| 【発明の名称】 |
研磨盤および研磨方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩井 英樹 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内
【氏名】大阪 哲嗣 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内
【氏名】稲田 豊 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内
【氏名】村上 敏夫 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内
【氏名】坪井 暉 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】シリコンウェーハなどの薄い円盤状のワークを研磨加工する研磨盤および研磨方法において、傷を生じさせることなくワークを洗浄する。
【解決手段】研磨加工後に、加工液Lに替えて洗浄液Sを各加工面の中心部分よりワークWとの間に吐出し、両回転工具円盤24,34を軸方向に変位させる送り装置を設け、2つの回転工具円盤24,34を微少量後退させる。そして、ワークWと回転工具円盤24,34を回転させてワークWを洗浄する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2つの回転工具円盤の間に円板状の薄いワークを挿入し、前記2つの回転工具円盤先端の加工面の中心部分より前記ワークとの間に加工液を吐出し、前記ワークを回転させ前記2つの回転工具円盤を回転させるとともに前記ワークの両側に押付けて前記ワークの各面を研磨加工する研磨加工手段と、この研磨加工後に前記加工液に替えて洗浄液を前記各加工面の前記中心部分より前記ワークとの間に吐出し、前記ワークを回転させ前記2つの回転工具円盤を回転させて前記ワークを洗浄する洗浄手段とを備える研磨盤において、前記2つの回転工具円盤を軸方向に変位させる送り装置と、前記2つの回転工具円盤を研磨加工後に微少量後退させて前記ワークの洗浄を行う際に前記送り装置を制御する制御装置とを設けたことを特徴とする研磨盤。 【請求項2】 基準側回転工具円盤と加圧側回転工具円盤との間に円板状の薄いワークを挿入し、前記各回転工具円盤先端の加工面の中心部分より前記ワークとの間に加工液を吐出し、前記ワークを回転させ前記両回転工具円盤を回転させるとともに前記加圧側回転工具円盤を前記基準側回転工具円盤に向けて付勢して前記各加工面により前記ワークの各面を研磨加工する研磨加工手段と、この研磨加工後に前記加工液に替えて洗浄液を前記各加工面の前記中心部分より前記ワークとの間に吐出し、前記ワークを回転させ前記両回転工具円盤を回転させて前記ワークを洗浄する洗浄手段とを備える研磨盤において、前記基準側回転工具円盤を軸方向に変位させる送り装置と、前記加圧側回転工具円盤を軸方向の任意位置で保持する保持装置と、前記基準側回転工具円盤を前記送り装置により前記ワーク側へ微少量移動させ、前記ワークを介し移動された前記加圧側回転工具円盤を前記保持装置により移動された位置に保持させた後、前記基準側回転工具円盤を前記微少量のほぼ2倍の量だけ前記ワークと逆方向に移動させて前記ワークの洗浄を行う際に前記送り装置を制御する制御装置とを設けたことを特徴とする研磨盤。 【請求項3】 2つの回転工具円盤の間に円板状の薄いワークを挿入し、前記2つの回転工具円盤先端の加工面の中心部分より前記ワークとの間に加工液を吐出し、前記ワークを回転させ前記2つの回転工具円盤を回転させるとともに前記ワークの両側に押付けて前記ワークの各面を研磨加工する研磨加工工程と、この研磨加工後に前記加工液に替えて洗浄液を前記各加工面の前記中心部分より前記ワークとの間に吐出し、前記ワークを回転させ前記両回転工具円盤を回転させて前記ワークを洗浄する洗浄工程とを備える研磨方法において、前記洗浄工程は前記2つの回転工具円盤を軸方向に微少量後退させた状態で前記ワークを洗浄することを特徴とする研磨方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウェーハ等の円盤状のワークを両面からラップ加工等の研磨加工を行うための研磨盤および研磨方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の枚葉式両面ラップ盤としては、特開平10−80861号公報に開示されているものが代表的である。 