| 【発明の名称】 |
端面研磨装置及び方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】皆見 浩二 【住所又は居所】千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セイコーインスツルメンツ株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】棒状部材の端面の曲率偏心を減少させると共に研磨シートを効率的に使用してコストを低減させて研磨効率を向上させた端面研磨装置及び方法を提供する。
【解決手段】装置本体20に回転揺動可能に支持された研磨盤10に装着された研磨部材12により治具盤に装着された棒状部材を押し付けて研磨する端面研磨装置において、前記治具盤を所定直径を有する第1の仮想円盤に固定して、当該第1の仮想円盤を自転させながら第2の仮想円盤の円周に沿って移動し且つ当該第2の仮想円盤を自転させながら第3の仮想円盤の円周に沿って移動するように、前記研磨盤10を前記治具盤に対して相対移動するように駆動する駆動手段を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 装置本体に回転揺動可能に支持された研磨盤に装着された研磨部材により治具盤に装着された棒状部材を押し付けて研磨する端面研磨装置において、前記治具盤を所定直径を有する第1の仮想円盤に固定して、当該第1の仮想円盤を自転させながら第2の仮想円盤の円周に沿って移動し且つ当該第2の仮想円盤を自転させながら第3の仮想円盤の円周に沿って移動するように、前記研磨盤を前記治具盤に対して相対移動するように駆動する駆動手段を具備することを特徴とする端面研磨装置。 【請求項2】 請求項1記載の端面研磨装置において、前記駆動手段は、前記第2の仮想円盤の直径が前記第3の仮想円盤の半径よりも小さくなるように前記研磨盤を駆動することを特徴とする端面研磨装置。 【請求項3】 請求項1又は2記載の端面研磨装置において、前記駆動手段は、前記第1の仮想円盤の直径が前記第2の仮想円盤の半径よりも小さくなるように前記研磨盤を駆動することを特徴とする端面研磨装置。 【請求項4】 請求項1〜3の何れか記載の端面研磨装置において、前記駆動手段は、前記第1の仮想円盤が自転しながら前記第2の仮想円盤の円周上を滑ることなく移動するように前記研磨盤を駆動することを特徴とする端面研磨装置。 【請求項5】 請求項1〜4の何れか記載の端面研磨装置において、前記駆動手段は、前記第2の仮想円盤が自転しながら前記第3の仮想円盤の円周上を滑ることなく移動するように前記研磨盤を駆動することを特徴とする端面研磨装置。 【請求項6】 請求項1〜5の何れか記載の端面研磨装置において、前記治具盤が前記第2の仮想円盤との相対移動により描く軌跡が、ルーレット形状であることを特徴とする端面研磨装置。 【請求項7】 請求項6記載の端面研磨装置において、各棒状部材の前記研磨盤への固定位置が前記第1の仮想円盤の円周上であり、前記ルーレット形状が内サイクロイドであることを特徴とする端面研磨装置。 【請求項8】 請求項6記載の端面研磨装置において、各棒状部材の前記研磨盤への固定位置が前記第1の円盤の半径上又は半径方向外側の延長線上であり、前記ルーレット形状が内トロコイドであることを特徴とする端面研磨装置。 【請求項9】 請求項1〜8の何れか記載の端面研磨装置において、前記駆動手段は、前記研磨盤の中心から偏心位置に接続された第1の公転軸と、該第1の公転軸を回転中心とする自転軸と、該自転軸が偏心位置に設けられた第2の公転軸とを具備することを特徴とする端面研磨装置。 【請求項10】 請求項1〜8の何れか記載の端面研磨装置において、前記駆動手段は、前記研磨盤の中心に接続された自転軸と、該自転軸が偏心位置に設けられた第1の公転軸と、該第1の公転軸が偏心位置に設けられた第2の公転軸とを具備することを特徴とする端面研磨装置。 