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【発明の名称】 電着砥石
【発明者】 【氏名】山下 哲二
【住所又は居所】福島県いわき市泉町黒須野字江越246−1 三菱マテリアル株式会社いわき製作所内

【氏名】中林 明
【住所又は居所】福島県いわき市泉町黒須野字江越246−1 三菱マテリアル株式会社いわき製作所内

【氏名】下前 直樹
【住所又は居所】福島県いわき市泉町黒須野字江越246−1 三菱マテリアル株式会社いわき製作所内

【氏名】畑 花子
【住所又は居所】福島県いわき市泉町黒須野字江越246−1 三菱マテリアル株式会社いわき製作所内

【要約】 【課題】研削時の切れ味と切り粉等の排出性を向上させる。

【解決手段】円板形の台金21の略円形をなす一面上に金属結合相を形成し、この金属結合相によって多数の砥粒を固着して砥粒層23を形成する。砥粒層23を、その表面に複数の凹部26が互いに間隔をおいて形成された構成とする。砥粒層23は、平面視で直径が約3mmの略円形の凹部26を有し、これら凹部26が略格子状または網目状に配列された構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に複数の凹部が互いに間隔をおいて形成されてなる砥粒層を有していることを特徴とする電着砥石。
【請求項2】 平面視における前記砥粒層の全面積に対して前記凹部の占める割合が5%から40%の範囲内とされていることを特徴とする請求項1記載の電着砥石。
【請求項3】 平面視における前記砥粒層の全面積に対して前記凹部の占める割合が60%から95%の範囲内とされていることを特徴とする請求項1記載の電着砥石。
【請求項4】 前記砥粒層が、前記凹部として平面視で丸形、または三角形以上の多角形状の凹部が形成された構成とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電着砥石。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体ウエーハ等の被研磨材の表面をCMP装置によって研磨する際に用いられる研磨用のパッドをコンディショニングするため等に用いられる電着砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンインゴットから切り出した半導体ウエーハ(以下、単にウエーハという)の表面を化学的且つ機械的に研磨するCMP装置(ケミカルメカニカルポリッシングマシン)の一例として、図4に示すような装置がある。このCMP装置1は、図4に示すように中心軸2に取り付けられた円板状の回転テーブル3上に例えば硬質ウレタンからなるポリッシング用のパッド4が設けられ、このパッド4に対向して且つパッド4の中心軸2から偏心した位置に自転可能なウエーハキャリア5が配設されている。このウエーハキャリア5はパッド4よりも小径の円板形状とされてウエーハ6を保持するものであり、このウエーハ6がウエーハキャリア5とパッド4間に配置されてパッド4側の表面の研磨に供され鏡面仕上げされる。
【0003】CMPによる研磨のメカニズムは、微粒子シリカ等によるメカニカルな要素(遊離砥粒)とアルカリ液や酸性液等によるエッチング要素とを複合したメカノ・ケミカル研磨法に基づいている。研磨に際して、例えば上述した微粒子シリカ等からなる遊離砥粒が研磨剤として用いられ、さらにエッチング用のアルカリ液等が混合されたものが液状のスラリSとしてパッド4上に供給されているため、このスラリSがウエーハキャリア5に保持されたウエーハ6とパッド4との間に流動して、パッド4でウエーハ6の一面が研磨される。ウエーハ6の研磨を行う硬質ウレタン製などのパッド4上にはスラリSを保持する微細な発泡層が多数設けられており、これらの発泡層内に保持されたスラリSでウエーハ6の研磨が行われる。ところが、ウエーハ6の研磨を繰り返すことでパッド4の研磨面の平坦度が低下したり目詰まりを起こしたりするためにウエーハ6の研磨精度と研磨効率が低下するという問題が生じる。
