| 【発明の名称】 |
端子電極のバレル研磨方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】黒岩 慎一郎 【住所又は居所】京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式会社村田製作所内
【氏名】畑 和秀 【住所又は居所】京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式会社村田製作所内
【氏名】細川 孝夫 【住所又は居所】京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式会社村田製作所内
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| 【要約】 |
【課題】基体端面に形成された端子電極を充分に研磨でき、かつ研磨されて形成された微粉塵が端子電極に付着しないような端子電極のバレル研磨方法を得る。
【解決手段】積層セラミックコンデンサ10は、誘電体層14と内部電極16とが積層された基体12を含む。基体12の端部に、Cu焼付電極20とNi電極22とSn電極24とからなる外部電極18を形成する。Cu電極20を焼き付けるときに、表面にガラス層が形成されるため、玉石と粉体を研磨材としてバレル研磨を行ない、ガラス層を除去する。このとき、玉石と粉体の嵩比率を、玉石100に対して粉体50〜400の範囲とする。また、玉石と粉体と被研磨物の嵩の合計を、バレル容器の内容積の25〜75%とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子部品の基体の端部に形成された端子電極のバレル研磨方法であって、研磨用の玉石と粉体とを用いて被研磨物を乾式バレル研磨することを特徴とし、前記玉石と前記粉体の見掛けの嵩比率が、前記玉石100に対して前記粉体50〜400の範囲である、端子電極のバレル研磨方法。 【請求項2】 前記玉石と前記粉体と前記被研磨物との嵩の合計が、バレル研磨を行なうためのバレル容器の内容積に対して25〜75%であることを特徴とする、請求項1に記載の端子電極のバレル研磨方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、端子電極のバレル研磨方法に関し、特に、たとえば積層セラミックコンデンサなどの端部に焼き付けられた外部電極などの表面を研磨するための端子電極のバレル研磨方法に関する。 【0002】 【従来の技術】図1は、積層セラミックコンデンサの一例を示す図解図である。積層セラミックコンデンサ10は、基体12を含む。基体12は、複数の誘電体層14と内部電極16とを積層することによって形成されている。内部電極16の隣接するものは、それぞれ基体12の対向する端面に交互に引き出される。この内部電極16が引き出された端面には、それぞれ外部電極18が形成される。これらの外部電極18が内部電極に接続されることによって、2つの外部電極18間に静電容量が形成される。 【0003】このような積層セラミックコンデンサ10を製造するには、誘電体材料で形成されたセラミックグリーンシートに内部電極用のパターンが複数印刷される。このようなセラミックグリーンシートが積層され、さらに上下に内部電極用パターンの印刷されていないセラミックグリーンシートが積層される。得られた積層体を圧着し、その後カットされて、生チップが得られる。この生チップを焼成することにより、内部電極16を有する基体12が形成される。 【0004】基体12の内部電極16露出面に、図2に示すように、端子電極としてCu,Ag,Pd,Niなどの外部電極20などが焼き付けられ、内部電極16と接続される。焼付電極20を形成するために、基体12の端面に、たとえば金属粉末とガラスフリットと有機ビヒクルとからなる導電ペーストが塗布され、焼き付けられる。このようにして得られた焼付電極20上には、たとえばNiめっきなどによって、Ni電極22が形成される。Ni電極22は、積層セラミックコンデンサ10を回路基板などに半田付けする際に、焼付電極20の電極くわれを防ぐために形成される。さらに、Ni電極22上に、Snめっきなどが施され、Sn電極24が形成される。Sn電極24は、回路基板への半田付け性を良好にするために用いられる。このように、焼付電極20、Ni電極22、Sn電極24の3層によって、外部電極18が形成される。 【0005】基体12の端面に焼付電極20を形成すると、導電ペーストに含まれるガラス成分が表面に析出し、焼付電極20の表面にガラス層が形成されるため、めっきが困難となる。そのため、焼付電極20を形成した後に、バレル研磨によってガラス層が取り除かれる。バレル研磨においては、被研磨物である基体12と、研磨用の玉石および粉体とがバレル容器に投入され、バレル容器が回転させられる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、研磨用の玉石と粉体との混合比率が適正でない場合、充分な研磨効果が得られなかったり、研磨されたガラス成分の微粉塵が、玉石によって焼付電極に押し付けられ、再度焼付電極表面に微粉塵が付着するという問題がある。微粉塵が焼付電極表面に付着すると、めっきが困難となり、めっき電極が形成されにくくなる。 特に、焼付電極がCuやAgなどの比較的軟らかい金属の場合には、この微粉塵の再付着がより顕著であった。 