【請求項11】 請求項9又は10記載の端面研磨装置において、前記駆動手段は、前記装置本体に固定された内歯車と、該内歯車に噛み合う第1の伝達歯車と、該第1の伝達歯車側端部と反対側の端部に第2の伝達歯車を有する回転軸と、前記第2の伝達歯車に噛み合う外歯車とを具備することを特徴とする端面研磨装置。 【請求項12】 請求項8〜11の何れか記載の端面研磨装置において、前記第1の公転軸が公転用タイミングベルトを介して駆動モータと接続されていることを特徴とする端面研磨装置。 【請求項13】 請求項12記載の端面研磨装置において、前記自転軸が自転用タイミングベルトを介して前記駆動モータと接続されていることを特徴とする端面研磨装置。 【請求項14】 装置本体に回転揺動可能に支持された研磨盤に装着された研磨部材により治具盤に装着された棒状部材を押し付けて研磨する端面研磨方法において、前記治具盤を所定直径を有する第1の仮想円盤に固定し、当該第1の仮想円盤を自転させながら第2の仮想円盤の円周に沿って移動し且つ当該第2の仮想円盤を自転させながら第3の仮想円盤の円周に沿って移動するように前記治具盤に対して相対移動するように前記研磨盤を駆動して前記棒状部材を研磨することを特徴とする端面研磨方法。 【請求項15】 請求項14記載の端面研磨方法において、前記研磨盤を前記第2の仮想円盤の直径が前記第3の仮想円盤の半径よりも小さくなるように駆動することを特徴とする端面研磨方法。 【請求項16】 請求項14又は15記載の端面研磨方法において、前記研磨盤を前記第1の仮想円盤の直径が前記第2の仮想円盤の半径よりも小さくなるように駆動することを特徴とする端面研磨方法。 【請求項17】 請求項14〜16の何れか記載の端面研磨方法において、前記研磨盤を前記第1の仮想円盤が自転しながら前記第2の仮想円盤の円周上を滑ることなく移動するように駆動することを特徴とする端面研磨方法。 【請求項18】 請求項14〜17の何れか記載の端面研磨方法において、前記研磨盤を前記第2の仮想円盤が回転しながら前記第3の仮想円盤の円周上を滑ることなく移動するように駆動することを特徴とする端面研磨方法。 【請求項19】 請求項14〜18の何れか記載の端面研磨方法において、前記研磨盤が前記第2の円盤との相対移動により描く軌跡が、ルーレット形状であることを特徴とする端面研磨研磨方法。 【請求項20】 請求項19記載の端面研磨方法において、各棒状部材の前記研磨盤への固定位置が前記第1の仮想円盤の円周上であり、前記ルーレット形状が内サイクロイドであることを特徴とする端面研磨方法。 【請求項21】 請求項19記載の端面研磨方法において、各棒状部材の前記研磨盤への固定位置が前記第1の仮想円盤の半径上又は半径方向外側の延長線上であり、前記ルーレット形状が内トロコイドであることを特徴とする端面研磨方法。 【請求項22】 請求項14〜21の何れか記載の端面研磨方法において、前記駆動をX−Yテーブルで行うことを特徴とする端面研磨方法。 【請求項23】 請求項14〜22の何れか記載の端面研磨方法において、前記研磨盤の駆動速度を可変することを特徴とする端面研磨方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバなどの棒状部材の端面を研磨する端面研磨装置及び方法に関する。 【0002】 【従来の技術】光通信用ファイバは、コネクタの主要部材であるフェルールの中心孔内にファイバを接着固定した後、フェルール端面とファイバ端面とを同時に平滑に研磨し鏡面に仕上げて使用される。この研磨仕上げしたフェルール及び光ファイバの研磨面が、フェルールの中心軸と垂直な面でなかったり、あるいは、研磨面に傷があったりすると、フェルール同士が対向接続される光コネクタにおいて、対向位置精度が劣化し損失が大きくなってしまう。そのため、光ファイバを含むフェルールの研磨面は高精度に研磨仕上げする必要がある。 【0003】従来の光ファイバ端面研磨装置として、例えば、特開平3−26456号公報に開示されたものがある。