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【発明の名称】 仕上げ加工装置
【発明者】 【氏名】石橋 静
【住所又は居所】東京都渋谷区恵比寿3丁目8番1号 株式会社朋栄内

【氏名】田中 洋一
【住所又は居所】東京都渋谷区恵比寿3丁目8番1号 株式会社朋栄内

【要約】 【課題】円盤状工具を用いた加工機具をロボットで移動操作して加工する仕上げ加工は目標形状の計測と加工とが別工程であり、加工能力を超える加工部分は加工不足が生じて移動加工を繰返したり移動速度を遅くしていて非能率であった。これらの問題を解決する仕上げ加工装置を提供する。

【解決手段】加工機具と共通に移動操作するように設けた距離計のレーザビームを円盤状工具の加工のための一端の接触部分よりなる傾斜角の開口から照射し、接触部分から移動方向に距離を隔てた照射点における距離計測に基づき加工部分の凹凸を検知しながら該検知に応じて移動加工の速度等を制御する。また、前記共通に移動するテレビジョンカメラを設け、前記開口から照射点の位置及び加工の状態を観察する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加工機具と及びレーザビームを照射して距離を計測する距離計とを設けて制御器で共通に移動操作するロボットを備え、前記加工機具は回転して切削又は研削する円盤状工具を用いて被加工物の加工部分を移動加工し、前記計測に基づき前記制御器に接続した凹凸検知器で加工部分の凹凸を検知して移動加工の速度を制御するように構成した装置において、円盤状工具が被加工物表面に対し一定の傾斜角を保ち加工のため一端を接する接触部分は前記表面に沿って円盤状工具の中心軸方向に移動し、前記照射は前記移動方向側から円盤状工具と略平行であって該照射点は前記接触部分から該移動方向に距離を隔てることを特徴とする仕上げ加工装置。
【請求項2】 前記ロボットには前記加工機具及び距離計と連動して移動制御されるテレビジョンカメラを設け、円盤状工具の前記傾斜角による開口より前記加工部分及び照射点を含む被加工物表面を撮影することを特徴とする請求項1記載の仕上げ加工装置。
【請求項3】 前記凹凸検知器による凹凸の大きさの検知に基づいて前記円盤状工具の回転力が制御されることを特徴とする請求項1又は2記載の仕上げ加工装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、切削又は研削を行う仕上げ加工装置に係り、ロボットに設けた加工機具による加工操作の移動速度を制御して加工する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】 回転により切削又は研削して加工(以降は単に加工と記載する)する、グラインダ等円盤状工具を用いた加工機具により、鋳物等の被加工物の仕上げ加工が行われる。即ち、目標とする形状(以降は単に目標形状と記載する)とするために、目標形状に対する加工部分を取り除く加工である。前記装置の量産時等における自動化は、産業用ロボット等が多く利用される。即ち、目標形状に基づきプログラムされた軌跡及び速度で、ロボットにより加工機具を移動又は回動制御し、被加工物表面の加工部分を加工する。
【0003】しかし、加工部分に大きな凹凸があると、円盤状工具に衝撃的負荷がかかって破損することがある。この対策として、加工機具をバネ等による緩衝手段を介してロボットに設けることにより、破損を防止している。即ち、大きな凸部があった場合、円盤状工具は緩衝手段により凸部に沿って浮き上がるように作用して破損を防止する。また、被加工物の目標形状は直線又は平面とは限らず、目標形状に対する加工部分を計測手段で計測してから加工制御を行う必要があるが、計測と加工とのそれぞれの工程を要し、上記に係る種々の計測及び加工手段が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 前述において、大きな凸部又は加工部分の厚みが大きいために加工能力を超える場合、円盤状工具が浮き上がって加工不足を生じることになる。この場合、従来は、加工の移動速度を極めて遅くしたり、浮き上がって加工不足となった部分を繰り返し移動加工しているが、加工時間が増加して非能率である。また、従来、被加工物表面を計測手段で計測して記録し、目標形状に対する加工部分のデータに基づき加工速度を制御したり、加工不足部分を繰返し追加加工する提案があるが、計測と加工が別工程及び別手段であって非能率であった。更に、計測又は加工する部分は円盤状工具に覆われており、加工状態を観察することが困難であった。本発明は、このような背景に鑑みてなされ、ロボットに距離計及び加工機具を設けて、一回又は最少の加工工程で加工部分の凹凸の計測と加工とを可能とし、小型簡便で能率のよい装置を提供することを目的とする。また本発明は、円盤状工具に覆われた部分を観察できる装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】 上記によって本発明者は鋭意実験研究の結果、次の手段によってこの課題を解決した。
