トップ :: B 処理操作 運輸 :: B24 研削;研磨




【発明の名称】 研磨装置及び加工装置
【発明者】 【氏名】市川 憲一
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【氏名】寒河江 英利
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【氏名】張 軍
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【氏名】遠藤 弘之
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【要約】 【課題】本発明は安価かつ高精度に三次元自由自由曲面を加工することのできる研磨装置及び加工装置を提供する。

【解決手段】研磨装置10は、その中心軸11が加工装置1に取り付けられ、中心軸11の周囲に複数の工具15が放射状に配設されている。各工具15は、工具軸14に取り付けられ、工具軸14に固定された工具歯車13が、中心軸11に取り付けられた中心軸歯車12に歯合するとともに、工具フランジ17の内面に形成された内歯車19に歯合している。中心軸11が回転すると、工具軸歯車13が自転するとともに中心軸11の周りに回転して、工具15が自転するとともに、中心軸11の周りを回転し、工具15の押し当てられる加工物を研磨する。したがって、汎用の加工装置1に取り付けることで、簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面を高精度に研磨加工することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】回転軸の周囲に複数の工具が放射状に配設され、前記各工具の工具軸に取り付けられた遊星歯車が、前記回転軸に取り付けられた駆動歯車に歯合するとともに、当該回転軸の外方に当該回転軸の周方向に配設された内歯車に歯合して、自転するとともに前記回転軸周りに回転し、当該遊星歯車の取り付けられた工具軸に取り付けられている前記各工具が前記回転軸の回転に伴って回転して、当該工具の押し当てられる加工物を研磨することを特徴とする研磨装置。
【請求項2】前記各工具軸は、当該工具軸の軸方向に所定量移動可能に配設され、前記各工具は、当該工具の取り付けられている前記工具軸の前記移動に伴って当該工具軸の軸方向に所定量移動することを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
【請求項3】前記各工具は、前記回転軸との相対距離がそれぞれ個別に設定変更可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の研磨装置。
【請求項4】前記各工具は、前記回転軸の回転に対する回転比が設定変更可能であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の研磨装置。
【請求項5】前記各工具は、前記加工物に対する加圧力がそれぞれ個別に変更可能であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の研磨装置。
【請求項6】前記工具軸は、前記回転軸に対して所定の傾斜角度を有して配設されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の研磨装置。
【請求項7】前記工具は、砥石またはラップ工具であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の研磨装置。
【請求項8】研磨装置が着脱可能に取り付けられ、加工物を前記研磨装置で研磨加工する加工装置において、前記研磨装置は、前記請求項1から請求項7のいずれかに記載の研磨装置であることを特徴とする加工装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨装置及び加工装置に関し、詳細には、被加工物に三次元自由曲面を精度良くかつ安価に行う研磨装置及びこの研磨装置を備えた加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、三次元自由曲面のある金型等の研磨加工においては、加工装置を使用して熟練工が精密加工を行っていた。
【0003】そして、近年、機械化が進み、例えば、研磨工具を装着するエアモータを研磨装置本体にX軸、Y軸及びZ軸方向に変位可能に設け、研磨装置本体に設置したX軸、Y軸及びZ軸方向の変位検出器の出力からこれらの合成変位が一定になるようにエアモータと研磨ワークとをX軸、Y軸及びZ軸方向に相対的に追従制御するようになした研磨装置において、上記研磨工具内に外部から圧縮空気を導入し得る空間部を設けるとともに、この空間部の底面に下面へ貫通する多数の貫通孔を設け、これらの貫通孔にそれぞれブッシュに固定された棒状の研磨具を移動自在に嵌挿し、この棒状の研磨具に上記空間部に導入される圧縮空気によりそれぞれ一定圧力を付加させた曲面研磨装置(特開平5−208357号公報参照)や接触面に砥粒を形成して複数の通気孔を設け被研磨体の研磨面に対応する形状に形成され気室を設けた研磨台と、該研磨台を軸方向に摺動自在に保持する工具本体と、該工具本体を介して前記研磨台を被研磨体の表面に接触させて駆動する駆動手段と、前記研磨台の気室に連通されて該気室を負圧にして前記通気孔から吸気させる気圧源とを具備し、該気圧源により負圧の圧力を調節して前記研磨台と被研磨体の接触圧を設定するように構成した研磨装置(特開平5−16065号公報参照)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の研磨装置にあっては、高価であり、安価に三次元自由曲面を加工することのできる研磨装置及び加工装置が要望されている。
