トップ :: B 処理操作 運輸 :: B24 研削;研磨




【発明の名称】 研削液供給装置
【発明者】 【氏名】山口 智史
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内

【要約】 【課題】構造が簡単でかつ砥石車交換、ノズルの位置調整が容易で、研削液の流れが妨げられない研削液供給装置を提供する。

【解決手段】砥石車2の表面に向けて直交する方向から研削液を供給する砥石表面用ノズル6と、研削加工が行われている研削点Gに向けて研削液を供給する研削点用ノズル7とを備え、前記両ノズル6、7は前記砥石表面車及び研削点Gに向けて徐々に屈曲し、前記両ノズル6、7の上部後方に研削液の供給ホース10が真っ直ぐに接続され、前記両ノズル6、7をスライド機構9によって前後方向にスライド可能に支持した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】砥石台の進退と共に移動し、研削液を供給する複数のノズルを備えた研削液供給装置であって、砥石車の表面に向けて直交する方向から研削液を供給する砥石表面用ノズルと、研削加工が行われている研削点に向けて研削液を供給する研削点用ノズルとを備え、前記両ノズルは前記砥石車表面及び研削点に向けて徐々に屈曲し、前記両ノズルの上部後方に研削液の供給ホースが真っ直ぐに接続され、前記両ノズルをスライド機構によって前後方向にスライド可能に支持したことを特徴とする研削液供給装置。
【請求項2】請求項1に記載の研削液供給装置において、研削点用ノズルに両ノズルの先端及び砥石側面の部位を包囲するフィンを設けたことを特徴とする研削液供給装置。
【請求項3】請求項1または2に記載の研削液供給装置において、フィンは研削点用ノズルと一体的に設けられていることを特徴とする研削液供給装置。
【請求項4】請求項1、2及び3の何れか1つに記載の研削液供給装置において、両ノズルを前後方向にスライド可能に支持するスライド機構はボルトと長穴とからなることを特徴とする研削液供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砥石車によりワークを研削する研削加工時に研削液を供給する研削液供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クランクシャフト、カムシャフト等のワークの研削加工を行う研削盤において、研削液を供給する装置として、特開2000−108032号に示されているものがある。この技術では、2つの研削液供給用のノズルが砥石台の進退に伴って移動するようになっており、1つのノズルは、砥石車の表面に向けて直交する方向から研削液を供給する砥石表面用ノズルであり、もう1つのノズルは、研削加工が行われている研削点、すなわち、砥石車とワークの接点に向けて研削液を供給する研削点用ノズルである。このような、2つのノズルの研削液の流量を調整することによって効率的に研削箇所の冷却を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記ような従来の研削液供給装置では、効率的に研削箇所の冷却を行うことができる利点を有しているものの、複数のノズルを異なる供給箇所毎に使い分けするノズルの構造が複雑となり易い上に、ノズルは砥石車の近傍に接近して設けられるため、砥石車の交換時に邪魔になっている。従って、砥石車の交換時にノズルを邪魔にならない部位に退避できる構造にする必要があるが、これが、さらに研削液供給装置の構造を複雑にしている。ワークの種類や砥石の寸法が変化した時に研削液の供給位置を微調整するノズルの前後位置調整機構も同様である。研削液供給装置の構造が複雑になると、研削液を供給する配管中を流れる研削液の流れが妨げられ、研削液の流量、流速が不安定になったり、調整が困難になることがある。
【0004】近年、砥石車の回転速度は高速化し、この高速回転する砥石車に対して研削液を供給する場合、砥石車の高速回転で研削液が飛ばされず効果的な加工が行えるよう、研削液の流速、流量を調整することが重要であるが、上記のような問題がこれらの調整を困難なものにしている。
【0005】本発明の目的は、構造が簡単でかつ砥石車交換、ノズルの位置調整が容易で、研削液の流れが妨げられない研削液供給装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明の要旨は、請求項1に記載の通り、砥石台の進退と共に移動し、研削液を供給する複数のノズルを備えた研削液供給装置であって、砥石車の表面に向けて直交する方向から研削液を供給する砥石表面用ノズルと、研削加工が行われている研削点に向けて研削液を供給する研削点用ノズルとを備え、前記両ノズルは前記砥石車表面及び研削点に向けて徐々に屈曲し、前記両ノズルの上部後方に研削液の供給ホースが真っ直ぐに接続され、前記両ノズルをスライド機構によって前後方向にスライド可能に支持した特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の通り、前記研削点用ノズルに両ノズルの先端及び砥石車側面の部位を包囲するフィンを設けたものである。
【0008】請求項3に記載の通り、請求項1または2に記載の研削液供給装置において、フィンは研削点用ノズルと一体的に設けものである。
【0009】請求項4に記載の通り、請求項1、2及び3の何れか1つに記載の研削液供給装置において、両ノズルを前後方向にスライド可能に支持するスライド機構はボルトと長穴とからなることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2において、1は砥石台であり、砥石モータ3によって回転する砥石車2を備えている。前記砥石台1には砥石車2を覆う砥石カバー4が設けられており、この砥石カバー4には砥石車2の後方を覆う後方カバー5が取り付けられている。前記砥石カバー4の上部に後述する本発明の研削液供給装置が設置されている。
【0011】本発明による研削液供給装置は下記の通りである。砥石車2の表面に向けて直交する方向から研削液を供給する砥石表面用ノズル6と、砥石車2によりワークWの研削加工が行われている研削点Gに向けて研削液を供給する研削点用ノズル7の2つのノズルを備えている。前記砥石表面用ノズル6は砥石車2の表面に近接して配置されており、前記研削点用ノズル7は前記砥石表面用ノズル6の上側に重なるようにして配置されている。
