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【発明の名称】 研削機用研削刃と該研削刃の取付方法
【発明者】 【氏名】稲垣 喜照
【住所又は居所】大阪府大阪市此花区島屋4丁目3番25号 株式会社アトライズイナケン内

【要約】 【課題】研削機に使用する砥石の折損防止と均一磨耗及び着脱を容易とし、取付金具同士の干渉のない取付方法を提供する。

【解決手段】研削刃1を砥石2と砥石台3とで構成し、両者を接着固定して短冊状に仕上げる。砥石台の左右側面に溝7を設け、取付金具16の突出部18を嵌め込む。固定ボルト21による力が砥石に直接作用することなく、突出部を介して溝に伝わり、固定後に取付金具外面が研削刃外面より内側に位置する構造とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 側面に溝(7)を備えた砥石台(3)の一端に薄切りした砥石(2)を接着固定し、該砥石台を工具の胴(12)周囲に配列し、前記溝に取付金具(16)を嵌合して固定する構造の研削機用研削刃。
【請求項2】 取付金具(16)が溝(7)と嵌合する突出部(18)付き金具本体(17)と固定ボルト(21)からなり、該固定ボルトによる力を突出部を経て溝に伝えて砥石付き砥石台を固定し、固定が完了した後、取付金具の外面(19)と固定ボルトの頭部(22)の外面が、砥石台の外面(5)の内側に収まる構造とした請求項1に記載の研削機用研削刃。
【請求項3】 側面に位置決め溝(7)を備えた砥石台(3)の上下何れか一端に薄切りした砥石(2)を接着固定した研削刃(1)において、該砥石付き砥石台を工具胴周囲に装着する際に、前記溝に取付金具(16)の突出部(18)を嵌合し、固定ボルト(21)による力を砥石に直接伝えることなく突出部を経て溝に伝え固定する研削機用研削刃の取付方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削機用研削刃と該研削刃の取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】研削刃には砥石を使用し、多くの場合、研削時に砥石の回転に加え被研削物も回転する。該砥石の形状は被研削物の研削対象面及び位置で異なる。円筒面は円板状に成形した砥石の回転面で研削し、平面は短冊状に成形した砥石を複数個円形に配列して回転し、各砥石の端面で磨くようにして研削する。
【0003】研削機に装着する研削刃の形状は、円筒研削では円板状砥石をホルダーで固定し主軸に取付けて使用する。平面研削では主軸に付けた回転胴の円周に複数個の短冊状砥石を固定して使用する。短冊状の砥石の固定は隣接する砥石間に楔を挿入し、該楔の働きで円周方向に配列した砥石間の隙間を埋め固定する。
【0004】短冊状の砥石は円板面や平面の研削に威力を発揮するが、研削面に突起物が含まれると研削可能範囲が削減される。例えば、ボス付き円板のように円板からボスが立ち上がる隅部分の研削には、先端を斜めに加工して角度付きとした砥石を使用して研削する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高価で耐衝撃性に乏しい研削砥石は、全体が均一に磨耗する用法が望ましい。従って、砥石先端に角度が付くと、該部分が弱まり磨耗が進み寿命が縮む課題が生ずる。隅加工で砥石に角度が必要な理由は、砥石を回転胴に装着する取付金具と被加工物の取付金具同士が干渉し、研削範囲を制限するためである。
