹脂を用いる場合には、流動状態の樹脂を金型に流し込んでから加熱硬化させる流し込み成形法が好適である。 【0026】この実施の形態にかかる回転工具14は、前記嵌合溝21の底部を境界として工具軸方向(図1では上下方向)に分割された半割部品16(図2)を相互合体させることにより形成されており、両半割部品16は互いに同一の形状を有している。すなわち、半割部品16のそれぞれに、前記工具本体18、スリーブ20、及び砥石22が保有されている。 【0027】さらに、この回転工具14は、次のような特徴を有している。 【0028】■ 各半割部品16が互いに接合される面(図2では上側面)に複数の噴液用溝24が形成されている。各噴液用溝24は、前記接合面上において周方向に並ぶ複数の位置(図例では8つの位置)に配設され、当該接合面を工具内周面から外周面(嵌合溝21の底部)にかけて径方向に横断する形状を有している。 【0029】■ スリーブ20の内周面に、前記各噴液用溝24同士を周方向に連通する周溝23が形成されている。 【0030】■ 嵌合溝21の表面(すなわち砥石20の表面)に、この嵌合溝21の底部から当該嵌合溝21の外端に至る排出溝26が形成されている。これらの排出溝26は、嵌合溝21において周方向に並ぶ複数の位置に形成されている。この実施の形態では、前記各噴液用溝24が各排出溝26に対応して当該排出溝26と連なるように両溝24,26が一体に形成されており、また、各排出溝26は工具軸方向に対して工具周方向へ同じ向きに傾斜する形状を有している。 【0031】一方、前記回転軸12は、その根元部分に大径の鍔部12aを有し、先端側に雄ねじ部12bを有している。そして、前記鍔部12aに当たる位置まで前記回転工具14(すなわち2つの半割部品16)を回転軸12の周囲に嵌め込み、前記雄ねじ部12bにナット28を螺合して締め付けることにより、回転工具14全体が前記鍔部12aとナット28とに挟持されて(すなわち回転軸12に固定されて)当該回転軸12と一体に回転する状態が得られるようになっている。 【0032】さらに、前記回転軸12の内部においては、その中心軸に沿って先端側へ延びる有端の軸方向通路30と、この軸方向通路30の終端から径方向に延びて前記回転工具14の周溝23に至る複数の径方向通路32とが形成され、これら軸方向通路30及び径方向通路32によって、図略の液供給源から前記周溝23へ研磨液(例えば水)を供給する給液通路が構成されている。 【0033】次に、この回転工具14の使用要領ならびに作用を説明する。 【0034】まず、図1に示すように回転軸12の周囲に両半割部品16を軸方向に重ねた状態で装着する。このとき、各半割部品16における噴液用溝24の周方向位置は、図1に示すように互いに合致させてもよいし、周方向にずらしてもよい。 【0035】このようにして回転工具14を回転軸12に装着した状態で、両者を装置本体10に内蔵のモータで高速回転駆動し、当該回転工具14の嵌合溝21を図3に示す工作物Wの端面Sに嵌めるようにして当該端面Sに砥石22を押し当て、かつ、当該端面Sの長手方向に移動させる。これにより、当該端面Sは嵌合溝21の形状に倣うようにして砥石22により研磨される。 【0036】このような研磨加工が進むにつれ、嵌合溝21内に工作物Wの切粉が生ずるが、この切粉は以下の作用によって嵌合溝21の外部へ円滑に排出される。 【0037】すなわち、前記加工と並行して図略の液供給源(例えば装置本体10に接続された給液ポンプ)から回転軸12の軸方向通路30内に研磨液を供給すると、この研磨液は、当該軸方向通路30から各径方向通路32を経て周溝23内に至り、さらには各噴液用溝24を通じて嵌合溝21内にその底部から噴出する(図1矢印参照)。この噴出した研磨液とともに、前記切粉は、嵌合溝21の表面に形成された複数本の排出溝26を通じて嵌合溝21の外部へ流出する(図3参照)。 【0038】すなわち、この回転工具14では、嵌合溝21の表面に排出溝26が形成されるのに加え、その嵌合溝21の底部から径方向外側に向かって研磨液が噴出することにより、嵌合溝21内に滞留しやすい切粉を当該嵌合溝21から円滑に排出することが可能となっており、当該切粉の滞留に起因する砥石22の目詰まりを有効に抑止できる。 【0039】なお、本発明では回転工具14の具体的な材質は問わないが、前記実施の形態にかかる回転工具14では、その工具本体18がゴム等の弾性体により成形されているため、その弾性変形によって工作物端面Sの形状になじみ易いという利点がある。 【0040】特に、図示のように嵌合溝21の底部を境界として分割された半割部品16を合体させた構成とすれば、回転工具14自体の製造も容易となり、給液通路の確保も簡単となる。具体的には、例えば金型内中央に前記スリーブ20をセットし、その周囲に前記工具本体18及び砥石22を順に成形(例えばプレス成形)していくことにより、前記半割部品16を得ることができるとともに、その相互接合面に径方向の溝(噴液用溝24)を凹設するだけで噴液用通路を簡単に確保することができる。 【0041】さらに、図示のように両半割部品16を互いに同一の形状とすることにより、量産性が飛躍的に高まることとなる。 【0042】その他、本発明は例えば次のような実施の形態をとることが可能である。 【0043】・本発明では、嵌合溝の具体的な形状を問わず、工作物端面に対応する形状に凹んだものであればよい。例えば、図示の略半円形状のものの他、中心角が180°未満の円弧状や楕円状、その他の曲線状に凹んだものでもよい。 【0044】・回転工具14側の周溝23は必ずしも要しない。例えば回転軸12の外周面側に周溝を形成するようにしてもよい。 【0045】・図例では、回転工具14の外周面において嵌合溝21が形成されている部分のみ砥石22で構成されたものとなっているが、工具外周面全体を砥石22で構成するようにしてもよい。要は、工具外周面において少なくとも端面研磨に関与する部分が砥石で構成されていればよい。 【0046】・排出溝26の具体的な形状は特に問わず、例えば工具の軸方向と平行に延びるものでもよい。