【0005】そこで、請求項1記載の発明は、回転軸の周囲に複数の工具が放射状に配設され、各工具の工具軸に取り付けられた遊星歯車が、回転軸に取り付けられた駆動歯車に歯合するとともに、当該回転軸の外方に当該回転軸の周方向に配設された内歯車に歯合して、自転するとともに回転軸周りに回転し、当該遊星歯車の取り付けられた工具軸に取り付けられている各工具が回転軸の回転に伴って回転して、工具の押し当てられる加工物を研磨することにより、汎用の加工装置等の回転軸に取り付けることで、簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面を高精度に研磨加工することのできる研磨装置を提供することを目的としている。
【0006】請求項2記載の発明は、各工具軸を、当該工具軸の軸方向に所定量移動可能に配設し、各工具を、当該工具の取り付けられている工具軸の移動に伴って工具軸の軸方向に所定量移動可能とすることにより、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することのできる研磨装置を提供することを目的としている。
【0007】請求項3記載の発明は、各工具を、回転軸との相対距離がそれぞれ個別に設定変更可能なものとすることにより、個々の工具による加工軌跡の他の工具の加工軌跡との干渉を防止し、加工能率及び加工精度をより一層向上させることのできる研磨装置を提供することを目的としている。
【0008】請求項4記載の発明は、各工具を、回転軸の回転に対する回転比が設定変更可能なものとすることにより、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することのできる研磨装置を提供することを目的としている。
【0009】請求項5記載の発明は、各工具を、加工物に対する加圧力がそれぞれ個別に変更可能なものとすることにより、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することのできる研磨装置を提供することを目的としている。
【0010】請求項6記載の発明は、工具軸を、回転軸に対して所定の傾斜角度を有して配設することにより、工具軸の加工物に対する加工接点の数を増やし、砥石等の目詰まりや砥石等の偏摩耗等を防止するとともに、工具側を回転軸に接近する方向に傾斜させることで、工具先端での中心間距離を狭めて狭い箇所の研磨加工をも可能とし、また、工具側を回転軸から離隔する方向に傾斜させることで、広範囲の加工を可能として、加工能率及び加工精度を向上させることのできる研磨装置を提供することを目的としている。
【0011】請求項7記載の発明は、工具を、砥石またはラップ工具とすることにより、砥石を用いた研磨加工を行い、また、研磨材を使用するラップ加工、ポリッシング加工での加工をも行い、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することのできる研磨装置を提供することを目的としている。
【0012】請求項8記載の発明は、研磨装置が着脱可能に取り付けられ、加工物を研磨装置で研磨加工する加工装置の当該研磨装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の研磨装置を取り付けることにより、回転軸に研磨装置を取り付けることで、簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面を高精度に研磨加工することのできる加工装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の研磨装置は、回転軸の周囲に複数の工具が放射状に配設され、前記各工具の工具軸に取り付けられた遊星歯車が、前記回転軸に取り付けられた駆動歯車に歯合するとともに、当該回転軸の外方に当該回転軸の周方向に配設された内歯車に歯合して、自転するとともに前記回転軸周りに回転し、当該遊星歯車の取り付けられた工具軸に取り付けられている前記各工具が前記回転軸の回転に伴って回転して、当該工具の押し当てられる加工物を研磨することにより、上記目的を達成している。
【0014】上記構成によれば、回転軸の周囲に複数の工具が放射状に配設され、各工具の工具軸に取り付けられた遊星歯車が、回転軸に取り付けられた駆動歯車に歯合するとともに、当該回転軸の外方に当該回転軸の周方向に配設された内歯車に歯合して、自転するとともに回転軸周りに回転し、当該遊星歯車の取り付けられた工具軸に取り付けられている各工具が回転軸の回転に伴って回転して、工具の押し当てられる加工物を研磨するので、汎用の加工装置等の回転軸に取り付けることで、簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面を高精度に研磨加工することができる。
