トップ :: B 処理操作 運輸 :: B24 研削;研磨




【発明の名称】 研磨定盤の洗浄方法及びその洗浄装置
【発明者】 【氏名】守屋 紀彦
【住所又は居所】長野県長野市松代町清野1650番地 不二越機械工業株式会社内

【要約】 【課題】両面研磨装置に設けられた上定盤と下定盤との各研磨面の全面を、噴射ノズルから各研磨面に噴射した噴射水や噴霧水等を研磨装置が載置されている空間内に噴出することなく洗浄できる研磨定盤の洗浄方法を提供する。

【解決手段】両面研磨装置に設けられた上定盤20と下定盤30とを回転しつつ、研磨面の各々に沿って移動する噴射ノズル35から水を噴射して各研磨面を洗浄する際に、該噴射ノズル35を囲むように設けられたブラシ状部材34を具備する洗浄装置を用い、上定盤20の研磨面とブラシ状部材34とによって囲まれ、研磨面に向けて噴射水を噴射する噴射ノズル35を、上定盤20の研磨面の外周端に近接するまで移動し、ブラシ状部材34と上定盤20の外周端との間に隙間が形成されたとき、前記隙間を経由して噴射ノズル35からの噴射水等が噴出しないように、前記隙間をブラシ材18によって閉塞することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両面研磨装置に設けられた上定盤と下定盤とを回転しつつ、互いに対向する前記上定盤と下定盤との研磨面の各々に沿って移動する噴射ノズルから水を噴射して各研磨面を洗浄する際に、該噴射ノズルを囲むように設けられ、前記噴射ノズルから洗浄対象の研磨面に噴射された噴射水等の飛散防止手段と、前記洗浄対象の研磨面に沿って噴射ノズルを移動する移動手段とを具備する洗浄装置を用い、前記上定盤の研磨面と飛散防止手段とによって囲まれ、前記上定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルを、前記上定盤の研磨面の外周端近傍を洗浄すべく、前記移動手段により上定盤の外周端近接に移動し、前記飛散防止手段と上定盤の外周端との間に隙間が形成されたとき、前記隙間を経由して噴射ノズルからの噴射水等が噴出しないように、前記隙間を隙間閉塞手段によって閉塞することを特徴とする研磨定盤の洗浄方法。
【請求項2】 噴射ノズルとして、上定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルと、下定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルとを備える請求項1記載の研磨定盤の洗浄方法。
【請求項3】 噴射ノズルとして、回動可能に設けられた噴射ノズルを用い、洗浄対象の研磨面に水を噴射できるように前記噴射ノズルを回動する回動手段を備える請求項1記載の研磨定盤の洗浄方法。
【請求項4】 飛散防止手段として、噴射ノズルを囲むように植設したブラシ状部材を用いる請求項1〜3のいずれか一項記載の研磨定盤の洗浄方法。
【請求項5】 隙間閉塞手段として、飛散防止手段と上定盤の外周端との間に形成された隙間を閉塞する閉塞用ブラシ状部材と、前記閉塞用ブラシ状部材を前記間隙を閉塞する閉塞位置に移動する移動手段とを具備する隙間閉塞手段を用いる請求項1〜4のいずれか一項記載の研磨定盤の洗浄方法。
【請求項6】 上定盤の研磨面を洗浄した後、下定盤の研磨面を洗浄する請求項1〜5のいずれか一項記載の研磨定盤の洗浄方法。
【請求項7】 両面研磨装置に設けられた上定盤と下定盤とを回転し、互いに対向する前記上定盤と下定盤との研磨面の各々に沿って移動する噴射ノズルから水を噴射して各研磨面を洗浄する研磨定盤の洗浄装置において、該噴射ノズルを取り囲むように設けられ、前記噴射ノズルから洗浄対象の研磨面に噴射された噴射水等の飛散防止手段と、前記洗浄対象の研磨面に沿って噴射ノズルを移動する移動手段とを具備し、前記上定盤の研磨面と飛散防止手段とによって囲まれ、前記上定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルを、前記移動手段により上定盤の外周端近接に移動し、前記飛散防止手段と上定盤の外周端との間に隙間が形成されたとき、前記間隙を経由して噴射ノズルからの噴射水等が噴出しないように、前記隙間を閉塞する隙間閉塞手段が設けられていることを特徴とする研磨定盤の洗浄装置。
【請求項8】 上定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルと、下定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルとが設けられている請求項7記載の研磨定盤の洗浄装置。
【請求項9】 噴射ノズルに水を供給する水供給手段が設けられ、上定盤の研磨面を洗浄した後、下定盤の研磨面を洗浄するように、前記水供給手段を制御する制御手段が設けられている請求項8項記載の研磨定盤の洗浄装置。
【請求項10】 噴射ノズルが、回動可能に設けられた噴射ノズルであって、洗浄対象の研磨面に向けて水を噴射できるように前記噴射ノズルを回動する回動手段が設けられている請求項7記載の研磨定盤の洗浄装置。
【請求項11】 噴射ノズルに水を供給する水供給手段が設けられ、上定盤の研磨面を洗浄した後、下定盤の研磨面を洗浄するように、前記水供給手段及び前記噴射ノズルを回動する回動手段を制御する制御手段が設けられている請求項10項記載の研磨定盤の洗浄装置。
【請求項12】 飛散防止手段が、噴射ノズルを取り囲むように植設されたブラシ状部材である請求項7〜11のいずれか一項記載の研磨定盤の洗浄装置。
