| 【発明の名称】 |
電鋳薄刃砥石 |
| 【発明者】 |
【氏名】池田 吉隆 【住所又は居所】福島県いわき市泉町黒須野字江越246−1 三菱マテリアル株式会社いわき製作所内
【氏名】鳥坂 昌徳 【住所又は居所】福島県いわき市泉町黒須野字江越246−1 三菱マテリアル株式会社いわき製作所内
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| 【要約】 |
【課題】延性材料と硬性材料とからなるワークを切断加工してもバリの発生を抑制し、寿命が長い。
【解決手段】金属結合相中12に、超砥粒15として、cBN13とダイヤ14との混粒を分散配置する。cBN13を刃先部11の両側面11a,11a側に配置する。超砥粒15を、金属結合相12の5〜35vol%に設定する。cBN13を、超砥粒15の20〜90vol%に設定する。cBN13の平均粒径を、ダイヤの平均粒径の30〜300%に設定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属結合相中に超砥粒が分散配置されてなる電鋳薄刃砥石において、前記超砥粒として、cBNとダイヤとの混粒が用いられており、かつ、前記cBNが、少なくとも刃先部の両側面側に配置されていることを特徴とする電鋳薄刃砥石。 【請求項2】 請求項1に記載の電鋳薄刃砥石において、前記超砥粒は、前記金属結合相の5〜35vol%であることを特徴とする電鋳薄刃砥石。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電鋳薄刃砥石において、前記cBNは、前記超砥粒の20〜90vol%であることを特徴とする電鋳薄刃砥石。 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電鋳薄刃砥石において、前記cBNの平均粒径は、前記ダイヤの平均粒径の30〜300%であることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子材料等の切断加工に用いられる電鋳薄刃砥石に関し、とくに、ポリイミドテープ等の延性材料層とモールド樹脂等の硬性材料層とを有する電子材料の切断加工に用いられる電鋳薄刃砥石に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電子部品を製造する方法として、例えば、一枚のポリイミドテープからなる延性材料層の上に、個々の電子部品の基材となるモールド樹脂層からなる硬性材料層を一つ一つ隙間を介して複数形成し、さらに、それらモールド樹脂層の上にそれぞれCu等からなるパターンを形成した後、樹脂によってこのパターンを封止した電子材料を、パンチによって個々のモールド樹脂層同士の間に位置するポリイミドテープの部分を打ち抜いたり、カッターによって同じく個々のモールド樹脂層同士の間に位置するポリイミドテープの部分を切断するようにして電子部品を製造していた。 【0003】ところが最近では、一度に製造できる電子部品の数を増やすことや、ポリイミドテープの効率的な利用が考慮され、一枚のポリイミドテープの上に、個々のモールド樹脂層をそれぞれ間隔をおいて複数形成するのではなくて、一枚のモールド樹脂層を形成してから切断することにより電子部品を製造する方法が採用されている。すなわち、図3に示すように、一枚のポリイミドテープ2の上に、その全面に亘ってモールド樹脂層3を形成し、さらに、そのモールド樹脂層3の上に、個々の電子部品のパターンを一つ一つ形成した後、樹脂によってこのパターンを封止した電子材料1を、図3における切断線Aで、ポリイミドテープ2及びモールド樹脂層3をともに切断することにより個々の電子部品を製造することになる。この場合、ポリイミドテープ2のみならず、その上に位置する硬いモールド樹脂層3までも切断する必要が生じてくるため、従来のようにパンチやカッターではなく、例えば、ダイヤあるいはcBNの超砥粒を金属結合相中に分散配置してなる電鋳薄刃砥石を用いて上記のような電子材料1を切断加工していた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ダイヤの超砥粒を金属結合相中に分散配置してなる電鋳薄刃砥石を用いて、上記のような電子材料1を切断した場合には、ダイヤ自身は摩耗しないため、長い寿命を得ることができるものの、逆に摩耗しないことによって、個々の超砥粒ごと金属結合相から脱落してしまう現象が生じ、図4の刃先部の断面模式図で示すように、刃先部のエッジを維持できなくなってR状になってしまう。このようなR状の刃先部により切断加工を続けていくと、モールド樹脂層3の下に位置するポリイミドテープ2の切断加工跡に過大なバリが発生してしまうことになる。一方、cBNの超砥粒を金属結合相中に分散配置してなる電鋳薄刃砥石を用いて、上記のような電子材料を切断加工した場合には、このcBNが耐摩耗性に乏しく、cBN自身が摩耗していくことで金属結合相の耐摩耗材の役割を果たすため、ダイヤの超砥粒を用いた電鋳薄刃砥石のように金属結合相の部分のみが摩耗することによって金属結合相中から超砥粒が脱落してしまうことがない。