【0004】そのため、従来からCMP装置1には図4に示すようにパッドコンディショナ8が設けられ、パッド4の表面を再研削(コンディショニング)するようになっている。このパッドコンディショナ8は、回転テーブル3の外部に設けられた回転軸9にアーム10を介してコンディショナ11として電着ホイールが設けられている。そしてウエーハキャリア5でウエーハ6を研磨しながらあるいはウエーハ6の研磨を停止した状態で、コンディショナ11でパッド4の表面を研削してパッド4の表面の平坦度等を回復または維持し目詰まりを解消するようになっている。このコンディショナ11としては、例えば円形板状の台金にその略円形をなす一面全面に砥粒層を形成したものや、図5(a)及び(b)に示すように円形板状の台金12上に上面が平面状をなしていて一定幅でリング状の砥粒層13が形成され、この砥粒層13が例えば図6に示すように台金12上に電気めっきなどによりダイヤモンドやcBNなどの超砥粒14を金属めっき相15で分散固定して構成されているものもある。この金属めっき相15は例えばニッケルなどで構成されている。なお、砥粒層13の表面には例えば45°等の所定間隔で径方向に凹溝17が形成されており、スラリSや切り粉をこの凹溝17を通して外部に排出することになる。
【0005】ところで、このようなコンディショナ11を用いてパッド4の研削を行う場合、コンディショナ11はパッド4上を少なくともパッド4の半径に相当する距離に亘って往復揺動させる。砥粒層13に分散配置された超砥粒14は、パッド4の起毛をなぎ倒しつつ切断するが、その際、砥粒層13がべた当たりして研削圧力が分散して滑り、起毛が切れずに倒されてしまい切れ味が悪く目詰まりしやすいという欠点がある。また、研削液や切り粉の排出経路も確保できずに排出が不十分となる。
【0006】これらのコンディショナの他、例えば特開平9−19868号公報に記載されているものがある。このコンディショナは2〜10個の超砥粒を集合させて1つの島状に配設し、これら島状の超砥粒群を研削面である砥粒層の表面に分散配置することで研削時の目詰まりを防止して長期間に亘って研削加工できるようにしたものである。このようなコンディショナでは、台金上にマスキングを施して島状の下地めっきを形成し、この下地めっき部に2〜10個の超砥粒を電気めっきで一層分仮固定し、その後に台金全体を電気めっきして超砥粒を砥粒層に電着するというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このコンディショナは、比較的軟質のパッド4を研削する際には目詰まりを防止して良好な研削を行うことができるが、比較的硬質のパッド4を研削する際には研削性能が低かった。本発明者は、このようなコンディショナにおいては、単に超砥粒の先端によってパッド4の表面が研削されるだけでなく、島状に配設された超砥粒のうち外周に位置する超砥粒が切刃として作用し、パッド4の研削に大きく寄与しているという知見を得た。このようなコンディショナによって比較的軟質、すなわち比較的弾性変形しやすいパッド4を研削する際には、研削圧力によってパッド4が弾性変形して島状の超砥粒群間にはみ出し、コンディショナの移動に伴って切刃となる超砥粒によってこのはみ出した部分が側方から削り取られていると考えられる。一方で、このようなコンディショナによって比較的硬質、すなわち比較的弾性変形しにくいパッド4を研削する際には、上記のようなはみ出しが生じにくいために、パッド4は主に超砥粒の先端によって研削されるが、このようなコンディショナでは超砥粒を分散配置していて研削に作用する超砥粒の数が少ないので、研削性能が低くなってしまうと考えられる。
【0008】本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、切れ味が良く切り粉等の排出性の良好な電着砥石を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる電着砥石は、表面に複数の凹部が互いに間隔をおいて形成されてなる砥粒層を有していることを特徴としている。このように構成される電着砥石においては、砥粒層がその表面に複数の凹部が形成された構成とされているので、砥粒層が被削材にべた当たりしにくくなり、研削圧力が高められる。また、研削に用いた研削液や研削によって生じた切り粉は凹部内に排出されることとなるので、砥粒層の目詰まりが生じにくくなる。そして、比較的軟質で弾性変形しやすい被削材を研削する際には、研削圧力を受けて被削材が弾性変形して凹部内にはみ出すこととなり、凹部の周囲に設けられる砥粒が切刃として作用して凹部内にはみ出した被削材を削り取ることとなる。また、砥粒層において、凹部間に位置する部分の面積を十分確保することで、研削に作用する砥粒の数を確保することができる。