【請求項13】 隙間閉塞手段には、飛散防止手段と上定盤の外周端との間に形成された隙間を閉塞する閉塞用ブラシ状部材と、前記閉塞用ブラシ状部材を前記間隙を閉塞する閉塞位置に移動する移動手段とが設けられている請求項7〜12のいずれか一項記載の研磨定盤の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は研磨定盤の洗浄方法及びその洗浄装置に関し、更に詳細には、両面研磨装置に設けられた上定盤と下定盤とを回転しつつ、互いに対向する前記上定盤と下定盤との研磨面の各々に沿って移動する噴射ノズルから水を噴射して各研磨面を洗浄する研磨定盤の洗浄方法及びその洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンウェーハに代表される薄板状の被加工物の両面を研磨する両面研磨装置としては、例えばラッピング装置が汎用されている。かかるラッピング装置を図9に示す。図9に示すラッピング装置では、上定盤20の下面にシリコンウェーハ等の薄板状の被加工物であるワーク10をラッピングする研磨面が形成され、上面にキー21が装着されている。この上定盤20の上方には、空圧等のシリンダ装置22が位置しており、シリンダ装置22は門型フレーム14の上部に設置されている。上定盤20は、回転板23及び連結ロッド27を介し、シリンダ装置22のピストンロッド22aの先端に吊り下げられ、回転自在に支持されている。すなわち、回転板23に固定された連結部22bによって、ピストンロッド22aは回転しない状態で、ピストンロッド22aに対し、連結ロッド27を介して連繋された回転板23及び上定盤20が、回転可能且つ脱落しないように設けられている。このため、上定盤20は、その自重に基づく下定盤30への押圧力を、シリンダ装置22による吊り上げ力の調整で加減圧可能に設けられている。尚、下定盤30への押圧力の調整は、シリンダ装置等の加圧手段によって上定盤20に加えられる押圧力を調整して行う場合もある。
【0003】また、上定盤20は、キー21が駆動モータ70の動力で回転される回し金54のキー溝に挿入・係合しており、駆動モータ70によって回転駆動される。回し金54の下部には回し金シャフト54aが垂設されており、その下端部に設けられたシャフトギヤ54bは、アイドルギヤ63を介してスピンドル60に設けられたスピンドルギヤ64に噛合している。この動力伝達機構により、駆動モータ70の動力が回し金54を介して上定盤20に伝達される。尚、上定盤20と回し金54とをキー21で連繋するのは、ワーク10の給排或いは保守管理の際に、シリンダ装置20を駆動して上定盤20を下定盤30との間隔が広く開くように吊り上げる必要のためである。
【0004】キャリア40に噛合してキャリア40を回転駆動するギアとしては、エクスターナルギヤ50とインターナルギア52とが形成されており、エクスターナルギヤ50には、回し金シャフト54aの周囲に同心に設けられた第1中空シャフト50aが連結しており、その第1中空シャフト50aに設けられたシャフトギヤ50bは、スピンドル60に設けられたスピンドルギヤ65に噛合している。更に、下定盤30には、第1中空シャフト50aの周囲に同心に設けられた第2中空シャフト30aが連結されており、その第2中空シャフト30aの中途部に設けられたシャフトギヤ30bがスピンドル60に設けられたスピンドルギヤ61に噛合している。
【0005】また、インターナルギヤ52には、第2中空シャフト30aの周囲に同心状に設けられた第3中空シャフト52aが連結されており、その第3中空シャフト52aに設けられたシャフトギヤ52bがスピンドル60に設けられたスピンドルギヤ62に噛合している。このスピンドル60は、可変減速機69に連結されており、その可変減速機69はベルトを介して電動モータ、油圧モータ等の駆動モータ70に連結されている。この様に、上定盤20、下定盤30、エクスターナルギヤ50、インターナルギヤ52は、同一の駆動モータ70よって、可変減速機69、ギヤ列、各シャフトを介してそれぞれ動力が伝達されて、回転駆動されている。
【0006】ところで、図9に示す下定盤30の上向きの研磨面には、図10に示す様に、横溝12と縦溝16とが格子状に形成されている。かかる格子状の横溝12及び縦溝16は、上定盤20の下向きの研磨面にも形成されている。この各研磨面に形成された格子状の横溝12及び縦溝16は、ワーク10の研磨屑や研磨液等を排出するためのものである。かかる横溝12及び縦溝16には、ワーク10の研磨が終了した後に残留した研磨屑や研磨剤等が次第に堆積し、遂にはワーク10の研磨面を損傷する等の弊害が発生するため、所定枚数のワーク10の研磨が終了した後、シリンダ装置22を駆動して上定盤20と下定盤30との間を広げ、上定盤20及び下定盤30の各研磨面を洗浄する。しかし、上定盤20及び下定盤30の各研磨面に形成された横溝12及び縦溝16に堆積した堆積物は固化しかけた状態であるため、その除去は人手によって金属板を溝中に挿入して堆積物を掻き出す掻出作業がなされていた。かかる掻出作業は、時間が掛かると共に、研磨面を損傷するおそれがあった。
