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【発明の名称】 ツルーイングロール
【発明者】 【氏名】海野 邦彦
【住所又は居所】愛知県岡崎市舞木町字城山1番地54 豊田バンモップス株式会社内

【氏名】平岩 昇
【住所又は居所】愛知県岡崎市舞木町字城山1番地54 豊田バンモップス株式会社内

【氏名】向井 良平
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内

【要約】 【課題】製造が簡単で安価なツルーイング性能の安定したツルーイングロールを提供する。

【解決手段】ロールベースの外縁部に複数の保持穴をツルーイング面から所定深さに所定間隔で穿設し、該保持穴に1個又は複数個の柱状ダイヤモンドを挿入して結合材を充填し、該柱状ダイヤモンドを端面が前記ツルーイング面に露出するように各保持穴内に埋設して固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロールベースの外縁部に複数の保持穴をツルーイング面から所定深さに所定間隔で穿設し、該保持穴に1個又は複数個の柱状ダイヤモンドを挿入して結合材を充填し、該柱状ダイヤモンドを端面が前記ツルーイング面に露出するように各保持穴内に埋設して固定したことを特徴とするツルーイングロール。
【請求項2】 請求項1に記載のツルーイングロールにおいて、前記柱状ダイヤモンドを単結晶の柱状ダイヤモンドとしたことを特徴とするツルーイングロール。
【請求項3】 請求項1又は2に記載のツルーイングロールにおいて、前記各保持穴に挿入する柱状ダイヤモンドの個数を1〜4個、好ましくは2〜4個とし、前記保持穴の間隔を前記柱状ダイヤモンドの断面寸法の1〜10倍、好ましくは5〜10倍としたことを特徴とするツルーイングロール。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のツルーイングロールにおいて、複数のガス抜き穴を各保持穴の底部に夫々連通してロールベースの外縁部に穿設したことを特徴とするツルーイングロール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削盤に装架された砥石車をツルーイングするツルーイングロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、研削盤に装架されて回転駆動される砥石車を整形、目立てするツルーイングロールは、特公平6−69666号公報等に記載されているように、円盤状のロールベースの外縁部に回転軸に平行な外周面と回転軸に直角なフランジ面とを形成し、フランジ面上に多数の柱状ダイヤモンドをその断面の耐摩擦方向がツルーイングロールの回転方向と一致するように位置決めして所定の間隔で放射状に配置し接着剤で仮止めし、次にニッケル電解メッキによってフランジ面にニッケルメッキ層を形成して柱状ダイヤモンドをメッキ層に埋設し、このメッキ層を所定形状に研削加工した後に、樹脂等で覆っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のツルーイングロールでは、柱状ダイヤモンドの配置は一箇所に1個であるので、柱状ダイヤモンドの各々に高い耐磨耗性が要求され、多数の柱状ダイヤモンドを断面の耐磨耗性の高い方向をツルーイングロールの回転方向と一致させるように位置決め配置する必要があった。さらに位置決めした柱状ダイヤモンドの仮止め、ニッケル電解メッキ、メッキ層の研削加工及び樹脂被覆を行って製作しているので、製作工程が多く煩雑でコスト高になる不具合があった。
【0004】本発明は、係る従来の不具合を解消するためになされたもので、製造が簡単で安価なツルーイング性能の安定したツルーイングロールを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ロールベースの外縁部に複数の保持穴をツルーイング面から所定深さに所定間隔で穿設し、該保持穴に1個又は複数個の柱状ダイヤモンドを挿入して結合材を充填し、該柱状ダイヤモンドを端面が前記ツルーイング面に露出するように各保持穴内に埋設して固定したことである。
【0006】請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載のツルーイングロールにおいて、前記柱状ダイヤモンドを単結晶の柱状ダイヤモンドとしたことである。
【0007】請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2に記載のツルーイングロールにおいて、前記各保持穴に挿入する柱状ダイヤモンドの個数を1〜4個、好ましくは2〜4個とし、前記保持穴の間隔を前記柱状ダイヤモンドの断面寸法の1〜10倍、好ましくは5〜10倍としたことである。