【0003】すなわち従来技術の枚葉式両面ラップ盤は、図8に示すように、砥粒を含む加工液Lが供給され円盤状のワークWを表裏両面から挟持しつつ互いに対向して回転する一対のラップ定盤101,102を有する。同枚葉式両面ラップ盤は四方からワークWの外周円部に当接しワークWを回転可能に支持する4つの回転支持装置103と、回転支持装置103に支持されているワークWを所定の角速度で回転駆動する二対の駆動ローラ104とを備える。 【0004】ここで、ラップ定盤101,102は、ワークWの直径の半分強の直径を有し、それぞれ先端にラップ面が形成されて主軸に固定されている。ラップ面の材質としては鋳鉄がよく用いられる。ラップ定盤101,102は中空の主軸によって互いに逆方向に同等の回転速度で高速で回転駆動され、両ラップ定盤101,102の内部には主軸の軸心の孔を通して加工液Lが加圧供給される。一方、ワークWは、薄くて割れやすく精密かつ平坦に表面が研磨されるべきシリコンウェーハである。 【0005】一方のラップ定盤101は軸方向の所定位置に位置決めされ、4つの回転支持装置103によりワークWの外周円部が支持されかつ二対の駆動ローラ104によって駆動されるワークWは、このラップ定盤101に軽く押し当てられる。そして、その背後から他方のラップ定盤102が軸方向に移動してきてワークWを所定の押圧力でラップ定盤101に押さえ付けるので、両ラップ定盤101,102によってワークWの表裏両面が研磨される。 【0006】その際、駆動ローラ104によってワークWが回転駆動され、ワークWの表裏両面の全ての部分が順に送られてラップ定盤101,102のラップ面に摺接するので、ワークワークWの表裏両面は平坦かつ平滑に研磨される。また、両ラップ定盤101,102のラップ面には、加工中には常に内周側から加工液Lが供給されワークWは適当に冷却されつつ加工液L中の砥粒によって研磨される。加工液Lは砥粒を懸濁させた水溶液であり、加工液Lには砥粒の飛散抑制と加工液中の砥粒の均一分布を目的とし増粘剤が添加されることもある。 【0007】所定の研磨加工時間が経過した後、ラップ定盤102の押圧力は加工時の押圧力より低い押圧力に切替えられ、両主軸の軸心の孔から供給される加工液Lは洗浄液Sに切替えられる。加工時と同様に駆動ローラ104にてワークWは回転駆動され、ラップ定盤101,102は互いに逆方向に同等の回転速度で回転駆動される。洗浄液Sとしては蒸留水を使用し、水溶液である加工液Lは洗浄液Sにより少しずつ薄められ、砥粒とワークWの切屑とはラップ定盤101,102の回転にともないワークWとラップ定盤101,102の間よりラップ定盤101,102の外周に排出される。これによってワークWに付着した砥粒や切屑を全面にわたり除去する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】洗浄中にラップ定盤101,102のラップ面とワークWとの間に存在する砥粒は徐徐に洗い流され、砥粒の少なくなった状態でラップ定盤101,102のラップ面がワークWに直接摺接するのでワークWに擦り傷を発生させる。 【0009】この傷は後工程の加工、例えば研削等により除去されねばならず後工程の加工時間が増えることになり生産性を低下させるばかりか、傷が除去できない場合は製品が不良となるという損失を生ずる。 【0010】そこで本発明の目的は、傷を生じさせることなくワークWを洗浄することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1の研磨盤は、2つの回転工具円盤の間に円板状の薄いワークを挿入し、2つの回転工具円盤先端の加工面の中心部分よりワークとの間に加工液を吐出し、ワークを回転させ2つの回転工具円盤を回転させるとともにワークの両側に押付けてワークの各面を研磨加工した後に、加工液に替えて洗浄液を各加工面の中心部分よりワークとの間に吐出する。そして、両回転工具円盤を軸方向に変位させる送り装置を設け、2つの回転工具円盤を微少量後退させてワークと2つの回転工具円盤を回転させてワークを洗浄することを特徴とする。 