【0007】この様な掻出作業を自動化すべく、特開平7−9342号公報には、図11に示す洗浄装置が提案されている。この洗浄装置には、先端部にブラシ状部材102,102によって囲まれた二個の噴射ノズル100a,100bが、シャフト106に上下に設けられており、高圧ポンプ104から供給される高圧水が噴射ノズル100a、100bから上下方向に噴射される。かかる噴射ノズル100a,100bが設けられたシャフト106は、上下方向に昇降可能に設けられている共に、水平方向にも移動可能に設けられている。このため、図10に示す洗浄装置によれば、図12に示す様に、回転している上定盤20と下定盤30との互いに対向する両研磨面間に、ブラシ状部材102,102の先端が同時に接触するように挿入した噴射ノズル100a,100bから各研磨面に向けて50〜100気圧程度の高圧水を同時に噴射しつつ、噴射ノズル100a,100bを研磨面のラジアル方向に移動することによって、各研磨面に形成された格子状の横溝12及び縦溝16に堆積した堆積物を除去することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図9及び図10に示す洗浄装置によれば、従来の人手による上定盤20及び下定盤30の各研磨面の洗浄を自動化できる。更に、噴射ノズル100a,100bの各々から各研磨面に噴射水を噴射する際には、噴射ノズル100a,100bの各々は、ブラシ状部材102,102の各々と各研磨面とに囲まれた領域内に位置し、噴射ノズル100a,100bの各々から各研磨面に噴射された噴射水等は、この領域外に噴出することを防止できる。しかし、上定盤20及び下定盤30の各研磨面の全面を洗浄するには、上定盤20及び下定盤30の各研磨面の外周端近傍も洗浄する必要がある。このため、噴射ノズル100a,100bを上定盤20及び下定盤30の各研磨面の外周端近傍まで移動すると、図13に示す如く、上定盤20及び下定盤30の各外周端とブラシ状部材100a,100bとの間に隙間が形成される。このため、この隙間を経由して噴射ノズル100a,100bから噴射された噴射水や噴霧水等が噴出する。
【0009】下定盤30の外周端との隙間から噴出する噴射ノズル100bから噴射された噴射水や噴霧水等は、下定盤30から排出される研磨液を受けて装置外に導く研磨液の排出受けに噴出される。この排出受けは、下定盤30の外周面に沿って設けられており、下定盤30の外周端に沿って開口されている。この開口には、図9に示す様に、インターナルギヤ52等が設けられており、開口幅を狭くしている。このため、研磨液の排出受けに噴出した噴射水や噴霧水等は、研磨液の排出受けの開口から再噴出することはない。これに対し、上定盤20の外周端との隙間から噴出する、噴射ノズル100aから噴射された噴射水や噴霧水等は、研磨装置が載置されている空間に直接噴射される。この様に、研磨装置が載置されている空間に直接噴射された噴射水や噴霧水等は、上定盤20の研磨面を洗浄した洗浄水であるため、研磨製品等に付着して汚染したりする。特に、シリコンウェーハに研磨を施す研磨装置は、クリーンルーム内に載置されていることが多く、上定盤20の外周端との隙間から噴出する、噴射ノズル100aから噴射された噴射水や噴霧水等は、クリーンルーム内の清浄度を低下させる原因ともなる。
【0010】一方、上定盤20の研磨面に噴射ノズル100aから噴射された噴射水や噴霧水等が、上定盤20の外周端との隙間から噴出されないように、噴射ノズル100a,100bの移動範囲を制限すると、上定盤20及び下定盤30の研磨面の外周端近傍が洗浄されず、人手で各研磨面を洗浄しなければならない。このため、上定盤20及び下定盤30の各研磨面の洗浄を自動化することは困難となる。そこで、本発明の課題は、両面研磨装置に設けられた上定盤と下定盤との各研磨面の全面を、噴射ノズルから各研磨面に噴射した噴射水や噴霧水等を研磨装置が載置されている空間内に噴出することなく洗浄できる研磨定盤の洗浄方法及びその洗浄装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を解決すべく検討した結果、噴射ノズルを囲むブラシ状部材と上定盤の研磨面とによって画され、上定盤の研磨面に向けて噴射水を噴射する噴射ノズルを、上定盤の外周端近接に移動し、ブラシ状部材と上定盤の外周端との間に隙間が形成されたとき、この隙間を別のブラシ材によって閉塞することによって、研磨装置が載置されている空間に、上定盤の外周端とブラシ状部材との隙間から噴射水や噴霧水等が噴出することを防止できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、両面研磨装置に設けられた上定盤と下定盤とを回転しつつ、互いに対向する前記上定盤と下定盤との研磨面の各々に沿って移動する噴射ノズルから水を噴射して各研磨面を洗浄する際に、該噴射ノズルを囲むように設けられ、前記噴射ノズルから洗浄対象の研磨面に噴射された噴射水等の飛散防止手段と、前記洗浄対象の研磨面に沿って噴射ノズルを移動する移動手段とを具備する洗浄装置を用い、前記上定盤の研磨面と飛散防止手段とによって囲まれ、前記上定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルを、前記上定盤の研磨面の外周端近傍を洗浄すべく、前記移動手段により上定盤の外周端近接に移動し、前記飛散防止手段と上定盤の外周端との間に隙間が形成されたとき、前記隙間を経由して噴射ノズルからの噴射水等が噴出しないように、前記隙間を隙間閉塞手段によって閉塞することを特徴とする研磨定盤の洗浄方法にある。