この公報に開示された光ファイバ端面研磨装置は、自転円盤の同心円上で回転する偏心盤を持ち、この偏心盤に公転用のモータの回転を伝達する遊星歯車を持ち、これらを研磨盤に結合させて研磨盤を自転及び公転させる一方、この研磨盤に固定した研磨部材に対して、治具盤に保持された多数のフェルールの端面を押し付けて研磨するものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ここで、研磨部材として研磨シートを用いて、フェルールの先端面を研磨した際のフェルールの治具盤に対する相対移動を表す軌跡を図10に示す。 【0005】図10(a)に示すように、従来の研磨盤の治具盤に対する相対移動を表す軌跡は、第1の仮想円盤110の円周にフェルールが固定されて、第1の仮想円盤110が第2の仮想円盤111の円周に沿って自転しながら移動するようになっている。このような相対移動により、研磨盤の治具盤に対する相対移動を表す軌跡は、図10(b)に示すように、内サイクロイドとなり、研磨を継続すると軌跡は研磨盤の中心側が密となり、外側が疎となってしまう。 【0006】このような研磨では、研磨の初期状態では問題がないが、研磨を続けると内側の密の領域では研磨能率が低下して、フェルールの両側、すなわち研磨シートの中心側と外側とで研磨量が異なってしまいフェルールの曲率偏心が大きくなってしまうという問題がある。 【0007】また、研磨シートを局部的に使用することにより、研磨シートの消耗が激しく、研磨シートの交換が頻繁で研磨コストがかかってしまうという問題がある。 【0008】さらに、従来の研磨装置では、研磨シート上の端面の軌跡が円周上を移動する円からなり、研磨速度を高めるためには公転又は自転の回転速度を高める必要がある。このため、回転速度を上昇すると遠心力による研磨液の飛散が発生し、研磨が困難になるという問題がある。 【0009】本発明はこのような事情に鑑み、棒状部材の端面の曲率偏心を減少させると共に研磨シートを効率的に使用してコストを低減させて研磨効率を向上させた端面研磨装置及び方法を提供することを課題とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の第1の態様は、装置本体に回転揺動可能に支持された研磨盤に装着された研磨部材により治具盤に装着された棒状部材を押し付けて研磨する端面研磨装置において、前記治具盤を所定直径を有する第1の仮想円盤に固定して、当該第1の仮想円盤を自転させながら第2の仮想円盤の円周に沿って移動し且つ当該第2の仮想円盤を自転させながら第3の仮想円盤の円周に沿って移動するように、前記研磨盤を前記治具盤に対して相対移動するように駆動する駆動手段を具備することを特徴とする端面研磨装置にある。 【0011】本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記駆動手段は、前記第2の仮想円盤の直径が前記第3の仮想円盤の半径よりも小さくなるように前記研磨盤を駆動することを特徴とする端面研磨装置にある。 【0012】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記駆動手段は、前記第1の仮想円盤の直径が前記第2の仮想円盤の半径よりも小さくなるように前記研磨盤を駆動することを特徴とする端面研磨装置にある。 【0013】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記駆動手段は、前記第1の仮想円盤が自転しながら前記第2の仮想円盤の円周上を滑ることなく移動するように前記研磨盤を駆動することを特徴とする端面研磨装置にある。 【0014】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記駆動手段は、前記第2の仮想円盤が自転しながら前記第3の仮想円盤の円周上を滑ることなく移動するように前記研磨盤を駆動することを特徴とする端面研磨装置にある。 【0015】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記治具盤が前記第2の仮想円盤との相対移動により描く軌跡が、ルーレット形状であることを特徴とする端面研磨装置にある。 