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【発明の名称】 基板の受け渡し方法および機械化学的研磨装置
【発明者】 【氏名】北島 知彦
【住所又は居所】千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内

【要約】 【課題】基板に生じるパーティクルを低減することができる基板の受け渡し方法および機械化学的研磨装置を提供する。

【解決手段】CMP装置のロードカップ4は、ウェハWを支持するペデスタル12を有し、このペデスタル12には通路および複数の開口が形成されている。ペデスタル12の通路は、配管19、切換バルブ20、配管22を介して純水供給源21と接続されている。ペデスタル12上でウェハWを位置合わせするときは、配管19,22を連通させる位置に切換バルブ20を切り換えると共に、開閉バルブ25の開位置に切り換える。すると、純水供給源21の純水が配管22,19を介してペデスタル12の通路に供給され、ペデスタル12の開口から純水が流出し、この純水によってウェハWが持ち上がる。このため、ウェハWの表面が乾燥することなく、ウェハWの位置合わせが行える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベース部上に設けられた研磨パッドと、前記ベース部上に設けられ、基板を支持する支持部を有するロードカップと、前記ベース部の上方に配置され、前記基板を保持して前記研磨パッドに対して加圧する研磨ヘッドとを備えた機械化学的研磨装置を用いて前記基板の表面を研磨した後、前記研磨パッドに保持された前記基板を前記支持部に受け渡す基板の受け渡し方法であって、前記研磨ヘッドに保持された前記基板を前記支持部に支持させるステップと、前記支持部に支持された前記基板の表面に下方より前記液体をかけて前記基板の表面を濡らすステップとを含む基板の受け渡し方法。
【請求項2】 前記基板の表面を濡らした状態で、前記基板の位置合わせを行うステップを更に含む請求項1記載の基板の受け渡し方法。
【請求項3】 前記研磨ヘッドとして、膨張・収縮可能な基板吸着膜を下面部に有するものを用い、前記研磨ヘッドに保持された前記基板を前記支持部に支持させるステップにおいては、前記基板が吸着保持された前記基板吸着膜を膨張させ、前記基板が前記支持部に達して前記支持部に支持されると、前記基板吸着膜を収縮させる請求項1または2記載の基板の受け渡し方法。
【請求項4】 前記液体として水を使用する請求項1〜3のいずれか一項記載の基板の受け渡し方法。
【請求項5】 ベース部と、前記ベース部上に設けられた研磨パッドと、前記ベース部上に設けられ、基板を支持する支持部を有するロードカップと、前記ベース部の上方に配置され、前記基板を保持して前記研磨パッドに対して加圧する研磨ヘッドと、前記支持部に支持された前記基板の表面に下方より前記液体をかけて前記基板の表面を濡らす基板リンス手段とを備える機械化学的研磨装置。
【請求項6】 前記基板リンス手段は、前記支持部の上面部に設けられた液体流出口と、液体源と、前記液体流出口と前記液体源との間に設けられた液体導入路とを有する請求項5記載の機械化学的研磨装置。
【請求項7】 前記ロードカップは、前記支持部上において前記基板の位置合わせを行うための位置決め手段を有する請求項5または6記載の機械化学的研磨装置。
【請求項8】 前記研磨ヘッドは、膨張・収縮可能な基板吸着膜を下面部に有する請求項5〜7のいずれか一項記載の機械化学的研磨装置。
【請求項9】 前記基板を前記支持部の上面に対して吸引するためのバキューム手段を更に備える請求項5〜8のいずれか一項記載の機械化学的研磨装置。
【請求項10】 前記研磨ヘッドの下面に前記液体をかけて前記研磨ヘッドの下面を洗浄するヘッド洗浄手段を更に備える請求項5記載の機械化学的研磨装置。
【請求項11】 前記基板リンス手段は、前記支持部の上面部に設けられた液体流出口と、液体源と、前記液体流出口と前記液体源との間に設けられた第1液体導入路とを有し、前記ヘッド洗浄手段は、前記液体流出口と、前記液体源と、前記液体流出口と前記液体源との間に設けられた第2液体導入路とを有し、前記第1液体導入路は、前記第2液体導入路に並列に接続された分岐部を有し、前記分岐部には減圧弁が設けられている請求項10記載の機械化学的研磨装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の表面を研磨した後に、基板を研磨ヘッドからロードカップに受け渡す基板の受け渡し方法および機械化学的研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に機械化学的研磨装置(CMP装置)は、ベース部上に設けられた研磨パッドと、ベース部上に設けられ、ウェハ(基板)を支持するペデスタルを有するロードカップと、ベース部の上面に回転可能に支持され、ウェハを保持して研磨パッドに対して加圧する研磨ヘッドを有するヘッドユニットとを備えている。