【0012】また、本発明は、両面研磨装置に設けられた上定盤と下定盤とを回転し、互いに対向する前記上定盤と下定盤との研磨面の各々に沿って移動する噴射ノズルから水を噴射して各研磨面を洗浄する研磨定盤の洗浄装置において、該噴射ノズルを取り囲むように設けられ、前記噴射ノズルから洗浄対象の研磨面に噴射された噴射水等の飛散防止手段と、前記洗浄対象の研磨面に沿って噴射ノズルを移動する移動手段とを具備し、前記上定盤の研磨面と飛散防止手段とによって囲まれ、前記上定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルを、前記移動手段により上定盤の外周端近接に移動し、前記飛散防止手段と上定盤の外周端との間に隙間が形成されたとき、前記間隙を経由して噴射ノズルからの噴射水等が噴出しないように、前記隙間を閉塞する隙間閉塞手段が設けられていることを特徴とする研磨定盤の洗浄装置にある。
【0013】かかる本発明において、噴射ノズルとして、上定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルと、下定盤の研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルとを備えることによって、上定盤の研磨面と下定盤の研磨面とを同時に洗浄できる。或いは、噴射ノズルとして、回動可能に設けられた噴射ノズルを用い、洗浄対象の研磨面に水を噴射できるように前記噴射ノズルを回動する回動手段を備えることにより、上定盤と下定盤との各研磨面のうち、任意の研磨面を洗浄できる。また、飛散防止手段として、噴射ノズルを囲むように植設したブラシ状部材を用いることにより、ブラシ状部材は、その先端部が上定盤又は下定盤の各研磨面に当接して研磨面を洗浄すると共に、噴射ノズルから噴射された水が飛び散る範囲を画し、ブラシ状部材からは水が流出可能であるため、ブラシ状部材で囲まれた領域内に水が滞留することを防止できる。更に、隙間閉塞手段として、飛散防止手段と上定盤の外周端との間に形成された隙間を閉塞する閉塞用ブラシ状部材と、前記閉塞用ブラシ状部材を前記間隙を閉塞する閉塞位置に移動する移動手段とを具備する隙間閉塞手段を用いることにより、飛散防止手段と上定盤の外周端面との間に形成された隙間を確実に閉塞できる。かかる研磨装置では、上定盤の研磨面を洗浄した後、下定盤の研磨面を洗浄することにより、上定盤と下定盤との各研磨面を同時に洗浄した場合の様に、下定盤の研磨面を洗浄した後、上定盤の研磨面を洗浄した洗浄液が落下する事態を避けることができる。
【0014】本発明の対象とする両面研磨装置では、その下定盤の研磨面を噴射ノズルから噴射水を噴射して洗浄する際に、噴射ノズルを囲むように設けられ、噴射ノズルから噴射された噴射水等の飛散防止手段と下定盤の外周端との間に形成された隙間から噴射水等が噴出しても、両面研磨装置の構造から研磨装置が載置されている空間内に噴射水等が噴出することがない。したがって、上定盤の研磨面を噴射ノズルから水を噴射して洗浄する際に、噴射ノズルから上定盤の研磨面に噴射した噴射水等を研磨装置が載置されている空間内に噴出させることなく上定盤の研磨面の全面を洗浄できれば、両面研磨装置の上定盤と下定盤との各研磨面の全面を、噴射ノズルから各研磨面に噴射した噴射水等を研磨装置が載置されている空間内に噴出することなく洗浄できる。この点、本発明では、上定盤の研磨面と飛散防止手段とによって囲まれ、研磨面に向けて水を噴射する噴射ノズルを、上定盤の外周端近接に移動し、飛散防止手段と上定盤の外周端との間に形成された隙間から噴射水等が噴出しないように、この隙間を隙間閉塞手段によって閉塞する。このため、噴射ノズルから上定盤の研磨面に噴射した噴射水や噴霧水等を研磨装置が載置されている空間内に噴出することなく、上定盤の研磨面の全面を洗浄できる結果、上定盤と下定盤との各研磨面の全面を、噴射ノズルから各研磨面に噴射した噴射水や噴霧水等を研磨装置が載置されている空間内に噴出することなく洗浄できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る洗浄装置の一例の概略を図1に示す。図1に示す洗浄装置には、図11に示す洗浄装置と同様に、噴射水等の飛散防止手段としてのブラシ状部材102,102によって囲まれた二個の噴射ノズル100a,100bが、上定盤20と下定盤30との各研磨面に沿って延出されているシャフト106の先端部に上下に設けられており、高圧ポンプ104から供給される高圧水が噴射ノズル100a、100bから上下方向に噴射される。この様に、噴射ノズル100a,100bの各々を囲むように植設されたブラシ状部材102,102は、その先端部が上定盤20又は下定盤30の各研磨面に当接して研磨面を洗浄すると共に、噴射ノズル100a,100bから噴射された噴射水が飛び散る範囲を画する。更に、ブラシ状部材100a,100bからは水が流出可能であるため、ブラシ状部材100a,100bで囲まれた領域内に水が滞留することを防止できる。かかる噴射ノズル100a,100bが先端部に設けられたシャフト106は、昇降手段としてのハンドル108により上下方向に昇降可能に設けられている共に、移動手段としてのモータ110により水平方向にも移動可能に設けられている。