【0016】本発明の第7の態様は、第6の態様において、各棒状部材の前記研磨盤への固定位置が前記第1の仮想円盤の円周上であり、前記ルーレット形状が内サイクロイドであることを特徴とする端面研磨装置にある。 【0017】本発明の第8の態様は、第6の態様において、各棒状部材の前記研磨盤への固定位置が前記第1の円盤の半径上又は半径方向外側の延長線上であり、前記ルーレット形状が内トロコイドであることを特徴とする端面研磨装置にある。 【0018】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れかの態様において、前記駆動手段は、前記研磨盤の中心から偏心位置に接続された第1の公転軸と、該第1の公転軸を回転中心とする自転軸と、該自転軸が偏心位置に設けられた第2の公転軸とを具備することを特徴とする端面研磨装置にある。 【0019】本発明の第10の態様は、第1〜8の何れかの態様において、前記駆動手段は、前記研磨盤の中心に接続された自転軸と、該自転軸が偏心位置に設けられた第1の公転軸と、該第1の公転軸が偏心位置に設けられた第2の公転軸とを具備することを特徴とする端面研磨装置にある。 【0020】本発明の第11の態様は、第9又は10の態様において、前記駆動手段は、前記装置本体に固定された内歯車と、該内歯車に噛み合う第1の伝達歯車と、該第1の伝達歯車側端部と反対側の端部に第2の伝達歯車を有する回転軸と、前記第2の伝達歯車に噛み合う外歯車とを具備することを特徴とする端面研磨装置にある。 【0021】本発明の第12の態様は、第8〜11の何れかの態様において、前記第1の公転軸が公転用タイミングベルトを介して駆動モータと接続されていることを特徴とする端面研磨装置にある。 【0022】本発明の第13の態様は、第12の態様において、前記自転軸が自転用タイミングベルトを介して前記駆動モータと接続されていることを特徴とする端面研磨装置にある。 【0023】本発明の第14の態様は、装置本体に回転揺動可能に支持された研磨盤に装着された研磨部材により治具盤に装着された棒状部材を押し付けて研磨する端面研磨方法において、前記治具盤を所定直径を有する第1の仮想円盤に固定し、当該第1の仮想円盤を自転させながら第2の仮想円盤の円周に沿って移動し且つ当該第2の仮想円盤を自転させながら第3の仮想円盤の円周に沿って移動するように前記治具盤に対して相対移動するように前記研磨盤を駆動して前記棒状部材を研磨することを特徴とする端面研磨方法にある。 【0024】本発明の第15の態様は、第14の態様において、前記研磨盤を前記第2の仮想円盤の直径が前記第3の仮想円盤の半径よりも小さくなるように駆動することを特徴とする端面研磨方法にある。 【0025】本発明の第16の態様は、第14又は15の態様において、前記研磨盤を前記第1の仮想円盤の直径が前記第2の仮想円盤の半径よりも小さくなるように駆動することを特徴とする端面研磨方法にある。 【0026】本発明の第17の態様は、第14〜16の何れかの態様において、前記研磨盤を前記第1の仮想円盤が自転しながら前記第2の仮想円盤の円周上を滑ることなく移動するように駆動することを特徴とする端面研磨方法にある。 【0027】本発明の第18の態様は、第14〜17の何れかの態様において、前記研磨盤を前記第2の仮想円盤が回転しながら前記第3の仮想円盤の円周上を滑ることなく移動するように駆動することを特徴とする端面研磨方法にある。 【0028】本発明の第19の態様は、第14〜18の何れかの態様において、前記研磨盤が前記第2の円盤との相対移動により描く軌跡が、ルーレット形状であることを特徴とする端面研磨研磨方法にある。 【0029】本発明の第20の態様は、第19の態様において、各棒状部材の前記研磨盤への固定位置が前記第1の仮想円盤の円周上であり、前記ルーレット形状が内サイクロイドであることを特徴とする端面研磨方法にある。 【0030】本発明の第21の態様は、第19の態様において、各棒状部材の前記研磨盤への固定位置が前記第1の仮想円盤の半径上又は半径方向外側の延長線上であり、前記ルーレット形状が内トロコイドであることを特徴とする端面研磨方法にある。 