【0003】このようなCMP装置によりウェハの研磨を行う場合、まずペデスタル上に置かれたウェハを研磨ヘッドに保持させる。続いて、ヘッドユニットを回転させて研磨パッドの上方にウェハを移動させる。そして、研磨パッドの上面に研磨剤(スラリー)を供給すると共に、研磨ヘッドを下降させて研磨パッドの上面にウェハを加圧密着させ、ウェハの表面を研磨する。その後、ウェハの研磨が終了すると、研磨ヘッドに保持された研磨済みのウェハをペデスタル上に戻す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術においては、ペデスタル上に置かれた研磨済みのウェハは、ウェハカセットに収納されたり、ウェハ洗浄機のインプットステーションに置かれることになるため、ペデスタル上でウェハの位置出しを行う必要がある。このとき、ウェハの表面(下面)がペデスタルの上面に貼り付いた場合でも、ウェハの位置出しが行えるように、ウェハの表面にエアーをブローしてウェハを浮かせることがある。しかし、研磨済みのウェハの表面にエアーがあたると、ウェハの表面が乾燥してしまい、ウェハの表面にパーティクルが発生しやすくなる。この場合には、後工程でウェハを洗浄しても、パーティクルを十分に除去することは困難である。
【0005】本発明の目的は、基板に生じるパーティクルを低減することができる基板の受け渡し方法および機械化学的研磨装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベース部上に設けられた研磨パッドと、ベース部上に設けられ、基板を支持する支持部を有するロードカップと、ベース部の上方に配置され、基板を保持して研磨パッドに対して加圧する研磨ヘッドとを備えた機械化学的研磨装置を用いて基板の表面を研磨した後、研磨パッドに保持された基板を支持部に受け渡す基板の受け渡し方法であって、研磨ヘッドに保持された基板を支持部に支持させるステップと、支持部に支持された基板の表面に下方より液体をかけて基板の表面を濡らすステップとを含むことを特徴とするものである。
【0007】このように支持部に支持された基板の表面に下方より液体をかけて基板の表面を濡らすことにより、例えば支持部上において研磨済みの基板を位置合わせする場合に、基板の表面を乾かすことなく、支持部上で基板を浮かして基板の位置合わせを行うことができる。このように基板の表面が乾くことが防止されるため、基板の表面にパーティクルが付着しにくくなり、これにより基板の表面に生じるパーティクルが低減される。
【0008】好ましくは、基板の表面を濡らした状態で、基板の位置合わせを行うステップを更に含む。これにより、支持部から基板収納用カセットまたは洗浄機のインプットステーションへの基板の搬送をロボット等で自動的に行うことができる。
【0009】また、好ましくは、研磨ヘッドとして、膨張・収縮可能な基板吸着膜を下面部に有するものを用い、研磨ヘッドに保持された基板を支持部に支持させるステップにおいては、基板が吸着保持された基板吸着膜を膨張させ、基板が支持部に達して支持部に支持されると、基板吸着膜を収縮させる。これにより、研磨ヘッドに保持された研磨済みの基板を支持部に容易に支持させることができる。
【0010】さらに、好ましくは、液体として水を使用する。この場合には、取扱性やコスト面で非常に有利である。
【0011】また、本発明の機械化学的研磨装置は、ベース部と、ベース部上に設けられた研磨パッドと、ベース部上に設けられ、基板を支持する支持部を有するロードカップと、ベース部の上方に配置され、基板を保持して研磨パッドに対して加圧する研磨ヘッドと、支持部に支持された基板の表面に下方より液体をかけて基板の表面を濡らす基板リンス手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】このように基板リンス手段を設けることにより、上述した基板の受け渡し方法を実施することができる。従って、例えば支持部上で基板を浮かして基板の位置合わせを行う際に、基板の表面が乾くことが防止されるため、基板の表面にパーティクルが付着しにくくなり、これにより基板の表面に生じるパーティクルが低減される。