【0016】この図1に示す洗浄装置を、両面研磨装置の上定盤20と下定盤30との各研磨面の洗浄に使用できる。図1に示す洗浄装置によれば、回転している上定盤20と下定盤30との互いに対向する両研磨面間に、ブラシ状部材102,102の先端が同時に接触するように挿入した噴射ノズル100a,100bから各研磨面に向けて50〜100気圧程度の高圧水を同時に噴射しつつ、噴射ノズル100a,100bを研磨面に沿って移動することによって、各研磨面に形成された格子状の横溝12及び縦溝16に堆積した堆積物を除去できる。かかる上定盤20と下定盤30との各研磨面の洗浄の際に、噴射ノズル100a,100bの各々は、ブラシ状部材102,102の各々と対応する研磨面とに囲まれた領域内に位置し、噴射ノズル100a,100bの各々から各研磨面に噴射された噴射水等は、この領域外に噴出することを防止できる。
【0017】図1に示す洗浄装置には、上定盤20の外周端面にブラシ材18の先端が接離可能となるように、上定盤20の外周端面に接離可能に設けられたシャフト11の先端部にブラシ材18が設けられている。このブラシ材18は、図2に示す様に、隙間閉塞部材として用いられている。すなわち、上定盤20と下定盤30との各研磨面の外周端近傍を洗浄すべく、噴射ノズル100a,100bを上定盤20と下定盤30の各外周端近接に移動したとき、ブラシ状部材102,102の各々と各研磨面の外周端との間に隙間が形成される。この際に、上定盤20の外周端面に先端が当接するようにブラシ材18が移動し、上定盤20の外周端とブラシ状部材102との間に形成された間隙を、ブラシ材18で閉塞することにより、間隙を経由して噴射ノズル100aから噴射された噴射水や噴霧水等を噴出することを防止できる。一方、下定盤30の外周端とブラシ状部材102との間に形成された間隙からは、噴射ノズル100bから噴射された噴射水や噴霧水等が噴出される。
【0018】しかし、図1に示す洗浄装置が対象とする両面研磨装置では、下定盤30の研磨面を噴射ノズル100bから水を噴射して洗浄する際に、図2に示す様に、ブラシ状部材102と下定盤30の外周端との間に形成された隙間から噴射水等が噴出しても、下定盤30から排出される研磨液を受けて装置外に導く研磨液の排出受けに噴出される。この排出受けは、下定盤30の外周面に沿って設けられており、下定盤30の外周端に沿って開口されている。この開口には、図10に示す様に、インターナルギヤ52等が設けられており、開口幅を狭くしている。このため、研磨液の排出受けに噴出した噴射水や噴霧水等は、研磨液の排出受けの開口から再噴出することはない。したがって、図1及び図2に示す洗浄装置によれば、両面研磨装置の上定盤20と下定盤30との各研磨面の全面を、噴射ノズル100a,100bから各研磨面に噴射した噴射水や噴霧水等を研磨装置が載置されている空間内に噴出することなく洗浄できる。
【0019】図1及び図2に示す洗浄装置では、上定盤20と下定盤30との各研磨面の全面を同時に洗浄するため、上定盤20の下向きの研磨面を洗浄した洗浄水が、洗浄が完了した下定盤30の上向きの研磨面に落下し、下定盤30の研磨面を再汚染することがある。また、上定盤20及び下定盤30の各研磨面に形成された格子状の横溝12及び縦溝16の形成密度や溝幅等が相違した場合、噴射ノズル100a,100bの最適移動速度は、上定盤20及び下定盤30の各研磨面は同一ではなく、研磨面の一方の洗浄が不足する場合がある。この下定盤30の研磨面を再汚染等は、図3に示す洗浄装置によって防ぐことができる。図3に示す洗浄装置には、移動装置26を昇降可能に支承するロッド24aのピストンが挿入された圧空駆動のシリンダ装置24、噴射ノズル部32に高圧水を供給する供給ポンプ38及び供給ポンプ38に水を供給するタンク39等が設けられている。
【0020】この移動装置26は、モータ28によって正転方向又は逆転方向に回転されるボールネジ36がケーシング内に設けられており、ボールネジ36をモータ28によって正転又は逆転すると、ケーシングの上面に設けられたレール44に沿って移動体25を移動できる。かかる移動体25に載置されたモータ45(アクチュエータであってもよい)には、一端部に噴射ノズル部32が設けられて上定盤20又は下定盤30の各研磨面に沿って延出された延出部材29の他端部が回動可能設けられている。このため、噴射ノズル部32は、移動体25の移動に伴って上定盤20又は下定盤30の研磨面に沿って移動可能であり、モータ45の回動に伴なって上定盤20又は下定盤30の研磨面方向に水を噴射し得るように回動可能である。尚、移動体25の移動限界位置を検出するため、ケーシングの先端部近傍と後端部近傍とに、近接センサ等の位置検出センサ41,42が設置されている。
【0021】延出部材29の一端部に設けられた噴射ノズル部32には、供給ポンプ38から供給配管33を経由して水が供給される噴射ノズル35が設けられており、噴射ノズル35の周囲はブラシ状部材34によって囲まれている。ブラシ状部材34は、その先端部が上定盤20又は下定盤30の各研磨面に当接して研磨面を洗浄すると共に、噴射ノズル35から噴射された噴射水が飛び散る範囲を画する。更に、ブラシ状部材34からは水が流出可能であるため、ブラシ状部材34で囲まれた領域内に水が滞留することを防止している。また、供給配管33の途中には、制御弁(電磁弁)37が設けられており、噴射ノズル35への水の供給を制御している。更に、先端部にブラシ材18が設けられたシャフト17の後端部には、シャフト17の駆動装置としてのシリンダ装置19が設けられている。このシリンダ装置19を駆動することによって、ブラシ材18の先端を上定盤20の外周端面に接離できる。