【0031】本発明の第22の態様は、第14〜21の何れかの態様において、前記駆動をX−Yテーブルで行うことを特徴とする端面研磨方法にある。 【0032】本発明の第23の態様は、第14〜22の何れかの態様において、前記研磨盤の駆動速度を可変することを特徴とする端面研磨方法にある。 【0033】かかる本発明では、棒状部材が研磨シート上に描く軌跡に密又は疎の領域差をなくすことができる。これにより棒状部材の端面の研磨量が偏ることなく曲率偏心を減少させると共に研磨シートの消耗を減少させて研磨シートの寿命を延ばすことができる。 【0034】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。 【0035】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態1に係る端面研磨装置の要部断面図である。 【0036】図1に示すように、研磨定盤10の上部には、装置本体20を介して弾性体11と、弾性体11上に研磨シート12とが配置され、研磨シート12の上面には棒状部材の端面が押圧され研磨を行う。 【0037】研磨定盤10の下側と、第1の公転軸30上のフランジ部31とは、研磨定盤10の所定量偏心した位置に複数の固定ピン32を介して連結されており、研磨定盤10は、第1の公転軸30により公転自在に支持されている。また、第1の公転軸30は、自転軸40内に自転軸40に対して所定量偏心した位置に伝達ユニット41と固定ピン42とを介して接続されている。 【0038】また、第1の公転軸30の下部は、第1の伝達歯車50に噛み合い、さらに第1の伝達歯車50は第2の伝達歯車51に噛み合っている。また、第2の伝達歯車51は、第3の伝達歯車52と同軸に接続されている。この第3の伝達歯車52は、装置本体20の内歯と噛み合うようになっている。 【0039】自転軸40の下部は、駆動モータ60の駆動軸61に接続された自転用プーリー62の外側に配置された自転用タイミングベルト63を介して接続される回転部53の内歯に噛み合うようになっている。 【0040】また、第2の公転軸70は駆動モータ60の駆動軸61に接続された公転用プーリー64と公転用タイミングベルト65を介して接続される。そして第2の公転軸70の内部には、所定量偏心した位置に自転軸40が配置されている。 【0041】このような第1の公転軸30、自転軸40及び第2の公転軸70等により研磨定盤10を駆動する駆動手段が構成されている。 【0042】ここで、本実施形態の端面研磨装置の駆動手段の特徴部分について説明する。なお、図2は、端面研磨装置の回転軸を示す概略図である。 【0043】図中、全体は公転回転RE1を行っており、第2の公転軸70の回転中心と中心位置がR偏心し内歯IG1に噛み合う外歯EG1で回転する自転軸40の内部を、内歯IG2と噛み合う外歯EG2により駆動される歯車G1に歯車G3を介して噛み合う歯車G2により自転軸40に対しての公転回転RE2を行う。 【0044】一方、装置本体20には、図3に示すように支持機構21によってフェルールなどの複数の棒状部材Wが固定された治具盤80が支持されている。なお、図3は、治具盤の斜視図及び端面研磨装置の一部断面図である。 【0045】治具盤80は、図3に示すように、各側面に棒状部材Wの側面が嵌合する凹部91が二つずつ設けられた多角形状、本実施形態では、6角形状を有する治具盤本体90と、凹部91に対向する位置に治具盤本体90の面方向に移動自在に設けられた保持部材100とを具備する。 【0046】治具盤本体90の略中央には、支持機構21によって研磨定盤10方向に付勢されると共に回転方向の移動が規制されるボス部92が取り付けられている。 【0047】また、保持部材100は、固定ピン101によって治具盤本体90の側面に固定されている。詳しくは、固定ピン101を保持部材100を挿通し、先端を治具盤本体90の側面に螺合させることで、保持部材100は治具盤本体90の面方向に移動自在に保持されている。