【0013】好ましくは、基板リンス手段は、支持部の上面部に設けられた液体流出口と、液体源と、液体流出口と液体源との間に設けられた液体導入路とを有する。これにより、簡単な構成で、支持部に支持された基板の表面に下方より液体をかけることができる。
【0014】また、好ましくは、ロードカップは、支持部上において基板の位置合わせを行うための位置決め手段を有する。この場合には、例えば、基板リンス手段により基板の表面に液体をかけて基板を持ち上げた状態で、位置決め手段により基板の位置合わせを行う。これにより、支持部から基板収納用カセットまたは洗浄機のインプットステーションへの基板の搬送をロボット等で自動的に行うことができる。
【0015】さらに、好ましくは、研磨ヘッドは、膨張・収縮可能な基板吸着膜を下面部に有する。この場合、研磨ヘッドに保持された研磨済みの基板を支持部に受け渡すときは、研磨済みの基板が吸着保持された基板吸着膜を膨張させ、基板が支持部に達して支持部に支持されると、基板吸着膜を収縮させる。これにより、研磨済みの基板を支持部に容易に支持させることができる。
【0016】また、好ましくは、基板を支持部の上面に対して吸引するためのバキューム手段を更に備える。これにより、研磨済みの基板が研磨ヘッドに貼り付いた状態であっても、その基板を支持部に支持させることができる。
【0017】さらに、好ましくは、研磨ヘッドの下面に液体をかけて研磨ヘッドの下面を洗浄するヘッド洗浄手段を更に備える。これにより、次に研磨すべき基板が研磨ヘッドに保持されたときに、研磨ヘッドの下面に残留した汚染物質がその基板に付着することが防止される。
【0018】この場合、好ましくは、基板リンス手段は、支持部の上面部に設けられた液体流出口と、液体源と、液体流出口と液体源との間に設けられた第1液体導入路とを有し、ヘッド洗浄手段は、液体流出口と、液体源と、液体流出口と液体源との間に設けられた第2液体導入路とを有し、第1液体導入路は、第2液体導入路に並列に接続された分岐部を有し、分岐部には減圧弁が設けられている。この場合には、液体流出口および液体源を共通に使用するため、構成を大幅に変更することなしに、基板リンス手段およびヘッド洗浄手段を構成できる。また、基板リンス手段に減圧弁を設けることにより、基板リンス手段により基板の表面に下方より液体をかけて基板を持ち上げる時の液体の流出圧力が、ヘッド洗浄手段により研磨ヘッドを洗浄する時の液体の流出圧力よりも小さくなるため、基板が持ち上がり過ぎることを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る基板の受け渡し方法および機械化学的研磨装置の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】図1は、本発明に係る機械化学的研磨装置(CMP装置)の一実施形態を概略的に示した分離斜視図である。同図において、本実施形態のCMP装置1はベース部2を有し、このベース部2の上面には、複数(ここでは3つ)の研磨パッド3と1つのロードカップ4とが設けられている。ベース部2の上面における各研磨パッド3に隣接した位置には、研磨パッド3の表面状態を調節するパッドコンディショナー5と、研磨パッド3の表面にスラリー(研磨剤)Sを供給するスラリー供給アーム6とが設けられている。
【0021】ベース部2の上面には、ヘッドユニット7が回転自在に支持されている。このヘッドユニット7は、ウェハWを吸着保持して研磨パッド3に対して加圧する複数(ここでは4つ)の研磨ヘッド8と、各研磨ヘッド8を回転させるための回転軸9とを有し、各回転軸9は、駆動機構(図示せず)により回転駆動される。
【0022】研磨ヘッド8の下面には、ウェハWを真空吸着するためのゴム製のメンブレン(基板吸着膜)10が設けられている(図2参照)。このメンブレン10は、空気の供給および吸引(バキューム)によって膨張・収縮可能であり、ロードカップ4から研磨ヘッド8へのウェハWの受け渡し(ロード)と研磨ヘッド8からロードカップ4へのウェハWの受け渡し(アンロード)とを行うのに用いられる。