【0006】平面研削用工具に装着する使用する砥石数は多いもので50個程になる。従って、全ての砥石の研削面を揃え、楔形取付工具で固定する作業には、相当の時間と労力を要して、研削機の可動率に影響を与えることになり好ましくない。本発明は、以上の課題を解決した研削刃の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、側面に溝を備えた砥石台の一端に薄切りした砥石を接着固定し、該砥石台を工具の胴周囲に配列し、前記溝に取付金具を嵌合して固定する構造の研削機用研削刃であり、側面に位置決め溝を備えた砥石台の上下何れか一端に薄切りした砥石を接着固定した研削刃において、該砥石付き砥石台を工具胴周囲に装着する際に、前記溝に取付金具の突出部を嵌合し、固定ボルトによる力を砥石に直接伝えることなく突出部を経て溝に伝え固定する研削機用研削刃の取付方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、切削刃を砥石台に薄切り砥石を接着した短冊状とした。また、研削機の回転工具の胴周囲に研削刃を装着し易くするため、砥石台側面に所要幅で所要深さの溝を設けた。該溝は、隣接する砥石台との間に置く取付金具の突出部と組合せ、溝と突出部の端同士を合わせて位置を決める。
【0009】研削刃の装着は、工具の胴周囲に均等に割り振られた取付金具の固定用ボルト孔を利用する。取付金具は固定ボルトを差して締めた時、締付力を突出部から溝を経て砥石台に伝え直接砥石に伝えない構造とした。該構造は、締め付け後に取付金具と固定ボルトの頭部の各外面が砥石台の外面より内側に保つ。
【0010】上記構成で研削刃と被研削物の両取付金具の干渉を防止した。研削時の干渉がないので突起付き平面研削でも、角度付き砥石によることなく突起の根元部分を研削することを可能とした。砥石台はダイキャストの手段で造ると、精度が向上して装着する際の位置決めと取付けが容易になる。
【0011】砥石台に薄切りした砥石を接着固定した研削刃は、研削時に砥石に作用する主な力は垂直と水平だけになる。従って、砥石だけで短冊状とした物に比べて折損の心配がない。また、砥石側面を突起の根元部分の研削に使用しても、割れるようなことはない。その結果、砥石の均一磨耗が図れ有効活用ができる。
【0012】
【作用】本発明の研削刃と取付方法は、薄切りした砥石を金属製の砥石台に接着して使用するので砥石の折損を防止した。砥石台の溝の活用で砥石表面より取付金具の突出がなく、突起の根元等の隅研削に角度付き砥石の必要性をなくした。この結果、砥石の均一磨耗が可能になり、研削刃の工具への装着も容易になった。
【0013】
【実施例】図1(A,B,C)は、砥石と砥石台による研削刃の正面図と底面図及び図1(A)のa−a線に沿う断面図である。図2(A,B・C)は、工具の胴周囲に装着した切削刃と取付金具を示す一部の正面図と断面図及び一部拡大斜視図である。図3は、ボス等の突起物を研削する際の砥石の使用状態の側面図である。
【0014】図1(A,B,C)に示すように、薄切りした砥石2は砥石台3に接着して使用する。砥石台の外面5の形状は円弧を、内面4は平面を呈する。砥石は砥石台に比べ短かく研削中に砥石に作用する力は、垂直方向の加圧力と水平方向の摩擦力が主で、他方向の力は実質的に砥石台が受ける。
【0015】薄い砥石2は砥石のみで短冊状とした研削刃に比べて、衝撃に強く折損の恐れがなく均一磨耗に役立つ。砥石台は加工した金属板でもよいが、ダイキャスト成形では高精度軽量の製品が得られる。砥石を砥石台端部より大きくすると、砥石外面5で突起等の隅の切削が可能となり砥石に傾斜を付ける必要がなくなる。
【0016】図2(A,B,C)に示すように、平面研削は回転胴12に多数の研削刃1を配列した工具11で行う。研削刃の砥石台3の内面4を回転胴に当て、隣接する砥石台の側面に設けた溝7の上・下端8,9の何れかに、取付金具16の突出部18の一端を合わせて回転胴に対する砥石の位置を決める。
【0017】取付金具16の外面19を砥石台3の外面より内側に位置付け、締め込み後の固定ボルト21の頭部22がボルト孔20から出ない構造とした。該構造で、図3のボス付きデイスクブレーキを研削すると、砥石2と加工台14上の被研削物25の両取付金具16・26の干渉が解消し、研削範囲の縮小を防止できた。
