| 【発明の名称】 |
ラッピング装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】植木 修三 【住所又は居所】鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株式会社鹿児島国分工場内
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| 【要約】 |
【課題】ラップ定盤に複数枚のウェハを貼り付けて研磨する際、各ウェハの研磨量が不均一となり、高精度なラッピング加工ができない。
【解決手段】ラップ盤2上に、下面に複数のラップ定盤3を支持するキャリア1を配して成り、各ラップ定盤3の下面にウェハ6を取着し、ウェハ6表面を上記ラップ盤2に押圧してウェハ6表面を研磨するラッピング装置であって、上記キャリア1はその中心軸1aで回転し、かつ各ラップ定盤3はその中心軸3aで回転する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ラップ盤上に、下面に複数のラップ定盤を支持するキャリアを配して成り、各ラップ定盤の下面にウェハを取着し、ウェハ表面を上記ラップ盤に押圧してウェハ表面を研磨するラッピング装置であって、上記キャリアはその中心軸で回転し、かつ各ラップ定盤はその中心軸で回転することを特徴とするラッピング装置。 【請求項2】上記キャリアの上面にその中心軸を駆動軸として回転する駆動用歯車を備えるとともに、該駆動用歯車の回転に従動して回転し、上記各ラップ定盤の中心軸で回転させる複数の従動用歯車を備えたことを特徴とする請求項1に記載のラッピング装置。 【請求項3】上記各ラップ定盤は、その直径がウェハの直径より1〜5mm大きく、且つ各ラップ定盤に上記従動用歯車の従動軸を嵌合し、少なくとも1つのストレート部を有する円形状の従動軸用孔を備えたことを特徴とする請求項2に記載のラッピング装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高い寸法精度及び平坦度を有する半導体ウェハを得るためのラッピング加工を行うラッピング装置に関する。 【0002】 【従来の技術】半導体ウェハの平行度、平坦度及び表面粗さ等の良否は、半導体の製品品質に直接影響を及ぼす重要な要素であり、ウェハの表面をラッピング装置によってラッピング加工して高品質のウェハが作製されている。 【0003】かかるラッピング装置は、図3に示すように、上部ラップ盤11、下部ラップ盤12及びこれら上部ラップ盤11と下部ラップ盤12との間に備えられた複数のラップ定盤13と、これら複数のラップ定盤13を保持するキャリア17とからなり、上記各ラップ定盤13の下面にはパラフィン系ワックス等を介してウェハが取着されている。 【0004】このようなラッピング装置では、ラップ定盤13に取着されたウェハを、上部ラップ盤11によってウェハが下部ラップ盤12に圧接するように加圧され、上部ラップ盤11及び下部ラップ盤12をそれぞれ回転させながら、供給される研磨材によってラッピング加工する仕組みである(特開平6−77187号公報参照)。 【0005】また、図4の平面図に示すように、上部ラップ盤21と下部ラップ盤の間に配置されるラップ定盤23にウェハ26を偏心させて取着し、その外周に設けられた歯車24によって自転させ、上部ラップ盤21及び下部ラップ盤をそれぞれ回転させることによって、ウェハ26を全面に渡って均一にラッピング加工するラッピング装置が提案されている(特開2000−237953号公報参照)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に示すようなラッピング装置は、複数のラップ定盤13がキャリア17に保持され、上部ラップ盤11とともに回転するため、上部ラップ定盤11及び下部ラップ定盤12が回転するだけであることから、ウェハの研磨量にバラツキが生じやすく、下部ラップ盤12の外周部では周速が大きくなり、各ラップ定盤13に取着されたウェハ16の平坦度、平行度、表面粗さを均一にできないという欠点を有していた。 【0007】また、各ラップ定盤13の周速が異なることから、各ウェハの研磨量の違いが生じ、寸法精度が低下するという欠点を有していた。 