【0010】ここで、平面視における砥粒層の全面積に対して凹部の占める割合が5%よりも低いと、砥粒層が被削材にべた当たりしやすくなり、研削圧力が分散して切れ味が低下してしまう。また、この割合が40%よりも高いと、凹部間に位置する部分の面積が小さくなり、研削に作用する砥粒の数が低下するので、比較的硬質の被削材を研削する際の研削性能が低下してしまう。このため、被削材が比較的硬質のものである場合には、電着砥石において砥粒層の全面積に対して凹部が占める面積は、5%から40%の範囲内とすることが好ましい。
【0011】ここで、平面視における砥粒層の全面積に対して凹部の占める割合が60%よりも低いと、比較的軟質の被削材を研削する場合には、砥粒層が被削材にべた当たりしやすくなり、研削圧力が分散して切れ味が低下してしまう。一方で、この割合が95%よりも高いと、研削に作用する砥粒の数が少なくなって研削性能が低下する上、被削材が部分的に研削されることとなって不安定なコンディショニングとなってしまう。また、少ない砥粒で研削を行うこととなるために砥粒の消耗が進み、寿命が短くなってしまう。このため、被削材が比較的軟質のものである場合には、砥粒層の全面積に対して凹部が占める面積は、60%から95%の範囲内とすることが好ましい。
【0012】また、砥粒層を、前記凹部として平面視で丸形、または三角形以上の多角形状をなす凹部が形成された構成とすることで、砥粒層を不定形の凹部が形成された構成とした場合に比べて研削性能が安定し、電着砥石の研削性能の評価が正確かつ容易になる。そして、凹部が丸形である場合には、ドリル等を用いた切削加工によって凹部を容易に形成することができるので、電着砥石の生産性を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を添付図面により説明するが、上述の従来技術と同一の部分には同一の符号を用いて説明する。図1は、本実施の形態にかかるコンディショナの研削作用面を示す平面図、図2は、図1に示すコンディショナの構成を概略的に示す縦断面図、図3は、本実施形態にかかるコンディショナの製造工程を示す図である。本実施の形態によるCMP用のコンディショナ20は、電着砥石(電着ホイール)で構成されており、例えばステンレス等からなる円板形の台金21の略円形をなす一面21a上の全面に、NiめっきやNi基合金めっき等によって形成される金属結合相22が形成され、この金属結合相22によって例えばダイヤモンド砥粒等の多数の砥粒14…が固着されて砥粒層23を形成している。なお、砥粒14は、ダイヤモンドやcBN等の超砥粒に限らず、アルミナAl23、炭化珪素SiO2などの一般砥粒であってもよい。コンディショナ20は、砥粒14が一層のみ形成されて金属結合相22によって固着された単層砥石である。
【0014】このコンディショナ20では、砥粒層23は、その表面に複数の凹部26が互いに間隔をおいて形成された構成とされている。本実施の形態では、砥粒層23は、平面視で直径が約3mmの略円形の凹部26を有する構成とされており、これら凹部26が略格子状または網目状に配列された構成とされている。このように凹部26を丸形とすることで、ドリル等を用いた切削加工によって凹部26を容易に形成することができ、コンディショナ20の生産性を向上させることができる。これに限らず、砥粒層23は、平面視で三角形以上の多角形状をなす凹部26が形成された構成としてもよい。このように、砥粒層23を、平面視で丸形、または三角形以上の多角形状をなす凹部26が形成された構成とすることで、砥粒層23を不定形の凹部26が形成された構成とした場合に比べて研削性能が安定し、コンディショナ20の研削性能の評価が正確かつ容易になる。また、これら凹部26の配置は、上記の他、例えば砥粒層23に対して同心円状に複数列配置したり、螺旋状に配置してもよい。
【0015】さらに、砥粒層23は、凹部26の内面にも砥粒14…が配設された構成とされている。これに限らず、砥粒層23は、凹部26の内面に砥粒14…が配設されていない構成としてもよい。ここで、砥粒層23の表面から凹部26の底面までの深さDが0.1mmよりも浅いと、砥粒層23が凹部26を有していない構成とした場合と同様に目詰まりが生じやすくなってしまう。一方で、この深さDが0.5mmよりも深いと、凹部26の底面に対してパッド4が当接しなくなり、凹部26の底面に設けられた砥粒14によるパッド4の研削が行われなくなるので、研削性能が低下してしまう。このため、砥粒層23の表面から凹部26の底面までの深さDは、0.1mmから0.5mmの範囲内であることが望ましい。