この保持部材100と凹部91との間で棒状部材Wを挟持して固定することができる。 【0048】また、このような治具盤80は、装置本体20に固着された支持部21aに下方に向かって所定の押圧力で付勢される押さえ軸22により支持されている。ここで、押さえ軸22の先端は円錐部22aとなっており、これが治具盤80の中央部に設けられたボス部92のテーパ状嵌合穴92aと係合している。また、支持部21aには押さえ軸22に平行に回転止めピン23が設けられており、回転止めピン23の先端がボス部92の係止穴92bに挿入されることにより、治具盤80の回転が規制されている。 【0049】以下に、このような端面研磨装置の駆動手段が、研磨定盤を治具盤に対して相対移動させる駆動により描かれる軌跡について詳細に説明する。なお、図4は、軌跡を描くための仮想の円盤を説明する図であり、図5は、棒状部材の研磨シートに対する相対移動を示す軌跡である。 【0050】図4に示すように、駆動手段は、前記治具盤を所定直径を有する第1の仮想円盤110に固定して第1の仮想円盤110を自転させながら第2の仮想円盤111の円周に沿って移動し且つ第2の仮想円盤111を自転させながら第3の仮想円盤112の円周に沿って移動するように、研磨定盤10を治具盤に対して相対移動するように駆動する。これにより、棒状部材Wの研磨シートに対する相対移動を表す軌跡は、図5に示すような軌跡が描かれる。 【0051】ここで、第1の仮想円盤110の自転は自転軸40の自転回転に対応し、第1の仮想円盤110の第2の仮想円盤111の円周に沿っての移動は、第1の公転軸30の公転回転RE2に対応する。また、第2の仮想円盤111の自転は第1の公転軸30による公転回転RE2に対応し、第2の仮想円盤111の第3の仮想円盤112の円周に沿っての移動は、第2の公転軸70の公転回転RE1に対応する。すなわち、第1の仮想円盤110は自転軸40、第2の仮想円盤111は第1の公転軸30内の自転軸40の偏心量、第3の仮想円盤112は第2の公転軸70内の第1の公転軸30の偏心量によって自転半径及び偏心半径が決定される。なお、このような自転軸、第1の公転軸及び第2の公転軸と第1の仮想円盤、第2の仮想円盤及び第3の仮想円盤との関係は、第1の仮想円盤の円周上に棒状部材Wが固定された場合であり、棒状部材Wが固定される位置が第1の仮想円盤の半径上又は半径方向外側の延長線上である場合は、これに限定されない。 【0052】また、駆動手段は治具盤を第2の仮想円盤111の直径を第3の仮想円盤112の半径よりも小さくなるように駆動し、第1の仮想円盤110の直径を第2の仮想円盤111の半径よりも小さくなるように駆動するのが好ましい。すなわち、このような設定で駆動手段の自転軸40、第1の公転軸30及び第2の公転軸70の半径及び偏心量等を設定するのが好ましい。これは、第2の仮想円盤111の直径が第3の仮想円盤112の半径よりも大きく、第1の仮想円盤110の直径が第2の仮想円盤111の半径よりも大きい場合の駆動では、棒状部材Wの研磨シートに対する相対移動を表す軌跡が重なりあって密となる領域が偏り、研磨シート12の均一な利用ができないからである。 【0053】また、駆動手段が研磨定盤10を第1の仮想円盤110を第2の仮想円盤111の円周に沿って自転させながら移動させるとき、及び第2の仮想円盤111を第3の仮想円盤112の円周に沿って自転させながら移動させるときに、円周と円周とが接して移動させるように駆動するよう各軸を設定してもよいし、互いに接しないで移動させないように駆動するよう設定してもよく、また、互いに接する場合には相互に滑るように移動するように駆動するよう各軸を設定してもよいし、滑らないように移動するように駆動するよう各軸を設定してもよい。 【0054】本実施形態では、駆動手段が研磨定盤10を第1の仮想円盤110と第2の仮想円盤111及び第2の仮想円盤111と第3の仮想円盤112とを滑らないように移動するように駆動できるよう各軸を設定した。この場合、第1の仮想円盤110と第2の仮想円盤111との相対移動による軌跡はルーレット形状となる。