| 【発明の名称】 |
被研磨部材の保持材 |
| 【発明者】 |
【氏名】本瀬 貴一郎 【住所又は居所】山口県防府市鐘紡町4番1号カネボウ株式会社防府工場内
【氏名】奥平 倫之 【住所又は居所】山口県防府市鐘紡町4番1号カネボウ株式会社防府工場内
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| 【要約】 |
【課題】被研磨部材の保持材は、各種界面活性剤等の分散安定剤及び湿式凝固助剤により被研磨部材の研磨において泡が発生し、被研磨部材の品質低下、製品の歩留まりの悪化を来す。
【解決手段】保持材に含有される界面活性剤の量が、5.0mg/g保持材以下である被研磨部材の保持材または、研磨中に保持材から発生する泡が5個/5400mm2以下であることを特徴とする被研磨部材の保持材により解決しうる。さらには、保持材の発泡層表面に形成されたスキン層が、バフされている前記保持材により解決しうる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】保持材に含有される界面活性剤の量が、5.0mg/g保持材以下である被研磨部材の保持材。 【請求項2】研磨中に保持材から発生する泡が5個/5400mm2以下であることを特徴とする被研磨部材の保持材。 【請求項3】保持材の発泡層表面に形成されたスキン層が、バフされている請求項1あるいは2記載の保持材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、LCDガラス用、カラーフィルター、セラミック基板、反射鏡、水晶発振子、半導体ウエハー等の被研磨部材の保持材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般的に、LCDガラス用、カラーフィルター、セラミック基板、反射鏡、水晶発振子、半導体ウエハー等の被研磨部材は回転加工装置等の研磨機により研磨加工される。その場合、被研磨部材を研磨機の定盤に固定し、そして、この定盤と対向して配置された定盤に研磨布を相対的に回転されると共に、両者間に砥粒等を含む研磨液を供給する事によって、被研磨部材を研磨する。 【0003】この際の、被研磨部材の保持方法としては、被研磨部材を保持するために適した高分子弾性発泡体が用いられる。保持部材は被研磨部材が水等の液体を介して強く押しつけられることにより被研磨部材に吸着して該研磨部材を固定する。 【0004】また、研磨加工中に被研磨部材が定盤からの飛び出すのを防止するために、特開昭61−230866のような被研磨部材を嵌合するリセス孔を有するテンプレートを設ける方法も採用されている。 【0005】これらの方法で用いられる保持材は、一般にウレタン樹脂組成物を用いた湿式凝固で製造される。この湿式凝固法は、ウレタン樹脂組成物を調整した後ウレタン樹脂組成物を支持体に塗布し、次いで、水、ジメチルホルムアミド(DMF)混合溶液中にて湿式凝固処理を行い、支持体上に発泡層を生成させ、その後乾燥し場合によっては最表面をバフして保持材を得るものである。 【0006】また、特開2000−42909のように、支持体と湿式発泡層の間に、支持体の組成と湿式発泡層の組成を含む熱可塑性樹脂層を積層することにより、剥離強力の強い保持材を得ることができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】このような保持材は、湿式凝固処理により、支持体上に発泡層を形成する際、発泡層中の発泡セルを均一な大きさに揃えるために、ウレタン樹脂組成物、水、ジメチルホルムアミド(DMF)混合溶液中に、各種界面活性剤等の分散安定剤及び湿式凝固助剤を添加する。この添加剤が発泡層に残存することで、被研磨部材の研磨において泡が発生し、被研磨部材の品質低下、製品の歩留まりを悪化させる。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を解決するために、研磨中に発生する泡の量が少量である被研磨部材の保持材を提供するものである。 【0009】すなわち、保持材に含有される界面活性剤の量が、5.0mg/g保持材以下である被研磨部材の保持材または、研磨中に保持材から発生する泡が5個/5400mm2以下であることを特徴とする被研磨部材の保持材により課題を解決しうる。 【0010】さらには、保持材の発泡層表面に形成されたスキン層が、バフされている前記保持材、または保持材の表面に被研磨部材が嵌合されるリセス孔を有する角状或いは円形状のテンプレートが設けられている前記保持材により課題を解決しうる。 【0011】ここで、スキン層とは湿式凝固法で作られた発泡層の表面に形成された硬い被膜層のことを、テンプレートとは十分な平面度を有し、耐衝撃性、靱性と耐摩耗性に優れたエンジニアリングプラスチックで構成された被加工物が嵌合されるリセス孔を有する枠材の意味である。その材質には、ガラス入りエポキシ、ベークライト、硬質塩化ビニル等の半剛性材料や更に高硬度な充填樹脂複合材料等が用いられる。