【0008】さらに、上記図4に示すようなラッピング装置では、ウェハ26を取着したラップ定盤23がその外周に設けられた歯車24によって自転するが、1つのラップ定盤23に1つのウェハ26しか取着できないため、ラッピング加工の効率が悪いという欠点を有していた。 【0009】またさらに、ウェハ26をラップ定盤23に偏心させて取着する必要があることから、位置ずれが生じやすく、研磨量を均一にしにくいという欠点を有していた。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明のラッピング装置は、ラップ盤上に、下面に複数のラップ定盤を支持するキャリアを配して成り、各ラップ定盤の下面にウェハを取着し、ウェハ表面を上記ラップ盤に押圧してウェハ表面を研磨するラッピング装置であって、上記キャリアはその中心軸で回転し、かつ各ラップ定盤はその中心軸で回転することを特徴とするものである。 【0011】また、本発明のラッピング装置は、上記キャリアの上面にその中心軸を駆動軸として回転する駆動用歯車を備えるとともに、該駆動用歯車の回転に従動して回転し、上記各ラップ定盤をその中心軸で回転させる従動用歯車を備えたことを特徴とするものである。 【0012】さらに、上記各ラップ定盤は、その直径がウェハの直径より1〜5mm大きく、且つ各ラップ定盤に上記従動用歯車の従動軸を嵌合し、少なくとも1つのストレート部を有する円形状の従動軸用孔を備えたことを特徴とするものである。 【0013】本発明のラッピング装置によれば、上記キャリアはその中心軸で回転し、かつ各ラップ定盤はその中心軸で回転することから、ラップ盤上にウェハ全面を一様に接触させることが可能となり、各ウェハの研磨量を均一にして、平坦度、表面粗さの優れたラッピング精度の高いラッピング装置を提供することができる。 【0014】また、本発明のラッピング装置によれば、上記キャリアの上面にその中心軸を駆動軸として回転する駆動用歯車を備えるとともに、該駆動用歯車の回転に従動して回転し、上記各ラップ定盤をその中心軸で回転させる従動用歯車を備えたことから、容易な機構で各ラップ定盤に取着されたウェハ全面を均一にラップ盤に接触させることができ、より平坦度、表面粗さの優れたラッピング精度の高いラッピング装置を提供することができる。 【0015】さらに、本発明のラッピング装置によれば、上記各ラップ定盤の直径がウェハの直径より1〜5mm大きく、上記従動用歯車の従動軸を嵌合する少なくとも1つのストレート部を有する円形状の従動軸用孔を有することから、ラップ定盤とウェハの中心位置を高精度に合わせて取着でき、ウェハを均一に研磨することができる。さらに、上記従動軸用孔をストレート部を有する円形状としておくことで、セラミックス等の高剛性の材料からなるラップ定盤に従動軸用孔を加工する際に、クラック等が生じることを防止し、ラップ定盤の従動軸用孔に従動軸を差し込めば、回転トルクを従動軸からラップ定盤へ効率よく伝達することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】次いで、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0017】図1(a)は、本発明のラッピング装置の一実施形態を示す分解斜視図であり、同図(b)はラッピング装置の研磨機構を示す部分断面図である。 【0018】本発明のラッピング装置は、ラップ盤2上に、下面に複数のラップ定盤3を支持するキャリア1を配して成り、各ラップ定盤3の下面にウェハ6を取着し、ウェハ6の表面を上記ラップ盤2に押圧してウェハ6を研磨するものであり、上記キャリア1の上面にその中心軸1aを駆動軸4aとして回転する駆動用歯車4を備えるとともに、該駆動用歯車4の回転に従動して回転する従動用歯車4を備えてなる。 【0019】上記キャリア1は、ラップ定盤3を複数個保持できるホールを有し、1つのキャリア1に6個程度、また、1つのラップ盤2上にはキャリア1が3〜4個程度設けられており、ラップ盤2、ウェハ6の大きさによって適切な大きさのものを選択する。 【0020】また、上記キャリア1は、その中心軸1aを中心に回転し、中心軸1aにはラップ定盤3を回転させるための駆動用歯車4が設けられるとともに、該駆動用歯車4と噛み合う複数の従動用歯車5が設けられている。 