【0012】このように本手段によれば、2つの回転工具円盤(ラップ定盤)を微少量後退させて回転させるのでワークと2つの回転工具円盤は回転中に接触することはないので、ワークに傷を生じさせることなくワークを洗浄することができるという効果がある。 【0013】請求項2に記載の研磨盤は、基準側回転工具円盤を軸方向に変位させる送り装置と、加圧側回転工具円盤を軸方向の任意位置で保持する保持装置とを設ける。そして、基準側回転工具円盤を送り装置によりワーク側へ微少量移動させ、ワークを介し移動された加圧側回転工具円盤を保持装置により移動された位置を保持させた後、基準側回転工具円盤を微少量のほぼ2倍の量だけワークと逆方向に移動させるように送り装置を制御することを特徴とする。 【0014】このように本手段によれば、加圧側回転工具円盤は基準側回転工具円盤により押戻されて微少量移動されるため、加圧側回転工具円盤を移動させるための微少量の送り装置をさらに設けることなくワークと両回転工具円盤との間に間隙を生じさせることが可能となるため、コストアップとならない。 【0015】請求項3の研磨方法は、研磨加工後に2つの回転工具円盤を軸方向に微少量後退させた状態でワークと2つの回転工具円盤とを回転させワークを洗浄することを特徴とする。 【0016】このように本手段によれば、請求項1の研磨盤の発明と同様に、ワークと2つの回転工具円盤は回転中に接触することはないので、ワークに傷を生じさせることなくワークを洗浄することができるという効果がある。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1〜図8を参照して説明する。 【0018】本発明の枚葉式両面ラップ盤の基本構成は、図1に平面図、図2に側面図を示すように、円盤状のワークWを表裏両面からラップ加工するもので、基準軸2と加圧軸3と複数の回転支持装置49a,49bと回転駆動機構5と2液供給装置6と制御装置9とを備えている。 【0019】基準軸2は、図3に示すように、基準軸テーブル20により支持された基準軸ケーシング26と、これに回転自在に軸支された基準側主軸27と、これを回転駆動するビルトイン形の基準軸モータ28よりなるもので、ワークWの一側でワークWの回転軸線に対し平行に偏心して配置されている。 【0020】基準軸テーブル20は、ラップ盤のベッド(図示省略)に支持されたリニアガイド21を介して基準軸2の回転軸(従ってワークWの回転軸線)と平行に往復動可能に案内支持され、サーボモータ22とねじ軸22bよりなる送り装置により往復動される。基準側主軸27のワークW側先端には、ワークWの半径よりやや大きい直径を有する基準側ラップ定盤(基準側回転工具円盤)24が同軸的に固定されている(下記に詳述)。 【0021】一方、加圧軸3(図3参照)は、加圧軸ケーシング36と、これに回転自在に軸支された加圧側主軸37と、これを回転駆動するビルトイン形の加圧軸モータ38よりなるもので、基準軸2と同軸的にワークWの反対側に配置されている。加圧軸ケーシング36は、図示しないベッドに固定した加圧軸ハウジング30にストロークボールベアリング31を介して基準軸2と同軸的に往復動可能に案内支持され、一対の加圧シリンダ32によりワークWに向けて付勢される。加圧シリンダ32は保持装置33を内蔵し加圧シリンダのピストンの位置を任意の位置に保持できるようになっている。 【0022】加圧側主軸37のワークW側先端には、基準側ラップ定盤24と同径の加圧側ラップ定盤(加圧側回転工具円盤)34が同軸的に固定され、加圧側ラップ定盤34は加圧軸モータ38により基準側ラップ定盤24とは逆向きに回転駆動されるようになっている。これにより両ラップ定盤24,34はワークWを連れ回りしないようになっている。 【0023】基準側主軸27の軸心部を図4と図5により説明する。なお加圧側主軸37は基準側主軸27と同様な構成であるので説明を省略する。基準側主軸27のワークW側先端(前側)には回転軸と同心的に円筒部27aが形成されており、この円筒部27aには基準側ラップ定盤24の内径部24aが嵌合している。円筒部27aの幅は基準側ラップ定盤24の幅より短く、基準側ラップ定盤24の内径部24aの前側は空間24bとなっている。円筒部27cの後側には鍔部27bが形成されており、鍔部27b前面には基準側ラップ定盤24が図示しないボルトにより固着されている。 