(1)本発明は、加工機具と及びレーザビームを照射して距離を計測する距離計とを設けて制御器で共通に移動操作するロボットを備え、前記加工機具は回転して切削又は研削する円盤状工具を用いて被加工物の加工部分を移動加工し、前記計測に基づき前記制御器に接続した凹凸検知器で加工部分の凹凸を検知して移動加工の速度を制御するように構成した装置において、円盤状工具が被加工物表面に対し一定の傾斜角を保ち加工のため一端を接する接触部分は前記表面に沿って円盤状工具の中心軸方向に移動し、前記照射は前記移動方向側から円盤状工具と略平行であって該照射点は前記接触部分から該移動方向に距離を隔てることを特徴とする仕上げ加工装置である。
【0006】(2)ここで、本発明の特徴は、前記ロボットには前記加工機具及び距離計と連動して移動制御されるテレビジョンカメラを設け、円盤状工具の前記傾斜角による開口より前記加工部分及び照射点を含む被加工物表面を撮影することを特徴とする(1)項に記載の仕上げ加工装置である。
【0007】(3)また、前記凹凸検知器による凹凸の大きさの検知に基づいて前記円盤状工具の回転力が制御されることを特徴とする(1)又は(2)項に記載の仕上げ加工装置とすることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を実施例の図を参照して説明する。図1は本発明実施例の仕上げ加工装置の要部構成図、図2は本発明のレーザビームの照射点を説明する図、である。図において、1はロボット、2はアーム、3は距離計、4はテレビジョンカメラ、5は加工機具、6は円盤状工具、7は被加工物、8はテレビジョンモニタ、9は凹凸検知器、10は制御器、11は取付具、である。
【0009】図1の実施例に示す仕上げ加工装置は、加工機具5と及びレーザビームを照射して距離を計測する距離計3とを設けて制御器10で共通に移動操作するロボット1を備え、加工機具5は回転して切削又は研削する円盤状工具6を用いて被加工物7の加工部分を移動加工し、前記計測に基づき制御器10に接続した凹凸検知器9で加工部分の凹凸を検知して移動加工の速度を制御するように構成した装置である。
【0010】ここで、本発明の特徴は、円盤状工具6は被加工物7の表面に対して例えば10°〜20°程度の一定の傾斜角を保ち、該表面に一端を接して加工のための接触部分となる。前記接触部分は、加工部分を前記表面に沿って移動して加工する。その移動方向は円盤状工具6の中心軸の方向であり、目標形状に基づきプログラムされた軌跡で移動制御される。図2において、被加工物7は移動加工する部分の断面の状態であって、点線16は前記目標形状を示し、その上部は加工部分12である。前記傾斜角による開口より、距離計3のレーザビームを円盤状工具6とほぼ平行でその中心軸と交差するように入射し、接触部分15より前記移動方向に数mmの距離を隔てた照射点14に照射し、距離計8によりその距離を計測する。
【0011】いま、照射点14が目標形状の部分にあるとすれば、照射点13となり、これは前記移動制御においては既知の点である。この点を参照し、照射点14において計測された距離のデータに基づき凹凸の有無、大きさ、又は三角函数による計算処理等により照射点14の高さの状態を凹凸検知器9により検知することができる。さらに、円盤状工具6を用いた加工機具5の加工能力には限界があるので、照射点14の高さの状態に応じ、加工の負荷が平均化されるようにロボット1による移動速度を制御する。即ち、前記状態を検知し、加工の移動速度を凹部では早く、凸部では遅く制御することにより、一回の加工工程、又は特別に大きな凸部であっても最少の繰返し加工工程で能率よく加工できる。この場合、接触部分15と照射点14との距離の隔たりは小さいので、この差による検知の結果の相違は無視して加工してもよく、又は凹凸状態の予測計算等による補正値で加工することもできる。
