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【発明の名称】 プーリ研磨用摩擦伝動ベルト
【発明者】 【氏名】清水 藤孝
【住所又は居所】兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内

【要約】 【課題】摩耗したり錆が発生したプーリを適正に修復する。

【解決手段】Vベルト1、Vリブドベルト11又はコード平ベルト111のプーリと接触する面に研磨材塗布層6,16又は116を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくともプーリと接触する面に研磨材塗布層が設けられていることを特徴とするプーリ研磨用摩擦伝動ベルト。
【請求項2】 少なくともプーリと接触する面に研磨材含有帆布が設けられていることを特徴とするプーリ研磨用摩擦伝動ベルト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、摩擦伝動ベルト用のプーリを研磨するために用いられるメンテナンス専用の摩擦伝動ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト等の摩擦伝動ベルトが巻き掛けられるプーリは、長期間に亘って使用するとプーリと接触する面が摩耗する。また、使用しないで保管していると錆が発生する。このような場合において、摩耗がそれほどでもなかったり錆が少量である場合には、サンドペーパーやサンダーでプーリ表面を研磨して均したり錆を除去するか、あるいはバイトにより溝加工して修復する一方、摩耗が激しかったり錆が多量に発生していて研磨による修復では間に合わない場合には、新しいプーリと交換しているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、サンドペーパーやサンダーでプーリ表面を研磨すると、プーリ表面の面粗度や溝形状が不均一になり易く、バイトで溝加工すると、プーリピッチラインが下がって機械機能に悪影響を及ぼすおそれがある。新しいプーリと交換する場合には、交換の手間や費用が掛かるとともに、再利用が困難なプーリはそのまま廃棄されるため環境悪化を招く。
【0004】この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、摩耗したり錆が発生したプーリを適正に修復することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、この発明は、プーリを研磨するためのメンテナンス専用の摩擦伝動ベルトを提供することを特徴とする。
【0006】具体的には、請求項1に記載の発明が講じた解決手段は、少なくともプーリと接触する面に研磨材塗布層が設けられていることを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の発明が講じた解決手段は、少なくともプーリと接触する面に研磨材含有帆布が設けられていることを特徴とする。
【0008】上記の構成により、請求項1,2に記載の発明では、摩耗したり錆が発生したプーリに摩擦伝動ベルトを巻き掛けて慣らし運転すると、研磨材塗布層又は研磨材含有帆布と回転プーリとの摩擦によりプーリのベルトとの接触面が全周に亘って均一に研磨され、摩耗箇所が均されてプーリ表面の面粗度や溝形状が均一に修復されるとともに、錆が除去される。また、摩擦伝動ベルトを慣らし運転するだけなので削り過ぎることがなく、バイトによる溝加工の如きプーリピッチラインの低下に起因する機械機能への悪影響もない。当然、新しいプーリと交換する場合における交換の手間や費用も掛からず、プーリの廃棄による環境悪化もない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0010】図1及び図2はこの発明の実施の形態に係るプーリ研磨用摩擦伝動ベルトとして3つのタイプのベルトをそれぞれ例示するが、これに限らない。
【0011】図1(a)及び図2(a)はVベルト1であり、図1(a)のVベルト1は、心線2がベルト長手方向にスパイラルに埋設された接着ゴム層3を備え、この接着ゴム層3の上面には上ゴム層4が、下面には下ゴム層5がそれぞれ一体に接合されている。これら接着ゴム層3、上ゴム層4及び下ゴム層5で構成されるベルト側面は、ベルト走行時にプーリと接触する面であり、このベルト側面には、この発明の特徴としての研磨材塗布層6が塗布形成されていて、この研磨材塗布層6の研磨材7がベルト走行時にプーリの溝側面と接触するようになっている。
【0012】図2(a)のVベルト1は、上記の図1(a)のVベルト1に塗布形成された研磨材塗布層6の代わりに研磨材含有帆布8をベルト全体に一体に被着したものでラップドVベルトと称されるベルトであり、図1(a)のVベルト1と同一の箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。この研磨材含有帆布8には、研磨材7が全体に亘って含有されているが、ベルト走行時にプーリの溝側面と接触するベルト側面に含有されていれば他の箇所には含有されていなくてもよい。