それゆえ、刃先部の形状を維持できて、加工初期のうちはポリイミドテープ2にバリが発生するのを抑制する効果が得られる。しかし、硬いモールド樹脂層3を切断加工していくうちに、その耐摩耗性の欠乏ゆえにcBN自身の摩耗が進行してくると、研削抵抗が上昇し、やはりポリイミドテープ2の切断加工跡にバリが発生してしまうことは免れない。 【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、たとえ延性材料と硬性材料とからなるワークに対してもバリの発生を抑制でき、かつ、寿命の長い電着薄刃砥石を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、金属結合相中に超砥粒が分散配置されてなる電鋳薄刃砥石において、前記超砥粒として、cBNとダイヤとの混粒が用いられており、かつ、前記cBNが、少なくとも刃先部の両側面側に配置されていることを特徴とする。このような構成とすると、延性材料と硬性材料とからなるワークを切断加工した場合に、硬性材料を確実に切断できるのはもちろんのこと、刃先部の両側面側に配置されているcBN自身が摩耗していくので、超砥粒の金属結合相からの脱落を生じることがなく、刃先部の形状を維持できることとなって、延性材料の切断加工跡にバリが発生するのを抑制することができ、しかも、ダイヤによって耐摩耗性を向上させて、長い寿命も確保できることとなる。 【0007】また、前記超砥粒は、前記金属結合相の5〜35vol%であることを特徴とする。ここで、超砥粒が金属結合相の5vol%より小さいと、超砥粒の含有量が少なすぎるため、切断加工が不可能になってしまう。一方、超砥粒が金属結合相の35vol%より大きいと、超砥粒の含有量が多すぎるため、金属結合相の強度が低下するとともに、一度にワークに作用する超砥粒の数が多くなって切れ味が劣化してしまう。 【0008】また、前記cBNは、前記超砥粒の20〜90vol%であることを特徴とする。ここで、cBNが超砥粒の20vol%より小さいと、ダイヤに対してcBNの割合が小さすぎてしまい、刃先部の形状を維持してバリの発生を抑制する効果が得られず、一方、cBNが超砥粒の90vol%より大きいと、cBNに対してダイヤの割合が小さすぎることとなり、耐摩耗性を向上させる効果が得られない。 【0009】また、前記cBNの平均粒径は、前記ダイヤの平均粒径の30〜300%であることを特徴とする。ここで、cBNの平均粒径が、ダイヤの平均粒径の30%より小さいと、cBNよりもダイヤの特性が目立つこととなり、刃先部がR状になってバリの発生を抑制しきれない。一方、cBNの平均粒径が、ダイヤの平均粒径の300%より大きいと、ダイヤよりもcBNの特性が目立つこととなり、耐摩耗性が劣ってしまう。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態による電鋳薄刃砥石の刃先部の拡大断面図、図2は同電鋳薄刃砥石の平面図である。 【0011】本実施形態による電鋳薄刃砥石10は、図1及び図2に示すように、厚みが数十μm〜数百μmの範囲に設定された略リング型薄板状を呈し、その全体が砥粒層とされるとともに、外周側部分がリング状をなす刃先部11とされる。この電鋳薄刃砥石10は、例えばNi,Coまたはこれらの合金等からなる金属結合相12中に、超砥粒15として、cBN13とダイヤ14との混粒を分散配置したものであり、より詳しくは、金属結合相12中において、cBN13が、刃先部11の両側面11a,11a側(すなわち、電鋳薄刃砥石10の厚み方向をなす2つの面側)に配置されており、その他の部分にダイヤ14が均一に分散するように配置されている。 【0012】また、cBN13及びダイヤ14からなる超砥粒15は、金属結合相12に対して15〜35vol%とされ、かつ、cBN13が超砥粒15に対して20〜90vol%とされている。さらに、cBN13の平均粒径は、ダイヤ15の平均粒径の30〜300%とされている。 【0013】また、刃先部11には、切断加工時に生じる削り屑を取り込むとともに外部に排出しやすくして目詰まりを生じにくくし、かつ、冷却水を切断加工面により多く導く目的から、外周縁から径方向内周側に向けて所定間隔で複数のスリット16が形成されている。このスリット16は、例えば電鋳薄刃砥石10の外周縁を、ワイヤー等を用いた放電加工、または砥石等を用いた研削加工を施して所定の形状に削り取ることで形成されるものである。 【0014】このような電鋳薄刃砥石10は、その内周側部分が取り付け用フランジで挟持されて砥石軸に装着されるとともにナットで締め付け固定され、そして、砥石軸の軸線回りに回転されつつ外周側部分の刃先部11で、図3に示すようなポリイミドテープ2とモールド樹脂層3とが積層されてなる電子材料1を切断線Aに沿って切断加工していく。 