【0012】前記研削点用ノズル7には、図3及び図4にも示すように、研削点用ノズル7自体の先端と前記砥石表面用ノズル6の先端及び砥石車2の側面の部位を包囲するよう砥石車2の幅よりわずかに広い間隔Fのフィン18が設けられている。このフィン18は砥石表面用ノズル6とは別部品を取り付けてもよいし、研削点用ノズル6と一体的に設けてもよいが、図1で示すように、研削加工時に砥石車2の側面の一部に位置し、研削液の飛散を防止するようオーバラップ量Lを有するようにしている。また、前記砥石表面用ノズル6の先端には砥石表面用ノズル6から跳ね返る研削液の飛散を防止するための反射板17が設けられている。
【0013】前記砥石表面用ノズル6を除き、前記砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7は何れも砥石車2の表面及び研削点Gに向けて徐々に屈曲し鋭角に曲がるところがないようにした形状としており、材料としては金属製またはプラスチック製等で特に材料は問わない。この砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7の上部後方には研削液の供給ホース12が真っ直ぐに接続され、この両ノズル6、7はスライド機構9によって前後方向にスライド可能に支持されている。
【0014】前記スライド機構9は図5〜図7でも示すように、前記砥石カバー4の上面に長穴10を介してボルト11により固定するようになっており、前方には前記砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7の上部をねじ穴9cによって固定するブロック9aを有しており、このブロック9aに前記砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7の上部後方に真っ直ぐに接続される研削液の供給ホース12の貫通穴9bが設けられている。前記研削液の供給ホース12は研削液供給部13と流量調整装置14を介して接続されている。
【0015】前記スライド機構9はノズルカバー15で覆われている。このノズルカバー15はスライド機構9に設けられているねじ穴16aにボルト16によって締め付けして固定されるようになっている。
【0016】本発明の実施の形態は上記の通りの構成であるから、砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7の何れにおいても砥石車2の表面及び研削点Gに向けて徐々に屈曲し鋭角に曲がるところがないようにした形状であり、鋭角に曲がるところがなく、この砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7には研削液の供給ホース12が真っ直ぐに接続されており、砥石台1の全体を取り巻くように配管され、全体として曲げ部(回転関節部)が存在することがない。この曲げ部、関節部が存在すると研削液の流れが妨げられ、流量が不安定になり易いが、上記本発明の形態では研削液の流れが安定し、流量調整が容易になる。
【0017】また、砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7の前後方向のスライド機構9は、砥石車2の交換時にボルト11を緩めることで、長穴10を用いてスライド機構9全体を前方(図1の右方向)に移動(仮想線で示す位置)する。この時のスライド距離は、少なくとも研削点用ノズル7のフィン18と砥石車2がオーバラップ量Lよりも大きくなることが必要である。これにより、砥石台1の側面の作業スペースが広くなり砥石車交換が容易となる。
【0018】そこで、砥石車交換の手順について説明する。先ず、砥石台1を砥石車交換作業可能な位置まで移動して、砥石カバー4を外し、ノズルカバー15を外す。スライド機構9のボルト11を緩めて長穴10を用いてスライド機構9全体を前方(図1の右方向)に移動させる。この時、前記したように、本発明では砥石台1の周囲の部分はノズル、ホースを含めて曲げ部はないので、砥石台1より後方に供給ホース12の余裕部分の撓みの部分があり、この撓みの部分で前方に移動できるのである。前記スライド機構9全体を前方(図1の右方向)に移動させて作業スペースを確保し、砥石車2を取り外し、取り付けの交換を行う。後はこれの逆の手順で元戻す。尚、ワークWの変更により研削点Gが変化する場合等、砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7の目標位置を変化させる必要がある場合も前記と同様にスライド機構9をスライドさせて砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7の先端位置を微調整する。
【0019】上記本発明の実施の形態では、砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7はポンプと研削液槽を含んだ研削液供給部13に流量調整装置14を介して接続しているが、流量調整装置14は砥石表面用ノズル6及び研削点用ノズル7から供給される研削液の流量を別個に調整するものである。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によると、研削液の供給ホース、砥石表面用ノズル及び研削点用ノズルを含めて屈曲部、曲げ部がないため、研削液を供給する配管中を流れる研削液の流れが妨げられることがない。また、砥石車交換、ノズル位置の調整は簡単な構造で操作を容易にしたスライド機構で行われるため、ノズルに関節部等を一切なくすことができ、研削液のが流れを安定にし、流量、流速の調整を容易にすることができる。請求項2の構成では両ノズルの先端をカバーするフィンの存在により研削液の飛散が簡単に防止でき、請求項3の構成ではノズルとフィンの一体構造により構成が簡単になり、請求項4の構成ではスライド機構の構成が簡単になり何れも低コスト化が図れれる。
【出願人】 【識別番号】000003470
【氏名又は名称】豊田工機株式会社
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地
【出願日】 平成13年10月3日(2001.10.3)
【代理人】 【識別番号】100090435
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 義雄
【公開番号】 特開2003−117824(P2003−117824A)
【公開日】 平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願番号】 特願2001−307211(P2001−307211)