【0021】なお、上記駆動用歯車4及び従動用歯車5の歯数比率はラップ盤2の周速に対して、適切な設定値が採用される。歯車形状としては平歯車、ハス歯歯車を用いることが好ましい。 【0022】上記キャリア1の下面には、従動用歯車5の位置に対応する複数のラップ定盤3が回転自在に取り付けられている。 【0023】上記ラップ定盤3は、炭化珪素、アルミナ、窒化珪素等のセラミックスからなることから、高剛性を有し、ラップ定盤3の歪み量を小さく抑えることができる。特に、炭化珪素質セラミックスはビッカース硬度が15〜25GPa、熱伝導率が60W/m・K以上、破壊靭性値が4〜6MPa√mとなり、研磨時に発生する熱を逃がし易いことから、熱歪の少ないラッピング加工を行うことができる。また、耐薬品性が高いことから、使用中の化学的な腐食が少なく、高精度なラッピング加工が可能となる。 【0024】また、上記ラップ定盤3は、通常8インチ(直径203.2mm)のウェハ6を研磨する際、外径600mmのキャリア1に最大6個セットし、生産効率を上げることができる。 【0025】さらに、上記ラップ定盤3は、その下面にパラフィン系ワックスを介してウェハ6が取着されており、ラップ定盤3の直径は、上記ウェハ6の直径より1〜5mm大きくすることが好ましい。ラップ定盤3の直径とウェハ6の直径の差が1mm未満となると、ラップ定盤3にウェハ6を取着する作業において、ウェハ6がラップ定盤3からはみ出す危険性を有しており、ウェハ6を均一に研磨することが困難となる。一方、ラップ定盤3の直径がウェハ6の直径より5mmを超えて大きくなると、1つのキャリア1に配置できるウェハ6の数が減少し、ウェハ6を効率よく研磨できなくなる。 【0026】またさらに、上記ラップ定盤3は、図2に示す平面図のように、その上面、即ちウェハ6の取着面と反対側の面に、上記キャリア1上に備えられた複数の従動用歯車5の従動軸5aを嵌合するための従動軸用孔3bを有している。 【0027】上記従動軸用孔3bは、少なくとも1つのストレート部を有する円形状とすることが好ましく、セラミックス等の高剛性の材料からなるラップ定盤3に従動軸用孔3aを加工する際、クラック等が生じることを防止し、従動軸5aが空回りすることは無く、従動用歯車5の駆動トルクをラップ定盤3に効率よく伝達することができる。 【0028】なお、ラップ定盤3に従動用歯車5からの回転を伝達する方法としては、色々な方法が考えられる。例えば、ラップ定盤3と従動用歯車5を一体的に形成する方法や、ラップ定盤3の中心に凸部を設けるとともに、従動用歯車5の従動軸5aに位置する部分に凹部を設け、上記凸部を凹部に嵌合する方法、また、ラップ定盤3と駆動用歯車4の駆動軸4aをフランジボルト止めする方法等によっても上述と同様に、従動用歯車5の回転をラップ定盤3に伝達することができる。 【0029】また、上記ラップ定盤3及びその下面に取着されたウェハ6の下面には、鋳鉄製のラップ盤2が備えられ、中心軸2aを中心に回転してウェハ6をラッピング加工する。 【0030】ここで、上述のような部材からなるラッピング装置を用いてウェハ6をラッピング加工するには、先ず、ラップ定盤3にウェハ6をパラフィンワックス等で取着し、上記キャリア1に備えられた従動用歯車5の従動軸5aを、ラップ定盤3の従動軸用孔3bに嵌合する。 【0031】次いで、ラップ定盤3に取着されたウェハ6をキャリア1によってラップ盤2に圧接させる。 【0032】しかる後、ラップ盤2上に研磨剤(不図示)を供給しながら、キャリア1を中心軸1aを中心に回転させるとともに、この回転力を駆動用歯車4に用いて駆動軸4aを中心に回転させる。ここでラップ盤2の外周部分周速とラップ定盤3の外周部の周速がほぼ一致するように、キャリア1の公転速度とラップ定盤3の自転速度が決定される。 【0033】そして、上記駆動用歯車4に噛み合うように備えられた複数の従動用歯車5が従動軸5aを中心に回転するとともに、従動軸5aに嵌合された複数のラップ定盤3が中心軸3aを中心に回転し、ウェハ6をラッピング加工する仕組みである。 【0034】このような研磨機構を有するラッピング装置を用いてウェハ6をラッピング加工することによって、キャリア1及びラップ盤2の回転に加え、各ラップ定盤3が機械的に回転するため、ラップ定盤3に取着されたウェハ6は、公転及び自転してウェハ6を全面に渡って均一に研磨することができ、平坦度、平行度、表面粗さの優れたものとなる。 