【0007】それゆえに、この発明の主たる目的は、基体端面に形成された端子電極を充分に研磨でき、かつ研磨されて形成された微粉塵が端子電極に付着しないような端子電極のバレル研磨方法を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明は、電子部品の基体の端部に形成された端子電極のバレル研磨方法であって、研磨用の玉石と粉体とを用いて被研磨物を乾式バレル研磨することを特徴とし、玉石と粉体の見掛けの嵩比率が、玉石100に対して粉体50〜400の範囲である、端子電極のバレル研磨方法である。このような端子電極のバレル研磨方法において、玉石と粉体と被研磨物との嵩の合計が、バレル研磨を行なうためのバレル容器の内容積に対して25〜75%であることが好ましい。 【0009】玉石と粉体の嵩比率を玉石100に対して粉体50〜400とすることにより、粉体が玉石によって端子電極に押し当てられ、充分な研磨量を得ることができる。また、研磨されたガラス成分の微粉塵が再度端子電極に付着しても、粉体によって常に微粉塵が取り除かれ、微粉塵の付着が少ない端子電極を得ることができる。それに対して、玉石と粉体の嵩比率が、玉石100に対して粉体50より少ない場合、端子電極に再付着した微粉塵が粉体によって取り除かれず、めっきを施しにくい状態となる。また、玉石と粉体の嵩比率が、玉石100に対して粉体400より多い場合、被研磨物と玉石との間に入る粉体の量が多くなりすぎ、玉石によって与えられる力が分散して、充分な研磨量を得ることができなくなる。バレル研磨を行なう場合、バレル容器の回転などによって被研磨物と研磨材の混合体が撹拌され、これらの混合体に形成される斜面上において、研磨効率が最大となる。このような斜面の長さを充分に確保するために、バレル容器に投入される玉石と粉体と被研磨物の嵩の合計は、バレル容器の内容積の25〜75%の範囲とすることが好ましい。この範囲を外れると、バレル容器内において形成される混合体の斜面の長さが短くなり、充分な研磨量を得ることができなくなる。 【0010】この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。 【0011】 【発明の実施の形態】バレル研磨を行なう電子部品として、図1および図2に示す積層セラミックコンデンサについて説明する。積層セラミックコンデンサを製造するために、内部電極16が形成された基体12が準備される。この基体12の内部電極16露出面に、たとえばCu,Ag,Pd,Niなどの金属粉末とガラスフリットと有機ビヒクルとからなる導電ペーストが塗布される。導電ペーストが塗布された基体12が焼き付けられることにより、端子電極としての焼付電極20が形成される。 【0012】導電ペーストにはガラスフリットが含まれているため、焼き付けられた焼付電極20の表面には、少なからずガラス成分が析出している。このガラス成分は、焼付電極20上にめっきを施す際に妨げとなるため、バレル研磨によって除去される。そのため、たとえば部分安定化ジルコニア(PSZ)で形成された玉石と、アルミナなどで形成される粉体とが研磨材として用いられる。 【0013】これらの玉石および粉体と、被研磨物である基体12とが、バレル容器内に投入される。このとき、玉石に対する粉体の嵩比率は、玉石100に対して粉体50〜400の範囲となるように調整される。また、玉石と粉体と基体12の嵩の合計が、バレル容器の内容積に対して25〜75%となるように調整される。これらの玉石、粉体および基体12がバレル容器に投入され、バレル容器を回転させることにより、玉石と粉体とによって、焼付電極20の表面が研磨される。バレル研磨された基体12の焼付電極20上に、たとえばNiめっきが施され、さらにSnめっきが施されて、外部電極18が形成される。この場合のめっきは、主として電気めっきが用いられる。 【0014】このような積層セラミックコンデンサ10を製造する際に、バレル研磨における玉石と粉体との嵩比率、および玉石と粉体と被研磨物の嵩の合計を上述のように調整することにより、充分な研磨量を得ることができ、かつ研磨されたガラス成分の微粉塵の付着が少なく、めっきがしやすい焼付電極20を得ることができる。ここで、玉石と粉体の嵩比率が、玉石100に対して粉体50より少ない場合、焼付電極20に再付着した微粉塵が粉体によって取り除かれず、めっきを施しにくい状態となる。また、玉石と粉体の嵩比率が、玉石100に対して粉体400より多い場合、被研磨物と玉石との間に入る粉体の量が多くなりすぎ、玉石によって与えられる力が分散して、充分な研磨量を得ることができなくなる。 【0015】また、バレル研磨を行なう場合、バレル容器の回転によって被研磨物と研磨材の混合体に形成される斜面上において、研磨効率が最大となる。このような斜面の長さを充分に確保するために、バレル容器に投入される玉石と粉体と基体12の嵩の合計は、バレル容器の内容積の25〜75%の範囲とすることが好ましい。この範囲を外れると、バレル容器内において形成される斜面の長さが短くなり、充分な研磨量を得ることができなくなる。 【0016】それに対して、玉石と粉体との嵩比率、およびこれらの研磨材と被研磨物のバレル容器への投入量を上述のように調整することにより、焼付電極20表面のガラス成分を除去することができる。また、研磨されたガラス成分の微粉塵が焼付電極20に再付着しても、粉体によって常に微粉塵が取り除かれるため、充分に焼付電極20を露出させることができる。したがって、焼付電極20上にめっきを施すことが容易となる。これは、特に焼付電極20が、CuやAgなどの比較的軟らかい金属の場合に有効である。 【0017】 【実施例】(実施例1)実施例として、2.00mm×1.25mm×1.25mmのサイズの積層セラミックコンデンサを評価ワークとして、バレル研磨を行なった。