【0024】基準側主軸27の軸心には貫通孔27cが形成されており、この貫通孔27cの内径より小さい外径の流体供給管203が回転軸と同心的に保持されている(下記に詳述)。 【0025】基準側主軸27の前部と後部の2箇所にそれぞれ3個の支持ねじ201が円周方向に等角度となるように半径方向に基準側主軸27の外周側より螺合されている。支持ねじ201の先端部201aには流体供給管203の外径が当接され、流体供給管203は回転軸と同心的に前部と後部を保持されている。 【0026】基準側主軸27の前部の3つの支持ねじ201のうち近接する2つの支持ねじ201の成す角の2等分線上に1個の位置決めねじ202がねじ軸を一致するように螺合されている。この位置決めねじ202の先端には円錐部202aが形成されており、流体供給管203の前部外径に形成された円錐状の凹部203aに嵌合し、軸方向と軸周方向とに相対移動しないように流体供給管203を基準側主軸27に固定している。 【0027】流体供給管203の管内孔261には加工液Lが流通される。流体供給管203の外形と基準側主軸27の軸心孔27cとの間に形成される円筒孔271には洗浄液Sが流通される。このように管内孔261の外周を囲むように円筒孔271が形成され、2つの孔261,271は共に回転軸に対し同軸となっている。 【0028】管内孔261と円筒孔271は一端を共に基準側定盤24の内部空間24bに連通している。基準側主軸27の後端部には公知である回転継ぎ手213が接続されており、加工液供給路61から加工液Lが管内孔261に、洗浄液供給路71から洗浄液Sが円筒孔271に供給されるようになっている。 【0029】2液供給装置6は、加工液Lを所定の圧力で供給する加工液ユニット62と洗浄液Sを所定の圧力で供給する洗浄液ユニット72とを有する。加工液ユニット62と加工液供給路61との間および洗浄液ユニット72と洗浄液供給路71との間には共通の電磁切替弁63が接続され、加工液Lと洗浄液Sを切替えることが可能になっている。(図1参照) 上述したように、各ラップ定盤24,34の内部空間24bには、加工中には加工液ユニット62から管内孔261を通して加工液Lが供給され、洗浄中には洗浄液ユニット72から円筒孔271を通して洗浄液Sが供給されるようになっている。なお、加工液ユニット62と洗浄液ユニット72にはそれぞれ図示しない電磁ストップバルブが内蔵されており加工液Lおよび洗浄液Sの供給及び供給停止が可能になっている。 【0030】回転支持装置49a,49bは、図2に示すように、上側の2個(49b)はワークWの半径延長方向の直線に沿ってあるいは軸心49cを中心とする円弧に沿って往復動可能となっている。回転支持装置49a,49bは、上側の回転支持装置49bを後退させた状態ではワークWの着脱を可能とし前進させた状態ではワークWを回転自在に支持する。各回転支持装置49a,49bは、軸線方向に多少移動可能になるようにワークWを支持している。回転駆動機構5は、図3に示すように、一対となってワークWの外周縁部を挟む駆動ローラ52aおよび従動ローラ52bを有している。駆動ローラ52aは支持台(図示省略)上に固定した軸受けブロック53aに軸支されてワーク駆動用のサーボモータ54により回転駆動される。従動ローラ52bは前記支持台上にワークWの軸線方向に移動可能に設けられた可動軸受けブロック53bに軸支され、可動軸受けブロック53bは押し圧シリンダ55により固定軸受けブロック53a側に向けて付勢可能である。 【0031】押し圧シリンダ55を作動させて駆動ローラ52aと従動ローラ52bの間にワークWを挟み、この状態でワーク駆動モータ54により駆動ローラ52aを回転駆動すれば、4つの回転支持装置49a,49bに支持されたワークWは回転駆動される。 【0032】制御装置9は、CPU91を中核としメモリ93を持つプログラマブルな数値制御装置である。制御装置の機能については、後ろの作用の項で詳細に説明する。 (実施の形態の作用)上記のように構成された本実施の形態の枚葉式両面ラップ盤は、次のように作用する。 【0033】最初に、加工工程の作用を説明する。原位置状態では上側の回転支持装置49bが図2の後退位置に退避し、ワークWの搬入が可能なように開口している。基準軸2と加圧軸3は後退しており、ワークWの搬入が可能なように、両ラップ定盤24、34の間が開いた状態となっている。従動ローラ52bは後退しワークWの搬入が可能なように駆動ローラ52aとの間を空けている。 