【0022】図3に示す移動装置26のモータ28,45、供給ポンプ38、シリンダ装置19,24及び制御弁37は、制御部43によって制御されている。つまり、図9に示すラッピング装置の上定盤20及び下定盤30の各研磨面を洗浄する際には、先ず、ラッピング装置のシリンダ装置22を駆動し、停止状態の上定盤20と下定盤30との間を所定間隙となるように、上定盤20を引き上げる。更に、制御部43からの信号によってモータ28,45及びシリンダ装置24を駆動し、上定盤20と下定盤30との間に形成された所定間隔に噴射ノズル部32を挿入し、水の噴射方向が上定盤20の下向きの研磨面に向くように噴射ノズル部32を回動する。次いで、上定盤20及び下定盤30を回転し、回転する上定盤20の下向きの研磨面を噴射ノズル部32の噴射ノズル35から水を噴射して洗浄した後、噴射ノズル部32を回動して水の噴射方向を下定盤30の上向きの研磨面とする。その後、回転する下定盤30の上向きの研磨面を噴射ノズル部32の噴射ノズル35から高圧水を噴射して洗浄する。
【0023】ここで、回転する上定盤20の研磨面を洗浄する際には、制御部43からの信号によって移動装置26のモータ28及びシリンダ装置24を駆動し、回転する上定盤20の外周端近傍に噴射ノズル部32のブラシ状部材34の先端部を当接した状態とした後、制御部43からの信号によって供給ポンプ38を起動すると共に、制御弁37を開き、噴射ノズル部32の噴射ノズル35から水を上定盤20の研磨面に向けて噴射する。かかる水は、10〜90℃、特に40℃程度の温水とすることが研磨面の汚れを落ち易くでき、その圧力は、供給ポンプ38の吐出口近傍で10.79MPa以上、特に11.76MPa以上の高圧水とすることが好ましい。尚、水の供給圧力と噴射水量との関係は、水の供給圧力が高圧となる程、水の噴射量を減少できる。
【0024】この様に、上定盤20の研磨面に水を噴射する噴射ノズル部32は、制御部43からの信号により駆動するモータ28によって、上定盤20の研磨面に水を噴射しつつ、上定盤20の研磨面の外周端近傍から内周端近傍の方向に移動する。噴射ノズル部32が内周端近傍に到達したとき、制御部43は、噴射ノズル部32を、そのブラシ状部材34の先端部を上定盤20の研磨面に当接させた状態で噴射ノズル35から水を噴射しつつ、上定盤20の外周端方向に移動するようにモータ28を制御する。上定盤20の外周端近傍に噴射ノズル部32が到達した際には、ブラシ状部材34と上定盤20の外周端との間に隙間が形成される。このため、制御部43は、シリンダ装置19を駆動し、図2に示す様に、ブラシ材18の先端を上定盤20の外周端面に当接し、ブラシ状部材34と上定盤20の外周端との間に形成された隙間を閉塞する。その後、噴射ノズル部32が、上定盤20の外周端近傍から内周端近傍の方向に移動を開始し、ブラシ状部材34と上定盤20の外周端面との間に形成された隙間が消滅したときは、制御部43は、シリンダ装置19を駆動して上定盤20の外周端面からブラシ材18を離す。この様にして、噴射ノズル35aから水を噴射しつつブラシ状部材34の先端部を上定盤20の研磨面に当接した状態で噴射ノズル部32を、上定盤20の研磨面に平行に往復動することによって、上定盤20の研磨面を洗浄できる。かかる上定盤20の研磨面の洗浄時間は、予め実験等によって求めてタイマーに設定しておき、設定時間が経過したとき、上定盤20の研磨面の洗浄を終了することができる。尚、制御部43は、噴射ノズル部32aが上定盤20外周端近傍又は内周端近傍に到達したことは、位置センサ41,42からの信号で知ることができる。
【0025】制御部43は、上定盤20の研磨面の洗浄が終了した信号、例えばタイマーからの信号を受けた際に、供給ポンプ38を停止する信号を発すると共に、制御弁37を閉じる信号を発し、水の噴射方向が下定盤30の上向きの研磨面に向くように噴射ノズル部32を回動する信号をモータ45に発する。更に、下定盤30の研磨面の外周端近傍に噴射ノズル部32のブラシ状部材34の先端部が当接したとき、制御部43は、供給ポンプ38を起動する信号を発すると共に、制御弁37を開く信号を発し、噴射ノズル35から水を下定盤30の研磨面に噴射し、下定盤30の研磨面の洗浄を施す。かかる下定盤30の研磨面の洗浄も、上定盤20の研磨面と同様に、噴射ノズル部32を、そのブラシ状部材34の先端部が下定盤30の研磨面に当接した状態で噴射ノズル35から水を噴射しつつ、下定盤30の外周端近傍と内周端近傍との間を往復動するようにモータ28を制御する。ところで、下定盤30の研磨面を洗浄する際には、ブラシ状部材34と下定盤30の外周端との間に形成された隙間から噴射水等が研磨液の排出受けに噴出しても、先述した様に、研磨液の排出受けの開口から再噴出することがない。このため、ブラシ状部材34と下定盤30の外周端との間に形成された隙間を閉塞する隙間閉塞手段を設けることを要しないが、下定盤30側にも隙間閉塞手段を設けてもよい。
【0026】この噴射ノズル35の上定盤20及び下定盤30の各研磨面に沿った移動速度は、予め上定盤20及び下定盤30の各研磨面に形成された格子状の横溝12及び縦溝16に堆積した堆積物を充分に洗浄し得る移動速度を実験的に求めておき、制御部43に設定しておくことが好ましい。この様に、上定盤20及び下定盤30の各研磨面を洗浄する噴射ノズル部32の移動速度の各々を予め実験的に求めて制御部43に設定するのは、各研磨面に形成された格子状の横溝12及び縦溝16の形成密度や溝幅等によって、各研磨面を充分に洗浄し得る最適移動速度が異なるからである。