このような積層セラミックコンデンサに用いられる基体の端面に、Cu粉末、B−Si−Zn系ガラスフリットおよび有機ビヒクルからなる導電ペーストを塗布した。導電ペーストを塗布した基体を、N2 雰囲気中(酸素濃度100ppm)において、850℃で焼き付けて、Cu焼付電極を形成した。 【0018】Cu焼付電極を形成した基体10000個を、バレル容器に投入した。また、研磨材として、直径2mmのPSZで形成された玉石と、80メッシュのアルミナ粉末とをバレル容器に投入した。ここで、バレル容器は、内容積1000ccのガラス瓶を使用し、玉石の投入量は400ccとした。また、粉体は、表1に示すように、玉石100に対する嵩比率を変えて投入した。そして、バレル容器を回転させ、乾式バレル研磨を行なった。このとき、バレル容器の回転数を90rpmとし、60分間バレル研磨を行なった。 【0019】バレル研磨を行なった基体のCu焼付電極上に、Ni電気めっきを施した。Niめっきによって形成されたNi電極の膜厚は、約1.5μmとした。そして、玉石と粉体の嵩比率と、Ni電極のめっき付性との関係を調べて、その結果を表1に示した。Niめっき付性については、Cu焼付電極の表面の95%以上をNi電極で被覆されているものを良品とし、それ未満のものを不良品とした。表1において、10個のワークのうちで見つかった不良品の数をNiめっき付性不良率とした。そして、不良品が見つからかった場合に判定の欄に○を付し、1個でも不良品が見つかった場合に判定の欄に×を付した。 【0020】 【表1】
【0021】表1からわかるように、玉石と粉体の嵩比率が、玉石100に対して粉体50より少ない場合、および玉石100に対して粉体400を超える場合に、不良品が見つけられた。粉体の嵩比率が低い場合には、研磨されたガラス成分の微粉塵が再びCu焼付電極に付着し、それが除去されないまま残ったものであると考えられる。また、粉体の嵩比率が高い場合には、ワークと玉石との間に多くの粉体が入り込み、玉石による圧力が分散されて、切削力が小さくなり、充分な研磨量が得られなかったものと考えられる。 【0022】それに対して、玉石と粉体の嵩比率が、玉石100に対して粉体50〜400の範囲にある場合、玉石による圧力がワークに接触する粉体に伝わり、十分な研磨量を得ることができる。さらに、研磨されてできた微粉塵が再度Cu焼付電極に付着しても、粉体によって常に取り除かれるため、Cu焼付電極が充分に露出した状態を保つことができる。そのため、玉石と粉体の嵩比率が、玉石100に対して粉体50〜400の範囲にあれば、良好なめっき付性を得ることができる。なお、評価ワークの大きさが1.0mm×0.5mm×0.5mm以下になれば、玉石として直径1mm程度のものを用いることが好ましい。 【0023】(実施例2)玉石と粉体の嵩比率を玉石100に対して粉体100とし、それ以外の条件を実施例1と同じにして、基体の端面に形成されたCu焼付電極をバレル研磨し、Ni電気めっきを施した。なお、バレル研磨を行なう際、玉石、粉体およびワークの嵩の合計を表2のように変えて、Niめっき付性不良率を調べ、その結果を表2に示した。また、実施例1と同様にして、判定を行なった。 【0024】 【表2】
【0025】表2からわかるように、玉石、粉体およびワークの嵩の合計が250ccより少ない場合、および750ccより多い場合に、不良品が見つけられた。バレル研磨を行なう場合、バレル容器の回転などによって被研磨物と研磨材の混合体が撹拌され、これらの混合体に形成される斜面上において、研磨効率が最大となる。しかしながら、ワーク、玉石および粉体の量が少なすぎたり、多すぎたりした場合、バレル容器内において形成される斜面が短くなり、充分な研磨量が得られないものであると考えられる。 【0026】それに対して、玉石、粉体およびワークの嵩の合計が250cc〜750ccの場合、つまりバレル容器の内容積に対して25〜75%の範囲内にある場合、バレル容器内において、充分な長さの斜面が形成され、ガラス成分が除去されて、良好なNiめっき付性を得ることができる。 【0027】 【発明の効果】この発明によれば、充分な研磨量を得ることができ、かつ研磨された微粉塵が端子電極に再付着しても、粉体によって常に微粉塵が除去されるため、良好なめっき付性を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006231 【氏名又は名称】株式会社村田製作所 【住所又は居所】京都府長岡京市天神二丁目26番10号
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| 【出願日】 |
平成13年10月11日(2001.10.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079577 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 全啓
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| 【公開番号】 |
特開2003−117804(P2003−117804A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月23日(2003.4.23) |
| 【出願番号】 |
特願2001−313600(P2001−313600) |
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