【0018】平面研削には片面研削と両面研削がある。前者は研削刃1が被研削物の片面に配置されているだけであるが、後者は被研削物の両面に研削刃を配置して同時に表裏を研削する。図2(C)のように、下向きの砥石2では溝上端8を基準に、上向きでは溝下端9を基準にすると位置が決めやすくなる。
【0019】工具11の回転胴12の受台13に、砥石台3の対応する部分を合せ、二個の砥石台の各溝7に、取付金具本体17の左右突出部18を嵌め込み、砥石台の位置を決める。取付金具の突出部で砥石台を押さえ、固定ボルト21を締めると隣接する砥石台二個の仮固定ができる。
【0020】この研削刃1を上から押しつける取付方法は楔式に比べて、取り付けが容易になるので、全研削刃の装着に要する時間が短くて済む。また、使用中の砥石2には垂直力と回転による水平力が主に作用し、異常磨耗を起さずに磨耗が均等に進むので、高価な砥石の有効利用に寄与する。
【0021】
【従来例1】図4(A,B,C)は、工具の胴周囲に装着した切削刃と取付金具を示す一部の正面図と断面図及び一部拡大斜視図である。短冊状の砥石27を胴12Aの受台29に合せ、隣接砥石間に楔形取付金具30を挿入する。固定ボルト32を締めると楔31が胴中心(矢印中心)方向に動き、砥石を左右に押し隙間を詰めて固定する。
【0022】全ての短冊状の砥石27と取付金具30が関係し、砥石は全取付金具の固定ボルト32の締め込み後に位置が決まるので、調整と取付作業に時間を要する。また、装着後に取付金具表面は砥石表面から飛び出して、被研削物25の取付金具26(図3参照)との干渉が避けられない。
【0023】短冊状の砥石27は衝撃に弱く、砥石の取り扱いに繊細な注意が欠かせない。また、磨耗が進むと取付金具との関係で、或る長さ以下では楔形取付金具による固定が難しくなる。砥石の材料は高価なので有効利用度の低い使い方は研削コストを押し上げるので好ましくない。
【0024】
【従来例2】図5は、ボス付きデイスクブレーキ25のボス部研削用砥石の使用状態の側面図である。砥石台先端に角度付き砥石を接着した短冊状の研削刃27Aは、工具11Aの回転胴12Aの周囲に楔形取付工具で装着するが、砥石先端に角度が付くと厚みに不同が生じて砕け易くなり、砥石全体の寿命を損なう。
【0025】砥石外面から突出した楔形取付金具(図4参照)外面が、研削刃27Aの砥石の磨耗により、被研削物の取付金具26に接近すると、楔形取付金具の状態により、接触等の干渉が避けられないられなくなる。このために、研削刃27Aのように全体を傾斜して使用することになる。
【0026】
【発明の効果】本発明の研削機用研削刃と該研削刃の取付方法により下記の効果を得た。
■砥石台の使用により砥石が薄くなり磨耗の均一化に役立った。
■砥石台の使用により砥石の折損事故をなくした。
■砥石台の使用により砥石寿命が延び、高価な砥石の有効利用を可能とした。
■溝付き砥石台は取付金具外面を砥石外面よりも確実に内側に保持するので、被研削物取付金具との干渉がなく研削範囲の縮小を防止した。
■砥石を直接押さえることなく、取付金具の突出部で溝を押さえて、研削刃を固定するので、楔形取付金具に比べて研削刃の装着時間が短縮した。
■取付金具同士の干渉がなくなり、突起の隅部分の研削に角度付き砥石の必要がなくなった。
【出願人】 【識別番号】597040072
【氏名又は名称】株式会社アトライズイナケン
【住所又は居所】大阪府大阪市北区大淀中1丁目12番1号
【出願日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【代理人】 【識別番号】100062498
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 卓
【公開番号】 特開2003−1564(P2003−1564A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−193018(P2001−193018)