【0034】先ず、図示しないロボットアームにより、ワークWは下側の回転支持装置49a上に載る。次に、制御装置9は、サーボモータ22を駆動させて基準軸2を前進させ、基準側ラップ定盤24先端の加工面とワーク回転駆動機構5の駆動ローラ52aのワークWに対する当接線が互いに整列される所定位置に基準軸2を停止させる。 【0035】さらに、制御装置9は加圧シリンダ32を作動させる。ワークWは基準側ラップ定盤24と加圧側ラップ定盤34との間に所定の圧力で挟持される。 【0036】さらに、制御装置9は、上側の回転支持装置49bを前進させる。これにより、全ての回転支持装置49a,49bがワークWの外周円面に当接する。その結果、ワークWは4つの回転支持装置49a,49bで4方から回転可能に支持される。 【0037】次に、制御装置9は、押し圧シリンダ55を作動させて従動ローラ52bを前進させる。これにより、従動ローラ52bと駆動ローラ52aが適正な押圧力をもってワークWを挟持する。 【0038】制御装置9は、図示しない電磁ストップバルブを切替えて加工液ユニット62から加工液供給路61を介し加工液Lを管内孔261に供給する。これにより各ラップ定盤24,34の内部空間24b,34bには砥粒を含んだ加工液Lが互いに等しい所定の流量で供給される。 【0039】そして、制御装置9が駆動用モータ54を所定の回転速度で回転させると、ワークWの外縁部を挟持している駆動ローラ52aと従動ローラ52bはワークWの外縁部を下方に押し出し、ワークWを所定の速度で回転させる。同時に、両ビルトインモータ28,38はそれぞれのラップ定盤24,34を互いに等しい回転速度で互いに逆方向に回転駆動する。 【0040】図2に示すように、両ラップ定盤24,34はワークWの中心から外周に至るまでの範囲を覆っており、ワークWが所定の回転速度で回転されるので、ワークWの表裏両面の全体はそれぞれに摺接するラップ定盤24,34によってラップ加工される。 【0041】次に、洗浄工程の作用を図6のフローチャートに従い図7を参照しつつ説明する。図7(a)〜(c)は両ラップ定盤24,34、駆動ローラ52a、従動ローラ52bとワークWの平面的な位置関係を示した図である。 【0042】所定の研磨加工時間が経過した後、ステップS100において、基準軸モータ28と加圧軸モータ38の回転を止めて両ラップ定盤24,34の回転を停止させる。ステップS101では図示しない電磁切替弁を切替えて加工液Lの供給を止める。ステップS102では駆動モータ54の回転を止めて駆動ローラ52aの回転を停止させる。これによりワークWの回転は停止する。 【0043】ステップS103では図示しない電磁エアーバルブを切替えて加圧シリンダ32への空気圧の供給を停止する。これにより加圧シリンダ32の加圧力は解除され、加圧軸3はワークWの基準軸2への押付けを停止する。このときの基準側ラップ定盤24先端の加工面と駆動ローラ52aの当接線は図7(a)に示すように互いに整列している。 【0044】ステップS104ではサーボモータ22を駆動させて基準軸2を加圧軸3の方向にZ1=100μm移動させる。基準側ラップ定盤24はワークWを介し加圧側ラップ定盤34を押す。加圧シリンダ32は加圧力を解除されているため、加圧軸ケーシング36は加圧側ラップ定盤34を介し基準軸2の移動距離と同じ距離後退させられる。ステップS105では、保持装置33を作動させ加圧シリンダ32をロックさせ加圧軸3をその位置に留める。 【0045】両ラップ定盤24,34の軸方向の移動により、ワークWには両ラップ定盤24,34に挟持された個所と駆動ローラ52aおよび従動ローラ52bに挟持された個所との間に移動量Z1にほぼ等しい偏位が生じワークは図7(b)に示すように変形する。この変形量はワークWの弾性限界内であるためワークWは破損しない。 【0046】ステップS106ではサーボモータ22を駆動させて基準軸2を加圧軸3と反対の方向に前記移動量Z1の2倍つまり2*Z1=22200μm移動させる。ステップS107ではサーボモータ22にサーボロックを与えることにより基準軸2はこの位置に保持される。加圧軸3は停止した状態であり、基準軸2が後退したことによりワークWは両ラップ定盤24,34による挟持から開放される。