【0023】図2はロードカップ4の断面図であり、図3はロードカップ4の平面図である。これらの図において、ロードカップ4はカップ本体11を有し、このカップ本体11内には、ウェハWを吸着支持するペデスタル12が配置されている。このペデスタル12の内部には通路13が形成されている。また、ペデスタル12の上面部には、通路13と連通した複数の開口14が形成されている。通路13は、ウェハWをペデスタル12の上面に吸着支持する時に吸引したり、純水を流すためのものである。なお、純水は、ペデスタル12上でウェハWの位置出しを行う時や、ペデスタル12上のウェハWを研磨ヘッド8に受け渡す時や、研磨ヘッド8の下面部を洗浄する時に用いられる。また、開口14は、通路13に純水を流した時には純水の流出口となる。
【0024】このようなペデスタル12には、通路13内の圧力を検出するための圧力センサ44が接続されており、この圧力センサ44の検出値によって、ペデスタル12上にウェハWが支持されたかどうかを検知することができる。
【0025】また、カップ本体11内には、ペデスタル12の下方をカップ本体11の中心部から外側に延びる3本の洗浄用流路形成部材15が配置され、各洗浄用流路形成部材15の先端部には上方に突出した突部15aが設けられている。洗浄用流路形成部材15の内部には、洗浄液である純水を流すための通路16が形成されている。突部15aには、通路16と連通され純水を研磨ヘッド8の下面部に向けて噴射させるノズル17が上下に設けられている。
【0026】各洗浄用流路形成部材15に隣接した位置には、ペデスタル12上に置かれたウェハWの中心が研磨ヘッド8の中心に一致するようにウェハWを研磨ヘッド8に対して位置決め(センタリング)するための3つの位置決め部材18が配置されている。これらの位置決め部材18は、ウェハWを研磨ヘッド8に対して位置合わせすることによって、ペデスタル12上に置かれたウェハWをウェハカセット(図示せず)内に収納したり、ウェハ洗浄機のインプットステーション(図示せず)に移載するときのウェハWの位置合わせとしての機能をも兼ね備えている。
【0027】各位置決め部材18は、先端に1対の保持部18aを有し、エアーシリンダ等の駆動機構(図示せず)によりペデスタル12の径方向に揺動可能である。そして、各位置決め部材18を内側に移動(クローズ)させると、位置決め部材18の上端部が研磨ヘッド8に当接すると共に保持部18aがウェハWに当接し、これによりウェハWが研磨ヘッド8に対して位置決め保持される。一方、各位置決め部材18を外側に移動(オープン)させると、ウェハWの保持が解除される。
【0028】このような位置決め部材18を設けることにより、ウェハWが研磨ヘッド8に保持されたときに、ウェハWの中心を研磨ヘッド8の中心に合致させることが可能となる。また、研磨済みのウェハWをウェハカセット(図示せず)内に収納したり、洗浄機のインプットステーション(図示せず)に置くプロセスを搬送ロボット(図示せず)で自動的に行うことができる。
【0029】図4は、ロードカップ4への純水の供給系統、ペデスタル12内のバキューム系統およびN2ガスの供給系統を示す構成図である。同図において、ペデスタル12に設けられた通路13(図2参照)は、配管19を介して切換バルブ20と接続され、この切換バルブ20には配管22,23が接続されている。切換バルブ20の切換操作部20aには、電磁弁24が接続されている。切換バルブ20は、通常は配管19,23を連通させる位置(図示位置)にあり、電磁弁24が開状態になって切換操作部20aがオンになる(空気圧が立つ)と、配管19,22を連通させる位置に切り換わる。
【0030】配管23は切換バルブ28と接続され、この切換バルブ28には、配管22と分岐接続された配管29が接続されている。また、切換バルブ28には、配管30を介して水トラップ31が接続されている。切換バルブ28の切換操作部28aには、電磁弁32が接続されている。切換バルブ28は、通常は配管23,30を連通させる位置(図示位置)にあり、電磁弁32が開状態になって切換操作部28aがオンになると、配管23,29を連通させる位置に切り換わる。
【0031】配管22は、純水供給源21と接続されている。また、配管22における配管23,29と並列に接続された分岐部22aには、開閉バルブ25及び流量計付きの減圧弁26が設けられている。開閉バルブ25の切換操作部25aには、電磁弁27が接続されている。開閉バルブ25は、通常は閉位置(図示位置)にあり、電磁弁27が開状態になって切換操作部25aがオンになると開位置に切り換わる。減圧弁26は、純水の供給圧を予め設定された圧力まで減圧する。