【0015】この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記各工具軸は、当該工具軸の軸方向に所定量移動可能に配設され、前記各工具は、当該工具の取り付けられている前記工具軸の前記移動に伴って当該工具軸の軸方向に所定量移動するものであってもよい。
【0016】上記構成によれば、各工具軸を、当該工具軸の軸方向に所定量移動可能に配設し、各工具を、当該工具の取り付けられている工具軸の移動に伴って工具軸の軸方向に所定量移動可能としているので、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することができる。
【0017】また、例えば、請求項3に記載するように、前記各工具は、前記回転軸との相対距離がそれぞれ個別に設定変更可能なものであってもよい。
【0018】上記構成によれば、各工具を、回転軸との相対距離がそれぞれ個別に設定変更可能なものとしているので、個々の工具による加工軌跡の他の工具の加工軌跡との干渉を防止することができ、加工能率及び加工精度をより一層向上させることのができる。
【0019】さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記各工具は、前記回転軸の回転に対する回転比が設定変更可能なものであってもよい。
【0020】上記構成によれば、各工具を、回転軸の回転に対する回転比が設定変更可能なものとしているので、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することができる。
【0021】また、例えば、請求項5に記載するように、前記各工具は、前記加工物に対する加圧力がそれぞれ個別に変更可能なものであってもよい。
【0022】上記構成によれば、各工具を、加工物に対する加圧力がそれぞれ個別に変更可能なものとしているので、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することができる。
【0023】さらに、例えば、請求項6に記載するように、前記工具軸は、前記回転軸に対して所定の傾斜角度を有して配設されているものであってもよい。
【0024】上記構成によれば、工具軸を、回転軸に対して所定の傾斜角度を有して配設しているので、工具軸の加工物に対する加工接点の数を増やすことができ、砥石等の目詰まりや砥石等の偏摩耗等を防止することができるとともに、工具側を回転軸に接近する方向に傾斜させることで、工具先端での中心間距離を狭めて狭い箇所の研磨加工をも可能とし、また、工具側を回転軸から離隔する方向に傾斜させることで、広範囲の加工を可能として、加工能率及び加工精度を向上させることができる。
【0025】また、例えば、請求項7に記載するように、前記工具は、砥石またはラップ工具であってもよい。
【0026】上記構成によれば、工具を、砥石またはラップ工具としているので、砥石を用いた研磨加工を行うことができ、また、研磨材を使用するラップ加工、ポリッシング加工での加工をも行うことができ、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することができる。
【0027】請求項8記載の発明の加工装置は、研磨装置が着脱可能に取り付けられ、加工物を前記研磨装置で研磨加工する加工装置において、前記研磨装置は、前記請求項1から請求項7のいずれかに記載の研磨装置であることにより、上記目的を達成している。
【0028】上記構成によれば、研磨装置が着脱可能に取り付けられ、加工物を研磨装置で研磨加工する加工装置の当該研磨装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の研磨装置を取り付けているので、加工装置の回転軸に研磨装置を取り付けることで、簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面を高精度にかつ安価に研磨加工することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0030】図1及び図2は、本発明の研磨装置及び加工装置の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の研磨装置及び加工装置の一実施の形態を適用した加工装置1の要部正面図である。
【0031】図1において、加工装置1は、金型等の三次元自由曲面の加工を必要とする加工物を研磨加工するものであり、研磨装置10が取り付けられている。
【0032】研磨装置10は、中心軸(回転軸)11、中心軸歯車(駆動歯車)12、工具軸歯車(遊星歯車)13、工具軸14、工具15、外被部16、工具軸フランジ17及び弾性体18等を備えており、中心軸11は、加工装置1に取り付けられてその軸周りに回転駆動される。
【0033】研磨装置10は、図2に示すように円筒形状の外被部16に覆われており、外被部16は、加工装置1に接続されて回転することなく固定されている。上記中心軸11は、この外被部16の中心部に侵入しており、中心軸11の途中に中心軸歯車12が固定されている。