【0015】本実施形態による電鋳薄刃砥石10によれば、超砥粒15として、cBN13とダイヤ14との混粒を用い、かつ、cBN13を刃先部11の両側面11a,11a側に配置したことにより、たとえ、上記のようなポリイミドテープ2の上にモールド樹脂層3が積層されている電子材料1を切断加工する際であっても、この硬いモールド樹脂層3を確実に切断加工できるのはもちろんのこと、刃先部11の両側面11a,11a側に配置されているcBN13自身が摩耗していくので、超砥粒15が金属結合相12から脱落してしまうことがなく、刃先部11を初期形状のまま維持できることとなって、ポリイミドテープ2の切断加工跡にバリが発生するのを抑制するという優れた効果を得ることができ、しかも、ダイヤ14によって耐摩耗性を向上させて、長い寿命も確保できることとなる。 【0016】また、超砥粒15の、金属結合相12に対する割合が小さすぎると、切断加工に供される超砥粒が少なくなりすぎ、切断加工が不可能になってしまう。一方、超砥粒15の金属結合相12に対する割合が大きすぎると、金属結合相12の強度が低下するとともに、一度にワークに作用する超砥粒の数が多くなって切れ味が劣化してしまう。それゆえ、本実施形態においては、超砥粒15を金属結合相12の5〜35vol%と最適な範囲に設定したことにより、安定した切断加工を維持しつつ、しかも、金属結合相12の強度低下を招いたり、切れ味を落としてしまってバリの発生を促してしまうこともない。なお、上述したような効果をより確実なものとするためには、超砥粒15が、金属結合相12の10〜30vol%の範囲となるように設定するのが好ましい。 【0017】また、cBN13の超砥粒15に対する割合が小さすぎると、ダイヤ14に対してcBN13の量が小さくなりすぎ、刃先部11の形状を維持してバリの発生を抑制する効果が得られず、一方、cBN13の超砥粒15に対する割合が大きすぎると、cBN13に対してダイヤ14の量が小さすぎてしまい、耐摩耗性を向上させる効果が得られない。それゆえ、本実施形態においては、cBN13を超砥粒15の20〜90vol%と最適な範囲に設定したことにより、耐摩耗性の向上と、バリの抑制とを両立できることとなる。なお、上述したような効果をより確実なものとするためには、cBN13が、超砥粒15の50〜70vol%の範囲となるように設定するのが好ましい。 【0018】また、cBN13の平均粒径がダイヤ14の平均粒径に対して小さすぎると、cBNによってもたらされる効果が薄れ、ダイヤの特性のみが目立つことで、切断加工を行うにつれて刃先部がR状になってしまい、バリの発生を抑制しきれない。一方、cBN13の平均粒径がダイヤ14の平均粒径に対して大きすぎると、ダイヤによってもたらされる効果が薄れ、cBNの特性のみが目立つことで、耐摩耗性が劣ってしまう。それゆえ、本実施形態においては、cBN12の平均粒径を、ダイヤ13の平均粒径の30〜300%と最適な範囲に設定したことにより、耐摩耗性に優れ、刃先部のエッジ形状を維持しつつ、良好な切れ味を得ることができる。なお、上述したような効果をより確実なものとするためには、cBN13の平均粒径が、ダイヤ14の平均粒径の50〜200%の範囲となるように設定するのが好ましい。 【0019】なお、本実施形態においては、cBN13は、刃先部11の両側面11a,11a側にのみ配置されているが、これに限定されることなく、その他の部分にまでcBN13が分散配置されていてもよい。 【0020】 【発明の効果】以上説明したように、本発明による電鋳薄刃砥石は、超砥粒として、cBNとダイヤとの混粒を用い、かつ、cBNを少なくとも刃先部の両側面側に配置したことにより、たとえ、延性材料と硬性材料とからなるワークを切断加工したとしても、硬性材料を確実に切断できるのはもちろんのこと、刃先部の両側面側に配置されているcBN自身が摩耗していくので、超砥粒の金属結合相からの脱落を生じることがなく、刃先部の形状を維持できることとなって、延性材料の切断加工跡にバリが発生するのを抑制することができ、しかも、ダイヤによって耐摩耗性を確保して寿命の延長も図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006264 【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区大手町1丁目5番1号
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| 【出願日】 |
平成13年7月10日(2001.7.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−25232(P2003−25232A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月29日(2003.1.29) |
| 【出願番号】 |
特願2001−209584(P2001−209584) |
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