【0032】また、配管22には配管33が分岐接続され、この配管33は、各洗浄用流路形成部材15に設けられた通路16(図2参照)と接続されている。配管33には開閉バルブ34が設けられ、この開閉バルブ34の切換操作部34aには、電磁弁35が接続されている。開閉バルブ34は、上記の開閉バルブ25と同様の動作を行う。
【0033】水トラップ31には、ウェハWをペデスタル12の上面に対して吸引するための真空ポンプ36が接続されている。また、水トラップ31には、当該水トラップ31に溜まった水を排水するためのドレイン管37が接続され、このドレイン管37には逆止弁38が設けられている。
【0034】配管23には、N2ガスを流すための配管39が分岐接続され、この配管39には開閉バルブ40が設けられている。この開閉バルブ40の切換操作部40aには、ディレイ・タイマ41を介して電磁弁42が接続されている。このディレイ・タイマ41は、入力信号を1秒遅延させて出力する。開閉バルブ40は、上記の開閉バルブ25と同様の動作を行う。
【0035】上記の電磁弁24,27,32,35,42は、コントローラ43からの制御信号によって開閉位置が切り換えられる。コントローラ43は、そのような電磁弁の開閉制御に加えて、搬送ロボット(図示せず)によるウェハWの搬送、位置決め部材18の駆動、研磨ヘッド8のメンブレン10の膨張・収縮、ロードカップ4の昇降等といったウェハWの研磨処理に関する種々の制御を行う。
【0036】以上のように構成したCMP装置1によりウェハWの研磨を行う動作について説明する。
【0037】図5は、コントローラ43によるウェハWのロード処理の制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートを用いて、ペデスタル12上のウェハWを研磨ヘッド8に受け渡す方法について説明する。
【0038】同図において、まずウェハWのロード処理を実行する前に、研磨ヘッド8の洗浄を行うべく、電磁弁32,35を開状態にするための制御信号を送出する(ステップ101)。すると、切換バルブ28の切換操作部28aがオンになり、切換バルブ28が配管23,29を連通させる位置に切り換わると共に、開閉バルブ34の切換操作部34aがオンになり、開閉バルブ34が開位置に切り換わる。これにより、純水供給源21の純水が、配管22,29,23,19を介してペデスタル12の通路13に供給され、ペデスタル12の開口14から上方に向けて純水が噴出される。これと同時に、純水供給源21の純水が配管22,33を介して各洗浄用流路形成部材15の通路16に供給され、ノズル17から純水が噴射される(図6参照)。その結果、研磨ヘッド3の下面部が洗浄される。従って、後でウェハWが研磨ヘッド8に保持されたときに、研磨ヘッド8の下面に残留した汚染物質がウェハWに付着することを防止できる。
【0039】そして、所定時間が経過すると、電磁弁32,35を閉状態にするための制御信号を送出する。すると、切換バルブ28の切換操作部28aがオフになり、切換バルブ28が配管23,30を連通させる位置に切り換わると共に、開閉バルブ34の切換操作部34aがオフになり、開閉バルブ34が閉位置に切り換わる。これにより、研磨ヘッド8の洗浄プロセスが完了する。
【0040】次いで、真空ポンプ36によりペデスタル12内部をバキュームした状態で、搬送ロボット(図示せず)を制御して研磨すべきウェハWをペデスタル12の上面に置く(ステップ102)。すると、ウェハWが吸引されてペデスタル12の上面に真空吸着される(図7参照)。
【0041】次いで、純水を用いてウェハWのペデスタル12に対する吸着を解除すべく、電磁弁24,27を開状態にするための制御信号を送出する(ステップ103)。すると、切換バルブ20の切換操作部20aがオンになり、切換バルブ20が配管19,22を連通させる位置に切り換わると共に、開閉バルブ25の切換操作部25aがオンになり、開閉バルブ25が開位置に切り換わる。これにより、純水供給源21の純水が配管22,19を介してペデスタル12の通路13に供給され、ペデスタル12の開口14から純水が流出する。そして、この純水がウェハWの表面(下面)にかけられてウェハWがペデスタル12に対して持ち上がり、ウェハWの吸着が解除される(図8参照)。
