| 【発明の名称】 |
眼鏡レンズ研削粉処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】森野 義男 【住所又は居所】東京都大田区蒲田5丁目40番16号 株式会社メガネドラッグ内
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| 【要約】 |
【課題】眼鏡レンズの研削加工で発生する研削粉を処理するため短時間で研削液から分離減量して処理業者に処理を委託することができる簡易な研削粉処理方法を提供する。
【解決手段】袋状フィルタ6を口を開けた状態で容器8の上に吊して、眼鏡レンズの研削廃液を袋状フィルタ6の中に注入して濾液を分離した後に、袋状フィルタ6ごと吊して放置し乾燥汚泥化してから廃棄処分する。研削液を研削液槽1に貯留して上澄み水2ができたときは、上澄み水2を汲み出して別途再利用し、残りの残滓3,4のみを掬い出して袋状フィルタ6に入れてもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 袋状フィルタを口を開けた状態で容器の上に吊して、眼鏡レンズの研削液の廃液を袋状フィルタに注入して濾液を分離した後に該袋状フィルタごと静置して乾燥汚泥化してから廃棄処分することを特徴とする眼鏡レンズ研削粉処理方法。 【請求項2】 前記袋状フィルタが濾布を上が開口する袋状に形成し開口部に1対の吊り手を設けたもので、吊り下げて使用することを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズ研削粉処理方法。 【請求項3】 前記廃液にガラスレンズの研削液が混入していることを特徴とする請求項1または2記載の眼鏡レンズ研削粉処理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡レンズの研削加工で発生する研削液廃液と研削粉の処理方法にに関する。 【0002】 【従来の技術】メガネを製作するには円形の原玉レンズからメガネ枠やデザインに合わせてレンズを削り出し加工を行う。研削加工は回転砥石で行うので、そのまま加工すると摩擦により高温になり眼鏡材料から悪臭が発生したり、眼鏡レンズが変質したり、粉塵が飛散して作業環境を汚したりする。このような現象を抑制し、また、工具を冷却して加工の能率を確保するため、研削液を使用する。 【0003】眼鏡レンズは、レンズ形状によるが平均すると約60%を削り落として形成する。プラスチックのプラスレンズでは研削重量が6gであるが、それより需要量の多いマイナスレンズでは平均18g程度削り落とすため、全体を平均すると1枚のレンズ当たり15gの研削粉が発生する。また、近年著しく使用量が減ったガラスレンズでは30g程度の研削粉が発生することになる。研削液は研削粉を取り込んで搬送し、性能が劣化するまで再使用することができる。プラスチックレンズの場合は、研削粉の割合が2%程度までは研削液として使用することができるが、これ以上研削粉の割合が増加すると研削に不具合が生ずるので廃液として処理するほかない。 【0004】眼鏡小売店においてレンズ研削をする場合は、使用後の研削液を研削機に付属した研削液槽に集め、循環して再利用する。ところが、プラスチックレンズは比重が1.1程度と水の比重に近い上、疎水性を有するため水中に懸濁して容易に沈殿しない。しかも、研削液層の容量は15から20リットル程度であるから、20から30枚程度の眼鏡レンズを作成しただけで研削液は廃棄しなければならなくなる。 【0005】なお、ガラスレンズの研削粉は、比重がほぼ2.5とプラスチックより重いうえ親水性を有し、良く沈殿して扱いも簡単である。しかし、眼鏡小売店では通常、プラスチックレンズとガラスレンズを同じ研削機で加工することが多い。プラスチック研削粉と共存させると取り扱いが困難な水分の多いヘドロ状となって槽の底に貯まるようになる。また、プラスチックレンズの研削粉は懸濁して沈殿しにくく、気泡と混じるとクリーム状になって液面に浮いたり槽壁に付着し容易に乾燥しないうえ、乾燥すると微粉体となって飛散するなど、取り扱いが困難である。 【0006】小規模な眼鏡店は、一部を除き下水排除水質規制が適用されないが、研削液にはレンズ材料から放出された成分が含まれるため、研削廃液に適当な処理をし基準をクリアしてから下水等に排泄することが好ましい。