【0012】さらに、図1における凹凸検知器9は、距離計3又は制御器10と同体構造であってもよい。また、近年は非常に小型のテレビジョンカメラ4が存在し、これを加工機具5及び距離計3と連動するようにアーム2に、又は距離計3と同体構造として設け、前記傾斜角による開口から隙間を覗くように、円盤状工具6に覆われた前記照射点の位置又は接触部分の状態を撮影できる。この場合、被加工物7の目標形状は、前述のように直線又は平面とは限らず、例えば山形の稜線上に沿う加工時などに、照射点14が稜線上にあるかなどをテレビジョンモニタ8で確認できる。さらに、前記、大きな凸部等により負荷が大きい場合、円盤状工具6の回転力を増加するように制御してもよい。前記検知に基づく制御により、大きな凸部の場合は円盤状工具6の回転力を増加し、加工機具5の前記浮き上がりを防ぐことができ、前記速度制御と併用してもよい。このように、本発明は、ロボット1に距離計3及び加工機具5を設け、目標形状に対する加工部分を計測しながら、凹凸の大きさに応じ加工のための負荷が平均化されるように前記移動の速度を制御することにより、小型簡便でありながら一回又は最少の加工工程で高能率に加工でき、また、円盤状工具に覆われた加工部分を観察することもできる仕上げ加工装置を提供できる。
【0013】
【実施例】 本発明の実施例を図1を参照して説明する。回転して切削又は研削する円盤状工具6を用いた加工機具5は、ロボット1により移動操作されて被加工物7の表面の加工部分を加工する。凹凸検知器9に接続した制御器10は、被加工物7の目標形状に基づきプログラムされた軌跡でロボット1を制御する。ロボット1のアーム2には、取付具11を介して加工機具5が設けられ、また、レーザビームを照射して該照射点までの距離を計測する距離計3及びテレビジョンカメラ4が設けられ、それぞれ共通に前記移動制御される。円盤状工具6は、被加工物7の表面に対して一定の傾斜角を保ち、前記表面に一端を接する接触部分は、前記表面に沿って円盤状工具6の中心軸の方角に移動しながら加工する。前記レーザビームは、前記傾斜角による開口より円盤状工具6とほぼ平行にその中心軸と交差するように入射し、前記接触部分から前記移動制御方向にわずかに距離を隔てた接触部分の少し前の照射点に照射する。距離計3は、照射点までの距離の計測に基づき、凹凸検知器9により加工部分の凹凸の状態を検知して制御器10に出力し、円盤状工具6を用いた加工機具5の加工のための負荷が平均化されるように、凹凸の大きさに応じて前記移動の速度を制御することにより、一回又は最少の加工工程で加工することができる。
【0014】また、テレビジョンカメラ4は、前記傾斜角の開口から、円盤状工具6に覆われた部分を隙間を覗くように撮影し、テレビジョンモニタ8により前記接触部分の状態及び照射点の位置等を確認できる。さらに、前記検知に基づく制御により、円盤状工具6の回転力を制御してもよく、大きな凸部がある場合の円盤状工具6の加工能力を増大するものとし、前述の速度制御と併用してもよい。
【0015】
【発明の効果】 本発明によれば、次のような効果が発揮できる。
1、前記仕上げ加工装置は、レーザビームを照射して計測した距離に基づき目標形状に対する加工部分の凹凸を検知して移動加工の速度を制御するように構成し、円盤状工具が被加工物表面に対し一定の傾斜角を保ち加工のため一端を接する接触部分は前記表面に沿って円盤状工具の中心軸方向に移動し、前記照射は前記移動方向側から円盤状工具と略平行であって該照射点は前記接触部分から該移動方向に距離を隔てるように照射されるので、凹凸の大きさに応じ加工のための負荷が平均化されるように前記移動の速度を制御することにより、小型簡便でありながら一回又は最少の加工工程で高能率の仕上げ加工ができる。
【0016】2、前項の効果に加え、前記ロボットには、前記加工機具及び距離計と連動して移動制御されるテレビジョンカメラを設けることができ、円盤状工具の前記傾斜角による開口から隙間を覗くように、円盤状工具に覆われた加工部分を撮影できるから、前記照射点の位置又は接触部分の状態を観察できる仕上げ加工装置を提供できる。
【0017】3、前項の効果に加え、前記凹凸検知器による凹凸の大きさの検知に基づいて円盤状工具の回転力を制御することも可能であり、大きな凸部がある場合の円盤状工具6の加工能力を増大でき、前述の速度制御と併用できる。
【出願人】 【識別番号】391040320
【氏名又は名称】株式会社朋栄
【住所又は居所】東京都渋谷区恵比寿3丁目8番1号
【出願日】 平成13年8月20日(2001.8.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−62752(P2003−62752A)
【公開日】 平成15年3月5日(2003.3.5)
【出願番号】 特願2001−290080(P2001−290080)