これにより、ワークWに働く軸方向の荷重は解除され、ワークWの変形はなくなり、ワークWと両定盤24,34の間に図7(c)に示すように間隙が形成される。 【0047】ステップS108では加工液ユニット62と洗浄液ユニット72の図示しない電磁ストップバルブを切替えて洗浄液ユニット72から洗浄液供給路71を通じて洗浄液Sをを回転ジョイント213に供給し円筒孔271に流通させる。そしてステップS109では基準側主軸27、加圧側主軸37とワークWを加工時と同様に回転させる。回転の動作は加工工程と同様なので説明は省略する。 【0048】両ラップ定盤24,34は同じ回転数で回転されるので等しい遠心力が洗浄液Sに加わる。洗浄液Sは円周方向に拡散しワークWと両定盤24,34の間に形成された間隙(約100μm)より両ラップ定盤24,34の外周に排出される。砥粒の直径は5〜15μmであり前記間隙より十分小さいのでこの間隙をとおり洗浄液Sと一緒に排出される。 【0049】ステップS110では所定時間経過するまで洗浄を続ける。所定時間経過するとステップS111に移り基準側主軸27、加工側主軸37とワークWの回転を停止させ洗浄を完了させる。この後、両主軸27,37が原位置まで後退し上側の回転支持装置49bが後退して搬出可能なように開口する。そして、図示しないロボットによりワークWはラップ盤より搬出される。 【0050】以上説明したとおり、この発明の実施の形態では、両ラップ定盤24,34とを微少量後退させることによりワークWと両ラップ定盤24,34との間に間隙を形成し、この間隙より洗浄液Sを吐出するようにしたのでワークWと両ラップ定盤24,34は回転中に接触せずにワークWを洗浄できる。これによりワークWに傷を生じさせることなくワークWを洗浄することができるという効果がある。 【0051】さらに、加工液Lと洗浄液Sを同一の供給路を共用して流通させるのではなく、加工液Lと洗浄液Sをそれぞれ専用の供給路を流通させるので、きわめて短時間に加工液Lから洗浄液Sに切替えることができる。 【0052】また、加圧側ラップ定盤34は基準側ラップ定盤24により押戻されて微少量移動されるため、加圧側ラップ定盤34を移動させるための微少量移動装置をさらに設けることなくワークWと両ラップ定盤24,34との間に間隙を生じさせることが可能となるためコストアップとならない。 【0053】さらに、ワークWと両ラップ定盤24,34との隙間により形成される開口部の面積(例えば間隙と定盤外周長さを掛けた面積)より円筒孔271の断面積を大きくし、円筒孔271の断面積に対応する供給能力で洗浄液Sを供給すれば、その間隙を流れ抜ける洗浄液Sの流速を加速することができ、ワークWから砥粒や切屑を洗い落とす作用がより強化される。 【0054】本実施の形態では加工液供給孔261に加工液Lを流すようにし円筒孔271に洗浄液Sを流すようにしたが、この逆すなわち加工液供給孔261に洗浄液Sを流すようにし円筒孔271に加工液Lを流すようにしても良い。 【0055】 【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の研磨盤および研磨方法によれば、2つの回転工具円盤を微少量後退させることによりワークと2つの回転工具円盤との間に間隙を形成し、この間隙より洗浄液を吐出するようにしたのでワークと2つの回転工具円盤(ラップ定盤)は回転中に接触せずにワークを洗浄できる。これによりワークに傷を生じさせることなくワークを洗浄することができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003470 【氏名又は名称】豊田工機株式会社 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成13年9月25日(2001.9.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−94324(P2003−94324A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月3日(2003.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−290497(P2001−290497) |
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