【0035】なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態ではキャリア1の上面に駆動用歯車4及び従動用歯車5を備えて各ラップ定盤3が中心軸で回転する仕組みを説明したが、上記キャリア1がその中心軸1aで回転し、かつ各ラップ定盤3がその中心軸3aで回転するものであれば歯車以外の回転機構を備えるラッピング装置においても同様の効果を奏することができる。 【0036】 【実施例】次いで、本発明の実施例を説明する。 【0037】図1に示すようなラッピング装置を得るため、1個のキャリアに6個の炭化珪素からなるラップ定盤を備え、合計4つのキャリアを有するラッピング装置を作製した。 【0038】また、比較例として図3に示すようなラップ装置を上述と同様の大きさ、材質で作製した。 【0039】そして、直径8インチ(203.2mm)のウェハを各ラップ定盤に取着し、ラッピング加工した後、各ウェハの平行度をマイクロメーターで、平坦度を精密測定装置ナノメトロ(黒田精工製)で測定した。 【0040】この結果を表1に示す。 【0041】なお、上記平行度、平坦度は、各キャリアに備えられた6個のラップ定盤に取着されたウェハの平均値を示している。【0042】【表1】 【0043】表1より明らかなように、本発明の試料は平行度の平均値が0.4μm、平坦度が0.4μmと非常に高精度なラッピング加工が可能であることがわかった。 【0044】これに対し、比較例試料は、平行度の平均値が2.5μm、平坦度が1.5μmとなっており、本発明試料に比し、平行度では6倍程度、平坦度は3.5倍程度と非常に大きなものとなることが判った。 【0045】 【発明の効果】本発明のラッピング装置によれば、上記キャリアはその中心軸で回転し、かつ各ラップ定盤はその中心軸で回転することから、ラップ盤上にウェハ全面を一様に接触させることが可能となり、各ウェハの研磨量を均一にして、平坦度、表面粗さの優れたラッピング精度の高いラッピング装置を提供することができる。 【0046】また、本発明のラッピング装置によれば、上記キャリアの上面にその中心軸を駆動軸として回転する駆動用歯車を備えるとともに、該駆動用歯車の回転に従動して回転し、上記各ラップ定盤をその中心軸で回転させる従動用歯車を備えたことから、容易な機構で各ラップ定盤に取着されたウェハ全面を均一にラップ盤に接触させることができ、より平坦度、表面粗さの優れたラッピング精度の高いラッピング装置を提供することができる。 【0047】さらに、本発明のラッピング装置によれば、上記各ラップ定盤の直径がウェハの直径より1〜5mm大きく、上記従動用歯車の従動軸を嵌合する少なくとも1つのストレート部を有する円形状の従動軸用孔を有することから、ラップ定盤とウェハの中心位置を高精度に合わせて取着でき、ウェハを均一に研磨することができる。さらに、上記従動軸用孔をストレート部を有する円形状としておくことで、セラミックス等の高剛性の材料からなるラップ定盤に従動軸用孔を加工する際に、クラック等が生じることを防止し、ラップ定盤の従動軸用孔に従動軸を差し込めば、回転トルクを従動軸からラップ定盤へ効率よく伝達することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006633 【氏名又は名称】京セラ株式会社 【住所又は居所】京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
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| 【出願日】 |
平成13年8月30日(2001.8.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−71706(P2003−71706A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月12日(2003.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−261514(P2001−261514) |
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