【0016】ここで、本実施の形態で示すコンディショナ20は、比較的硬質で弾性変形しにくいパッド4に対して用いられるものであって、平面視における砥粒層23の全面積に対して凹部26が占める面積は、5%から40%の範囲内とされている。砥粒層23の全面積に対する凹部26の占める割合が5%よりも低いと、砥粒層23がパッド4にべた当たりしやすくなり、研削圧力が分散して切れ味が低下してしまう。また、この割合が40%よりも高いと、砥粒層23において凹部26間に位置する部分の面積が小さくなり、研削に作用する砥粒の数が低下するので、比較的硬質のパッド4を研削する際の研削性能が低下してしまう。
【0017】以下に、図3を用いて、このように構成されるコンディショナ20の製造工程を説明する。まず、図3(a)に示すように、例えばSUS304等からなる円板形状の台金21の一面21aにドリル等を用いた切削加工を施して、図3(b)に示すように、一面21aに複数の止まり穴30を形成する。ここで、止まり穴30は、切削加工の他、例えば一面21aにマスキングを施して止まり穴30となる部分のみをエッチング等によって除去することによって形成してもよい。このようにして止まり穴30が形成された台金21の一面21a上にめっきによって金属結合相22を形成し、この金属結合相22によって止まり穴30の内面を含む一面21a全面に砥粒14…を固着して、図3(c)に示すように、一面21a上に砥粒層23を形成する。砥粒層23の表面において、一面21a上の止まり穴30が形成される部分は他の部分よりも窪むこととなり、これによって凹部26が形成されることとなる。このようにして、台金21の一面21a上に、その表面に互いに間隔をおいて複数の凹部26が形成された砥粒層23を形成することで、コンディショナ20を得る。
【0018】本実施の形態によるコンディショナ20は上述の構成を備えており、図4に示すCMP装置1のアーム10に装着された状態で、パッド4のコンディショニングを行うに際して、回転する回転テーブル3上のパッド4に対してアーム10を揺動させることでコンディショナ20を往復揺動させ、パッド4を研削してその平坦度を回復または維持させる。研削に際して、コンディショナ20は、砥粒層23の表面に配設される砥粒14…の先端によってパッド4の表面を研削する。さらに、研削圧力を受けてパッド4が弾性変形して凹部26内にはみ出した場合には、この部分は、凹部26の周囲に配設される砥粒14…によって側方から削り取られたり、凹部26の底面に配設される砥粒14…によって削り取られることとなる。そして、研削に用いた研削液や研削によって生じた切り粉は凹部26内に排出されることとなり、砥粒層23の目詰まりが生じにくくなる。
【0019】このように構成されるコンディショナ20によれば、砥粒層23がその表面に複数の凹部26が形成された構成とされているので、砥粒層23がパッド4にべた当たりしなくなり、砥粒14…に研削圧力を高めて切れ味を良好に保つことができる。また、研削に用いた研削液や研削によって生じた切り粉は凹部26内に排出されることとなるので、砥粒層23の目詰まりが生じにくく、良好な研削を行うことができる。そして、このコンディショナ20では、平面視における砥粒層23の全面積に対して凹部26が占める面積は、5%から40%の範囲内とされており、砥粒層23において凹部26間に位置する部分の面積が十分確保されているので、パッド4が比較的硬質で弾性変形しにくく凹部26内へのはみ出しが生じにくいものであっても、研削に作用する砥粒14の数を確保して十分な研削性能を維持することができる。
【0020】ここで、上記実施の形態では、コンディショナ20を、平面視において砥粒層23の全面積に対して凹部26の占める割合が5%から40%の範囲内とした例を示したが、コンディショナ20が比較的軟質で弾性変形しやすいパッド4の研削に用いられるものである場合には、上記割合は60%から95%の範囲内とすることが好ましい。言い換えると、砥粒層23において凹部26に対する凸部が、砥粒層23の全面積に対して5%から40%を占めることとなる。この場合、例えば砥粒層23において研削時における周速が遅く、研削にあまり作用しない中央部分には比較的大径の凹部26を配置してこの部分に逃げを形成し、周速が早く研削に効果的に作用する外周部分には比較的小径の凹部26を配置する。砥粒層23の全面積に対して凹部26の占める割合が60%よりも小さいと、比較的軟質のパッド4を研削する場合には、砥粒層23がパッド4にべた当たりすることとなり、研削圧力が分散して切れ味が低下してしまう。一方で、この割合が95%よりも高いと、研削に作用する砥粒14の数が少なくなって研削性能が低下する上、パッド4が部分的に研削されることとなって不安定なコンディショニングとなってしまう。また、少ない砥粒で研削を行うこととなるために砥粒14の消耗が進み、寿命が短くなってしまう。このため、パッド4が比較的軟質のものである場合には、砥粒層23の全面積に対して凹部26が占める面積は、60%から95%の範囲内とすることが好ましい。