【0034】中心軸歯車12には、複数(本実施の形態では、2個)の工具軸歯車13が歯合しており、工具軸歯車13は、工具軸14に一体形成されている。工具軸14は、その先端部に工具15が取り付けられており、その基端部とその先端側の工具15よりも基端側部分の2箇所で工具軸フランジ17に回転可能に支持されている。また、工具軸14は、工具軸フランジ17により、所定量軸方向に移動可能に支持されており、工具軸フランジ17の基端側と工具軸歯車13の間には、弾性体18が配設されている。弾性体18は、工具15の加工物に対する加工圧を調整するものであり、例えば、コイルスプリングやその他の弾性体が用いられているが、圧力を一定に保つために弾性体18の代わりに、錘を設けてもよい。したがって、工具15の加工物に対する加工圧を適切に設定することができる。工具軸フランジ17は、その基端側と先端側とを連結する壁面の内面に、図2に示すように、内歯車19が形成されており、上記工具軸歯車13は、中心軸歯車12に歯合しているとともに、内歯車19に歯合している。そして、上記外被部16は、工具軸フランジ17の外側を覆うとともに、工具軸フランジ17を回転可能に保持している。
【0035】上記工具15としては、砥石を用いることができるが、砥石に限るものではなく、例えば、ラップ工具を用いてもよい。
【0036】次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の加工装置1及び研磨装置10を使用して、金型等の加工物に三次元自由曲面を加工する際、工具15を加工物に押し当てて、中心軸11を回転駆動させることで、複数(2個)の工具15を回転させて、研磨加工する。
【0037】すなわち、研磨装置10は、中心軸11が研磨装置1により回転駆動されると、中心軸11に固定されている中心軸歯車12が回転し、中心軸歯車12が回転すると、工具軸歯車13が回転する。この工具軸歯車13は、図2に示すように、中心軸歯車12に歯合しているとともに、工具軸フランジ17の内面に形成された内歯車18に歯合しており、自らその軸中心、すなわち、工具軸14の軸中心を中心として回転するとともに、工具軸フランジ17とともに中心軸11の周りを回転するいわゆる遊星運動を行う。
【0038】工具軸歯車13が自ら回転するとともに、中心軸11の周囲を回転することで、工具軸14も一緒に自らの軸周りに回転するとともに、中心軸11の周囲を回転し、工具軸14の回転に伴って、工具軸14の先端部に取り付けられた工具15が自らの軸周りに回転するとともに、中心軸11の周囲を回転するという2重の回転を行って、加工物を研磨加工する。
【0039】このように、本実施の形態の加工装置1及び研磨装置10は、汎用の工作機械である加工装置1に研磨装置10を取り付けることで、簡単に金型等の加工物に三次元自由曲面を研磨加工することができ、安価にかつ容易に3次元自由曲面を高精度に研磨加工することができる。
【0040】また、本実施の形態の加工装置1及び研磨装置10は、複数の工具15を遊星運動させるとともに、複数の工具15を個々に自転させるという2重の回転運動で回転させて、加工物を研磨することができ、より高精度にかつ容易に3次元自由曲面を加工することができる。
【0041】さらに、本実施の形態の加工装置1及び研磨装置10は、工具15の取り付けられている工具軸14が工具軸フランジ17に回転可能にかつ軸方向に移動可能に支持されており、軸方向に弾性体18で付勢されているため、加工物に対する工具15の加工圧力を適切に調整することができ、より高精度にかつ容易に3次元自由曲面を加工することができる。
【0042】また、工具15として、研磨材を使用するラップ工具を用いると、ラップ加工及びポリッシング加工での加工を行うことができる。
【0043】なお、本実施の形態においては、工具軸14及び工具15を2個設けているが、工具15の数は、2個に限るものではなく、レイアウト上で許される範囲で適宜の数を設けることができる。
【0044】また、上記実施の形態においては、工具軸歯車13の直径を全て同じにして、中心軸11と工具軸14との間隔を全ての工具軸14で同じにしているが、図3に示すように、直径の異なる工具軸歯車13A、13Bを工具軸14A、14Bに取り付けて、工具軸14A、14Bに取り付けられている工具15A、15Bの中心軸11の中心からの間隔A、間隔Bを異なる(A<B)ようにしてもよい。
【0045】このようにすると、他の工具15との加工軌跡の干渉がなくなり、加工能率及び加工精度をより一層向上させることができるとともに、歯車比を変えることができ、中心軸11の回転に対する工具軸14Aと工具軸14Bの回転数、すなわち、工具15Aと工具15Bの回転数を変えることができ、加工精度をより一層向上させることができる。
【0046】さらに、上記実施の形態においては、工具軸14を中心軸11に平行に配設しているが、工具軸14は、中心軸11に平行に配設するものに限るものではなく、例えば、図4に示すように、中心軸11に対して、工具軸14C、14Dの先端側が中心軸11に接近する方向に所定角度傾斜した状態で工具軸14C、14Dが配設されていてもよい。この場合、例えば、中心軸歯車12Aを軸方向に薄く形成し、工具軸歯車13C、13Dを軸方向に厚く形成して、傾斜した状態で適切に歯合するようにする。