さらに、研削液の寿命を延ばすための界面活性剤など、原液に薬剤を添加してある場合は、そのまま廃棄しては不経済なので、研削粉をのぞいた残液を循環して再利用することが望ましい。また、研削粉を分離したときは、これを乾燥し減量化した後に廃棄物処理業者に払い出して処理することが望まれる。 【0007】しかし従来は、たとえば、研削液を研削液槽に溜めて放置することによりレンズ研削粉を底にヘドロ状に沈殿させてから処理する。通常、研削液槽では、底にヘドロ状研削粉、その上に上澄みとして研削液、表面上にクリーム状研削粉が形成される。分離した上澄みは回収して再利用したり中和して下水に捨てる。ヘドロ分およびクリーム分は別の容器に分け取り、長時間静置してさらに水分を分離し、上澄みを捨てて減量化して廃棄物処理業者に委託するなどしていた。十分に減量するためには、数日から数週間を掛ける必要があった。また、減量化を促進するため天日干しする方法もあるが、乾燥した粉末の飛散を防止することが容易でなかった。 【0008】しかし、沈殿物は水との親和性がよいため汚泥層に含まれる水分の水切りは難しく、汚泥搬出基準の含水率80%以下にするために、万年袋などに詰めてさらに長期間放置したり、重りを乗せて水を絞り出したりしていた。このような方法では放置期間が長いため処理能率が低く、また作業場のスペースを必要とする。さらに、放置期間が長いため汚泥から異臭が発生し作業環境を悪化させる要因になっていた。なお、熱をかけて乾燥を促進する方法は、材料に含まれるイオウなどの物質の影響で悪臭が発生し、作業環境を悪化させるので採用しがたい。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決しようとする課題は、眼鏡レンズの研削加工で発生する研削粉を処理するため短時間で研削液から分離し減量して処理業者に処理を委託することができる簡易な研削粉処理方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の眼鏡レンズ研削粉処理方法は、袋状フィルタを口を開けた状態で容器の上に吊して、眼鏡レンズの研削廃液を袋状フィルタの中に注入して濾液を分離した後に、袋状フィルタごと吊して放置し乾燥汚泥化してから廃棄処分することを特徴とする。研削液を研削液槽に貯留して上澄み水ができたときは、上澄み水を汲み出して別途再利用し、残りの残滓のみを掬い出して袋状フィルタに入れてもよい。袋状フィルタは、濾布を上が開口する袋状に形成し、開口部に1対の吊り手を設けて、吊り手を棹に掛けて吊り下げて使用するようにすることが好ましい。また、プラスチックレンズに使用した研削液とガラスレンズに使用した研削液を混入して、同じ袋状フィルターを使用することもできる。 【0011】本発明の眼鏡レンズ研削粉処理方法によれば、研削廃液もしくは汚泥状残滓を濾布で作った袋状フィルタに入れて吊すので、水分が濾布から外に染み出して下の容器に溜まり、研削粉は袋の中に残る。このとき、水分が染み出す間に残滓成分の研削粉が濾布の内側に堆積してさらに細かい毛管を形成するので、殆どの研削粉を袋内に捕らえることができる。一方、研削粉内に含まれる水分は、毛管現象で濾布の外側表面まで到達すると、濾布を伝わって下の容器に滴下する。なお、濾布は柔軟性があり袋状に形成されているので、内部に残される研削粉が減容するに連れて袋が縮まり、研削粉の塊はほぼ全表面が濾布に接触するようになるため、フィルタの排出面積を常に確保するので、水分の滲出は極めてスムーズに行われる。水の滲出をより効率よく行うため、木綿製のキャンバス地などを濾布として使用することが好ましい。また、濾過中にフィルタを振動させると、濾過効率が大幅に向上する。 【0012】下の容器に溜まった液体は回収して研削液として再利用することができる。また、水質調整した後に下水に放流しても良い。通常、研削液槽の底に溜まる汚泥分の含水率はほぼ90%程度、上層に浮かぶクリーム状物質の含水率は約65%あるが、両者を一緒にして袋状フィルタで処理することにより容易に含水率を50%程度にすることができる。液体が滴下しなくなった袋状フィルタは、そのまま風通しの良いところに吊り下げて数日間放置すると、含水率33%程度まで乾燥するので、乾燥汚泥として廃棄物処理業者に払い出すことができる。