【0008】請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれかに記載のツルーイングロールにおいて、複数のガス抜き穴を各保持穴の底部に夫々連通してロールベースの外縁部に穿設したことである。
【0009】
【発明の作用・効果】上記のように構成した請求項1に係る発明においては、ロールベースの外縁部に複数の保持穴をツルーイング面から所定深さに所定間隔で穿設し、該保持穴に1個又は複数個の柱状ダイヤモンドを挿入して結合材を充填し、該柱状ダイヤモンドを端面が前記ツルーイング面に露出するように各保持穴内に埋設して固定したので、柱状ダイヤモンドを保持穴に挿入して小量の結合材で埋設して固定するだけで、複数の柱状ダイヤモンドを所定間隔に配置することができ、且つ柱状ダイヤモンドをニッケル電気メッキ又はバックアップリング等で支持して固定する必要がないので、部品点数が少なくなり、製作工数、時間を減少してコストを低減することができる。また、各保持穴に複数の柱状ダイヤモンドをセットにして挿入した場合は、1個に比べて耐磨耗性が高くなり、柱状ダイヤモンドがセットで挿入固定された保持穴の間隔を広くすることができ、ツルーイング時に破砕された砥石車の砥粒の流動性がよくなってツルーイングロールのツルーイング性能を向上することができるとともに、保持穴数の減少により加工工数を低減することができる。
【0010】上記のように構成した請求項2に係る発明においては、保持穴に挿入して固定される柱状ダイヤモンドを単結晶の柱状ダイヤモンドとしたので、単結晶の柱状ダイヤモンドは長手方向に異なる断面における耐磨耗性などの性状が良好で均質であり、柱状ダイヤモンドが磨耗してもツルーイングロールのツルーイング性能が変わらず、砥石車の研削面を常に高精度にツルーイングすることができる。
【0011】上記のように構成した請求項3に係る発明においては、各保持穴に挿入して固定される柱状ダイヤモンドの個数を1〜4個とすることにより、ツルーイングロールのツルーイング性能を満足し、且つ柱状ダイヤモンドの総数を必要最小限に抑えてコストを低減することができる。保持穴の間隔が広すぎると、ツルーイング性能が低下するが、保持穴の間隔を前記柱状ダイヤモンドの断面寸法の1〜20倍とすることにより良好なツルーイング性能を得ることができる。
【0012】また、好ましくは2〜4個の柱状ダイヤモンドをセットにして保持穴に固定することにより、柱状ダイヤモンドの磨耗を低減して保持穴の間隔を広くし、ツルーイング時に破砕された砥石車の砥粒の流動性をよくしてツルーイング性能を向上することができるとともに、製造コストを低減することができる。好ましくは2〜4個の柱状ダイヤモンドを保持穴に挿入して固定し、保持穴の間隔を柱状ダイヤモンドの断面寸法の好ましくは5〜10倍とすることにより、柱状ダイヤモンドの個数と保持穴の間隔とのバランスとって、ツルーイングロールのツルーイング精度を向上するとともに、製造コストを低減することができる。
【0013】上記のように構成した請求項4に係る発明においては、複数のガス抜き穴を保持穴の底部に夫々連通してロールベースの外縁部に穿設しているので、保持穴に複数の柱状ダイヤモンドを挿入して結合材を充填して固定するときに発生するガスをガス抜き穴から排出することができ、ツルーイングロールを内部応力を残すことなく高精度に作成することができる。
【0014】
【実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、11はツルーイングロール10の円盤状のロールベースで、鉄又はアルミニューム等の金属で成形され、ツルーイング装置20の回転軸21に嵌着される取付け穴12が軸線上に穿設されている。ロールベース11の薄肉の外縁部13には、複数の保持穴14がツルーイング面15である外周面から中心に向かって所定深さに所定間隔で放射状に穿設されている。各保持穴14には、複数、例えば3個の単結晶の柱状ダイヤモンド16が挿入され、保持穴14と柱状ダイヤモンド16との間に結合材18として例えば低融点金属のロー材を充填して3個の柱状ダイヤモンド16が各端面をロールベース11のツルーイング面15に露出させて保持穴14内に埋設して固定されている。各保持穴14に挿入して固定される柱状ダイヤモンド16の個数は3個に限定されるものでなく、1〜4個のいずれかの個数にすることができる。この場合、各保持穴14の柱状ダイヤモンド16の個数を同数としてもよく、保持穴毎に個数を変えてもよい。各保持穴14に固定される柱状ダイヤモンド16の個数を1〜4個とすることにより、ツルーイングロール10のツルーイング性能を満足し、且つ柱状ダイヤモンド16の総数を必要最小限に抑えてコストを低減することができる。また、2〜4個の柱状ダイヤモンド16をセットにして保持穴14に挿入して固定すると、柱状ダイヤモンド16の磨耗が少なくなり、保持穴14の間隔を広くすることができる。これによりツルーイング時に破砕された砥石車の砥粒の流動性がよくなりツルーイング性能が向上する。ツルーイングロール10の仕様によっては、結合材18として樹脂を使用することも可能である。