リセス孔とは被研磨部材を嵌合、脱着するための孔の意味である。 【0012】 【発明の実施の形態】本願発明の保持材を製造するにおいて湿式発泡層を形成する混合溶液中に含まれる界面活性剤の量を減らすことあるいは保持材の発泡層を形成するがそのものの発泡が弱い界面活性剤を用いること、さらには得られた保持材の界面活性剤の量を後工程にて減ずることにより達成される。本発明に用いられる界面活性剤としては、例えば、界面活性剤を含む湿式発泡層を形成する混合溶液を支持体上に塗布して発泡層を生成させ、その後乾燥した時に湿式発泡層の発泡セルの大きさが均一で且つ湿式発泡層表面が平滑で且つ湿式発泡層表面に分散不良もしくは添加剤の表面残留による色ムラが起こらないような界面活性剤が望ましい。 【0013】界面活性剤の市販品としては、例えばPL―210(花王株式会社製商品名グリセリンエチレンオキシドポリオキシド化合物)があげられる。また、界面活性剤は通常3部〜10部程度添加されるが、本願発明においては、0.01部〜2.00部、さらに好ましくは0.1部〜1.00部の添加量で保持材を製造するものである。また、製造後界面活性剤を除去する方法としては、水あるいは、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、トルエン、メタノール、エタノール、アセトンなどの有機溶媒さらには、それらの混合溶液などの溶液に溶出する方法がある。 【0014】本発明で使用される発泡層組成物に添加する界面活性剤は、適宜発泡層組成物に配合されるものであり、その含有量はウレタン組成物100重量部に対して0.01〜2.00重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.00重量部である。 【0015】本発明に使用されるウレタン組成物とは、一般的に有機ジイソシアネート、ポリオール類及び鎖伸長剤とからなる。 【0016】有機ジイソシアネートとしては、例えばジフェニルメタン−4、4‘−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジクロヘキシルメタン−4、4‘−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等、或いはこれらの混合物が挙げられる。 【0017】またポリオールとしては、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリプロピレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコールポリエチレンブチレンアジペートグリコール、ポリペンタメチレンアジペートグリコール等のポリエステルポリオール類、或いはポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール類、或いはラクトン環を開環重合したポリカプロラクトン類の両末端に水酸基を有する分子量500〜8000のグリコール、或いはポリヘキサメチレンカーボネート、更にはポリヘキサメチレンカーボネートと上述のポリオール類を併合し共重合させたものが挙げられる。 【0018】鎖伸長剤としては、活性水素基を含んだ低分子化合物、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン等のジアミン類、或いはアミノアルコール等を挙げることができる。 【0019】上述の組成からなるウレタン組成物を溶解する溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、エチルアセテート、ジオキサン等の水混和性有機溶剤を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。 【0020】ウレタン組成物の固形分濃度は、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは15〜30重量%である。固形分濃度が低すぎると湿式凝固後のウレタン層表面に大きなうねりが発生し平滑性が悪化する。又固形分が高すぎる場合空気を巻き込みやすく湿式凝固後のウレタン表面に大きな陥没が発生する場合がある。 【0021】上述の組成に調整されたウレタン組成物を、すでにコーティングされた熱可塑性樹脂層上にリバースコーター、ナイフコーター等の適宜な塗工手段を用いてコーティングする。コート量は特に限定しないが150g〜1200g/m2が好適である。 【0022】ついで水、DMF(ジメチルホルムアミド)混合溶液中にて湿式凝固せしめた後、脱溶剤のための水洗、乾燥をすることにより、コート層に発泡層が得られる。得られた保持材の表面はそのままでも、十分保持材として使用可能であり、液晶ガラス等の場合は、この保持材にガラスを水の表面張力により固定し研磨する。 【0023】また、保持材の表面を、例えばサンドペーパーを用いて、クリアランス0.3〜0.6mm、ラインスピード1〜10m/分、ペーパー回転数500〜3000rpmの条件にてバフィングを行う。 