【0047】このようにすると、傾斜する工具軸14C、14Dの先端部に取り付けられた工具15C、15Dの先端が傾斜した状態で加工物と接触することとなり、加工物に対して加工接触点が工具15C、15Dの先端の中心よりも離れるため、加工物と工具15C、15Dとの加工接触箇所が、傾斜をしていない場合に比較して、増加することになる。その結果、加工能率が向上するとともに、加工精度、例えば、工具15C、15Dである砥石等の目詰まりや砥石等の偏摩耗を防止することができる。また、図4のように、工具軸14C、14Dを、工具軸14C、14Dの先端側が接近する方向に傾斜させると、工具15C、15Dの間隔が狭められ、狭い箇所での研磨加工を容易に行うことができる。
【0048】なお、工具軸14C、14Dの傾斜方向は、図4に示したように先端側が狭くなる傾斜方向に限るものではなく、例えば、工具軸14C、14Dの先端側が広くなる方向に傾斜させてもよく、また、傾斜角度も、適宜設定することができる。工具軸14C、14Dの傾斜方向を先端側が広くなる方向に傾斜させると、工具15C、15Dの間隔が広がり、加工効率を向上させることができる。
【0049】以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の発明の研磨装置によれば、回転軸の周囲に複数の工具が放射状に配設され、各工具の工具軸に取り付けられた遊星歯車が、回転軸に取り付けられた駆動歯車に歯合するとともに、当該回転軸の外方に当該回転軸の周方向に配設された内歯車に歯合して、自転するとともに回転軸周りに回転し、当該遊星歯車の取り付けられた工具軸に取り付けられている各工具が回転軸の回転に伴って回転して、工具の押し当てられる加工物を研磨するので、汎用の加工装置等の回転軸に取り付けることで、簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面を高精度に研磨加工することができる。
【0051】請求項2記載の発明の研磨装置によれば、各工具軸を、当該工具軸の軸方向に所定量移動可能に配設し、各工具を、当該工具の取り付けられている工具軸の移動に伴って工具軸の軸方向に所定量移動可能としているので、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することができる。
【0052】請求項3記載の発明の研磨装置によれば、各工具を、回転軸との相対距離がそれぞれ個別に設定変更可能なものとしているので、個々の工具による加工軌跡の他の工具の加工軌跡との干渉を防止することができ、加工能率及び加工精度をより一層向上させることのができる。
【0053】請求項4記載の発明の研磨装置によれば、各工具を、回転軸の回転に対する回転比が設定変更可能なものとしているので、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することができる。
【0054】請求項5記載の発明の研磨装置によれば、各工具を、加工物に対する加圧力がそれぞれ個別に変更可能なものとしているので、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することができる。
【0055】請求項6記載の発明の研磨装置によれば、工具軸を、回転軸に対して所定の傾斜角度を有して配設しているので、工具軸の加工物に対する加工接点の数を増やすことができ、砥石等の目詰まりや砥石等の偏摩耗等を防止することができるとともに、工具側を回転軸に接近する方向に傾斜させることで、工具先端での中心間距離を狭めて狭い箇所の研磨加工をも可能とし、また、工具側を回転軸から離隔する方向に傾斜させることで、広範囲の加工を可能として、加工能率及び加工精度を向上させることができる。
【0056】請求項7記載の発明の研磨装置によれば、工具を、砥石またはラップ工具としているので、砥石を用いた研磨加工を行うことができ、また、研磨材を使用するラップ加工、ポリッシング加工での加工をも行うことができ、より簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面をより高精度に研磨加工することができる。
【0057】請求項8記載の発明の加工装置によれば、研磨装置が着脱可能に取り付けられ、加工物を研磨装置で研磨加工する加工装置の当該研磨装置として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の研磨装置を取り付けているので、加工装置の回転軸に研磨装置を取り付けることで、簡単かつ効率的に金型等の加工物に三次元自由曲面を高精度にかつ安価に研磨加工することができる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号
【出願日】 平成13年7月13日(2001.7.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−25222(P2003−25222A)
【公開日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願番号】 特願2001−213489(P2001−213489)