ここで、ルーレット形状とは、固定された一つの定曲線上をすべることなく、別の定曲線がころがるとき、後者の定曲線に固定された一点が描き出す曲線のことを言う。 【0055】さらに、本実施形態では、各棒状部材Wの第1の仮想円盤110に固定される位置が、第1の仮想円盤110の円周上とすることで、第1の仮想円盤110と第2の仮想円盤111との相対移動する軌跡が、図5に示すような略菱形の内サイクロイドとなるようにした。 【0056】すなわち、本実施形態では、棒状部材Wの研磨シート12に対する相対移動を表す軌跡が、第1の仮想円盤110及び第2の仮想円盤111とによって内サイクロイドとなった軌跡を第3の仮想円盤112の円周に沿って自転させながら滑らないように移動させることで、図5(b)に示すような軌跡となるようにした。 【0057】このような軌跡とすることで、各棒状部材Wの研磨シートに対する相対移動を表す軌跡の密度が偏るのを防止して、研磨シート12を均一に使用することができ、研磨シート12の局部的な消耗を減少させることができる。これにより研磨コストを低減することができる。また、棒状部材Wの研磨を均一に消耗した研磨シート12で行うことができるため、棒状部材Wの先端の研磨量の偏りを低減させて高精度研磨を行うことができる。このため、棒状部材Wとしてフェルールを研磨した際など、フェルールの両側、すなわち研磨シート12の中心側と外側とで研磨量の差を減少させてフェルールの曲率偏心を小さくすることができる。 【0058】なお、このような端面研磨装置では、駆動手段による治具盤の駆動をX−Yテーブルで行うことができるため、従来の自公転のための遊星歯車等の複雑な回転系の駆動機構を使用することなく、端面研磨装置を設計することができる。さらに移動距離の大きなX−Yテーブルを使用することにより、研磨シート12を棒状部材Wから大きく離し、研磨の途中で棒状部材Wの端面の状態を確認してX−Yテーブルの他の領域に粗さの異なる研磨シート12を配置して粗研磨から仕上げ研磨まで一連の研磨工程を同一の装置を使用して行うことができる。 【0059】また、単一又は複数の研磨シート12を使用して、駆動の速度を可変することにより、初期状態の粗研磨時には研磨速度を下げ、摩擦抵抗の大きい状態での駆動系への負荷を減少させることができる。さらに、仕上げ研磨の際は、摩擦抵抗が少ないため、駆動速度を上げ、研磨速度を高めることにより全体の研磨時間を減少させることができる。このように、研磨シート12等によって駆動速度を可変させることにより、研磨液等の飛散を低減させて研磨効率を向上し、高効率の研磨を行うことができる。 【0060】(実施形態2)図6は、実施形態2に係る棒状部材の研磨シートに対する相対移動を表す軌跡を示す図である。 【0061】実施形態2では、棒状部材の第1の仮想円盤110に固定する位置を第1の仮想円盤110の半径方向外側の延長線上とした例であり、これにより研磨定盤10が第2の仮想円盤111との相対移動により描く軌跡は、図6に示すように、第1の仮想円盤110と第2の仮想円盤111との相対移動による軌跡が内トロコイドとなる。 【0062】このような軌跡を描く駆動手段としても、勿論、上述した実施形態1と同様の効果を得ることができる。 【0063】(実施形態3)図7は、実施形態3に係る棒状部材の研磨シートに対する相対移動を表す軌跡を示す図である。 【0064】実施形態3では、実施形態2に比べて端面研磨装置の第1の公転軸30の公転半径Rを小さくした例であり、このような端面研磨装置では、研磨定盤10が第2の仮想円盤111との相対移動により描く軌跡が、図7に示すような細かな内トロコイドとなっている。 【0065】このような軌跡を描く駆動手段としても、勿論、上述した実施形態1と同様の効果を得ることができる。 【0066】(実施形態4)上述した実施形態1〜3では、端面研磨装置として、自転軸40の内側に第1の公転軸30を有し、自転軸40の外側に第2の公転軸70がある端面研磨装置を例示したが、本実施形態では、駆動手段の各軸の配置を変更した例である。 【0067】図8は、本発明の実施形態4に係る端面研磨装置の軸構造を示す概略断面図である。 