この方法では、研削粉が袋に納められた状態で乾燥されるので、乾燥過程で粉体化して飛散することもなく、周囲を汚染しない。 【0013】こうして、含水率98%、すなわち水分が研削粉の50倍もある状態から、含水率33%、すなわち水分が研削粉の半分しか含まれない状態まで減量化して廃棄物処理することができるので、眼鏡店における処理費用が節約できるばかりでなく処理業者においても高度な処分場を用いる必要が無く処分場における占有面積も小さくなるので処理経費が大幅に節減できる。袋状フィルタとして濾布で作った袋を利用すると、流動化で吐き出した水を直ちに濾過して分離するばかりでなく、研削粉が減容するに連れて袋が縮まり、フィルタの排出面積を常に確保するので、高能率で脱水処理ができる。このように、本発明の眼鏡レンズ研削粉処理方法を用いることにより、比較的小型の眼鏡レンズ製造業者においても高度な廃棄物処理を経済的に行って、環境の保全に貢献することができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の眼鏡レンズ研削粉処理方法について実施例に基づき図面を用いて詳細に説明する。ここで説明する実施例は発明の内容を制約するものではなく、理解を助けるために選ばれたものに過ぎず、当業者が特許請求の範囲の記載に基づいて想到しうる種々の態様が全て発明の内容を形成することはいうまでもない。 【0015】図1は本発明の眼鏡レンズ研削粉処理方法の実施例を示すフロー図、図2は研削廃液濾過装置の例を示す斜視図である。図1において、(a)は研削液槽1に研削液を溜めて静置し、液体成分2とヘドロ状成分3とクリーム状成分4に分離する工程を示し、(b)は袋状フィルタ6を棹7にぶら下げ下に容器8を据えて、袋状フィルタ6にクリーム状成分4とヘドロ状成分3を掬い入れて水切りする工程を示し、(c)は水切り後の固形成分を入れたまま袋状フィルタ6ごと支持棒9に吊り下げて放置し乾燥する工程を示す。 【0016】研削液は研削機から研削液槽に集められて固形成分を沈殿させ上澄み液を研削部に循環して再使用する。研削液中の固形成分割合が増加すると研削加工が円滑にできなくなるので、適当なタイミングを見計らって研削液を処分する。研削液は研削液槽1の中でヘドロ状成分3と液体成分2とクリーム状成分4に分離する。ヘドロ状成分3はガラスレンズとプラスチックレンズの研削粉が凝集してヘドロ化したもので含水率がほぼ90%程度あり、容器の底に沈殿して溜まっている。液体成分2は固形分が分離した上澄み液でヘドロ状成分3の上に溜まる。クリーム状成分4はプラスチックレンズの研削粉が気泡に包まれて浮上したもので含水率がほぼ65%程度あり、液体成分2の上に浮いている。 【0017】平行に渡された1対の棹7に釣り手を掛けて口が開くように袋状フィルタ6を吊り下げ、フィルタの下に貯水ペール8を据える。ヒシャクなどを用いて研削液槽1の上澄み2の上に浮かぶクリーム状成分4を掬い取り、袋状フィルタ6に移す。次に、底に溜まったヘドロ状成分3がこぼれない程度に研削液槽1を傾けて上澄み液2を容器5に取る。残ったヘドロ成分3を袋状フィルタ6に移す。容器5に取った液体は、研削液として使用できる場合は、研削機にあてがった研削液槽に戻して再利用する。また、適当な水質調整をすれば下水に流すこともできる。 【0018】袋状フィルタ6は、綿製のキャンバス地など濾布として適当な生地を上が開いた袋に縫って口の両側を繋ぐ吊し紐を取り付けたものである。適当な間隔を有する平行な2本の棹に吊し紐を渡して吊り下げると、口が開いて濾過したい物を簡単に受け入れることができる。また、1本の棹に吊し紐を掛けると、開口がすぼまり、内容物が乾燥しても簡単には飛散しないようになる。吊し紐は1本であってもよいが、吊された袋状フィルタの姿勢を安定させるためには幅の広い帯状の紐を用いるか、2本以上の紐を付けることが好ましい。 【0019】図2に示す装置は、袋状フィルタ6を用いた簡便な研削廃液濾過装置である。ペール8の上に1対の棹7を支持する架台11を載せる。袋状フィルタ6の側面に1対の吊し紐13が固定されていて、それぞれ1対の棹7を跨ぐように掛けられ袋状フィルタ6を吊り下げている。1対の棹7の間には梁12が渡されていて棹7の間隔を固定し、袋状フィルタ6に入れた物の重みで袋状フィルタ6の開口がすぼまらないようにしている。