【0042】ところで、研磨ヘッド8を洗浄するときには、研磨ヘッド8に純水を吹き付けるため、純水の供給圧力をある程度高圧にする必要がある。しかし、本ステップにおいてペデスタル12の開口14からの純水の流出圧力があまり高圧になると、ペデスタル12上に置かれたウェハWが大きく持ち上がり、最悪の場合にはウェハWがペデスタル12から外れる可能性がある。そこで、開口14から流出された純水によってウェハWが僅かに浮くように、減圧弁26の二次圧を設定し、上記の不具合を回避できるようにする。
【0043】このように純水をウェハWの表面にかけてウェハWを浮き上げるようにしたので、ウェハWの表面にN2ガスを吹き付けなくて済む。従って、ウェハWにAl層が形成されている場合には、N2ガスによってウェハWの表面が帯電してアーキングを起こすことが無いため、Al層が破壊することを防止できる。
【0044】また、必要に応じて、N2ガスのパージによる配管内の水抜きを行う。具体的には、電磁弁42を開状態にするための制御信号を送出する。すると、ディレイ・タイマ41にオン信号が入力されてから1秒後に、開閉バルブ40が開位置に切り換わる。これにより、N2ガスが配管39,23,30を介して水トラップ31に供給されるため、配管23,30内に残っている水は水トラップ31に溜められ、ドレイン管37を介して排出される(図8参照)。このとき、電磁弁24,42を開状態にするための制御信号を同時に送出すると、切換バルブ20の切換操作部20aがオンしてから1秒後にN2ガスが配管39内を流れ始めるので、N2ガスが配管19を介してペデスタル12の通路13に流れ込むことは無い。
【0045】そして、所定時間が経過すると、電磁弁27を閉状態にするための制御信号を送出する。すると、開閉バルブ25の切換操作部25aがオフになり、開閉バルブ25が閉位置に切り換わり、これにより純水の供給が停止する。
【0046】次いで、各位置決め部材18をクローズさせるよう駆動機構(図示せず)を制御する。すると、各位置決め部材18によりウェハWが研磨ヘッド8に対して位置合わせされた状態で保持される(ステップ104)。その後、各位置決め部材18をオープンさせて、各位置決め部材18によるウェハWの保持を解除する。
【0047】次いで、研磨ヘッド8のメンブレン10を膨張させるように研磨ヘッド8を制御する(ステップ105)。すると、メンブレン10が下方に膨張し、メンブレン10がウェハWの裏面(上面)に接触した時点で、メンブレン10をバキュームするように研磨ヘッド8を制御する。
【0048】次いで、ウェハWをメンブレン10に吸着保持させるべく、電磁弁27を開状態にするための制御信号を送出する(ステップ106)。すると、開閉バルブ25が閉位置から開位置に切り換わり、純水供給源21の純水がペデスタル12の通路13に供給され、ペデスタル12の開口14から純水が流出する。そして、この純水がウェハWの表面にかけられてウェハWがペデスタル12に対して持ち上がり、ウェハWが研磨ヘッド8に容易に受け渡される(図8参照)。
【0049】その後、純水の供給を停止させるべく、電磁弁24,27を閉状態にするための制御信号を送出する。すると、切換バルブ20の切換操作部20aがオフになり、切換バルブ20は配管19,23を連通させる位置に切り換わると共に、開閉バルブ25の切換操作部25aがオフになり、開閉バルブ25が閉位置に切り換わる。そして、ウェハWを保持した状態のメンブレン10を収縮させるように研磨ヘッド8を制御する(ステップ107)。
【0050】その後、駆動機構(図示せず)を制御してロードカップ4を下降させる。そして、ヘッドユニット7を回転させ、研磨ヘッド8に真空吸着されたウェハWをロードカップ4に隣接した研磨パッド3の上方に移動させる。また、スラリー供給アーム6により研磨パッド3の表面にスラリーSを供給する。そして、研磨ヘッド8を下降させて、研磨パッド3の上面にウェハWの表面(下面)を加圧密着させることによって、ウェハWの表面の研磨を行う。
【0051】このようなウェハWの研磨が終了すると、駆動機構(図示せず)を制御してロードカップ4を上昇させ、ウェハWのアンロード処理を実行する。図9は、コントローラ43によるウェハWのアンロード処理に係る制御手順を示すフローチャートである。このフローチャートを用いて、ウェハWを研磨ヘッド8からペデスタル12に受け渡す方法について説明する。