【0021】ここで、上記実施の形態では、本発明の電着砥石をCMP装置に用いるコンディショナに採用した例を示したが、これ以外にも研磨研削装置に採用できることはいうまでもない。
【0022】
【実施例】次に、本実施形態にかかるコンディショナ20を用いたパッドの研削試験について説明する。この研削試験では、本実施形態にかかるコンディショナ(以下、実施例とする)と、島状に砥粒群を配置した従来のコンディショナ(以下、従来例とする)とを用意し、これらのコンディショナを用いて図4に示すように回転テーブル3上に貼り付けられたパッド4の研削を行い、それぞれの研削性能の比較を行った。
【0023】実施例では、砥粒層23が、平面視で直径約3mmの略円形の凹部26を有し、略格子状または網目状に凹部26が配列された構成のものを用いている。さらに、砥粒層23は、凹部26の内面にも砥粒14…が配設された構成とされ、砥粒層23の表面から凹部26の底面までの深さDは0.2mmとされている。また、実施例及び従来例は、ともに砥粒14として平均粒径dが146μm(粒度#100)のものを用いている。また、被削材であるパッド4としては、ロデール・ニッタ社製のIC−1000を用いており、パッド4の研削条件は、回転テーブル3の外径(パッド4の外径)が600mm、回転テーブル3の回転数は45min-1、コンディショナの回転数は56min-1、コンディショナに加える垂直方向の荷重は24Nとし、パッド4の表面には純水を17mL/minで供給しながら研削を行った。
【0024】コンディショナとして実施例を用いた場合には、パッド4の研削レートは30μm/hと十分である。またパッド4の表面は良好に削り取られており、パッド4の平坦度が確保されるとともに、パッド4のスラリSの保持能力を高く維持することができた。このように、実施例によって研削されたパッド4は、平坦度が確保されるとともにスラリSの保持能力が高く維持されているので、ウエーハの研磨精度及び研磨能率も高く、ウエーハの研磨を効率的に行うことができる。
【0025】これに対し、従来例を用いた場合には、パッド4の研削レートは20μm/hと低く、またパッド4の表面では起毛が切れずに倒されており、表面状態はよくなかった。このため、このパッド4によって研磨されるウエーハの研磨精度及び研磨能率は低く、ウエーハの研磨に時間がかかり、生産性が低い。このことから、従来例のコンディショナでは、パッド4の研削性能が低く、良好なコンディショニングを行うことができないことがわかる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる電着砥石では、砥粒層が表面に凹部が形成された構成とされているので、砥粒層が被削材にべた当たりしにくくなり、研削圧力が高められて切れ味が良好になる。また、研削に用いた研削液や研削によって生じた切り粉は凹部内に排出されることとなるので、砥粒層の目詰まりが生じにくくなり、良好な研削を行うことができる。そして、比較的軟質で弾性変形しやすい被削材を研削する際には、研削圧力を受けて被削材が弾性変形して凹部内にはみ出すこととなり、凹部の周囲に設けられる砥粒が切刃として作用して凹部内にはみ出した被削材を削り取ることとなるので、良好な研削を行うことができる。また、砥粒層において、凹部間に位置する部分の面積を十分確保することで、研削に作用する砥粒の数を確保して、切れ味を良好にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町1丁目5番1号
【出願日】 平成13年7月10日(2001.7.10)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2003−25230(P2003−25230A)
【公開日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願番号】 特願2001−209582(P2001−209582)