ただし、この場合、前記排出溝26が形成されている部分と形成されていない部分とが交互に加工面に接触することにより振動やびびりが生じ易くなるのに対し、図示のように当該排出溝26の少なくとも一部を回転工具の軸方向に対して周方向に傾斜させる、すなわち、工具の軸方向位置によって排出溝の位置が周方向に変化するようにすれば、当該排出溝26の存在に起因する振動やびびりを有効に抑止できる。 【0047】特に、図示のように少なくとも片側の半割部品16の排出溝26が図2に示すように前記嵌合溝21の底部(図2では上部)から外端(同図では下端)に向かうに従って回転工具の回転方向下流側に変位する向きに傾斜している構成とすることにより、工具回転による遠心力を利用して切粉及び研磨液をより円滑に排出することが可能になる。 【0048】・本発明において、前記排出溝26の具体的な本数や幅は図示のものに限定されない。これら排出溝26の本数や幅を増やすほど、切粉の排出効果は高まる一方、砥石22において研磨に関与する面積(排出溝26以外の面積)が減り、その分加工効率は低下するので、両者のバランスを考慮して適宜設定すればよい。。 【0049】ここで本発明では、前記排出溝26だけでなく、この排出溝26と嵌合溝底部からの研磨液の噴出との組み合わせによって切粉排出作用を高めているので、前記排出溝の本数や幅を抑えながら高い切粉排出効果を確保することが可能であり、その結果、研磨加工効率を高く維持しながら砥石22の目詰まりを有効に抑止することが可能となる。 【0050】・図2に示す例では、噴液用溝24と排出溝26とが一体に連なっているものを示したが、両溝24,26は必ずしも連なっていなくてもよく、また互いに同数でなくてもよい。例えば図4に示すように噴液用溝24の本数を排出溝26の本数より減らしてもよい。 【0051】ただし、図2に示すように、各排出溝26に対応して当該排出溝26と連なるように各噴液用溝24を形成するようにすれば、半割部品16の製造がより容易になるとともに、各噴液用溝24から排出溝26への研磨液の流れをより円滑にすることが可能になる。 【0052】 【実施例】前記図1〜図3に示した本発明品及び比較例について、次の条件下において実験を行った。 1)工作物Wの材質…大理石、御影石の双方について実験を行う。これらの石材をウォータジェットで切断し、その切断面を研磨加工する。 2)使用研磨機…Brembana Maccine MICRAを使用。 3)運転方法…工具を1500min-1で回転駆動し、基本的に1m/minの速度で移動させる。すなわち加工送りする(ただし送り速度は適宜調整可)。 4)回転工具形状…最大直径が88mm、嵌合溝21の曲率半径が約14mm。 5)研磨工程(使用砥石)…多段階を経て粗加工から仕上げ加工へ移行。具体的には、番手が#200(M)、#400(M)、#400(R)、#800(R)、#1500(R)、#3000(R)の砥石をこの順に使用(ただしカッコ内の「M」はメタル砥石、「R」はレジン砥石をそれぞれ示す。)。 【0053】かかる実験の結果を表1に示す。 【0054】 【表1】
なお、この表1に示す比較例1及び比較例3〜5については、前記図5に示すように工具外側からその砥石側面に向けて研磨水を吹き付けることにより当該研磨水の供給を行った。 【0055】前記表1から明らかなように、従来の回転工具、すなわち、比較例1のように噴液用通路も排出溝も有しない回転工具では、頻繁に目詰まりが生ずることになる。これは、嵌合溝内に発生する切粉を排出する機能をほとんど持たないことに起因すると考えられる。 【0056】また、前記噴液用通路及び排出溝のうち、噴液用通路のみを有する回転工具(比較例2)や、排出溝のみを有する回転工具(比較例3〜5)では、切粉排出効果が不十分であり、送り速度を調節しても目詰まり発生を回避することは難しい。 【0057】なお、比較例5のように排出溝幅を拡大すると、ある程度は目詰まり発生を抑止することが可能であるが、このように排出溝の占有面積を大きくする分、逆に砥石が研磨加工に関与する面積が小さくなるため、高い加工効率を維持することができない。さらに、仕上がり面において研磨ムラが目立つという不都合も生じる。 【0058】これに対して本発明品では、排出溝の占有面積が小さくても切粉を円滑に排出することが可能であり、高い加工効率を維持しながら十分な目詰まり抑止効果及び良好な仕上がり面を得ることが可能となっている。 【0059】 【発明の効果】以上のように、本発明は、嵌合溝をもった端面研磨用工具において、その嵌合溝の表面に切粉排出用の排出溝を形成するとともに、前記嵌合溝底部から研磨液を噴出させるようにしたものであるので、嵌合溝内に発生する切粉を円滑に排出して当該切粉の滞留に起因する砥石の目詰まりを有効に抑止することができ、これによりドレス作業を不要にし、もしくはその頻度を低減させて作業効率を向上させることができる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390011785 【氏名又は名称】三和研磨工業株式会社 【住所又は居所】京都府宇治市大久保町上ノ山22−1
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| 【出願日】 |
平成13年8月21日(2001.8.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067828 【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−62757(P2003−62757A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月5日(2003.3.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−250336(P2001−250336) |
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