【0015】単結晶の柱状ダイヤモンド16は、単結晶の合成ダイヤモンドから劈開した板状体をレーザビームで切断して形成され、端面が(1,1,0)の結晶面、両側面が(1,1,1)、(2,1,1)の結晶面になっており、寸法が、例えば縦0.4mm、横0.4mm、長さ3mmのものを用いる。なお、柱状ダイヤモンドは、多結晶のものでもよく、またその形状は円柱状でもよい。
【0016】保持穴14の寸法は、例えば直径1.03mm、深さ3mmとし、保持穴14の円周方向の間隔は、柱状ダイヤモンド16の横断面の大きさを示す寸法である一辺の長さ0.4mmの1〜10倍、好ましくは5〜10倍、例えば2.5mmの等間隔としている。保持穴14の間隔が広すぎると、ツルーイングロール10のツルーイング性能が低下するが、保持穴14の間隔を柱状ダイヤモンド16の断面寸法の1〜20倍とすることにより良好なツルーイング性能を得ることができる。また、2〜4個の柱状ダイヤモンド16を保持穴14に挿入して固定し、保持穴14の間隔を柱状ダイヤモンド16の断面寸法の5〜10倍とすると、柱状ダイヤモンド16の個数と保持穴14の間隔とのバランスが良好になってツルーイングロール10のツルーイング精度が一層向上し、保持穴14及び柱状ダイヤモンド16の個数が適切になり製造コストが低減する。なお、保持穴14に挿入固定される柱状ダイヤモンド16の個数が少なくなると多いときより摩耗が多くなるので、保持穴14の柱状ダイヤモンド16の個数が少ないほど保持穴14の間隔を小さくするとよい。
【0017】ロールベース11の外縁部13には、複数のガス抜き穴17が各保持穴14の底部に夫々連通するように軸線方向に貫通して穿設されている。これにより、保持穴14内に3個の柱状ダイヤモンド16を挿入して結合材18を充填して固定するときに発生するガスがガス抜き穴17から排出されるので、ツルーイングロール10が内部応力を残すことなく高精度に作成される。なお、ガス抜き穴17はロールベース11の片側面から各保持穴14の底部に夫々連通するまで軸線方向に穿設してもよい。
【0018】結合材18であるロー材を溶融して柱状ダイヤモンド16を各保持穴14に固定する場合、保持穴14の外縁部13への開口端及びガス抜き穴17の一方端を塞ぐように形成された型にロールベース11を水平状態にして挿入し、炉内でロー材の溶融温度に過熱する。
【0019】次に、本発明に係るツルーイングロール10の作動について説明する。ツルーイングロール10を研削盤に装備したツルーイング装置20の回転軸21に装着して高速回転駆動した状態で、研削盤に支承されて回転駆動される砥石車22の研削面23に対して相対的に前進させ、クーラントを供給してツルーイングロール10のツルーイング面15を砥石車の研削面に切込み、ツルーイングロール10を砥石車22の回転軸線方向に研削面23に沿って相対的に移動させて研削面23をツルーイングロール10によりツルーイングする。即ち、ツルーイング面15には、保持穴14に挿入され結合材18に埋設して固定された3個の柱状ダイヤモンド16がセットになって所定間隔で露出しているので、研削面23の砥粒が3個の柱状ダイヤモンド16により破砕されて砥石車22が整形されるとともに、ドレッシングされる。この場合、3個の柱状ダイヤモンド16がセットになって配置されているので、柱状ダイヤモンド16の磨耗を低減することができて、3個の柱状ダイヤモンド16が挿入固定された保持穴14の間隔を2.5mmと広くすることができ、ツルーイング時に破砕された砥石車22の砥粒の大部分が隣の保持穴14に到達する前にツルーイング面15から側方に排出されるとともに、次の3個の柱状ダイヤモンド16が砥粒を破砕するまでの間にツルーイングロール10がクーラントにより十分冷却され、ツルーイング性能が向上する。
【0020】上記実施形態では、円盤状のロールベースの外周面であるツルーイング面から保持穴を所定間隔で放射状に穿設し、該保持穴に複数の柱状ダイヤモンドを挿入固定しているが、カップ型のロールベースをカップ型とし、その端面であるツルーイング面から保持穴を所定間隔で軸線方向に穿設し、該保持穴に複数の柱状ダイヤモンドを挿入固定してもよい。
【出願人】 【識別番号】591043721
【氏名又は名称】豊田バンモップス株式会社
【住所又は居所】愛知県岡崎市舞木町字城山1番地54
【識別番号】000003470
【氏名又は名称】豊田工機株式会社
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地
【出願日】 平成13年10月15日(2001.10.15)
【代理人】 【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
【公開番号】 特開2003−117821(P2003−117821A)
【公開日】 平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願番号】 特願2001−317112(P2001−317112)