【0024】シリコンウエハーの場合は、この様に表面処理された保持材を使用し、ウエハーサイズに開口した主としてガラスエポキシ樹脂にて形成されているテンプレートを配置し、その中に被研磨物であるシリコンウエハーを水吸着して研磨する。 【0025】この時、保持材の表面に被研磨部材が嵌合されるリセス孔を有する角状或いは円形状のテンプレートを設けてもよい。 【0026】得られた保持材において、それに含有される界面活性剤の量は少なければ少ない方が良く、5.0mg/g保持材以下、さらには3.5mg/g保持材以下、2.0mg/g保持材以下が好適である。また、実施例1の条件あるいは研磨中に保持材から発生する泡は5個/5400mm2以下さらには3個/5400mm2以下が好適である。 【0027】 【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を提示する。尚、実施例、及び比較例中の「部」は、特に断りの無い限り重量当たりの比率である「重量部」を意味する。 【0028】泡発生状況評価方法表面が平滑で且つ剛性の鉄或いはステンレス台の上に60mm×90mmの保持材の裏面に両面テープを介在して固定する。その保持材の表面に3ccの水を滴下して、保持材に水をよくなじませる。80mm×100mmのガラス板を保持材の上にのせ、2.5gf/cm2の荷重をかけながら、左右20mmずつ150往復/分の速度で強制的にガラス板と保持材を擦らせる。 【0029】所定の時間になったら、ガラス板を保持材からはがして、ガラス板に付着した泡の塊(1個の大きさが1mm以下で1〜数百個の泡が集まった集合体)の数と泡の消えるまでの時間を測定する。泡の塊の数に関しては、ガラス板を保持材から離して30秒以上経っても残っている泡の数を測定する。泡が消えるまでの時間に関しては、保持材を離した時を0秒として、泡が完全になくなるまでの時間とする。 【0030】評価の結果の判定は、泡の数が5個以下であること、且つ、泡が消えるまでの時間が5分以内であるものを○、それ以外のものを×として行った。 [実施例1]まず、支持体と湿式発泡層を接着させるために、ポリエステル−ポリウレタン共重合体をメチルエチルケトンで希釈したものをポリエステルシート(東洋紡株式会社製、クリスパーG1212(厚み0.188mm))上にナイフコーターでクリアランス0.15mmにて塗布した。その後、80℃、15分間乾燥し、約35μmの熱可塑性層を形成しコートしたシートを得た。ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)をポリオール成分として用い、ジフェニル−4、4‘−ジイソシアネート、ジアミンをジメチルホルムアミド中で溶液重合させて、濃度30%のポリウレタンエラストマー溶液を得た。このポリウレタンエラストマー溶液100部に、カーボンブラック粉3部、ジメチルホルムアミド100部、界面活性剤としてPL−210(グリセリンエチレンオキシドポリオキシド化合物)1部を加え、塗布液を得た。得た塗布液を、上記シート上にリバースコーターで800g/m2塗布した後、35℃の凝固浴(水:ジメチルアミド=90:10重量比)中にて凝固させ、温水で十分脱溶媒した後、150℃にて温風乾燥を行い、厚み0.8mmの保持材を得た。 [比較例1]塗布液中に添加する界面活性剤が10部であること以外は実施例と同一の方法で保持材を製造した。 [比較例2]塗布液中に添加する界面活性剤が3部であること以外は実施例と同一の方法で保持材を製造した。製造した保持材は、泡発生状況評価方法に従い評価した。その結果を表1に示した。実施例で明らかな様に、界面活性剤を減らして作製した高分子弾性発泡体から発生する泡は、非常に少なく、被研磨部材に付着しても非常に消滅しやすいものであることがわかる。 【0031】 【表1】
【0032】 【発明の効果】本発明によれば、本願発明の保持材を研磨工程に用いることで保持材から発生する泡を抑制でき、被研磨部材の品質低下を抑制し、且つ製品としての被研磨部材の歩留まりを向上させることができる。 【0033】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000952 【氏名又は名称】カネボウ株式会社 【住所又は居所】東京都墨田区墨田五丁目17番4号
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| 【出願日】 |
平成13年9月25日(2001.9.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−94323(P2003−94323A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月3日(2003.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−290689(P2001−290689) |
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