棹7の間に梁12をセットする代わりに、架台11の梁にストッパを設けてもよい。架台11の高さは、袋状フィルタ6底がペール8に溜まった液に触れないように決められる。なお、架台11には袋状フィルタ6に振動を与える振動モータやバイブレータなどを設置しても良い。 【0020】なお、袋状フィルタ6は、開口の両側に対向して縁に沿った1対の紐あるいは棒を固定し、口を広げて吊すときは間隔が開いた支持体に1対の紐あるいは棒を別々に掛けて開口させ、口をつぼめるときは紐あるいは棒を互いに近づけて支持するようにしても良い。さらにまた、口の対向する縁にそれぞれ独立した紐を設けて、口を開くときはそれぞれの紐を外側に引っ張るように固定し、口をすぼめるときは両方の紐の先端を近づけて止めるようにしても良い。 【0021】袋状フィルタ6に、研削液槽1のヘドロ状成分3とクリーム状成分4を入れると、研削粉に含みきれない液分は簡単に分離してフィルタ地を通して大量にペール8内に滴下する。分離しやすい液分を出し切ると、後は研削粉と馴染んで分離しにくい水分が間隙水として残る。間隙水は、毛管現象でゆっくりと滲み出し濾布まで達すると表面で集まって水滴になり濾布表面を伝い落ちて、ペール8に滴下する。布製のフィルタを用いるため、研削粉が減容するにつれてフィルタ地が変形して研削粉の外形に馴染み、常にフィルタ有効面積を最大の状態に維持し効率の高い濾過ができる。 【0022】このような状態で数分から数10分放置すると、プラスチックとガラスが混在する研削粉でも、含水率40%から60%の研削粉とほぼ同量の水分が含まれた状態まで脱水する。なお、濾過装置に加振装置を付属した場合は、袋状フィルタ6に振動を加えると、間隙水が分離して研削粉が液状化するので、水分が研削粉の表面に現れてきてフィルタ地を透過しペール8に滴下する。液状化現象は、水分が研削粉に対して60%程度になるまで観察され、数分間で終了する。この含水率は、従来法でほぼ2週間放置したときの値に当たるもので、脱水は著しく加速される。 【0023】袋状フィルタ6から液滴が発生しなくなったら、袋状フィルタ6を外して、適当な棹9またはフックに掛けて放置して乾燥させれば、さらに減量して3,4日で含水率が33%程度まで減少する。研削粉は袋に閉じ込められているので、乾燥に従って浮遊して飛散することがなく、環境の管理が容易である。乾燥した研削粉は、乾燥汚泥として産業廃棄物処理業者に払い出すことにより処理に掛かる費用を節約することができる。乾燥汚泥は処理場に対する負荷も小さいため、処理業者にとっても処理がし易い廃棄物となり処分費用の節約が可能である。なお、ペール8に溜まった研削液は、水質を調整してから処分する。 【0024】 【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明の眼鏡レンズ研削粉処理方法を用いることにより、レンズ研削機において発生する研削粉を短時間で簡単に分離して分別し廃棄物処理しやすい状態にしてから廃棄することができるので、比較的小型の眼鏡レンズ製造業者においても高度な廃棄物処理を経済的に行って、環境の保全に貢献することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597092679 【氏名又は名称】株式会社メガネドラッグ 【住所又は居所】東京都大田区蒲田5丁目40番13号
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| 【出願日】 |
平成13年7月12日(2001.7.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104341 【弁理士】 【氏名又は名称】関 正治
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| 【公開番号】 |
特開2003−25225(P2003−25225A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月29日(2003.1.29) |
| 【出願番号】 |
特願2001−212155(P2001−212155) |
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