【0068】図8に示すように、実施形態4の端面研磨装置の駆動手段は、第2の公転軸70内の所定量偏心した位置に第1の公転軸30が配置され、第1の公転軸30内の所定量偏心した位置に自転軸40が配置されている。 【0069】このような軸構造の端面研磨装置としても、勿論、上述した実施形態1〜3の軌跡となるように研磨定盤10を駆動することができる。 【0070】(実施形態5)図9は、本発明の実施形態5に係る端面研磨装置の軸構造を示す概略断面図である。 【0071】実施形態5では、上述した実施形態1〜4とは異なる軸構造とした例である。 【0072】図示するように、実施形態5の駆動軸は、第2の公転軸70の所定量偏心した位置に第1の公転軸30が配置され、第1の公転軸30の研磨定盤10側に自転軸の替わりに自転歯車40Aが配置されている。この自転歯車40Aは、第2の公転軸70の所定量偏心した位置に配置された伝達軸43と噛み合うことで自転回転を行うようになっている。 【0073】このような軸構造の端面研磨装置としても、勿論、上述した実施形態1〜3の軌跡となるように研磨定盤10を駆動することができる。 【0074】このように、本発明の端面研磨装置の軸構造は、特に限定されるものではない。 【0075】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形態1〜5を説明したが、端面研磨装置及び端面研磨方法の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。 【0076】例えば、上述した実施形態1〜3では、研磨定盤が第2の仮想円盤111との相対移動により描く軌跡が、内サイクロイド又は内トロコイドとしたが、これに限定されず、例えば、外サイクロイド又は外トロコイドとなるような軌跡としてもよい。 【0077】また、上述した実施形態1〜3では、駆動手段が、第1の仮想円盤110及び第2の仮想円盤111と、第2の仮想円盤111及び第3の仮想円盤112とが滑ることなく自転しながら移動するように研磨定盤10を駆動して、それぞれの相対移動による軌跡がルーレット形状となるようにしたが、これに限定されず、それぞれ自転しながら滑るように移動するように研磨定盤を駆動するようにしてもよい。このように駆動手段が研磨定盤を駆動しても、上述した実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。 【0078】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の端面研磨装置及び端面研磨方法によれば、治具盤を所定直径を有する第1の仮想円盤に固定し、第1の仮想円盤を自転させながら第2の仮想円盤の円周に沿って移動し且つ第2の仮想円盤を自転させながら第3の仮想円盤の円周に沿って移動するように治具盤に対して相対移動するように研磨盤を駆動する駆動手段を設けるようにしたため、研磨シートの寿命を長くすることができると共に棒状部材の研磨精度を向上することができる。また、研磨シートを効率よく使用することで、研磨時間を短縮することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002325 【氏名又は名称】セイコーインスツルメンツ株式会社 【住所又は居所】千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地
|
| 【出願日】 |
平成13年8月21日(2001.8.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096378 【弁理士】 【氏名又は名称】坂上 正明
|
| 【公開番号】 |
特開2003−62742(P2003−62742A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月5日(2003.3.5) |
| 【出願番号】 |
特願2001−250357(P2001−250357) |
|