【0052】同図において、まずメンブレン10を下方に膨張させるように研磨ヘッド8を制御し、メンブレン10に真空吸着されたウェハWを下降させる(ステップ111)。続いて、圧力センサ44の検出信号に基づいてウェハWがペデスタル12上に達したかどうかを判断し(ステップ112)、ウェハWがペデスタル12上に達すると、メンブレン10を収縮させるように研磨ヘッド8を制御する(ステップ113)。このとき、熱や研磨剤の影響によりウェハWがメンブレン10に貼り付いた状態となることがあるが、ペデスタル12内部は真空ポンプ36によってバキュームされているため、ウェハWがペデスタル12上に達した時点で、ウェハWはペデスタル12の上面に吸着支持される(図7参照)。
【0053】次いで、ウェハWの表面に純水をかけてウェハWを持ち上げるべく、電磁弁24,27を開状態にするための制御信号を送出する(ステップ114)。すると、上述したように、切換バルブ20が配管19,22を連通させる位置に切り換わると共に、開閉バルブ25が開位置に切り換わる。これにより、純水供給源21の純水が配管22,19を介してペデスタル12の通路13に供給され、ペデスタル12の開口14から純水が流出し、ウェハWが浮き上がる(図8参照)。その後、電磁弁27を閉状態にして開閉バルブ25を閉位置に切り換え、純水の供給を停止させる。
【0054】次いで、各位置決め部材18をクローズさせるよう駆動機構(図示せず)を制御する。すると、各位置決め部材18によりウェハWが研磨ヘッド8に対して位置合わせされた状態で保持される(ステップ115)。その後、各位置決め部材18をオープンさせて、各位置決め部材18によるウェハWの保持を解除する。
【0055】次いで、搬送ロボット(図示せず)を制御して、研磨したウェハWをペデスタル12から搬送する(ステップ116)。具体的には、研磨したウェハWを洗浄するときは、搬送ロボットによりウェハWを洗浄機のインプットステーション(図示せず)に置く。一方、研磨したウェハWを洗浄しないときは、搬送ロボットによりウェハWをウェハカセット(図示せず)に収納する。
【0056】以上において、通路13、開口14、配管19,22、切換バルブ20、純水供給源21、開閉バルブ25、減圧弁26、電磁弁24,27及びコントローラ43のステップ114(図9参照)は、支持部12に支持された基板Wの表面に下方より液体をかけて基板Wの表面を濡らす基板リンス手段を構成する。また、通路13、開口14、通路16、ノズル17、配管19,22,23,29,33、切換バルブ20,28、純水供給源21、開閉バルブ34、電磁弁24,32,35及びコントローラ43のステップ101(図5参照)は、研磨ヘッド8の下面に液体をかけて研磨ヘッド8の下面を洗浄するヘッド洗浄手段を構成する。
【0057】以上のように本実施形態にあっては、ペデスタル12上のウェハWを持ち上げて、ウェハWの位置合わせを行うときは、ウェハWの表面に下方より純水をかけてウェハWの表面を濡らすようにしたので、ウェハWの表面にエアーを吹き付けた場合のようにウェハWの表面が乾燥することは無い。従って、ウェハWの表面にパーティクルが付着しにくくなるため、ウェハWに生じるパーティクルを低減することができる。
【0058】なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ペデスタル12の内部に形成された通路13に、洗浄液としての純水をも流れるような構成としているが、通路13には、ウェハWの表面を濡らすための純水のみが流れるような構成としてもよい。
【0059】また、上記実施形態では、ペデスタル12上に支持されたウェハWの表面に純水をかけてウェハWの表面を濡らすようにしているが、ウェハWの表面を濡らすための液体としては、特に純水に限られず、何らかの成分を含んだ水などでもよい。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、ロードカップの支持部に支持された基板の表面に下方より液体をかけて基板の表面を濡らすようにしたので、基板の表面を乾かすことなく、支持部上で基板を浮かすことができる。これにより、基板の表面に生じるパーティクルを低減することができる。
【出願人】 【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 95054 サンタ クララ バウアーズ アベニュー 3050
【出願日】 平成13年8月27日(2001.8.27)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外2名)
【公開番号】 特開2003−71709(P2003−71709A)
【公開日】 平成15年3月12日(2003.3.12)
【出願番号】 特願2001−256767(P2001−256767)