【0027】噴射ノズル35から水を噴射しつつブラシ状部材34の先端部を下定盤30の研磨面に当接した状態で、下定盤20の研磨面に沿って噴射ノズル部32を往復動することによって、下定盤30の研磨面を洗浄できる。その際に、下定盤30の研磨面に付着した汚れを洗浄すると共に、上定盤20の研磨面を洗浄して落下した洗浄水も洗い流すことができ、下定盤30の研磨面には、上定盤20の研磨面の洗浄水による再汚染を防止できる。かかる下定盤30の研磨面の洗浄時間も、予め実験等によって求めてタイマーに設定しておき、設定時間が経過したとき、下定盤30の研磨面の洗浄を終了することができる。下定盤30の研磨面の洗浄を終了する際には、下定盤30の研磨面の洗浄が終了した信号、例えばタイマーからの信号を受けた制御部43は、供給ポンプ38を停止する信号を発すると共に、制御弁37を閉じる信号を発する。更に、上定盤20と下定盤30との間隙から噴射ノズル部32を抜出すことによって、上定盤20及び下定盤30の各研磨面の洗浄を終了する。ここで、噴射ノズル部32の移動速度は一定速度であってもよいが、上定盤20及び下定盤30の研磨面の洗浄面積及び周速度との関係で噴射ノズル部32の移動速度を可変としてもよい。例えば、上定盤20及び下定盤30の研磨面の外周端近傍は、内周端近傍に比較して、洗浄面積が広く且つ周速度が速いため、外周端近傍の研磨面を洗浄する噴射ノズル部32を、内周端近傍の研磨面を洗浄する噴射ノズル部32よりも移動速度を低速とし、噴射ノズル部32による外周端近傍における洗浄可能面積を可及的に広くしてもよい。
【0028】図3に示す噴射ノズル部32には、噴射ノズル35が1個設けられているが、上定盤20及び下定盤30の各研磨面の洗浄時間を短縮すべく、図4に示す様に、噴射ノズル部32に複数個の噴射ノズル35,35・・を設けてもよい。かかる複数個の噴射ノズル35,35・・を、図4(a)に示す様に、噴射ノズル部32の移動方向に並列状に並べてもよく、図4(b)に示す様に、噴射ノズル部32の移動方向に直列状に並べてもよい。更に、複数個の噴射ノズル35,35・・の全部又は一部からは、水に超音波を照射しつつ噴射してもよい。この場合、噴射ノズル35,35・・のうち、一部の噴射ノズルからは供給ポンプ38の吐出口近傍で10.79MPa以上の高圧水を噴射し、他の噴射ノズルからは供給ポンプ38の吐出口近傍で10.79MPa未満の低圧水に超音波を照射しつつ噴射してもよい。この様に、高圧水の噴射と超音波を照射した低圧水の噴射とを併用することによって、上定盤20及び下定盤30の各研磨面に形成された格子状の横溝12及び縦溝16に堆積した堆積物を超音波で粉砕し、粉砕した粉砕物を高圧水の噴射で掻き出すことができる。尚、複数個の噴射ノズル35,35・・の一部からは、防錆剤を含む液を噴射してもよい。
【0029】また、図3及び図4に示す噴射ノズル部32の噴射ノズル35を囲むように植設されたブラシ状部材34は、所定の長さに揃えられているが、図5に示す様に、長さの異なるブラシ状部材34を植設してもよい。図5に示すブラシ状部材34は、二重構造となっており、内側に配設された内側ブラシ状部材34aの長さは、外側に配設された外側ブラシ状部材34bよりも短く形成されている。かかる図5に示す長さの異なるブラシ状部材34では、上定盤20の研磨面を洗浄する際に、短い内側ブラシ状部材34aの先端部が研磨面に当接して洗浄しているとき、長い外側ブラシ状部材34bの先端部は格子状の横溝12(縦溝16)に入り込み、横溝12(縦溝16)内を洗浄できる。
【0030】図3〜図5に示す洗浄装置では、噴射ノズル部32は、図6に示す洗浄装置Aの様に、上定盤20及び下定盤30の各研磨面に対して、その最外研磨面から最内研磨面に直線的に往復動しているが、洗浄装置Bに示す様に、噴射ノズル部32を上定盤20及び下定盤30の各研磨面に対して弧状に回動させてもよい。また、洗浄装置A及び洗浄装置Bを併設してもよい。また、図3〜図5に示す洗浄装置のように、図1及び図2に示す洗浄装置でも、上定盤20の研磨面を洗浄した後、下定盤30の研磨面を洗浄するには、噴射ノズル100a,100bの各々に水を供給する供給配管を二本設けると共に、各供給配管に制御弁(電磁弁)を設け、各制御弁を制御する制御部を設けることによって可能である。この制御部では、噴射ノズル100aに水を供給する供給配管の制御弁を開いて上定盤20の研磨面を洗浄した後、噴射ノズル100bに水を供給する供給配管の制御弁を開いて下定盤30の研磨面を洗浄するように、各制御弁を制御する。
【0031】ところで、図3〜図6に示す洗浄装置では、上定盤20の下向きの研磨面を噴射ノズル35から水を噴射して洗浄した後、下定盤30の上向きの研磨面を、回動した噴射ノズル35から水を噴射して洗浄する。このため、図1又は図2に示す上定盤20及び下定盤30の各研磨面に向けて2個の噴射ノズル100a,100bを設け、噴射ノズル100a,100bから同時に水を噴射する洗浄装置に比較して、洗浄速度が低下し易い傾向にある。かかる洗浄速度の低下は、図7(a)に示す様に、同一方向に水を噴射する複数個の噴射ノズル部32a,32b,32cを、等間隔で直列状に延出部材29に配設することによって解消し得る。