【0013】上述の如く構成されたVベルト1は、長期間に亘る使用により摩耗したプーリや、使用しないで保管中に錆が発生したプーリを使用可能なように修復するために、当該プーリに巻き掛けられて慣らし運転に供せられる。
【0014】この慣らし運転により、図1(a)では研磨材塗布層6と回転プーリの溝側面とが、図2(a)では研磨材含有帆布8と回転プーリの溝側面とが各々摩擦してプーリの溝側面を全周に亘って均一に研磨することができ、摩耗箇所を均してプーリ表面の面粗度や溝形状を均一に修復するとともに、錆を除去することができる。
【0015】また、Vベルト1を慣らし運転するだけなので、削り過ぎることがなく、バイトによる溝加工の如きプーリピッチラインの低下に起因する機械機能への悪影響を回避することができる。当然、新しいプーリと交換する場合における交換の手間や費用も掛からず、プーリの廃棄による環境悪化をも回避することができる。
【0016】図1(b)及び図2(b)はVリブドベルト11であり、図1(b)のVリブドベルト11は、心線12がベルト長手方向にスパイラルに埋設された接着ゴム層13を備え、この接着ゴム層3の下面には、ベルト長手方向に延びる4つのリブ15aからなるリブゴム層15が一体に接合されている。このリブゴム層15(リブ15a)のリブ側面はベルト走行時にプーリの溝側面と接触する面であり、このリブゴム層15(リブ15a)のリブ側面には、この発明の特徴としての研磨材塗布層16が塗布形成されていて、この研磨材塗布層16の研磨材17がベルト走行時にプーリの溝側面と接触するようになっている。
【0017】図2(b)のVリブドベルト11は、上記の図1(b)のVリブドベルト11に塗布形成された研磨材塗布層16の代わりに研磨材含有帆布(リブ布)18をリブゴム層15(リブ15a)のリブ側面に一体に被着したものであり、図1(b)のVリブドベルト11と同一の箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0018】上述の如く構成されたVリブドベルト11は、上記のVベルト1と同様に、長期間に亘る使用により摩耗したプーリや、使用しないで保管中に錆が発生したプーリを使用可能なように修復するために、当該プーリに巻き掛けられて慣らし運転に供せられる。
【0019】したがって、これらVリブドベルト11においても、上記のVベルト1と同様の作用効果を奏することができるものである。
【0020】図1(c)及び図2(c)はコード平ベルト111であり、図1(c)のコード平ベルト111は、心線112がベルト長手方向にスパイラルに埋設された接着ゴム層113からなる。この接着ゴム層113の片面(図で上面)はベルト走行時にプーリと接触する面であり、この接着ゴム層113の片面(図で上面)には、この発明の特徴としての研磨材塗布層116が塗布形成されていて、この研磨材塗布層116の研磨材117がベルト走行時にプーリと接触するようになっている。
【0021】図2(c)のコード平ベルト111は、上記の図1(c)のコード平ベルト111に塗布形成した研磨材塗布層116の代わりに研磨材含有帆布118を接着ゴム層113の片面に一体に被着したものであり、図1(c)のコード平ベルト111と同一の箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0022】上述の如く構成されたコード平ベルト111は、上記のVベルト1と同様に、長期間に亘る使用により摩耗したプーリや、使用しないで保管中に錆が発生したプーリを使用可能なように修復するために、当該プーリに巻き掛けられて慣らし運転に供せられる。
【0023】したがって、これらコード平ベルト111においても、上記のVベルト1と同様の作用効果を奏することができるものである。
【0024】なお、これらVベルト1、Vリブドベルト11及びコード平ベルト111の素材として、低級のベルトや損傷の比較的少ない回収ベルト等を利用すれば経済的である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、プーリ研磨用摩擦伝動ベルトの少なくともプーリと接触する面に研磨材塗布層又は研磨材含有帆布を設けたので、この摩擦伝動ベルトを摩耗したプーリや錆が発生したプーリに巻き掛けて慣らし運転することで、削り過ぎやプーリピッチラインの低下を招くことなくプーリを全周に亘って均一に研磨するとともに錆を除去することができる。さらには、新しいプーリと交換する場合における交換の手間や費用が掛からず、しかも、プーリの廃棄による環境悪化をも解消することができる。
【出願人】 【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号
【出願日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外7名)
【公開番号】 特開2003−1569(P2003−1569A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−192658(P2001−192658)