【0032】この様に、延出部材29に噴射ノズル部32a,32b,32cを、等間隔で直列状に配設することによって、図7(b)に示す様に、噴射ノズル部32a,32b,32cのうち、モータ45側の噴射ノズル部32cを、上定盤20及び下定盤30の各研磨面の最外研磨面に位置させることによって、延出部材29の先端部に配設された噴射ノズル部32aが上定盤20及び下定盤30の各研磨面の内側面に位置する。このため、図7(a)に示す様に、複数個の噴射ノズル部32a,32b,32cを延出部材29に直列状に配設することによって、図3に示す様に、延出部材29に1個の噴射ノズル部32が設けられ場合に比較して、各噴射ノズル部32のストローク長を短くでき、洗浄速度の低下を防止できる。かかる複数個の噴射ノズル部32a,32b,32cも、モータ45を駆動して延出部材29を回動することによって、同時に所定方向に回動できる。このため、上定盤20の下向きの研磨面を複数個の噴射ノズル部32a,32b,32cから同時に水を噴出してを洗浄した後、回動した複数個の噴射ノズル部32a,32b,32cから下定盤30の上向きの研磨面に同時に水を噴出して洗浄できる。尚、図7(a)に示す洗浄装置では、図3に示す洗浄装置を形成する部材と同一部材は、同一番号を付して詳細な説明を省略した。
【0033】また、前述した洗浄速度の低下は、図8(a)に示す様に、上定盤20の下向きの研磨面に水を噴射する上定盤用噴射ノズル35dが設けられた上定盤用噴射ノズル部32dと、下定盤30の上向きの研磨面に水を噴射する下定盤用噴射ノズル35eが設けられた下定盤用噴射ノズル部32eとを設け、噴射ノズル35d,35eの各々から各研磨面に水を噴射しつつ、上定盤用噴射ノズル部32dと下定盤用噴射ノズル部32eとを移動することによっても解消し得る。但し、上定盤用噴射ノズル部32dと下定盤用噴射ノズル部32eとを同時に移動すると、上定盤20の研磨面を洗浄した洗浄液が洗浄した下定盤30の研磨面に落下し、下定盤30の研磨面を再汚染する。このため、図8(a)に示す様に、上定盤30の研磨面を洗浄して下定盤30の研磨面に落下した洗浄水を洗浄するように、下定盤用噴射ノズル部32eを上定盤用噴射ノズル部32dよりも所定時間遅れて移動することによって、洗浄した下定盤30の研磨面を上定盤20の研磨面を洗浄した洗浄液に因る再汚染する懸念を解消し得る。かかる上定盤用噴射ノズル部32dと下定盤用噴射ノズル部32eとは、図8(a)に示す様に、上定盤用噴射ノズル部32dの直下に下定盤用噴射ノズル部32eを設けてもよく、図8(b)に示す様に、上定盤用噴射ノズル部32dと下定盤用噴射ノズル部32eとを別々の場所に設けてもよい。尚、図8(a)の上定盤用噴射ノズル部32dと下定盤用噴射ノズル部32eとは、回動可能に設けられていなくてもよい。
【0034】これまで説明した洗浄装置に設けられた隙間閉塞部材としてのブラシ材18としては、シャフト11を経由して供給された水を噴射するノズルの周囲に植設されたブラシ材を用いることもできる。かかるブラシ材を用いることによって、ノズルから噴射された水とブラシ材の先端部とで上定盤20の外周端面を洗浄しつつ、噴射ノズル部32を構成するブラシ状部材34と上定盤20の外周端との間に形成され、噴射ノズル部32の噴射ノズル35からの噴射水や噴霧水等が噴出する隙間を閉塞できる。また、説明してきた洗浄装置に設けられた噴射ノズル部には、ブラシ状部材34が噴射ノズルの周囲に植設されていたが、噴射ノズル35から噴射された噴射水や噴霧水等の飛散を防止できる材料であればよく、例えば網材や布材であってもよい。更に、ブラシ状部材102(34)と上定盤20の外周端面との間に形成された隙間を閉塞するブラシ材18も、噴射ノズル35から噴射された噴射水や噴霧水等の飛散を防止できる材料であればよく、例えば網材や布材であってもよい。また、図1〜図8に示す洗浄装置は、研磨装置とは別個に設けたものであるが、研磨装置を洗浄装置と一体に設けてもよい。以上、説明してきた洗浄装置は、シリコンウェーハ等のワークの両面を鏡面に研磨する両面ポリシング装置に用いてもよいことは勿論のことである。この場合も、両面ポリシング装置の研磨面に噴射する水は、10〜90℃、特に40℃程度の温水とすることによって研磨面の汚れを落ち易くでき、その圧力は、供給ポンプの吐出口近傍で10.79MPa以上、特に11.76MPa以上の高圧水とすることが好ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、両面研磨装置に設けられた上定盤と下定盤との各研磨面の全面を、噴射ノズルから各研磨面に噴射した噴射水や噴霧水等を研磨装置が載置されている空間内に噴出することなく洗浄できる。このため、研磨装置をクリーンルーム内に載置しても、噴射ノズルから噴射された噴射水や噴霧水等によってクリーンルーム内の清浄度を低下させることがなく、シリコンウェーハ等の清浄度が要求される研磨を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000236687
【氏名又は名称】不二越機械工業株式会社
【住所又は居所】長野県長野市松代町清野1650番地
【出願日】 平成13年10月17日(2001.10.17)
【代理人】 【識別番号】100077621
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−117819(P2003−117819A)
【公開日】 平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願番号】 特願2001−319352(P2001−319352)